確定拠出年金導入時の想定利回りは平均2.16% 在職中の貢献度を反映させる設計も増加

確定拠出年金導入時の想定利回りは 適格退職年金の移行期限まであと1年少しとなってきましたが、そんな中、企業年金連合会より2010年(第3回)の確定拠出年金に関する実態調査の結果が公表されました。今回は2007年以来、3年振りとなる注目の調査結果となっていますので、本日から数回に分けて、この重要部分について取り上げて行きたいと思います。


 確定拠出年金を導入する際には通常、加入者の運用利回りの期待値を設定した上で掛金を設定しますが、その想定利回りの平均は2.16%となりました。前回調査では2.34%となっていましたので、リーマンショックによる世界的な経済危機・株式市場下落の影響を受け、想定利回りも低下したものと予想されます。なおグラフはその分布ですが、2.0%ないし2.5%と設定する企業が圧倒的で、全体の約7割となっています。


 なお、掛金の設定方法は以下のとおりとなっており、3年前の調査よりもポイント制的な発想で、「職種・資格・等級によって掛金額を段階的に設定」する方式が増加していることがわかります。
□全社員一律定額   12.3% (前回13.7%)
□全社員一律の定率  35.6% (前回38.7%)
□職種・資格・等級によって掛金額を段階的に設定 49.6% (前回45.5%)
□定額と定率の組み合わせ 2.5% (前回2.7%)


 適年廃止に伴い確定拠出年金の導入を進めている企業も多いのではないかと思われますので、その際にはこの調査結果を是非参考にしてみてください。



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参考リンク
企業年金連合会「確定拠出年金に関する実態調査」
http://www.pfa.or.jp/jigyo/tokei/tokei02.html


(大津章敬)


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