中小企業における月60時間超の50%割増は平成31年度より適用へ
先日、労働政策審議会労働条件分科会において、注目を集めている今後の労働時間法制等の在り方について(報告書案)が示されました。各種報道では高度プロフェッショナル制度(ホワイトカラーエグゼンプション)や年休の取得義務化などに注目が集まっていますが、実務という観点でいえば、それら以上に注意しなければならない事項があります。当ブログでは実務家視点でそうした論点に内容と影響について取り上げて行きたいと思います。今回は、中小企業について猶予されている60時間超の時間外労働の割増率50%の適用について、この報告書案の内容を見ていきましょう。
この点について、今回の報告書案では、以下のような記載が見られます。
・中小企業において特に長時間労働者比率が高い業種を中心に、関係行政機関や業界団体等との連携の下、長時間労働の抑制に向けた環境整備を進めることが適当である。
・上記の環境整備を図りつつ、中小企業労働者の長時間労働を抑制し、その健康確保等を図る観点から、月60 時間を超える時間外労働の割増賃金率を5割以上とする労働基準法第37 条第1項ただし書きの規定について、中小企業事業主にも適用することが適当である。
・中小企業の経営環境の現状に照らし、上記改正の施行時期は他の法改正事項の施行の3年後となる平成31年度とすることが適当である。
このように中小企業における月60時間超の50%割増は平成31年度より適用の方向となっています。過重労働に基づく健康障害の防止を進めるため、今後、様々な長時間労働対策が打ち出される見込みとなっていますが、時間外割増賃金の増加という観点でも規制が強化されることになります。
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2015年1月28日「労政審報告書骨子案に見る中小企業の60時間超の割増50%の適用などの方向性」
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2015年1月22日「労政審報告書骨子案に見る企画業務型裁量労働制規制緩和の方向性」
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参考リンク
厚生労働省「第124回労働政策審議会労働条件分科会資料」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000073472.html
(大津章敬)
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