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労働者の疲労蓄積度チェックリスト

 これまでも度々メンタルヘルスの問題について取り上げていますが、心の病気が原因で休職する従業員が増え、メンタルヘルスに関する関心や早期発見の重要性を感じているという企業が年々増加しています。

 

 そこで本日は厚生労働省が作成した「労働者の疲労蓄積度チェックリスト」をご紹介しましょう。
http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/06/tp0630-1.html
 
 また、これに加えて、家族により労働者の疲労蓄積度を判定できるチェックリストも公表されていますので、それぞれ積極的な健康管理のために活用されてはいかがでしょうか。

 

(労働者保護チーム)

10月5日「人事評価能力向上訓練トレーナー養成講座」(大阪) 定員まであと3人

 21日の当blogでご紹介させて頂きました大阪での10月5日「人事評価能力向上訓練トレーナー養成講座」ですが、既に17名様のお申し込みを頂き、定員まであと3名となりました。現在、5名程度の定員の増加および東京など他地域での開催を計画しておりますが、現時点ではいずれも未定ですので、ご参加を希望される皆様はお早めにお申し込み下さいますようお願い申し上げます。
https://roumu.com/seminar/seminar20051005.html


 多くのお申し込みを頂きましてありがとうございました。


(大津章敬)

退職届受理後の懲戒解雇の効力

 近年、社員の一方的な退職届の提出に頭を抱える事業所が増えています。例えばある日突然、退職届提出と同時に「退職します!」と言ったきり出社しなくなったというケース。会社としては引継ぎについて等、頭の痛い問題です。この場合、退職届の提出がされているため自己都合退職としなければならないのでしょうか?それともこのような迷惑行為に対して、懲戒解雇として処分することができるのでしょうか? 
 
 この問題を考える際には従業員の提出した退職届の性質がまずは問題となります。これが合意退職の申し入れであるにせよ、一方的解約の申し入れであるにせよ、結論としては民法627条の規定に従い、退職届提出後14日が経過すれば退職の効力が生じるという解釈が通説となっています。裏を返せば今回の事例の場合、14日が経過するまでは在職中という扱いをすることが可能です。そのため、この間に懲戒解雇に該当する事由が判明した場合は、退職届提出後であっても相応の手続きを経て懲戒解雇とすることができます。


 よく就業規則において、14日間無断欠勤する社員に対して懲戒解雇に処すると規定している会社がありますが、これは一般的には懲戒処分の種類、程度の妥当性を求める相当性の原則より訴訟レベルでは無効とされる可能性があります。法律上明文化されてはいませんが、人事院の指針(平成14年6月1日一部改正後)によると、「11日以上20日以内の間勤務を欠いた職員は、停職または減給とする」という基準があり、これが一応の目安になるでしょう。
 
 よって今回の件に関しては、14日間に他の懲戒解雇該当事由が判明したのであれば別ですが、14日の無断欠勤という迷惑行為のみをもって懲戒解雇とすることはできないと解釈するのが相当でしょう。


参照条文:
民法第627条第1項(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。


(武内万由美)

休憩時間の正しい解釈~手待ち時間・手空き時間

 中小企業では、職場と休憩場所とが一緒ということが多いと思いますが、特に接客を主に行う事業所の場合には、自分自身が休憩中であったとしても、他に人手がなければ来客への対応をしなければならないというのが現実ではないでしょうか。サービス業などではよく見られる光景ですが、これを労働基準法という視点で見てみることにしましょう。


 労働基準法第34条第1項では、「使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない」とあり、また労働基準法同第3項では、「使用者は、休憩時間を自由に利用させなければならない」との定めがあります。そもそも休憩時間とは、具体的にどのような時間をいうのでしょうか?


 例えば、コンビニの店員がお客さんが来るのをレジで待っている状態であるとか、トラックの運転手が荷物がトラックに運びこまれるのを待っている時間といったものをイメージしていただければ分かりやすいと思いますが、こうした時間は一見したところ、本来の作業には従事していません。休憩時間とよく似ていますが、このような時間は「手待ち時間」といわれます。使用者の命令があれば、いつでもその労働者は就労できる態勢で待機している時間であることから、行政解釈上、このような手待ち時間は労働時間として扱われます。(昭和33.10.11基収6286号)
 
 またこれとは別に「手空き時間」というものもありますが、前述の「手待ち時間」と違うのは、仕事からの開放度が高いという点にあり、それが労働時間とされるか否かは、ケースごとに判断が分かれるようです。その判断基準というのは、「その時間が仕事から完全に開放され、労働者が自由に利用できることを保障されているかどうか」にあります。(昭22.9.13発基17号)


 そこで会社としては、休憩時間と労働時間とをはっきり区別させ、次に短い単位でもよいので休憩時間をこまめに与えるといった対応が必要となるでしょう。法律では、短い単位であっても休憩時間は休憩時間となり、禁止をしているわけではないからです。もっとも法の趣旨から言えば、ある程度まとまった休憩時間を与えることが望ましいとされています。5分や10分といった休憩時間では、労働者は満足に頭や体を休めることもできない上、職場への不満も募るというのがその理由です。


 最近、サービス残業などに関してのニュースが新聞紙上を賑わすことが多くなっていますが、それに伴い、労働者の労働時間に対する意識は高まりを見せています。これまでは「当社の常識」として済まされていたことが、実は労働基準法違反だった、ということがあるかもしれません。労働者から指摘される前にいま一度、労働基準法の基本に基づき、自社の労働時間管理方法を点検されてはいかがでしょうか。
 



参考:
□昭和33年10月11日 基収6286号
 出勤を命ぜられ、一定の場所に拘束されている以上いわゆる手待ち時間も労働時間である。
□昭和22年9月13日 発基17号
 休憩時間とは、単に作業に従事していない、いわゆる手待ち時間を含まず、労働者が権利として労働から離れることが保障されている時間の意であって、その他の拘束時間は労働時間として取り扱われること。


(労働時間チーム)

roumu.com 本日よりRSS1.0による最新記事の配信を開始


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(大津章敬)

男女の賃金格差と職務配置

 厚生労働省のサイトを見ていたところ、「男女間の賃金格差解消のために」という特設ページが設置されていました。いくつかのPDFファイルから構成されているのですが、それを見ると「男女間賃金格差の発生原因は多種多様ですが、最大の要因は男女間の職階の差であり、勤続年数の差も影響しています。また経営団体トップや労働組合幹部に対するアンケートや企業ヒアリングによれば、業務の難易度、業務の与え方に男女間で相違があることが指摘されています。」という記述が見られました。そして「男女間の賃金格差はその原因のところでみたように、賃金制度そのものの問題と言うよりは人事評価を含めた賃金制度の運用の面や、職場における業務の与え方の積み重ねや配置の在り方等賃金制度以外の雇用管理面における問題から生じていると考えられます。」と続けています。


 人事コンサルタントとして多くの企業の人事制度改革を手掛けていますが、やはり未だに多くの企業で男女間の賃金格差が見られます。これは賃金制度のセミナーでもよくお話しする内容ですが、製造業で賃金制度の分析を行い、固定給のプロット図を作成するとほとんどの場合、一定の傾向が見られます(傾向が出ない小企業は除く)。それは現業職の男性の固定給は30万円が上限、女性は20万円強が上限、管理職や営業職など非現業職は概ね地域のモデル賃金に沿って運用されるというものです。これは絶対ではありませんが、かなりの高確率でこのような傾向が見られます。


 賃金制度を見直す際には当然、この格差の理由を性別に求める訳にはいきませんので、現場を見学させてもらい、男女の仕事の状況を確認するのですが、確かに仕事の内容が異なっていることがほとんどで、単に男女で格差をつけているということは今どきはあまりないようです。しかし、私がいつも現場見学をしている最中に工場長などにお聞きするのは「この仕事は男性ばかりですが、女性ではできないのですか?」ということ。確かに重量物を扱うなどの仕事は女性には難しいのかもしれませんが、そういった仕事以外にもなんとなく昔から男性が行ってきて、女性に担当させていないという仕事が現場にはかなりあります。まずはこういった仕事の配置からゼロベースで見直しすることが求められるのでしょう。男女の賃金格差も大きな問題ですが、それ以上に今後は労働者人口の減少で、従来男性が行っていた仕事にも積極的に女性や高齢者などを配置していかなければ業務が成り立たない時代に突入していきます。


 若い男性社員が採用できないと嘆く前に、本当にその仕事は男性しかできないのか見直す必要がありそうです。


(大津章敬)


2007年問題を前にベテラン社員からの技能の伝承を如何に進めるか

 2007年から2010年にかけて団塊世代の定年退職がピークを迎える2007年問題が話題になっています。この団塊の世代の大量退職により、企業においては深刻な労働力不足に陥ると警鐘が鳴らされていますが、それと同じレベルで捉えなければならないのが、次の世代へ如何にベテラン社員の暗黙知を含む技能の伝承を進めるかという問題でしょう。事実、内閣府が企業に対して行ったアンケート調査では調査に回答した企業のうち、約46%の企業が「技術・技能の伝承」が「かなり困難化する」「多少困難化する」と回答しています。


 平成18年4月1日より、65歳までの高齢者雇用確保措置が義務付けられますが、高齢者の労働力を活用するうえで、ベテラン社員の長年の経験による技術・技能や知識は貴重なものであり、その伝承は高齢者に対して一番期待される役割ではないでしょうか。実際に高齢者を雇用し技能・技術の伝承が成功した例として、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構が発行する雑誌「エルダー」2004年10月号で紹介された奈良県のある会社は、高齢者と若者を組み合わせた班編成で土木技術に関する技術・知識の伝承に効果を上げています。この会社では高齢者にも土木施工管理技士、建築施工管理技士、建築士などの資格取得を推進、その結果資格を取得した人も現れ、会社全体のレベルアップになり、また高齢者の体力への負担を減らすため設備を改善した結果、全体の安全対策の向上にもなったということです。


 高齢者の雇用制度はそれぞれの企業に合わせて作らなければなりませんが、高齢者は就業意識、能力、健康など個人差が大きく、その人それぞれのライフプランもあり、雇用の仕組み自体が柔軟でなければ高齢者を労働力としてうまく活用することができません。独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構ではワークシェアリングや設備・作業の改善などを行い、高齢者の活用に意欲的に取り組む企業の実例が公開されていますので、参考にされてはいかがでしょうか。


(土方憲子)

マクドナルドが新労働時間管理方法に関するニュースリリースを発表

 先日、当blogでもお伝えしたマクドナルドに対する労働基準監督署の是正勧告およびその対応の件ですが、日本マクドナルドホールディングスより、「アルバイトスタッフ・社員の給与ならびに新勤務時間管理方法の導入について」というニュースリリースが発表されていますのでご紹介したいと思います。内容としては、従来はアルバイトスタッフの賃金および社員の所定外手当について、その算定基準となる日々の勤務時間を30分単位で丸めて計算してた方式を改め、1分単位(実時間)で勤務時間を算出する方式を導入することになったというものです。
http://www.mcd-holdings.co.jp/news/2005/release-050801.html

 

 これまでも多くの有名企業で同様の時間外手当の未払事件があり、新聞紙上を賑わせましたが、今回は各労働日の端数処理という、多くの事業所で普通に行われている処理についての指摘だけに、その実務に与える影響はこれまでと比較にならない程、大きなものとなるでしょう。事実、このニュースが報道されて以来、当社にも多くの問い合わせが入っていますが、まずは1分単位での労働時間の把握・計算という原則論で制度運用した場合の影響(業務量の増加、コストの増加、コンプライアンス)について検証されることをお勧めしています。タイムカードやパソコンによる給与計算システムが普及している現状においては、業務負担という点でかつてのように端数処理を行う必要性は少なくなっているはずです。また30分未満切捨てというような取り扱いが行われている事業所では現場サイドで、時間の調整(30分に満たない端数時間発生時のタイムカード打刻時刻調整など)が事実上行われていることが少なくありません。こういった状況を勘案すれば、今回のマクドナルドのような実時間での管理も十分に可能ではないかと考えています。

 

 非常に良い機会だと思いますので、労働時間管理方法の見直し検討をお勧めしたいと思います。

 

(大津章敬)

急増するIC(Independent Contractor)

 最近、よくIC(インディペンデント・コントラクター)という言葉を耳にするようになりました。まだまだ言葉自体は世間一般に浸透していませんが、このような労働提供形態は年々増加しており、今後も急激な拡大が予想されています。そこで今回はこのICについて解説したいと思います。

 

■IC=Independent Contractor とは?
 一般には「独立請負人」「独立業務請負人」と訳されています。どこの企業にも属さず(雇われず)、いままで培ってきた経験や能力を生かし、特に専門性の高い仕事を企業(注文主)と業務単位で有期の契約を結んで仕事をしている独立した個人のことをいいます。

 

■ICとアルバイトの違いは?
 ICは請負であり、ある一定の成果をあげた場合に成功報酬として対価を得ます。また、成果を出すまでの過程は重視されず、企業も口を挟むことがありません。つまりICは仕事の完成や業務の遂行を一任されるのです。これに対しアルバイトは、労働契約の中で企業に労働力を提供し、その対価として賃金を得ます。また労働力を提供するにも企業の指揮命令下にあり、労働契約の趣旨と内容に従った労働を行う義務(労働義務)を負います。
 

■請負契約の労働者性判断
 ただし「請負」は労働者性を問われることがよくあります。ここでは請負の定義を明確にする意味で、「請負」に該当するかどうかのチェックポイントを挙げます。該当しない項目があると請負と認められない可能性があります。

□受託者(請負人)が受託業務に関する作業スケジュールの作成及び調整を自ら行っている。
□受託者が、受託業務に関する仕事の割り当て及び調整を自ら行っている。
□受託者が、受託業務に関する仕事の仕方、完成の方法、業務処理の方法を自ら定めている。
□受託者が業務の処理に関する技術的な教育又は指導を自ら行っている。
□受託者が、始業及び終業の時刻、休憩時間、休日等について、自ら決定している。
□受託者は、注文主から直接服務規律についての注意、指導を受けることはない。
□受託者について、注文主の朝礼やミーティングへの参加が義務付けられていない。
□受託業務の遂行にあたり、必要となった通勤費、旅費について、受託者がその都度注文主に請求することとなっていない。
□受託業務の遂行にあたり、必要となった資材、材料、原料、部品等について、無償で使用していない。
□受託業務の処理について、受託者側に契約違反があった場合の損害賠償規定がある。
□受託者が注文主又は第三者に対して損害を与えた場合の損害賠償規定がある。
□受託業務について、次のいずれかに該当すること
①業務処理のための機械、設備、器材、材料、資材を受託者が自らの責任と負担で調達し、機械、資材等が注文主から借り入れ又は購入したものについては、別個の双務契約が締結されており、受託者が保守及び修理を行う、ないしは保守等に要する経費を負担している。
②受託者自らの企画又は専門的技術、専門的経験により処理している。
□完成すべき仕事の内容、目的とする成果物、処理すべき業務の内容が明確になっている。

(参照 労働者派遣・請負を適正に行うために「自主点検表」  :愛知労働局職業安定部需給調整事業課)
 

■ICのメリット・デメリット

 ICは組織に縛られず、また就業場所や時間の制限をあまり受けることなく、自らの得意分野、専門分野の知識、ノウハウを活かして報酬を得たい、と考える人にはあった働き方といえます。しかし、会社に雇われる労働者ではないため、個人として契約が取れないと収入がなくなりますし、労働基準法の適用もありません。もちろん社会保険に加入できないので、自ら保険・年金に加入しなければならないといったリスクも存在します。

 一方、企業側にしてみれば、気軽に専門性の高い人材を確保でき、必要なときに仕事が依頼できる、コスト的にも正社員に比べれば安くあがる等の利点もあり、また使用者と労働者の関係ではないため法律上の使用者責任を問われることもありません。

 アメリカではビジネス界で活躍しているICは900万人に上ると言われています。今後日本でも、会社勤めをして専門的能力を身に付けた後に脱サラし、ICへの道を進むサラリーマンが増えてくることでしょう。事実、日本でもICとして活躍されている人は徐々に増えてきています。これからも様々な企業で、「新規プロジェクトの立ち上げ」や「マーケティング」、「社内研修」などでICの活用される場面が多く見られることでしょう。

 

 こうした環境を背景として、今後は個人(IC)と企業とをマッチングさせる仲介業が増えることになるでしょうし、そうなればICが活躍する機会も増え、その活躍によって業績を伸ばしてくる会社も現れてくると予想されます。

労働者性判断と当事者意思

 表面上、「一人親方」や「外注」などの身分であっても、一律に労働基準法や労災保険法上の労働者でないと結論付けることは難しいと言うことをご存知の方も多いかと思います。先日、外注作業員の労災適用について問い合わせがあり調べていたところ、判例内に興味を引く内容を見つけました。

 

 労働基準法上の『労働者』性の判断については、『横浜南労基署長(旭紙業)事件』という車持込み運転手の労働者性について争われた代表的な判例があります。

 

 この判例では、「(運転手は)業務用機材であるトラックを所有し、自己の危険と計算の下に運送業務に従事し」、「(会社は)業務の運行に関し、特段の指揮監督を行っていたとはいえず、時間的・場所的な拘束の程度も、一般の従業員と比較してはるかに緩やかである」点、また、「報酬の支払方法、公租公課の負担等」の点からも、この運転手を労働者に該当するものではないと結論付けています。

 

 労働者性については「使用従属関係の有無」により判断され、一般的に以下の項目が基準として挙げられています。
 ①業務遂行上の指揮監督関係の存否・内容
 ②時間的・場所的拘束性の有無・程度
 ③業務用機材の負担関係
 ④報酬の支払条件・方法
 ⑤仕事の依頼・業務従事の指示に対する許諾の自由
 ⑥労務提供の代替性の有無
 ⑦公租公課の公的負担関係
さらに、補完要素として
 ⑧機械・器具の負担関係
 ⑨事業者性の有無・程度を示す事情や従属性の程度
などが、加わることがあります。

 

 興味を引かれた点とは、この事件の第二審における東京高裁の判決内にありました。それは、労働者か否かの判断が相当困難な場合に、「できるだけ当事者の意図を尊重する方向で判断すべきである」との部分です。もちろん、「法令に違反していたり、一方ないしは双方の当事者(殊に、働く側の者)の真意に沿うと認められない事情がある場合は格別、そうでない限り」との条件付きではありますが、当事者意思の入り込む余地を認める判断があるとは驚きでした。
 
 働き方の多様化が指摘される昨今、旧来の「一人親方」や「外注」以外にも雇用契約上、様々な形態が増えてくることが予想されます。その中には現在の労働者性の判断には収まりきらないらないものが出てくることも考えられます。この「当事者意思」という論点は、客観性に乏しく、「基準」としては十分な機能を果たせるか疑問が残りますが、今後、無視できない視点であることも感じました。

 

(労働契約チーム)