来年から定年再雇用者と高度専門知識を有する有期雇用者は労働契約法の無期転換から除外に

roukei 平成25年4月1日から改正労働契約法が施行され、有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できる制度ができました。

 その後、ブログ記事「労契法無期労働契約への転換 大学教員等は特例で5年が10年に延長」で取り上げたとおり、平成26年4月1日から大学等及び研究開発法人の研究者、教員等に対しては、特例が設けられるという状況になっていましたが、昨日、開催された衆議院の本会議で「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」が成立し、新たに特例となる労働者の範囲が拡大されました。

 この法律により新たに特例の対象者となる労働者は2つあり、以下のとおりです。

5年を超える一定の期間内に完了することが予定されている業務に就く高度専門的知識等を有する有期雇用労働者
定年後に有期契約で継続雇用される高齢者

 特に、前回行われた労働契約法の改正では、について無期転換の対象としてされていたことに伴い、実務上、第二定年を設けるといった対応をされた企業もあるでしょう。また、については、2020年の東京オリンピックに関係した業務に就く専門的知識を有する労働者を想定しているとも言われており、成立を待ち望んでいた事業主もいるかと思います。

 今後、正式な公告後に、「事業主が行う特定有期雇用労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置に関する基本的な指針」(基本指針)が設けられ、この特例を適用するために必要な雇用措置計画の詳細等が定められると思われます。なお、施行は、平成27年4月1日とされています。

 今後も当ブログでは、この特例に関する情報を発信していく予定ですのでご期待ください。


関連blog記事
2014年6月16日「無期労働契約転換申込権発生前に実施する能力試験と雇い止め」
https://roumu.com
/archives/52039484.html

2014年3月20日「派遣法、安衛法など通常国会で審議される改正法案の一枚もの概要資料」
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2014年3月10日「定年後継続雇用者に関する労働契約法の特例 求められる雇用措置計画の認定」
https://roumu.com
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2014年2月24日「労働契約法 事前認定制度など無期転換ルールの特例の詳細が明らかに」
https://roumu.com
/archives/52027596.html

2014年2月19日「労契法無期転換ルール 高度専門労働者と高齢者の特例が設定へ」
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2014年2月5日「労働契約法 高度専門労働者と高齢者について無期転換ルール特例設定の議論がスタート 」
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/archives/36105183.html
2013年12月20日「労契法無期労働契約への転換 大学教員等は特例で5年が10年に延長」
https://roumu.com
/archives/52020279.html

参考リンク
厚生労働省「第186回国会(常会)提出法律案」
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/186.html

(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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