減少する労働基準監督署への申告事案 過去10年間で最少

減少する労働基準監督署への申告事案 過去10年間で最少 労働トラブルの件数は高止まりしているという印象を受けていますが、労働基準監督署への申告(労働者から労働基準監督機関に対して、労働基準関係法令に係る違反事実の通告がなされること)事案は確実に減少してきています。そこで今回は東京労働局がまとめた管下18の労働基準監督署(支署)における平成25年の申告事案の概要について取り上げましょう。
申告受理件数
 5,051件(対前年比 ▲592 件 ▲10.5%)
申告事案の内容
 以下の2件で事案全体の90%を占めている。
 賃金不払 4,210件(対前年比 ▲533 件 ▲11.2%)
 解雇 830件(対前年比 ▲ 93 件 ▲10.1%)
業種別件数
 1.商業 1,232件 2.接客・娯楽業 1,031件 3.その他の事業 938件

 このように東京都の平成25年の申告受理件数はリーマンショックで労働問題が多発した平成21年度をピークに4年連続で減少し、過去10年で最少となっています。景気の回復により減少しているという見方もできるとは思いますが、現実にはこの統計に表れない「いじめ・嫌がらせ」など民事上の個別労働紛争に課題が移っていると見ることもできるのではないでしょうか。


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参考リンク
東京労働局「平成25年申告事案の概要について」
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/news_topics/houdou/2014/_120451.html

(大津章敬)

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