急速に変容する新入社員の意識 高まる教育のあり方を見直す必要性
2019年6月28日のブログ記事「「費用が全額自己負担でも勉強したい」と考える新入社員はたったの13.6%」のように、当ブログでは定期的に新入社員の意識調査の結果を取り上げています。これは「いまどきの若者は」と言いたいのではなく、過去からの変化を見ることにより、その傾向を把握し、人事管理に活かしていただきたいと考えてのことです。今回は、平成31年度新入社員1,792人を対象に日本生産性本部が実施した「働くことの意識」調査結果を公表しました。
様々な設問がある中で、本日は「若いうちは自ら進んで苦労するぐらいの気持ちがなくてはならないと思いますか。それとも何も好んで苦労することはないと思いますか」という設問を取り上げましょう。その回答は以下のようになっています。
苦労すべきだ 43.2%
好んで苦労することはない 37.3%(過去最高)
この回答の階差は平成24年度に過去最大の54.3ポイントを記録しましたが、たった7年で逆に過去最少の5.9ポイントまで縮小しています。この回答は就職環境と大きな相関がありますので、短期的な環境変化と見ることもできますが、こうした傾向が強まっているのは事実ですので、新入社員の育成を進める際には意識しておくとよいでしょう。
また、これに関連し、新入社員の就労意識で5年前との差が大きなものについても取り上げておきましょう。
+14.3ポイント 職場の上司、同僚が残業していても、自分の仕事が終わったら帰る(49.4%)
+9.6ポイント 仕事はお金を稼ぐための手段であって面白いものではない(42.3%)
+8.9ポイント 職場の同僚、上司、部下などとは勤務時間以外はつきあいたくない(30.1%)
▲14.9ポイント あまり収入がよくなくても、やり甲斐のある仕事がしたい(48.0%)
▲12.9ポイント 面白い仕事であれば、収入が少なくても構わない(42.0%)
▲8.1ポイント 人間関係では、先輩と後輩など上下のけじめをつけることは大切なことだ(83.2%)
いつの時代も新入社員は新人類などと言われますが、労使双方のこのようなトレンドがあることは理解しておきたいところです。
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参考リンク
日本生産性本部「平成31年度 新入社員働くことの意識調査結果」
https://activity.jpc-net.jp/detail/add/activity001566.html
(大津章敬)
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