[改正パートタイム労働法]正社員と同視すべきパート労働者の判断基準のステップ

改正パートタイム労働法 来年4月に施行される改正パートタイム労働法は、パートタイマーの雇用管理に大きな影響を与えると予測されていますが、今回は、この改正法で待遇の差別的取扱いが禁止される「通常の労働者と同視すべきパート短時間労働者」の判断基準のステップについて取り上げましょう。


 この同視すべきかの判断ポイントは、以下の3つの要件により判断します。
職務の内容(業務の内容および責任)
人材活用の仕組みや運用など(人事異動の有無および範囲)
契約期間


 特にの判断には、以下のステップにしたがって判断されることになっています。
職務の内容(業務の内容および責任)】
 ステップ1 業務内容が実質的に同じかどうかを判断する
 ステップ2 従事している業務について、個々の業務に分割し、整理する
 ステップ3 細分化した業務のうち、「中核的業務」(※1)を抽出し比較する
 ステップ4 業務に伴う責任の程度(※2)が著しく異ならないかどうかを判断する


※1 中核的業務とは以下の業務を指す
□その労働者に与えられた職務に不可欠な業務
□業務の成果が事業所全体の業績や評価に大きな影響を与える業務
□労働者の職務全体に占める時間、頻度において、割合が大きい業務
※2 責任の程度の判断基準
□与えられている権限の範囲
 (単独で契約の締結が可能な金額の範囲、管理する部下の人数、決裁権限の範囲など)
□業務の成果について求められている役割
□トラブル発生時や臨時・緊急時に求められる対応の程度
□ノルマなどの成果への期待度


人材活用の仕組みや運用など(人事異動の有無および範囲)】
 ステップ1 転勤の有無を比較する
 ステップ2 転勤の範囲(全国転勤、エリア限定の転勤など)を比較する
 ステップ3 「職務の内容の変更」と「配置の変更」の有無を比較する
 ステップ4 「職務の内容の変更」と「配置の変更」の範囲を比較する


 「勤続期間が長くなるにつれパートタイム労働者の業務内容や責任が知らず知らず広がっていた」という事例はよく耳にします。この改正は、パートタイマー全体の職務内容等の棚卸を行い、今後の制度見直しを行うよいきっかけにできるかも知れません。



関連blog記事
2007年11月5日「[改正パートタイム労働法]労働条件の明示方法と違反時の罰則」
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2007年9月21日「平成20年4月改正 パートタイム労働法のポイント4 苦情処理・紛争解決援助」
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2007年9月18日「平成20年4月改正 パートタイム労働法のポイント3 通常の労働者への転換の推進」
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2007年9月11日「平成20年4月改正 パートタイム労働法のポイント2 均衡のとれた待遇の確保の促進」
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2007年9月7日「平成20年4月改正 パートタイム労働法のポイント」
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2006年12月31日「パートタイマーに関する再チャレンジ支援策の動向とパートタイム助成金」
https://roumu.com
/archives/50840276.html


参考リンク
厚生労働省「改正パートタイム労働法関連資料」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/06/tp0605-1.html


(宮武貴美)


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