平成21年度の中退共の運用は5.67%となり、累積欠損金も1,957億円まで減少
少し前になりますが、独立行政法人勤労者退職金共済機構 中小企業退職金共済事業本部(中退共)より「平成21事業年度 中退共事業の財務状況について」という資料が公表されました。
中退共は、平成24年3月で移行期間が終了する適格退職年金制度の受け皿として多くの中小企業が利用していますが、その運用および財務状況に大きな懸念があると指摘を受けることが少なくありません。そんな中で注目が集まっていた今回の発表ですが、資産運用については、金融危機後の信用不安の沈静化と景気回復に向かう動きを受け、内外株式市場が堅調に推移したことにより、委託運用(金銭信託)で大幅な収益を確保した、運用等収入は1,870億円、決算運用利回りは5.67%という結果になりました。
これにより当期総利益は1,536億円を計上し、累積欠損金は前年度の3,493億円から1,957億円に減少しています。中退共としては少しほっとしている状況ではないかと思われますが、まだまだ巨額の累積欠損金が残っている事実に変わりはありませんので、今後も累積欠損金については、平成17年度策定の「累積欠損金の解消計画」に基づき、その解消が進められることとなります。約37万社の中小企業が加入しているわが国でも最大の退職金共済ですので、早期の財務の安定を期待したいところであります。
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参考リンク
中退共「平成21事業年度 中退共事業の財務状況について」
http://chutaikyo.taisyokukin.go.jp/joho/zaimu/index.html
(大津章敬)
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