パートタイム労働者の雇用理由調査に見る改正パートタイム労働法の影響の大きさ

パートタイム労働者の雇用理由調査 これまでこのブログでは、パートタイム労働法の改正内容を積極的に取り上げてきましたが、今回は先日、厚生労働省より発表された「平成18年パートタイム労働者総合実態調査結果の概況」(以下、「調査」という)の中から、パートタイム労働者の実態を見てみることにしましょう。


 この調査で注目すべき内容はいくつかありますが、そのひとつに「パート等労働者の雇用理由別事業所の割合」があります。この中のパートタイム労働者を雇用している理由という項目(グラフはクリックして拡大)を見ると、「人件費が割安なため(労務コストの効率化)」が71.0%(前回65.3%)と最も多く、次いで「1日の忙しい時間帯に対処するため」39.5%(前回39.2%)、「簡単な仕事内容のため」36.3%(前回31.4%)の順と続いています。


 改正パートタイム労働法では、「均衡のとれた待遇の確保の促進」を掲げ、通常の労働者と同視すべき短時間労働者に対して差別的取扱いの禁止をしています。よって今後、多くの事業所ではパートタイム労働者の職務内容を分析し、必要に応じ賃金の見直しが求められることとなるでしょう。この調査結果からも、今回のパートタイム労働法の実務上の影響の大きさが容易に想像されます。



関連blog記事
2007年11月5日「[改正パートタイム労働法]労働条件の明示方法と違反時の罰則」
https://roumu.com
/archives/51149774.html

2007年9月21日「平成20年4月改正 パートタイム労働法のポイント4 苦情処理・紛争解決援助」
https://roumu.com
/archives/51063284.html

2007年9月18日「平成20年4月改正 パートタイム労働法のポイント3 通常の労働者への転換の推進」
https://roumu.com
/archives/51062853.html

2007年9月11日「平成20年4月改正 パートタイム労働法のポイント2 均衡のとれた待遇の確保の促進」
https://roumu.com
/archives/51062839.html

2007年9月7日「平成20年4月改正 パートタイム労働法のポイント」
https://roumu.com
/archives/51061223.html

2006年12月31日「パートタイマーに関する再チャレンジ支援策の動向とパートタイム助成金」
https://roumu.com
/archives/50840276.html


参考リンク
厚生労働省「改正パートタイム労働法関連資料」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/06/tp0605-1.html


(宮武貴美)


当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。