過去最高を更新した民間企業における平成23年度の雇用障害者数
昨年7月、改正障害者雇用促進法の一部が施行され、常用雇用している労働者数が200人超300人以下の企業も障害者雇用納付金制度の対象となりました。また、改正法では、平成27年4月には対象となる企業が常用雇用労働者が100人を超200人以下の企業にも拡大することとなっており、多くの企業で障害者雇用の促進が大きな人事労務管理のテーマとなっています。
そのような中、先日、厚生労働省から「平成23年 障害者雇用状況の集計結果」が発表されました。この集計結果は、毎年6月1日現在の身体障害者、知的障害者、精神障害者の雇用状況について、障害者の雇用義務のある企業に厚生労働省が報告を求めているもので、平成23年度は以下のとおりの結果となりました。
民間企業(法定雇用率1.8%)
・雇用障害者数 36万6,199人
・実雇用率 1.65%
・法定雇用率達成企業の割合 45.3%
公的機関(法定雇用率2.1%、都道府県などの教育委員会は2.0%)
・国 :雇用障害者数 6,869人、実雇用率 2.24%
・都道府県 :雇用障害者数 7,805人、実雇用率 2.39%
・市町村 :雇用障害者数 2万3,363人、実雇用率 2.23%
・教育委員会:雇用障害者数 1万2,154人、実雇用率 1.77%
独立行政法人など(法定雇用率2.1%)
・雇用障害者数 7,231人、実雇用率 2.08%
平成22年7月の改正法施行では、短時間労働者の算入、除外率の引き下げ等も行なわれており、単純にこれらの過去のものと比較できないものの、民間企業における雇用障害者数は、過去最高を更新する結果となり、企業が積極的に障害者雇用を進めていることが想像されています。ただし、法定雇用率にはまだ未達成の企業もあり、障害者雇用への更なる取組みが今後も求められるでしょう。
関連blog記事
2011年8月3日「[ワンポイント講座]従業員の中の障害者を確認する際の注意点」
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2011年8月3日「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」
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2011年7月25日「障害者を多数雇用する企業に対する税制優遇制度が拡充に」
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2010年7月14日「[ワンポイント講座]短時間労働者数が変動するケースにおける障害者法定雇用人数のカウント方法」
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2010年4月23日「障害者雇用のポイントが非常によくまとまった小冊子「はじめからわかる障害者雇用~事業主のためのQ&A集」」
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参考リンク
厚生労働省「平成23年 障害者雇用状況の集計結果」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001vuj6.html
(宮武貴美)
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