精神障害の労災補償状況 請求件数は過去最高も認定率は若干低下
先週金曜日、注目されていた平成25年度の「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」が公表されました。本日はこの中から精神障害に関する事案の労災補償状況について取り上げましょう。
そのポイントをまとめると以下のようになります。
請求件数は1,409件で、前年度比152件増となり、過去最多。
支給決定件数は 436件(前年度比 39件の減)で、4年振りに減少。
認定率は36.5%で、前年比2.5ポイントの低下。
2011年12月に精神障害の労災認定基準が改定されましたが、その認知が進んだことにより、請求件数が増加したと考えられます。一方で、決定件数(当該年度内に業務上または業務外の決定を行った件数)が減少したことは、審査の遅れがあったのかも知れません。その結果、支給決定件数が減少したと予想されます。
メンタルヘルス不調はいまでは企業の人事労務管理における最重点ポイントとなっています。職場の環境が原因で、社員がこのような問題を抱えるというのは悲しい以外の言葉が見当たりません。リスクマネジメントという観点だけではなく、社員と会社の信頼の問題として捉え、その予防を進めていかなければなりません。
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参考リンク
厚生労働省「平成25年度「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」を公表」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000049293.html
(大津章敬)
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/
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