[給与計算業務の改善]労働時間の効果的な集計方法

 不定期連載中の給与計算もしだいに回を重ねてきました。今日はソフトの紹介も含め、労働時間の効果的な集計方法を考えてみることにしましょう。



[質問]
 当社では、いくつもの営業所があり各営業所でアルバイトを雇用しています。給与は時給計算であり、給与計算時期には社員とアルバイトが記入している手書きのタイムシートがFAXで送信されてきます。総務ではこのすべての日にちをチェックし、給与計算ソフトに入力しており、この労働時間の集計のために相当の工数を費やしています。何とかこの部分の工数を削減したいと思っていますが、良い方法はないでしょうか?過去には、営業所と本社を結ぶ大規模な勤怠管理システムの導入も検討しましたが、相当なコストが必要となるため導入をあきらめたこともあります。


[回答]
 今回の問題の解決のためには、課題を以下の3つに分けて考えることが重要です。
集計ルールの課題
タイムカード集計システム導入の課題
集計方法の課題


集計ルールの課題
 現状はすべてのチェックを総務で行っているとのことですが、現場から離れてしまっている総務でこの作業を行うのは必ずしも望ましいものではないことが少なくありません。場合によっては各営業所で集計を行うよう、仕組みを変える必要があるでしょう。この目的にはもちろん総務に集中している負担を分散化し、減らす目的もありますが、それ以上に営業所の管理職が労働時間=人件費という意識を高める効果や社員の時間外労働時間を把握することで、過重労働の危険性を認識する効果などが期待できます。当初は総務が行っていた業務が現場に移る訳ですから、ある意味サービスの低下となり、不平不満も出るとは思います。それだけに現場が管理する目的を伝え、コンセンサスを取っていくことが重要です。


タイムカード集計システム導入の課題
 過去に勤怠管理システムの導入を検討されたとのことでしたが、現在では集計機能が装備されたタイムカード機も多くあり、これを各営業所に設置することも検討できるでしょう。価格も性能を勘案すれば相対的に下がっています。単純な労働時間の集計から時間帯集計機能がついているものなど様々なタイプがありますので費用と機能を見比べて考えると良いでしょう。


集計方法の課題
 時間の集計は、60進法のあるためミスが起こりやすい業務であると言うことができます。タイムカードの設置が困難な場合には、Excelでの集計も考えられます。現場に配布して集計の補助機能としたり、総務での確認作業のひとつとして利用することが考えられます。なお、労務ドットコムのタイムカード集計システムはこちらよりダウンロードできますので、是非ご利用ください。
2007年4月2日「タイムカード集計システムを改定!最新バージョンv1.03の無料ダウンロード開始」
https://roumu.com
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[まとめ]
 給与計算業務の中でも勤怠時間集計は手間のかかる作業の代表選手です。特に人数が多い事業所で総務部門に作業が集中することで、1回の給与計算に数時間の工数を費やすことも少なくありません。自分自身のや部下の労働時間を把握する大切さを意識付け、従業員ひとり一人に業務を分担することが必要だといえるでしょう。



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(日比彩恵子・宮武貴美)


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