[改正労基法](4)引上げ分の割増賃金の支払に代えた代替休暇の付与要件

 今回の労働基準法改正では、法定割増賃金率の引上げが注目を浴びていますが、これに関連して導入される代替休暇制度についても押さえておきたいところです。そこで本日はこの代替休暇制度のうち、付与要件について取り上げてみましょう。


 1ヶ月に60時間を超える時間外労働を行った場合には、法定割増賃金率が25%引き上げられ、50%になることは2009年6月10日のブログ記事「[改正労基法](1)法定割増賃金率引き上げと所定休日労働の関連」などにおいて取り上げたとおりです。今回の改正では、この法定割増賃金率の引き上げと抱き合わせのような形で長時間労働をさせてしまった労働者に付与する代替休暇が導入されています。この代替休暇制度は、1ヶ月に60時間を超える時間外労働を行った労働者に対し、今回の改正における割増賃金率の引上げ分の割増賃金の支払いに代えて、有給の休暇を付与することができるというものです。代替休暇付与のためには、まず労使協定を締結した上で、一定以上の時間外労働を行った労働者が代替休暇を取得する意思がある場合に、割増賃金の支払いという金銭補償に代えて休暇を与えることができます。


 繁閑が激しく、事前にある程度の予定を組むことができるような事業所には適用できるかと思われますが、代替休暇としての付与時間数の換算や期間管理等、事前に整備しておくべき事項が相当多くなりそうです。これら代替休暇を導入する際に検討しておくべきポイントについては次回以降で詳細に見ていくこととします。



7月9日(木)に名古屋で労基法改正セミナーを緊急開催!
 名南経営では、来る7月9日(木)に名古屋・栄の名古屋市青少年文化センター会議室(ナディアパーク9階)で、平成22年4月施行の改正労働基準法に関する緊急セミナー「平成22年4月施行の改正労働基準法の概要と知っておきたい実務ポイント」を開催します。以下よりお申込み頂けますので、是非ご参加下さい。
https://www.roumu.com/seminar/seminar_rouki2010.html



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2009年3月10日「改正労働基準法の省令案要綱が明らかに」
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2008年12月24日「改正労働基準法のパンフレット ダウンロード開始」
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2008年12月16日「改正労働基準法に関する最初の通達が発出」
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2008年12月5日「割増率引上げを中心とした改正労働基準法成立 平成22年4月1日に施行」
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参考リンク
厚生労働省「労働基準法が改正されます(平成22年4月1日施行)」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/12/tp1216-1.html


(宮武貴美)


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