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民法改正により身元保証契約に大きな影響があります

 10月になったというのにこの暑さ。なによりも暑いのが苦手な大熊にとっては厳しい秋となっている。


大熊社労士
 おはようございます!
服部社長服部社長
 おはようございます。10月になったというのに毎日暑いですね。せっかくのいい季節なのですから、公園でゆっくり読書でもしたいのに、まだそんな気温ではないですね。
大熊社労士
 本当にそうですね。さすがに夜は少し涼しくなりましたが、昼間はまだBBQと生ビールといった雰囲気です。
福島さん
 そう思って、応接室の冷房は少し寒いくらいにしておきましたよ(笑)。
大熊社労士
 そうだったのですね、ありがとうございます。部屋は涼しいです(笑)。さて、今日は来春(2020年4月)の民法改正の影響についてお話しようと思っています。
服部社長
 民法ですか。
大熊社労士
 はい、民法は来年4月に制定以来121年ぶりと言われる抜本改正が行われます。人事労務管理にも影響がある部分があるのですが、その中でも今日は身元保証に関する影響をお伝えします。宮田部長、社員を採用する際、身元保証書を取っていらっしゃいましたよね?
宮田部長
 はい、昔からもらっています。
大熊社労士
 身元保証契約というのは、その従業員がなんらかのトラブルを起こし、会社に損害を与えた場合に、連帯してその賠償を行うというものです。今後、身元保証人にそのような賠償責任を負わせる場合には、その限度額(極度額)を定めておかなければならないことになります。
福島照美福島さん
 ということは例えば、1,000万円まで賠償させることがあるといったようなことを身元保証書に記載しないといけないということなのですか?
大熊社労士
 要はそういうことです。
宮田部長宮田部長
 えーっ!そんな生々しいことを書いたら、誰も身元保証人になってくれなくなるのではないですか?現状でも身元保証人がいないのでどうしたらいいかという話が多いのに。
大熊社労士
 ですよね。だから影響があるとお伝えしているのです。今回の民法改正では個人保証人の保護を強化することが大きな目的となっているので、いわゆる根保証契約に関しては極度額を定めなければならないとしているのです。
服部社長
 なるほど、それでは当社としてどうするかという議論が必要になりますね。う~ん、宮田部長。そもそも、これまでこの身元保証契約に基づいて身元保証人になんらかの賠償を請求した事案なんてあっただろうか?
宮田部長
 いや、ないと思います。ただ、急に欠勤した場合に連絡をしたり、病気休職中にその健康管理の指導をお願いしたりといったことはあったと思います。
服部社長
 やはり、そうだよな。大熊さん、そもそも身元保証人は必要なのでしょうか?
大熊社労士大熊社労士
 ポイントはそこですよね。今回の法改正を機に、そもそも身元保証人は必要なのか、またその目的は何なのかを検討するのがよいと思います。
服部社長
 極度額について、本当に大きな損害などが発生することもなくはないので、例えば1億円などに設定したとしたら、身元保証人になど誰もなってくれないでしょう。かといって数十万ではあまり意味はない。であるとすれば、金銭面の賠償は求めず、その従業員が健康かつ真面目に職務に取り組んでもらうような生活面の指導などをお願いするような内容で見直してはどうかと思います。大熊さん、どうでしょうか?
大熊社労士
 私も同意見です。身元保証の制度は多くの企業で既に形骸化していますので、いまのお話のようにゼロベースで再検討するのがよいのではないでしょうか。
服部社長
 わかりました。宮田部長、それではいまの方向性案をまとめてもらえますか?
宮田部長
 はい、承知しました!

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。今回は来春に行われる民法改正の中から、身元保証契約に関する影響と対応について取り上げました。労働法ではないことから、どうしても対応が遅れがちになっているケースが多いように感じていますが、現実にはかなり影響が大きな改正ですので、早めに対応を進めることが望まれます。

[関連条文]
改正第465条の2(個人根保証契約の保証人の責任等)
 一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約(以下「根保証契約」という。)であって保証人が法人でないもの(以下「個人根保証契約」という。)の保証人は、主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのもの及びその保証債務について約定された違約金又は損害賠償の額について、その全部に係る極度額を限度として、その履行をする責任を負う。
2.個人根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない。
3.第446条第2項及び第3項の規定は、個人根保証契約における第1項に規定する極度額の定めについて準用する。


参考リンク
法務省「2020年4月1日から保証に関する民法のルールが大きく変わります」
http://www.moj.go.jp/content/001254262.pdf

(大津章敬)

今後、男性の育児休業取得が急増しそうですよ

 ラグビーワールドカップでの日本の歴史的勝利で気分よく週末を過ごした大熊であった。


大熊社労士
 おはようございます。
服部社長服部社長
 大熊さん、おはようございます。そういえば大熊さん、ラグビーがお好きだったから、結構盛り上がっているのではないですか?
大熊社労士
 はい、そうなんですよ。この週末も試合観戦に行ってきたのですが、なんといってもジャパンがアイルランドを撃破した試合ですよね。いやぁ、あれは盛り上がりました。
福島照美福島さん
 すごい試合でしたよね。私も自宅で見ていたのですが、最後の最後までドキドキしっ放しで、試合が終わったときには大騒ぎしちゃいました。
大熊社労士
 本当にすごかったですね。あと2試合も勝って、目標であるベスト8に進出して欲しいと思っています。さてさて、今日は男性の育児休業に関する意識調査結果をお持ちしました。かなりのスピードで時代が変わっていると感じる内容です。
服部社長
 そうなのですね。どんな内容ですか?
大熊社労士
 はい、これはエン・ジャパン株式会社が、同社のサイトを利用している35歳以上のユーザーを対象に実施したもので、男女2,509名からの回答を集計したものになります。まず、男性を対象とした「もしこれから子供が生まれるとしたら、育休を取得したいと思いますか?」という質問については、86%が「取得したい」(積極的に取得したい:41%、できれば取得したい:45%)と回答しています。
宮田部長宮田部長
 86%が取得したいですか?!本当に時代は変わったものですね。私の時代にはそんなこと、考えたことさえなかったですし、子どもが産まれるという日であっても仕事をしているのは当然でしたよ。
服部社長
 確かに昔はそうだったな。しかし、それにしても86%とは。この感じだと、当社でも男性の育児休業申請が近いうちに上がってくるかも知れないな。
福島さん
 はい、そうだと思います。私には最近、男性社員から育児休業は取れるのかという質問がたまに入るので、そのうち、申請があると思いますよ。
服部社長
 なるほど。まあ、うまく仕事の引継ぎをしてくれるのであれば、取得してもらったも構わないですが…。ちなみに、男性の育児休業の場合も、子どもが1歳になるまでといった感じで長く取得されるものなのでしょうか?
大熊社労士大熊社労士
 いえいえ、育児休業の期間については男女でかなりの差があり、「男性が育休を取得する際の妥当な期間はどのくらいだと思いますか?」との質問への回答で一番多かっのは「1ヶ月~3ヶ月未満」(23%)でした。また男性で育休を実際に取得した人の取得期間(実績)については、「3日~5日未満」(26%)が最多となっており、あくまでもスポット的に取得しているのが実態であるようです。
服部社長
 なるほど、よくわかりました。取得期間は短くとも、育児休業を希望する男性従業員の増加は確実なようです。当社でも申請があった際に慌てないよう、スタッフに指示しておきます。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。育児休業については男性の取得義務化の議論が出ていますが、若手従業員の意識はもっと進んでいて、取得以降が相当強まっています。今後、男性についても育児休業を取得するケースが増えると思いますので、その体制歳暮日を進めておきましょう。


参考リンク
エン・ジャパン「ミドル2500人に聞く「男性育休」実態調査」
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2019/19305.html

(大津章敬)

 

従業員代表を適正に選任するためにはどのような手続きを行えばよいのでしょうか?

A 投票、挙手等の民主的な手続きによって従業員の過半数の支持を得ることが必要です。

1.過半数代表者とは
 「時間外労働・休日に関する協定」(36協定)の締結等を行う場合、その事業場の過半数代表者を選出し、その者を労働者側の締結当事者としなければなりません。

2.過半数代表者の要件
 過半数代表者は労使協定の締結や就業規則の変更等、特定の事項において事業場の労働者の代表とならなければなりませんので、当該事業場における就業の実態を踏まえた対応ができる者であることが望ましいでしょう。過半数代表者の選出に当たっては管理監督者に該当する可能性のある人は避けなければなりません。具体的に管理監督者とは部長や工場長など、労働条件の決定その他労務管理において経営者と一体的な立場にある人のことをいいます。

 ここで注意が必要なのが、過半数の母数となる労働者の範囲です。ここでいう労働者とは期間の定めの有無やフルタイムか短時間か等の雇用形態にかかわらず、その事業場において労務提供を行う労働基準法上の労働者全員を指しますので、正規労働者だけでなく、パートや期間雇用労働者などの非正規労働者も含まれることになります。

3.過半数代表者の選出手続き
 過半数代表者の選出手続きは投票や挙手などが一般的ですが、労働者の話し合いや持ち回り決議等でも問題ありません。ただし、労働者の過半数がその人の選任を支持していることが明確になる民主的な手続きが採られていることが必要になり、選出手続きに参加できる者はパートやアルバイト等を含めたすべての労働者になります。

 また、会社の代表者が特定の労働者を指名するなど、使用者の意向によって過半数代表者が選出された場合、その36協定は無効になります。親睦会の幹事などを過半数代表者にした場合においても、その人は36協定を締結するために選出されたわけではないので、改めて36協定の締結当事者となることについて信任を得る必要があります。

(渡たかせ)

 

亀田高志医師による「メンタル不調相談への助言指導を時系列で理解する実践講座」東京と大阪で開催

 うつ病等のメンタルヘルス不調が散見され、厚生労働省によって職場のメンタルヘルス対策が推進されるようになって20年が経ちました。しかし、行政から示される方法論や判例を見るだけでは、顧問先からの事例の相談に対して、合理的な解決を導くアドバイスはできません。そこで今回のセミナーでは、不調の問題への理解を深め、関係者が納得できる方向に導くコツを、社会保険労務士の立場に立って具体的に解説します。
※社会保険労務士以外のみなさまもお申込みいただけます。


顧問先からのメンタル不調の相談への助言指導を時系列で理解する実践講座
 不調の本質、司法と行政の考え方、職場側に必要な理解、早期発見から職場復帰までの流れを具体的に、そして実例を挙げながら解説
講師:亀田高志氏 株式会社健康企業 代表・医師


(1)そもそもメンタルヘルス不調とはどのような病気なのか?
(2)職場で求められる不調者への対応はどのようなものか?
(3)ラインケアとはどのような考え方なのか?
(4)職場復帰支援の流れと対応の実際は?
(5)未然防止と早期発見は可能か?
(6)事例別の助言・指導のポイントは?
(7)不調に含まれる問題社員への対応は?
(8)盲点となりがちな健康情報管理とは?

[日時および会場]
東京会場
2019年12月6日(金)午後1時30分~午後4時30分
 名南経営東京事務所 セミナールーム(神保町)
大阪会場
2019年12月3日(火)午後1時30分~午後4時30分
 エル・おおさか 709号室(天満橋)

[講師プロフィール]
亀田高志氏
株式会社健康企業 代表・医師
 1991年産業医科大学医学部卒。大手企業専属産業医、産業医科大学講師、産業医科大学設立によるベンチャー企業の創業社長を経て、現在はメンタルヘルス実務対応や健康経営、高年齢労働対策のコンサルティングや講演、研修、専門家向けの啓発活動、メンタルヘルス対策に関連する事業化の支援も行なっている。日本内科学会認定内科医、労働衛生コンサルタント等の資格を持ち、九州を中心とする社会保険労務士がメンタルヘルス対策を学ぶ健康企業推進研究会も主宰。福岡産業保健総合支援センター相談員、国際EAP協会日本支部理事、日本産業衛生学会エイジマネジメント研究会世話人でもある。主な著書は「社労士がすぐに使える!メンタルヘルス実務対応の知識とスキル」(日本法令)、「改訂版 人事担当者のためのメンタルヘルス復職支援」等。

[受講料(税別)]
一般 15,000円
LCG特別会員 3,000円 正会員 6,000円 準会員 9,000円

[お申し込み]
 以下よりお願いします。LCGメンバーのみなさんは専用サイトMyKomonよりお申し込みください。
https://lcgjapan.com/seminar/sr-kameda20191203/

水町勇一郎教授(東京大学教授)講演会 10月2日(水)に大阪で開催

水町先生

 日本人事労務コンサルタントグループ(LCG)は、今年の夏で創設10周年を迎えます。そこで、LCGでは東京大学社会科学研究所の水町勇一郎先生を講師にお迎えし、東京・大阪・名古屋・福岡の4都市で、10周年記念講演会を開催しています。これまで名古屋、福岡、東京と開催し、いよいよ10月2日(水)には大阪での最終日を迎えます。

 水町先生の講演というと90分程度のものが多いと思いますが、今回は異例の3時間半という超ロングバージョンでのご講演をお願いしています。講演内容としては、その時々で最新の内容でお話しいただきますが、働き方改革関連法の概要などは理解いただいているという前提で、より踏み込んだ内容でお話いただいています。大阪会場は500名のキャパに対し、既に400名を超えるお申し込みを頂いていますが、まだ申し込み可能です。お誘いあわせの上、是非ご参加をお待ちしております。


日本人事労務コンサルタントグループ(LCG)創設10周年記念講演会
働き方改革時代にコンサル業務を行う社労士のための人事労務管理実践講座
~直近で求められる同一労働同一賃金への具体的対応と今後見込まれる法改正等を踏まえた人事労務管理の再構築
講師 水町勇一郎氏 東京大学社会科学研究所 教授


[講演のポイント]
(1)施行から数ヶ月が経過した働き方改革関連法の最新の施行状況と顕在化してきた課題
(2)直近で対応が求められる同一労働同一賃金 最新裁判例や企業事例を踏まえた具体的対応
(3)今後見込まれる法改正などを踏まえた人事労務管理の体制整備
(4)社会保険労務士が企業へのアドバイスにおいて理解しておきたい事項 など

[日程]
大阪会場
2019年10月2日(水)午後1時~午後4時30分
 ドーンセンター 7階ホール(天満橋駅)

[申込]
 以下より受付を行っています。なお、一般の受講料は3,000円(税込)となりますが、LCG会員のみなさんからのご紹介の場合には無料でご招待とさせていただきます。LCG会員のみなさんにはMyKomonの本セミナー受付ページにおいてプロモーションコードをお伝えしていますので、お知り合いのLCG会員の方からプロモーションコードを聞き、お申し込みいただければと思います。
https://lcgjapan.com/seminar/sr-mizumachi20190808/

 なお、LCG会員のみなさんは会員専用サイトMyKomonよりお願いします。また是非、お知り合いのみなさんにプロモーションコードを伝え、セミナーにご参加頂いてください。

県内4会場で実施される定住外国人向け就職面接会「あいちジョブフェア2019」参加企業募集中

 愛知県では中小企業を中心に人手不足感が広がる中、永住者を始めとする就労制限のない外国人(定住外国人)の方に活躍していただくため、県内企業の外国人雇用に対する理解を深め、雇用を支援するための外国人雇用促進事業を今年度実施しています。

 この事業の一環として、外国人の雇用を希望する企業と就職を希望する定住外国人求職者とのマッチングを図るため、定住外国人向け就職面接会「あいちジョブフェア2019」が県内4か所で開催されます。各会場の日程は以下のとおりです。すべての会場において募集企業数は20社となっていますので、検討されている方はお早目にお申込み下さい。
豊橋会場
2019年11月14日(木)午後1時30分~午後4時30分
 豊橋市民センター 多目的ホール(豊橋市松葉町2丁目63番地)
名古屋会場
2019年11月21日(木)午後1時30分~午後4時30分
 名古屋国際センター 別棟ホール(名古屋市中村区那古野一丁目47番1号)
小牧会場
2019年12月5日(木)午後1時30分~午後4時30分
 小牧市市民会館 2階 講堂(小牧市小牧2丁目107番地)
豊田会場
2019年12月24日(火)午後1時30分~午後4時30分
 豊田市産業文化センター 多目的ホール(豊田市小坂本町1丁目25番地)

 ジョブフェアでは企業ごとにブースを設け、各企業の人事担当者と外国人求職者が個別に面接を行うことが可能となっていますので、外国人の採用を検討している企業の方はこの機会に参加してみてはいかがでしょうか。


参考リンク
愛知県『定住外国人向け就職面接会「あいちジョブフェア2019」の参加企業及び外国人求職者を募集します』
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/shugyo/g-jobfair-2019.html

(渡たかせ

本記事および人事労務管理に関するご相談は社会保険労務士法人名南経営(名古屋駅 JPタワー名古屋34階)までお問い合わせください。
 
TEL 052(589)2355
   お問い合わせフォーム https://www.roumu.co.jp/contact/

全国レベルでの最新情報は以下のメインブログおよび「労務ドットコムfacebookページ」をご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/roumucom/

http://www.facebook.com/roumu

産業医契約書

これは、独立行政法人労働者健康安全機構発行のリーフレット「中小企業事業者のために産業医ができること」にとり上げられている産業医契約書をWord化したものです。
重要度 ★★★
官公庁への報告:なし

[ダウンロード]
WORD
Word形式 shoshiki825.docx(88.88 KB)
pdfPDF形式 shoshiki825.pdf(16.1KB)

[ワンポイントアドバイス]

 従業員が50名を超えたときは産業医を1名選任する必要があります。


参考リンク
厚生労働省「中小企業事業者のために産業医ができること」
https://www.mhlw.go.jp/content/000501079.pdf
(渡たかせ)

消費税増税に伴って通勤手当の支給額見直しは必要でしょうか?

 9月に入り、まだまだ昼の日差しは強いものの、朝晩はいくらか涼しくなり、秋の雰囲気を感じるようになってきた。


大熊社労士:
 おはようございます。今日も雨になってしまいましたね。
宮田部長宮田部長:
 そうですね。最近は各地で記録的な豪雨で、浸水被害なども増えていて、日本の気候も変わって来たなぁと感じます。台風も多いですしね。
大熊社労士:
 本当にそうですね。さて、今日はなにかありましたでしょうか?
福島さん:
 はい、通勤手当の件で相談させてください。
大熊社労士:
 通勤手当ですか。なにかありましたか?
福島さん:
 来月から消費税が10%に引き上げられますが、これに伴って通勤手当の見直しも必要なのか迷ってしまいまして。
大熊社労士:
 なるほど、ちょうど先週、全国の鉄道54社とバス事業者209社に対して国交省が値上げの認可を出したというニュースが報道されていましたね。社員さんからの問い合わせがあったのですか?
福島さん:
 はい、そうなのです。もしかするとそのニュースを見ていたのかも知れませんね。
大熊社労士大熊社労士:
 なるほど、分かりました。それでは、現在の賃金規程の内容を確認してみましょうか。さてさて、通勤手当、通勤手当っと…。ありました。このような規定になっていますね。
「通勤手当は、居住地から勤務地までの通勤交通費の実費の補助として以下のとおり支給する。
(1)公共交通機関利用者
 1か月分の通勤定期代相当額を支給する。
(2)マイカー利用者
 通勤距離に応じた非課税限度額相当額を支給する。」
宮田部長:
 公共交通機関の場合には通勤定期代相当額を支給するとされていますね。ということはやはり新しい定期代に見直してあげないといけないですかね?
大熊社労士:
 この規定ですとそのようになりますね。これに対してマイカー利用者については、非課税限度額相当額ですから、例えば2km以上10km未満以下であれば、4,200円を支給するということですよね?であるとすれば、規定上は見直しの必要はないでしょう。消費税以前の問題として、ガソリン価格自体が変動したとしても、常に一定の金額を支給している訳ですので。
福島照美福島さん:
 やっぱりそうですよね。やはり定期代は見直す必要がありますよね。その実務に関してなのですが、他社ではこういった場合、会社側で値上げ後の定期代をすべて調べて支給額の見直しを行っているものなのでしょうか?
大熊社労士:
 いや、それはまちまちですね。社員数が少ない会社であればそれもできると思いますが、社員数が多い場合には現実的には難しいので、社員から改めて新しい定期券代を申告させることが多いのではないかと思います。
福島さん:
 そうなんですね。宮田部長、当社の場合はどうしましょうか?
宮田部長:
 そうだなぁ。なんでも会社が直してくれると思われても今後支障が出そうなので、社員から申請してもらおうか。それではそのアナウンスの文章を作成してもらえるかな?
福島さん:
 分かりました!

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]

大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。いよいよ消費税増税が間近となってきました。経理部門などではその対策も進めていると思いますが、給与計算においても通勤手当の見直しを行う必要がある場面が多いのではないでしょうか。値上げに関する国土交通省の認可も行われましたので、来月に向け、準備を開始しましょう。


参考リンク
朝日新聞「鉄道とバスの運賃値上げへ、国交省が認可 消費増税で」
https://www.asahi.com/articles/ASM954RNYM95ULFA012.html
国税庁「No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2585.htm

(大津章敬)

有効求人倍率の低下傾向が鮮明に

 深刻な人手不足が続いていますが、統計で見るとその流れは変わりつつあります。厚生労働省は先週金曜日に、令和元年7月の有効求人倍率が1.59倍になったと公表しました。この値は前月に比べて▲0.02ポイントで、3か月連続の低下。

 左上の画像は、1963年からの有効求人倍率の推移を表したグラフですが、2018年9月に1.64倍とリーマンショック後の最高を記録した後、1年ほど横ばいを続けていましたが、直近3か月は以下のように連続で数値が減少しています。
2019年4月 1.63倍
2019年5月 1.62倍(▲0.01ポイント)
2019年6月 1.61倍(▲0.01ポイント)
2019年7月 1.59倍(▲0.02ポイント)

 グラフでもこの低下傾向は明確に見えるようになっており、その形はバブル崩壊後に似てきています。国際情勢も不安定さを増してきており、大企業を中心とした人員削減のニュースも目立つ状況になっています。今後の雇用情勢の悪化が懸念されます。


参考リンク
厚生労働省「一般職業紹介状況(令和元年7月分)について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212893_00021.html

(大津章敬)

今年の最低賃金も大幅引き上げになるようですね

 いよいよ9月。朝晩の空気が変わったと感じながら服部印刷に向かう大熊であった。


大熊社労士:
 おはようございます。
宮田部長宮田部長:
 大熊先生、おはようございます。いよいよ9月になりましたね。別に夏休みがある訳ではありませんが、なんとなく8月が終わると夏が終わるなぁと思ってしまいます。
大熊社労士:
 そうですね。今朝は電車の混み具合も増していましたよ。新学期ですからね。さてさて、9月になったということはそろそろ最低賃金引き上げの準備が必要になります。
服部社長服部社長:
 確か、今年も大幅の引き上げになったのですよね?確か全国加重平均で27円の引き上げだとか。
大熊社労士:
 はい、その通りです。国の方針としては毎年3%程度の引き上げを行い、全国加重平均で1,000円を目指すとされていますが、今年も概ねその方針通りの引き上げとなっています。先週から正式に官報に掲載が始まっていますが、その最新情報は以下に掲載されています。
https://pc.saiteichingin.info/table/page_list_nationallist.php
服部社長:
 東京と神奈川は遂に1,000円を超えたのですね。東京が1,013円、神奈川が1,011円となっていますよ。
大熊社労士:
 そうですね。4桁の最低賃金というのは新鮮ですね。これにより全国加重平均額は901円となりました。
福島照美福島さん:
 先ほど、国の方針としては全国加重平均で1,000円を目指すというお話をお聞きしましたが、そうなるとまだ100円程度は上がるということですか?
大熊社労士:
 まあ、そういうことになるのだと思います。
服部社長:
 確かにそうですね。これはなかなか大変だ。
大熊社労士大熊社労士:
 間違いなく生産性の向上による収益力のアップが欠かせなくなりますね。更には同一労働同一賃金の流れもありますので、今後、人件費の負担に耐え切れなくなる中小企業が増加する恐れもあるのではないかと考えています。
服部社長:
 そうですね。宮田部長、今年についてはまず最賃割れがないように確実にチェックしておいてくださいね。
宮田部長:
 承知しました!

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]

大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。今回は10月より改定される最低賃金について取り上げました。今年も大幅引き上げになりますので、高齢者やパートタイマーなどを中心に最低賃金未満の賃金となっていないか確実にチェックを行っておきましょう。また場合によっては高卒初任給などでの最低賃金割れが出るケースもあるかも知れませんので、あわせて確認を行っておきましょう。


参考リンク
厚生労働省「令和元年度 地域別最低賃金全国一覧」
https://pc.saiteichingin.info/table/page_list_nationallist.php

(大津章敬)