[改正障害者法]障害者雇用率算定における短時間労働者の算入(第3回)
改正障害者雇用促進法連載の第3回目は、今回の法改正の中でも大きな影響があると予想される障害者雇用率のカウント方法の変更について取り上げましょう。
これまで障害者雇用率制度においては、原則として、週の所定労働時間が30時間以上の労働者を実雇用率や法定障害者数の算定の基礎としてきましたが、今回の改正により、平成22年7月より週の所定労働時間が20時間以上30時間未満の短時間労働者についても計算することとなります。具体的には、身体障害者または知的障害者である短時間労働者について0.5としてカウントすることになり(画像はクリックして拡大)、これによりこれまで長時間労働が難しいことがネックとなって進まなかった障害者の雇用が進むこととなるでしょう。
一方で、これまで週の所定労働時間が30時間以上で雇用していた障害者に対し、社会保険料の負担を免れるため等で、事業主都合により短時間労働者に切り替えられる可能性が指摘されています。これについては、障害者雇用対策基本方針で、本人の希望、能力等を踏まえた適切な待遇に努めることが留意事項として挙げられています。障害者を雇い入れる際には事前に業務内容や待遇等を健常者を雇用するとき以上に慎重に検討しておく必要があるといえるでしょう。
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参考リンク
厚生労働省「障害者雇用促進法が改正されました」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/dl/koyo_poster.pdf
(宮武貴美)
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