急速な業績悪化により26.9%の企業が雇用調整を実施へ
先日、帝国データバンクより「雇用調整に関する企業の動向調査」の結果が発表されました。この調査は昨年12月17日から今年の1 月5日において全国20,455社を対象に行われた雇用調整に関する企業の動向についての調査結果(有効回答企業数10,731社)。これによれば、急速な企業業績の悪化により従業員の削減を実施もしくは検討している企業が全体の26.9%にも上ることが明らかになりました(グラフはクリックして拡大)。
昨年末までに「正社員」「非正社員」のいずれかまたは両方を削減した企業は全体の15.4%となっていますが、今年以降に人員削減を検討している企業は22.4%と増加しており、今後更なる人員削減が進められる方向にあります。昨年末は「派遣切り」というキーワードに象徴されるように非正規社員の削減が中心でしたが、今年以降で人員削減を検討している企業の動向を見ると、「正社員」を削減対象としている企業が14.7%、「非正社員」を対象としている企業が16.9%となっており、今後は非正規社員に止まらず、正社員の希望退職など人員削減が急増することは間違いなさそうです。
多くの企業の状況を見ていると、急激な受注減に加え、契機の底が見えない状態が続いており、人員削減の圧力は今後も強まる一方ではないかと予想されます。しかし、安易な人員削減は法的問題を抱えるだけではなく、残された従業員にも大きな不安を与え、大きくモティベーションを低下させることになります。よって人員削減を検討するに当たっては、一時帰休など最大限の解雇回避努力を行うことが強く求められます。
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参考リンク
帝国データバンク「雇用調整に関する企業の動向調査」
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/keiki_w0812.html
(大津章敬)
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