[給与計算業務の改善]給与計算における日割計算ミスを防ぐ方法

給与計算における日割計算ミスを防ぐ方法 先日より不定期連載している[給与計算業務の改善]シリーズですが、本日は入退社や欠勤があった際の日割計算のミスを防止する方法について取り上げて見ましょう。



[質問]
 当社では、賃金締切日以外の入退社があった場合や欠勤があった場合には、基礎日数に基づき「日割計算」を行ってます。この計算は毎月発生する訳ではありませんが、いざ発生したときはどのように何を支給・控除すれば良いか、毎回迷ってしまいます。また、社会保険料控除についても控除すべきか迷います。何かスムーズに計算する方法はありませんか?ちなみに当社の日割計算ルールは賃金規程で次のように定められています。
□不就労日数が5日以下の場合
 基本給を基礎日数(21.6日)で除した額に欠勤日数を乗じて控除額を算出
□不就労日数が6日以上の場合
 基本給と月額固定手当を基礎日数(21.6日)で除した額に就労日数(出勤日数に年休等の日数を加算したもの)を乗じて支給額を算出


[回答]
 このようなケースでは、日割計算に関する情報をすべてまとめたフォーマット「日割計算シート」(画像はクリックして拡大)を事前に作成しておき、日割計算を行う場合は必ずこのシートを利用するルールにすることで迷わず、間違えず、統一された処理を行うことができるでしょう。


 特に今回のケースは、不就労日数により控除の基礎となる給与が異なるため、非常に間違いやすい事例と言えます。このような場合には、計算式自体を日割計算シートに含め、都度、賃金規程を確認しなくても計算できるようにしておくことが重要です。また、当月の給与から控除する項目を明確にすることで「退職者の社会保険料を控除し忘れた」、「控除しなくてもよい親睦会費を誤控除してしまった」、「住民税の一括徴収を忘れてしまった」といったミスを防ぐこともできます。


[まとめ]
 今回の日割計算シートは、給与計算時のみではなく、入退社時の社員説明用資料に利用したり、健康保険傷病手当金の請求書に添付補助資料として利用することも考えられます。



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(日比彩恵子・宮武貴美)


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