[改正パートタイム労働法]待遇の決定についての説明義務と対応

改正パートタイム労働法 今回のパートタイム労働法では、労働条件の文書明示の義務化と共に、待遇の決定についての説明も義務化されています。今回は、この内容と対応について取り上げましょう。


 事業主は雇用するパートタイム労働者から求めがあったときには、その待遇を決定するに当たって考慮した事項を説明しなければなりません。具体的には以下の7項目について説明義務が課せられています。
労働働条件の文書交付等
就業規則の作成手続
待遇の差別的取扱い禁止
賃金の決定方法
教育訓練
福利厚生施設
通常の労働者への転換を推進するための措置


 通常の労働者とパートタイム労働者で賃金に差があるケースでは、「パートタイムだから」という理由では説明義務を果たしたとは言えず、この差に関する具体的理由を説明することが求められています。ただし、パートタイム労働者が納得するまで説明することまでは求めていません。施行後は、説明を希望するパートタイム労働者が発生することも考えられます。事前の対策として、説明義務が課せられている項目については、あらかじめ差異を洗い出し取扱と理由を1枚の書面にまとめて提示できるようにしておくことが求められます。また、パートタイム労働者が納得しない場合の対応として、自社内で苦情処理制度をつくり自主解決を図ることが求められるでしょう。今回の改正では、この苦情の自主解決も努力義務化されています。



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2007年11月5日「[改正パートタイム労働法]労働条件の明示方法と違反時の罰則」
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2007年9月21日「平成20年4月改正 パートタイム労働法のポイント4 苦情処理・紛争解決援助」
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2007年9月18日「平成20年4月改正 パートタイム労働法のポイント3 通常の労働者への転換の推進」
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2007年9月7日「平成20年4月改正 パートタイム労働法のポイント」
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2006年12月31日「パートタイマーに関する再チャレンジ支援策の動向とパートタイム助成金」
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参考リンク
厚生労働省「改正パートタイム労働法関連資料」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/06/tp0605-1.html


(宮武貴美)


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