[改正障害者法]適用から5年間に限り行われる障害者雇用納付金制度の特例(第2回)

 2009年4月24日のブログ記事「[改正障害者法]常時雇用労働者101人以上の企業にまで拡大される障害者雇用納付金制度」でスタートした改正障害者雇用促進法の連載ですが、本日はその第2回目として、今回の改正に伴う雇用納付金制度の特例について取り上げてみたいと思います。


 障害者雇用納付金は、法定雇用率が未達成の事業主が独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構に納付することにより、障害者雇用調整金として法定雇用率達成事業主に支給する他、助成金の財源等に利用されています。納付金額は、雇用すべき障害者が1人不足するごとに1ヶ月当たり50,000円になっており、一方の障害者雇用調整金は、雇用している障害者が1人超過するごとに1ヶ月当たり27,000円が助成されています。


 今回の改正で、段階的に対象となる事業主が拡大されますが、制度の適用から5年間は、50,000円が40,000円に減額される納付金の特例が適用されることになっています。
常用雇用労働者が201人以上300人以下の事業主
 平成22年7月から平成27年6月まで 50,000円→40,000円
常用雇用労働者が101人以上200人以下の事業主
 平成27年4月から平成32年3月まで 50,000円→40,000円


 障害者雇用調整金については変更はなく、27,000円のままとなります。障害者雇用の関しては、特定求職者雇用開発助成金の助成金額が拡充されており、また、障害者雇用ファースト・ステップ奨励金や特例子会社等設立促進助成金が創設されていますので、これらの助成金を活用しながら、障害者の雇い入れを考えていきたいものです。



関連blog記事
2009年4月24日「[改正障害者法]常時雇用労働者101人以上の企業にまで拡大される障害者雇用納付金制度」
https://roumu.com
/archives/51541112.html

2009年4月20日「4月に創設された障害者雇用に関するグループ算定特例」
https://roumu.com
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2009年4月10日「平成22年7月に予定される障害者雇用の除外率10%引き下げの概要」
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2009年3月2日「労政審の答申が行われた障害者雇用促進法の改正内容」
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2009年2月23日「徐々に明らかになってきた障害者雇用に関する法改正の詳細」
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2009年2月17日「障害者雇用に関して創設・拡充された助成金制度」
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2008年12月22日「改正障害者雇用促進法が成立 障害者納付金が中小企業にも段階的に適用」
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参考リンク
厚生労働省「障害者雇用促進法が改正されました」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/dl/koyo_poster.pdf
独立行政法人 高齢・障害者雇用支援機構「障害者雇用納付金制度が一部改正されました。」
http://www.jeed.or.jp/disability/employer/download/revision.pdf


(宮武貴美)


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