日本最大規模の確定拠出年金実態調査 今年も発表

日本最大規模の確定拠出年金実態調査 今年も発表 少しご案内が遅れてしまいましたが先日、企業年金連合会から企業年金連合会「第2回 確定拠出年金に関する実態調査」の調査結果が公表されました。この調査は2,376件の実施規約を対象に調査票を郵送し行われたもので、有効回答は713規約(回答率30.0%)というわが国で最大規模の確定拠出年金(DC)の実態調査です。


 DCは当初、導入企業数に若干伸び悩み感があったものの、ここ数年で導入事例が増加し、厚生労働省の最新データ(平成20年3月末日現在)によれば、企業型年金の実施事業主数は10,334社、加入者数は約268万人となっています。なお、中小企業退職金共済の加入者数は現在約293万人であることから、遠くない将来にこの加入者数を追い抜くことは確実な状況にあります。このように確定拠出年金は本格的な導入期に入ったと言っても差し支えない段階にありますので、今後、DC導入を検討される場合にはこの調査結果が非常に参考になるのではないかと思います。それでは以下では、この調査結果のポイントをいくつかご紹介します。詳細は参考リンクにある実際の調査結果をご覧下さい。



(1)他制度の併用状況
 DCのみ 37.6% DC+1制度 45.4% それ以上 16.3%
(2)DC制度設立にあたって前制度からの資産移換があった場合に、過去分の一時金選択が可能であった規約の割合
 46.3%
(3)DC制度への加入選択制を設け、従業員が任意に選択できる規約の割合
 31.4%
(4)選択制がある場合のDC選択率
 74.2%
(5)DC加入者について、DC掛金と前払い額との割合を、従業員が任意で変更できる規約がある割合
 13.1%
(6)短期加入者について掛金の事業主返還規定を設ける規約の割合
 64.4%
(7)平均掛金額
 12,803.8円
(8)DC導入に当たって企業が設定する想定利回りの平均
 2.34%(
(9)運用商品の平均採用本数の平均
 15.14本
(10)継続教育実施率
 40.9%



関連blog記事
2008年4月13日「2007年度の企業年金運用はマイナス9.74%」
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2008年1月25日「2007年4~12月の企業年金運用は遂にマイナス1.98%へ転落」
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2007年12月26日「加入者数が中退共に迫る確定拠出年金の運用状況」
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2007年10月28日「企業年金の2007年7月~9月の運用はマイナス2.77%」
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2007年10月6日「企業年金連合会 2006年度の修正総合利回りは5.59%」
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2007年4月12日「導入例が急増する規約型DBと企業型DC」
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参考リンク
企業年金連合会「2007年度 確定拠出年金に関する実態調査(第2回)報告書」
http://www.pfa.or.jp/top/toukei/pdf/dc_chosa_2.pdf
企業年金連合会「確定拠出年金に関する実態調査(第2回)調査結果~事業主調査編~」
http://www.pfa.or.jp/top/toukei/pdf/dc_chosa-2_jigyou.pdf
企業年金連合会「確定拠出年金に関する実態調査(第2回)調査結果~加入者調査編~」
http://www.pfa.or.jp/top/toukei/pdf/dc_chosa-2_kanyuu.pdf


(大津章敬)


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