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内部通報制度運用規程

内部通報制度運用規程 内部通報制度を運用する際に使用する内部規程のサンプル(画像はクリックして拡大)です。
重要度 ★★

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[ワンポイントアドバイス]
 内部通報制度というと「密告」というようなネガティブなイメージがどうしても付きまといますが、今後はコンプライアンス体制を構築するために積極的な活用を進めていきたい仕組みです。社内の不正などをまだ芽のうちに発見し、適切な対処を行うことはすべての企業において重要な課題となっています。この制度を構築する際には、公益通報者保護法への対応にも配慮し、また内部通報者に不利益取扱いが行われず、適正な措置が行われる状態を確保しなければなりません。


関連blog記事
2007年8月3日「内部通報制度 通報案件管理台帳」
https://roumu.com/archives/54755766.html
2007年8月2日「内部通報制度 通報受付票」
https://roumu.com/archives/54754310.html
2007年8月1日「内部通報制度 通報フォーム」
https://roumu.com/archives/54752627.html

 

参考リンク
内閣府国民生活局「公益通報者保護制度ウェブサイト」
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/koueki/

(宮武貴美)

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休職辞令

休職辞令 就業規則の定めに基づき、社員に休職を命じる際の辞令サンプル(画像はクリックして拡大)です。
重要度 ★★★

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[ワンポイントアドバイス]
 休職とは、私傷病など一定の事由に基づき長期欠勤する際、一定期間についてその雇用を保証する制度です。労働基準法などの法令に基づいて定められるものではなく、各社の就業規則等において定める制度ですが、近年はメンタルヘルス不全により長期欠勤する社員に対する取り扱いにおいて、その重要性が高まっています。休職期間満了までに復職できない場合には退職という取り扱いを行うこととなるため、就業規則においてそのルール(休職期間、事由、復職手続きなど)を定めた上で、今回ご紹介するような辞令によって、休職期間を明確に示しておくことが重要です。

(福間みゆき)

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配偶者の兄弟姉妹が亡くなったときの特別休暇はどのようにすればよいの?

 大熊は今日も定期訪問で服部印刷を訪問していたが、60歳以降の継続雇用制度の問題も解決し、一安心という雰囲気が流れていた。いつものように社長室で服部社長、宮田部長と面談をしていると、総務の福島が相談があるということで、社長室にやって来た。



福島照美福島さん:
 ご面談中失礼します。いま三沢係長から、奥さんのお兄さんが亡くなったという電話連絡が入りました。2日程度休みをもらいたいのだが特別休暇が利用できるのかと聞かれたのですが、どのように返答したらよいでしょうか?
服部社長:
 そうか、先日も三沢係長から具合が悪いとは聞いていたのだが、残念なことだな。
宮田部長宮田部長:
 えっと、就業規則の記載はどうなっていたかな?どれどれ、あぁ、あったあった。確かにわが社の就業規則では、「兄弟姉妹の死亡の場合 2日」の特別休暇を与えるとなっているね。しかし、これは実の兄弟姉妹をイメージして作成していたはずで、配偶者の兄弟姉妹の死亡で問い合わせがあったのは初めてだなぁ。大熊先生、どうしたらよいでしょうか?
大熊社労士:
 そうですねぇ、兄弟姉妹といえば一般的には実の兄弟姉妹を指しますが、現在の規定では、配偶者の兄弟姉妹も適用になると解釈できますね。三沢係長が葬儀が終わって出勤されたときに話し合って特別休暇の取扱いは実の兄弟姉妹のみのため有休で処理してもらいたいことを伝えるか、これを機会に義理の兄弟姉妹も特別休暇扱いにするかのどちらかでしょうね。
服部社長:
 三沢係長も話せば分からない人ではないので、出勤したら有休で処理してもらうよう私から話をしてみよう。しかし、規定であまり細かく書き過ぎると分かりにくくなるし、書き足りないと曖昧になるので、表現はなかなか難しいですね。ところで福島さん、葬儀の場所は分かるかね。
福島さん:
 はい、連絡を受けた際に確認しておきました。当社からですと、車で約1時間のところです。式の時刻と会場までの地図を用意しておきます。
大熊社労士:
 社長ご自身で参列されるのですか?
服部社長服部社長:
 できるだけそうしていますよ。もちろん、都合で行けないときもありますが、そのときは宮田部長に代わりに参列してもらうようにしています。親族が亡くなるということは、とても悲しいことです。社員はわが社としては家族のようなものですから極力参列するようにとの、先代からの教えを引き継いでいます。
大熊社労士:
 それは素晴らしいですね、感激しました。社員を思いやる気持ちと心遣いが服部印刷の現在の良い社風を生み出しているのでしょうね。ところで、特別休暇は会社内の慣習で取り扱いが決まっていればそれに基づいて対応することが一般的でしょうが、今回の問い合わせのようなケースもありますので、特別休暇の規定を改定し、実の兄弟姉妹と配偶者の兄弟姉妹を区分しておくと明確になるでしょう。
宮田部長:
 先生、ついでにお聞きしますが、特別休暇に土曜や日曜をはさむ場合は、どのように考えればよいのでしょうか?休日をその日数に含めるのか、含めないのか?
大熊社労士大熊社労士:
 良いご質問をいただきました。もとから労働義務のない休日に休暇は成立しないと考えられますので、疑問を持たれて当然です。ただ、特別休暇については労働基準法などに規定されているわけではありません。よって会社の裁量で決定することになります。兄弟姉妹の区分と同様、その取り扱いを決めておく必要があります。もし休日を含むのであれば「特別休暇は暦日で計算し、休日を含む」というように明記しておいた方が良いでしょう。一例を挙げてみましょう。
本人が結婚する時 7暦日
配偶者、子、実父母が死亡したとき 5暦日
実の兄弟姉妹及び祖父母、配偶者の父母が死亡したとき 3暦日(但し、喪主を務める場合は5暦日)
配偶者の祖父母及び兄弟姉妹が死亡したとき 2暦日(但し、喪主を務める場合は3暦日)
天災事変のためのやむをえないとき 会社が必要と認めた暦日数
その他、前各号に準じ会社が必要と認めたとき 会社が必要と認めた暦日数
 また、この特別休暇は有給なのか、無給なのかも明示しておく必要があります。例えば、有給の扱いとする場合は「特別休暇については所定労働時間労働したときに支払われる通常の賃金を支払うものとする」と記載します。
服部社長:
 わかりました。どのような表現がよいのか検討してみたいと思います。


>>>to be continued


[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。今回は「特別休暇」について取り上げてみました。特別休暇は、労働基準法上などの法令に基づいて与えるものではなく、企業としては福利厚生の一環として恩恵的に与える休暇になります。しかし、一旦就業規則などで規定をすると、社員にとっては請求できる権利となります。そこで、無用なトラブルを防止する観点から、運営が曖昧にならないように付与する事由(対象)、休暇の日数、請求の手続き、休暇中の給与の有無、試用期間中やパートタイマーなど正社員以外の者の適用はあるのかなど、ルールを明確にしておく必要があります。また、実務的には、例えば午前中仕事をし、午後から忌引のため早退したときの特別休暇の取り扱いをどうするのかなどを取り決めておく必要があるでしょう。その日一日を特別休暇に含めてとして取り扱うこともできますが、特別休暇を無給としている場合は、早退した日の午前中の賃金は支給しなければならないことはいうまでもありません。



関連blog記事
2007年6月1日「慶弔見舞金規程」
http://blog.livedoor.jp/shanaikitei/archives/54367891.html
2007年1月20日「休暇(欠勤)届」
http://blog.livedoor.jp/shanaikitei/archives/51723593.html


参考リンク
労務行政研究所「慶弔休暇の日数に休日を含めて定めることは、法令上可能か」
http://www.rosei.or.jp/service/faq/faq0/faq0403_04.html


(鷹取敏昭)


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内部通報制度 通報案件管理台帳

内部通報制度 通報案件管理台帳 内部通報制度を運用する際に使用する内部通報の案件管理台帳のサンプル(画像はクリックして拡大)です。
重要度 

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[ワンポイントアドバイス]
 内部通報を受けた際には、その通報内容を確認した上で、必要な調査を実施し、不正行為等の是正措置を行うことが求められます。それらの必要手続きが適正に行われるよう、案件単位でこうした台帳を整備し、漏れがないようにすることが重要です。また内部通報者に対して、嫌がらせなどの不利益取り扱いが行われていないかについてもフォローしておくことが必要です。


関連blog記事
2007年8月2日「内部通報制度 通報受付票」
https://roumu.com/archives/54754310.html
2007年8月1日「内部通報制度 通報フォーム」
https://roumu.com/archives/54752627.html

 

参考リンク
内閣府国民生活局「公益通報者保護制度ウェブサイト」
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/koueki/

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内部通報制度 通報受付票

内部通報制度 通報受付票 内部通報制度を運用する際に使用する内部通報の通報受付票のサンプル(画像はクリックして拡大)です。
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[ワンポイントアドバイス]
 昨日は内部通報制度の通報フォームを取り上げましたが、本日は内部通報の受付窓口で使用する通報受付票を取り上げます。実際に通報があった際には、こうした受付票を使用し、出来る限り情報に漏れがないように通報の内容を把握することが求められます。その際、あくまでも通報者から聞いた事実のみを記載し、受付者の印象や主観を交えないようにすることが重要です。また運用上は通報の事実が漏れないように細心の注意を払う必要があります。なお通報の受付をした際には、通報者に対し、通報を受け付けた旨の連絡をし、また本人が希望する場合にはその調査の進捗状況や会社としての処理状況について連絡をすることが重要です。


関連blog記事
2007年8月1日「内部通報制度 通報フォーム」
https://roumu.com/archives/54752627.html

 

参考リンク
内閣府国民生活局「公益通報者保護制度ウェブサイト」
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/koueki/

 

(大津章敬)

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内部通報制度 通報フォーム

内部通報制度 通報フォーム 社内における組織的または個人による違法・不正・反倫理的行為に関する内部通報制度を設けた際、社員等からの通報に使用するフォームのサンプル(画像はクリックして拡大)です。
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[ワンポイントアドバイス]
 先日もミートホープ社の牛肉偽装が内部通報により発覚しましたが、近年、これと同様に内部通報により多くの企業の不祥事が発覚しています。内部通報制度は社員からの内部告発を組織的に奨励することで、社内の違法行為等を未然に発見し、積極的に解決していくための仕組みです。この通報フォームのベースとなる「内部通報制度運用規程」は近日中に公開しますので、そうしたツールを利用し、自社内のコンプライアンス推進体制の構築を進めて頂ければ幸いです。


参考リンク
内閣府国民生活局「公益通報者保護制度ウェブサイト」
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/koueki/

 

(大津章敬)

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留学費用貸与(借用)契約書

留学費用貸与(借用)契約書 社員に対し、留学費用を貸し付ける際の契約書サンプル(画像はクリックして拡大)です。
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[ワンポイントアドバイス]
 社員を海外留学に派遣した後、数年以内に退社した場合に、その留学費用を返還させるという取り扱いが一般的によく見られます。しかし、これを単純に返還させると労働基準法第16条の「賠償予定の禁止」に抵触することとなるため、「留学費用を支出し、返還」させるのではなく、「留学費用を貸し付け、一定年数の勤務をもっとその返還を免除する」という取り扱いを行うことが求められます。この契約書はそうした費用の貸し付けの際に使用します。


関連blog記事
2007年7月30日「海外留学規程」
https://roumu.com/archives/54750965.html

 

参考リンク
労務行政研究所「自己啓発支援制度を利用して資格を取得した社員が他社に転職した場合、補助金の返還を求めることはできるか」
http://www.rosei.or.jp/service/faq/faq0/faq0402_10.html
独立行政法人労働政策研究・研修機構「留学費用返還請求事件」
http://www.jil.go.jp/kikaku-qa/hanrei/data/094.htm

(福間みゆき)

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海外留学規程

海外留学規程 社員を海外留学させる際の取り扱いについて定めた規程のサンプル(画像はクリックして拡大)です。
重要度 

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[ワンポイントアドバイス]
 この規程のポイントはなんといっても、留学を終えて復職し、一定期間勤務しない場合は、その費用を従業員に負担させることがあるというルールを如何に整備するかに尽きます。単純に留学費用を返還させるルールでは労働基準法第16条の「賠償予定の禁止」に抵触することになります。よって対応としては、留学する社員との間で金銭消費貸借契約(留学費用の貸付を行い、帰国後一定年数を勤務したらその返還を免除する特約付きの契約)を締結するというのが基本線になります。もっとも各種裁判例を見ると業務との関連性などの実質面の勘案など、様々な問題点がありますので、実際にこの制度を運用する際には、そうした各種裁判例をチェックすることが必要です。参考になりそうな情報については参考リンクに入れておきましたので、あわせてご覧ください。

[根拠条文]
労働基準法 第16条(賠償予定の禁止)
 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。


参考リンク
労務行政研究所「自己啓発支援制度を利用して資格を取得した社員が他社に転職した場合、補助金の返還を求めることはできるか」
http://www.rosei.or.jp/service/faq/faq0/faq0402_10.html
独立行政法人労働政策研究・研修機構「留学費用返還請求事件」
http://www.jil.go.jp/kikaku-qa/hanrei/data/094.htm

 

(福間みゆき)

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高年齢社員の雇用継続を考える際に注意すべきことは何でしょうか?

 今回も前回に引き続き、服部印刷での高年齢者の雇用継続制度についての打ち合わせ。対象となる者が今年の秋にはじめて出るということで、服部社長も宮田部長もかなり慎重になっていることが分かった。



宮田部長:
 高年齢者の雇用継続制度での給与の考え方はこれまでの説明でわかりました。高年齢者の雇用継続を行う上で、その他注意すべきことはありますか?
大熊社労士大熊社労士:
 はい。これは一般論になりますが60歳以降の方は、能力や体力に大きな個人差があるといわれています。能力面では60歳までに培われてきた経験の差が大きく反映されることはお分かりのことと思いますが、体力面では無理をすると疲れやすい、疲れが取れないなどを訴える回数が次第に増えてくる方もいます。また、視力についての個人差は非常に大きいともいわれています。さらに、一見健康そうであっても次第に慢性的な疾患を持つようになってきますので、健康管理には十分注意が必要です。
服部社長:
 そうだなぁ。60歳台の知り合いでも、若者以上に元気な人がいる一方、ほんの数年の間に衰えてきて、それまでがっちりした体格だったのに体重が急に落ちて足腰の筋肉がそぎ落とされたように痩せてしまった人もいるねぇ。
大熊社労士:
 定年時点では、それまでと変わりなくても60歳以降は特に体力や健康に注意をしておくことが必要でしょう。また、これらを考慮して、新たな勤務シフトを作ることも工夫の一つでしょう。
宮田部長:
 例えば、勤務時間を短くするといったことでしょうか?
大熊社労士:
 そうです。8時間勤務のフルタイムよりも勤務時間を短くするというシフトです。または勤務日数を少なくすることや、フレックスタイム制の導入なども考えられますが、新たな勤務シフトについては、他の社員さんとのバランスを考えながら設計する必要があります。再雇用とはいえ会社の生産性に影響を与え、風土を壊すような好き勝手な働き方をしてもらっては困ります。また、設備面で安全対策をより講じるということも必要かもしれません。
服部社長服部社長:
 そうですね。ところで、わが社の雇用継続の対象者を見ると、この前お話しましたように当分は役職者が続きます。それらの者はみな元気で優秀な社員なのですが、全員が雇用継続を希望した場合にどのような職務で働かせたら良いでしょうか、実は賃金の決め方よりも、そのあたりが気になっているのです。
大熊社労士:
 そうですね。実際に多くの企業でお話をお聞きしていると、「高年齢者の担当する仕事を自社内に確保するのが難しい」であるとか、「管理職社員の扱いが難しい」という課題が浮かび上がってきます。いま社長が気になっているとおっしゃったこと、そのものですね。この点については十分検討する必要があるでしょう。今年は寺田部長お一人ですが、やはり今後のことを考えておくべきで、中期的にどのような役割を担ってもらうかを検討しておくことは必要不可欠でしょう。また管理職社員の扱いに苦労するという点ですが、それまで上司であった社員を、定年を超えたからといってすぐに部下として扱うのは現実的に難しいですし、部下として扱われる高年齢の方も抵抗感があるでしょう。特に、上司と部下との関係がよくない場合にはトラブルになる可能性もありますので、人事担当者はそのあたりのことに配慮しておく必要があります。管理職であった者を雇用継続で再雇用する場合、まずは「職務や職場を変える」ことを考えますが、現実的に中小企業では難しいですね。ですから、現実的には「新たな仕事や役割を創設する」こと、もしくは「担当すべき仕事と目的を明確にする(社員の業務フォローや技能継承、教育など)」ことが必要です。
服部社長:
 そうですね。についてはいいかも知れません。当社の業務はここ10年で大きな技術革新が進んでいますが、そうはいっても暗黙知の部分を中心に、まだまだ若手に引き継がなければならない技術や能力がたくさんあります。ベテラン社員には当社の継続的な発展のためにも、そうしたノウハウを積極的に引き継いでもらわなければなりません。
大熊社労士:
 それでは次に、賞与はどのように考えていますか?
宮田部長宮田部長:
 賞与ですか?これは考えていませんでしたね。一般の社員と同じように扱うものと思っていましたので、大熊先生に質問されるまで意識していませんでした。
大熊社労士:
 一般社員と別にしなければならないということではありません。再雇用ということを考えれば、一般社員より低い率で支給したり、一律定額を支給することは可能ですし、また支給しない会社もあるなど取り扱いは様々です。どのような扱いにするのかは会社独自で設定できますが、高年齢者のモチベーションには配慮したいところです。もちろん、一般社員と同様の計算方法で支給するということも問題はありません。ただし1点注意をしておいて欲しいことがあります。それは、賞与が年金額に反映されることです。
宮田部長:
 月給だけではないのですか?
大熊社労士:
 はい、平成15年4月から賞与にも厚生年金保険料がかけられたことはご存知のことと思います。この総報酬制が導入されたことで、働きながらもらう年金にも影響してきています。具体的には過去1年間の賞与総額によってもらえる年金額が調整され、変わってくるのです。この点が非常に分かりにくくなっており、支給されると思っていた年金額が支給されない、または減額されるというトラブルになることもあります。
宮田部長:
 年金額を一人ひとり考えながら支給することは、難しいで
すね。
大熊社労士:
 この点は、再雇用の契約時によく説明しておくことが必要でしょう。特に60歳から61歳までの間は、定年前1年間の賞与総額が反映されることになりますので、年金額が少なかったり、支給されなかったりする可能性があります。ただ正確な年金額を知るためには、年金相談センターや社会保険事務所で詳しく調べてもらう必要がありますので、対象者の方にはそのように説明しておくとよいでしょう。
服部社長:
 大熊さん、いろいろ教えていただきありがとうございました。わが社でももう一度、定年後の雇用継続について現場の意見も含めて再度検討してみたいと思います。


>>>to be continued


[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。前回に引き続き「高年齢者の雇用継続制度」について取り上げ、60歳以降の高年齢者を継続して雇用するときの注意点をみてみました。上記以外に退職金についても注意を払っておく必要があります。基本的には再雇用で60歳以降の勤務に対して退職金を支給しないのが一般的でしょう。そのためには再雇用就業規則や雇用契約書、退職金規程などで明確に規定しておくことが必要です。いろいろ注意点をあげてみましたが、そもそも高年齢者に働いてもらうための目的は何か?また高年齢者を受け入れるために許容できる範囲はどの程度かを第一に考えるべきでしょう。単に人件費を抑えられるからとか、他社が制度を取り入れているからという考えでは、生産性の向上には繋がりません。高年齢者は、高い技能・技術や豊富な知識を持っていますので、人材確保が難しくなってきている昨今、高年齢者の活用は経営上非常に重要なポイントとなりますので、モチベーションを高く持って生産性に寄与してもらうための雇用のあり方を独自で検討されることが必要でしょう。



関連blog記事
2007年7月23日高年齢者を再雇用する際の処遇は、どう考えればいいの?
https://roumu.com/archives/64576722.html
2007年7月16日「わが社の「高年齢者継続雇用制度」はこれで良いのでしょうか?」
https://roumu.com/archives/64567296.html
2007年7月16日「多様な労働力を活用するダイバーシティマネジメントで組織を活性化」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51021392.html
2006年12月25日「継続雇用制度における選定基準等に関する協定書」
http://blog.livedoor.jp/shanaikitei/archives/51220945.html
2006年9月11日「改正高年齢法への対応は67.2%の企業が継続雇用制度を選択」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/50717803.html


参考リンク
厚生労働省「改正高齢法に基づく高年齢者雇用確保措置の実施状況について」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/10/h1013-3.html
厚生労働省「高年齢者雇用対策」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/koureisha.html


(鷹取敏昭)


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立替経費精算書

立替経費精算書 社員が出張経費などを立替支給した際、それを精算するための書類のサンプル(画像はクリックして拡大)です。
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[ワンポイントアドバイス]
 出張の際には、交通費・宿泊料・通信料など様々な実費が発生します。また出張旅費規程に基づき、日当などの支給もあるかも知れません。こうした各種経費等を帰社後に精算しますが、この書式はその際に使用するものです。具体的な取り扱いは出張旅費規程の定めに基づき運用することになりますが、通常は宿泊費などの領収書を添付し、申請させます。


関連blog記事
2007年7月19日「出張旅費規程」
https://roumu.com/archives/54732493.html

 

参考リンク
スタッフアドバイザー「出張旅費についてのアンケート」
http://www.staffad.com/question/rslt_006.htm

(大津章敬)

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