両親ともに取得対象者となる育児休業の延長

ikuji 今年の10月より、改正育児・介護休業法が施行され、育児休業が最長2歳まで取得できるようになりました。男性の育児休業取得率は3.16%となかなか取得率が上がらない状況にあるものの、助成金をきっかけに男性の育児休業者が初めて出る企業もでてきています

 男性の育児休業は、平成22年6月30日に施行された改正育児・介護休業法により、労使協定による専業主婦(夫)除外規定が廃止され、専業主婦(夫)家庭の夫(妻)を含め、すべての労働者が育児休業を取得できるようになったことに伴い、取得率が概ね向上してきました。また、育児休業給付の給付率が育児休業取得開始から6ヶ月間、67%に引上げられたことも、プラスに働いているように感じます。

 このような中、育児休業を延長する場合に取得できる人は誰かと言うことに対し疑問が寄せられています。育児休業の延長が認められる条件としては、以下の2つ要件を満たしたときとなっています。
保育所等に入所を希望しているが、入所できない場合等の事情があること
労働者または配偶者が子どもの1歳の誕生日(2歳までの延長のときは1歳6ヶ月の誕生日応当日)の前日に育児休業をしていること

 そのため、両親ともに育児休業を取得しており、保育所に入れないといった事情があるときや、父親は育児休業を取得していないけれども、母親が育児休業を取得していて保育所に入れないといった事情があるときには、両親ともに育児休業の延長が認められることになります。

 なお、この延長に対する育児休業の取得対象者については、厚生労働省の「平成29年改正法に関するQ&A」にも掲載されています。

1-6 2歳までの育児休業は、それまで育児休業を取得していた配偶者と交替することなく、両親が同時に取得することも可能か。
(答)
 可能である。
 2歳までの育児休業を取得するための要件は、①労働者又は配偶者が1歳6か月時点で育児休業をしていること、②子の1歳6か月に達する日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められること、である。

 よって上記2要件を満たす限りにおいて、両親が同時に2歳までの育児休業を取得することも可能である。なお、このことは1歳6か月までの育児休業においても同様である。


関連blog記事
2017年11月13日「今回も公開された改正育児・介護休業法のQ&A」
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2017年8月30日「育休延長後に延長事由が消滅した場合の育児休業給付支給可否」
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2017年8月29日「子の看護休暇を入社直後から取得できるように配慮する旨の指針見直し検討」
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2017年8月24日「改正法対応の育児介護休業規程(詳細版)が公開されました」
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2017年7月25日「10月施行 改正育児・介護休業法対応の規定例(簡易版)のダウンロード開始!」
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2017年7月7日「改正育児・介護休業法に関する通達の新旧対照表が確認できます」
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2017年7月3日「10月施行の改正育児・介護休業法に関する施行規則・通達等が公開に!」
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参考リンク
厚生労働省「育児・介護休業法について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html
厚生労働省「平成28年度雇用均等基本調査(確報)」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-28r.html

(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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