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今年1月の職業安定法改正により、人材募集時の注意点があります

 新年を迎え、今年初めての訪問で、大熊は服部印刷の門をくぐった。


大熊社労士大熊社労士:
 あけましておめでとうございます。昨年は大変お世話になり、ありがとうございました。今年もよろしくお願いします。
福島さん:
 先生、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
宮田部長:
 先生、働き方改革の動きもあり、今年から来年にかけて、様々な法改正が予定されいているようですので、いろいろ教えてください。
大熊社労士:
 はい、承知しました!早速ですが、現在、御社では、人材の募集を行っていらっしゃいますよね?
宮田部長:
 はい。昨年先生にご相談した男性社員が退職になることから、いま募集をかけているところです。
福島さん:
 残念ながら、まだ応募の問い合わせはないのですが…
大熊社労士:
 そうでしたか。実は今月(2018年1月)から職業安定法が改正されており、採用募集時に注意しなければならないことがありますのでお話しておきます。まず、人材の募集を行う際には、初回の面接までに原則としてすべての労働条件を明示しなければならないとされました。
福島さん:
 これまでも募集内容は明示していたかと思いますが、何が変わったのですか?
大熊社労士:
 はい、人材募集の際には、確かに業務内容、勤務時間、賃金等を明示していたかと思いますが、最低限明示しなければならない労働条件として、以下の項目が追加されました。
試用期間
裁量労働制を採用している場合はその記載
固定残業代を採用している場合は、基本給と区別した固定残業代の金額、何時間分の手当か、時間外労働の有無に関わらず支払うこと、当該時間外時間を超えた場合は、追加で割増賃金を支払うこと
募集者の名称、氏名
派遣労働者として雇用する場合は、派遣労働者であることの雇用形態
宮田部長宮田部長:
 ふむふむ、当社では裁量労働制や固定残業代は採用していませんし、派遣労働者として雇用することもありません。そして試用期間、募集者の名称はきちんと記載しているから問題なさそうですね。
福島さん:
 当社の場合には直接は関係ありませんが、固定残業代の内訳を記載するようになったということは、いわゆるブラック企業対策ということなのでしょうか?
大熊社労士:
 さすが、福島さん。基本給の中に残業代を含むとして、一切残業代を支払わないなどの悪質な会社があったりして問題となっていました。応募者が入社する前に残業代の支給方法についても、きちんと確認できるようになった訳です。ところで、今回の人材募集において、賃金はどのように明示されていますか?
宮田部長:
 基本給は、応募者の経験、能力に応じて決めようと思っていますので、25万円~30万円としています。
大熊社労士:
 そうですか。そのように基本給に幅を持たせて明示している場合は、面接等によって基本給の金額が決まる訳ですよね。その場合、決定した基本給を入社前までに書面で応募者に知らせなければならないとされました。この点についても問題はありませんよね?
宮田部長:
 はい。これまでも決定した金額は内定通知書などで知らせています。
大熊社労士:
 今回の改正では、当初の募集内容と変更した内容を対照できる書面としています。内定通知書などで明示できない場合は、入社時の労働条件通知書で変更された事項に下線を引く、着色する方法などで明示する方法も可能としていますが、なるべく入社前までに書面で渡しておいた方がよいでしょうね。
福島照美福島さん:
 わかりました。今回から、募集条件に変更があった場合は、変更前と変更後の対照を内定通知書に記載するようにします。
宮田部長:
 年始早々、早速法改正の対応を取らなくてはいけませんね。
大熊社労士:
 そうですね。しかし、滞りなく法改正の対応を取っている会社は、応募者に安心感を与えることができますし、いい人材を採用できることにもつながりますからね。しっかり対応していきましょう。
福島さん:
 先
生、今後もいろいろ教えてください。
大熊社労士:
 はい、わかりました。随時お伝えしていきます!

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス
 こんにちは、大熊です。2018年1月より職業安定法が改正され、労働者の募集時には、最低限明示しなければならない労働条件の項目が追加され、また募集時の条件から変更があった場合には、変更前と変更後の対照を書面にて明示することが必要になりました。変更の対照については、原則書面ですが、応募者が希望した場合には電子メールでも可能です。法改正について詳細を確認し、不備が無いよう対応したいものです。


参考リンク
厚生労働省:平成29年職業安定法の改正について
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000172497.html

(小浜ますみ)

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オーディオセミナー「激変する中国マーケットで闘うために日系企業が今すべき現地対応」販売開始

cycle 今の中国は数年前とは大きく異なり、都市部にはモバイクといわれるシェア自転車が溢れており、爆発的にそれが普及しています。また、レストランや小売店に至っては、スマートフォンによって決裁をすることが一般的で、「安い人件費で生産をする拠点」という印象がないくらい近代的な社会が一部にみられます。実際、現地における人件費は高騰し、製造業の多くは厳しい経営環境に直面していますが、他方でサービス業を中心に様々なビジネスが登場してきており、国民の購買意欲は右肩上がりに上昇していることから景気の勢いを感じることも少なくありません。

 そこで、先日、株式会社名南経営コンサルティング及び社会保険労務士名南経営では、こうした状況下の中で中国のマーケットをどのように捉え、自社の今後の中国ビジネスにおいて何をしなければならないのか等といったことを現地の最新成功例を交えながらお話させて頂くセミナーを開催しました。今回、みなさまからのご要望で当日の音声とレジュメを販売することとなりました。数量限定での販売となりますので、この機会にぜひご検討ください。


オーディオセミナー
激変する中国マーケットで闘うために日系企業が今すべき現地対応
講師: 清原 学 株式会社名南経営コンサルティング


【カリキュラム】
いま中国で何が起きているのか~モバイク、スマホ決裁等~
共産党大会の総括からみる今後の中国の行方します
現地からみた今後有望な中国ビジネス
これからの製造業の中国における事業戦略
日系企業がしなければならない現地対応 等


[音声概要]

■商品価格 8,640円(消費税込・送料込) 

■商品構成 
(1)セミナー音声CD-ROM<MP3形式> 約2時間58分
(2)講義レジュメ(18ページ・36スライド分)
  ※レジュメはA4サイズ1枚に2スライド分が両面印刷されています。
        

[お申込]
 本商品は販売終了となりました。多くのお申込をいただき、ありがとうございました。

(大津章敬)

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東京都労組の2017年年末賞与の平均妥結額は前年比0.92%増の794,124円

賞与 先日、東京都産業労働局は「2017年年末一時金要求・妥結状況」の最終集計(平成29年12月14日現在)を公表しました。これによれば、既に妥結した労働組合のうち、前年妥結額と比較可能な563組合の平均妥結額は794,124円となりました。同一労組の前年妥結額(786,851円)との比較では、金額で7,273円、率で0.92%の増となっています。

 産業別・業種別妥結金額の分析対象(5組合以上)となった30業種のうち、対前年比がもっとも高かったのは、「建設業」(12.45%)、以下「複合サービス事業」(4.11%)、「電子部品・デバイス・電子回路製造業」(4.04%)となっています。一方、対前年比がもっとも低かったのは、「金融・保険業」(▲10.70%)、続いて「電気機械器具」(▲5.60%)、「パルプ、紙、紙製品」(▲4.40%)となっています。


参考リンク
東京都産業労働局「2017年年末一時金要求・妥結状況について(最終集計:平成29年12月14日現在)」
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/12/18/04.html

(大津章敬)

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障害者の「企業グループ算定特例」を知っていますか?

 服部印刷への訪問も、今日が今年の最後になる。最後ということで、服部社長も訪問を待ってくれているのが視界に入ってきた。


大熊社労士:
 こんにちは。今年ももう残りわずかとなりましたね。1年間、お世話になりました。
宮田部長:
 こちらこそ。本当に色々教えていただきありがとうございました。
服部社長:
 今年もいろいろありましたね。
大熊社労士:
 本当にそうですね。私にとっては、育児・介護休業法が2回も改正された珍しい年として印象に残っています。そして、来年は社会保険関係の保険料率が色々変更されそうですし、障害者の法定雇用率も引き上げとなりますので、このご質問が多くなってきています。
福島照美福島さん:
 障害者の雇用となると、やっぱり、どうやったら採用できますか?というのが多いのでしょうか。
大熊社労士:
 そうですね。もちろん、そういったご質問も多いのですが、時折、特例子会社を作りたいという相談があったり、グループ会社でまとめて算定できないかといった相談がぼちぼち出てきています。
宮田部長:
 特例子会社?何らかしらのメリットが受けられるのですか?「特例」だから。
大熊社労士大熊社労士:
 そうですね。障害者の雇用というのは、原則として個々の事業主に課せられていますよね。ですので、企業ごとに法定雇用率を満たしているか否が重要となります。ただし、障害者を雇用するとなると、少なからず配慮が必要になるので、一般の企業にそれを求めるとかなり負担になることもあります。
服部社長:
 確かに、車椅子の人がうちの会社に入社することを考えると、スロープの設置やエレベーターの設置と、かなり負担になり、雇用のハードルは高くなると感じます。
大熊社労士:
 そのため、障害者の雇用に特別の配慮をした子会社を設立し、そこで障害者を雇用し、その雇用している従業員を親会社で雇用しているとみなして雇用率を算定できる制度が設けられています。これが特例子会社の制度です。
宮田部長:
 なるほど、子会社の障害者を親会社の従業員とみなすことが特例ということですね。
服部社長服部社長:
 確かに障害者の雇用を一つの会社で行うことで、施設的な問題は解決しやすくなるでしょうし、労務管理の面でも行いやすくなるのでしょう。ただ、わざわざ子会社を作るとなると、それなりの企業規模・・・大企業が中心になるのではないですか。
大熊社労士:
 ええ。その傾向が強いです。そもそも特例子会社の認定要件の一つとして雇用する障害者が5人以上というものがありますので、少なくとも従業員が250名以上の企業が考える制度となります。もちろん、障害者を多く雇用して、調整金を受けることを念頭に置き、会社を設立することもあるのかも知れませんが。
服部社長:
 やはりそうですね。
福島さん:
 大熊先生、先ほどおっしゃった「グループ会社」というのも同じですか?
大熊社労士:
 よい質問をありがとうございます。グループ会社というと、先ほどの親会社~特例子会社の印象を持つかもしれませんが、特例子会社を設立することなく、「企業グループ全体」で雇用率を算定できる特例もあるのです。これを「関係会社特例」といった「企業グループ算定特例」といったりしています。
宮田部長:
 それって、普通のグループ会社ってことですか?
大熊社労士:
 「普通」って難しいのですが(苦笑)、特例子会社を設立するのではないと見ると普通かも知れません。例えば、事業の一部を分社化することや、他社を買収し、子会社化することなどで、子会社ができることがありますよね。こういう子会社を企業グループとして雇用率を算定することができるのです。
宮田部長:
 う~ん、いまいちイメージがつかないな。
大熊社労士:
 そうですよね。例えば、以下のような企業があるとしましょう。
 A社(親会社):従業員数110名 障害者1名を雇用
 B社(子会社):従業員数50名 障害者1名を雇用
 C社(子会社):従業員数30名 障害者1名を雇用
 法定雇用率は2.0%なので、A社は障害者1名の雇用が不足となります。
福島さん:
 C社は、雇用の義務まではないが雇用している企業ということになりますね。
大熊社労士:
 そうですね。A社については、従業員数が100名を超えているので、障害者雇用納付金の対象となる会社でもあり、現状は特例期間中ですので、不足分1名につき、4万円の納付金の支払が必要になります。ただし、A社からC社までを合算して考えると、法定雇用障害者数は3名実雇用率も3名で法定雇用率を満たしていることになるのです。
宮田部長宮田部長:
 そうか。全部の会社の従業員数を足しちゃうと母数が大きくなるから、障害者雇用数も多くなると思ったけれども、障害者を多く雇用している子会社があったりすれば、メリットが出てきますね。
大熊社労士:
 ただし、この「関係子会社特例」を利用するときには、2社以上の関係子会社が必要であったりするので、要件をきちんと確認する必要があります。
宮田部長:
 当社はいまのところ関係ないのですが、そういう制度もあるということを知っていたほうがよさそうですね。
大熊社労士:
 そうですね。それでは今年のお話はこれくらいにして・・・来年もよろしくお願いいたします。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス
 こんにちは、大熊です。雇用率算定特例については、これらの他に「関係会社特例」と「特定事業主特例(事業協同組合等算定特例)」があるため、関心のある方は参考リンクからご確認ください。


関連blog記事
2017年7月17日「2018年4月より障害者の雇用率が2.2%に引き上げられます」
https://roumu.com/archives/65781320.html

参考リンク
厚生労働省「障害者雇用率制度」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaisha/04.html
愛知労働局「障害者雇用について」
http://aichi-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/hourei_seido_tetsuzuki/shokugyou_taisaku/_79409/index0.html
埼玉労働局「職業対策関係」
http://saitama-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/hourei_seido_tetsuzuki/shokugyou_taisaku.html

(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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退職が決まっていても育児休業は取れますか?

 以前、男性の育児休業について質問があった従業員が退職するとの連絡があり、大熊は服部印刷へ向かった。


福島さん:
 先生、こんにちは。お待ちしていました。
大熊社労士:
 こんにちは、福島さん。育児休業の取得を考えていた男性の方、退職されるのですか?
宮田部長:
 はい、奥さんのお父さんが倒れたということで、その会社の手伝いをしなければならなくなったということなのです。
大熊社労士:
 それは急展開な話ですね。奥さんのお父さんの具合はあまりよくないのでしょうか?
福島さん:
 倒れて3ヵ月、ずっと入院されているそうです。退院できたとしても、以前のように働くことは難しいようなのです。
宮田部長宮田部長:
 以前から将来的にはその会社の跡を継ぐという話はあったようなので、その時期が早まったということですね。具体的な退職時期は3ヵ月後となりました。
福島さん:
 一方、奥さんの出産予定日は2ヵ月後ですので、退職の少し前には出産されることになります。その場合、退職前に育児休業を取得することもできるのかなと、ふと思ったのですが…。
大熊社労士:
 今回については育児休業は取得できませんね。労使協定において、「申出があった日から1年以内に退職する者」を育児休業を取得できない者としている場合には、育児休業を取得することはできません。御社ではその労使協定を締結されていますので、今回は取得できないということになります。
宮田部長:
 彼は周りからの信頼もあって、よくやってくれている人だから、なんだか最後に育児休業も認めてあげたい感じなのですが。
大熊社労士大熊社労士:
 それは、育児休業中は雇用保険の育児休業給付金が支給されるからでしょうか?あらかじめ退職が分かっている場合には、育児休業を取得しても雇用保険の育児休業給付金を受給することはできませんよ。
宮田部長:
 ええっ、そうなんですか?
大熊社労士:
 育児休業給付金は、職場復帰を前提とした給付金です。最初から退職が決まっている場合や、育児休業の途中で退職することが決まった場合でも、退職が決まった以降は給付金をもらうことができません。本当は給付金をもらうことができないのに、給付金がもらえるような対応をしてしまうと、不正受給になり、不正受給した金額の3倍の金額を納めることになりますので、注意してください。会社も連帯として処分を受けることなります。
宮田部長:
 考えが安易でした…。
福島照美福島さん:
 今後、育児休業者が発生したときはそのことを気を付けます。また、労使協定で締結されている育児休業が取得できない人もよく確認しておきます。
大熊社労士:
 そうしてくださいね。分からないことがあったらいつでも連絡をください。しかし、期待していた従業員が退職となるのは残念ですね。
宮田部長:
 はい、彼にはもっと働いてもらいたかったのですが、非常に残念です。また募集をかけます。
大熊社労士:
 いい人が採用できること願っています!

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス
 こんにちは、大熊です。育児休業に関しては、労使協定の締結により、①申出があった日から1年以内(延長、再延長の場合は6ヵ月以内)に退職する者は取得することができません。他に、育児休業が取得できない者として、雇用された期間が1年未満の者、③週の所定労働日数が2日以下の者も対象となります。特に、に該当する週1~2日勤務の女性パート従業員が妊娠した場合は、産前産後休業は取得できても、育児休業を取得することはできませんので、注意が必要です。は、労使協定の締結がない会社は育児休業を認めることになりますので、自社で労使協定が締結されているかどうか確認しておきましょう。


関連blog記事
2017年9月4日「男性の育児休業はいつから取得できますか?」
https://roumu.com/archives/65784233.html

参考リンク
厚生労働省「育児・介護休業法について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html

(小浜ますみ)

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中国最新動向セミナーを開催しました(2017年12月13日)

写真 名南経営コンサルティングネットワークでは、国際関係の様々なセミナーを開催しています。今回は、名南経営名古屋本社において、モバイクやスマホ決済など中国経済、ビジネスの最新動向をお伝えするセミナーを開催しました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

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『~モバイク、スマホ決済等にみる中国ビジネスの変貌~
激変する中国マーケットで闘うために日系企業が今すべき現地対応』

<セミナーのポイント>
1.今、中国で何が起きているのか~モバイク、スマホ決済等~
2.共産党大会の総括からみる今後の中国の行方
3.現地からみた今後有望な中国ビジネス
4.これからの製造業の中国における事業戦略
5.日系企業がしなければならない現地対応 等      

■開催要領
 日 時: 2017年12月13日(水) 午後2時~午後5時 
 会 場: JPタワー名古屋34階研修室
 講 師:清原 学
      株式会社名南経営コンサルティング 人事労務コンサルティング事業部 シニアコンサルタント(中国担当)

そろそろ定年を65歳に引き上げようかと迷っています

 大熊が服部印刷に到着すると、福島さんが応接室に通してくれた。
福島照美福島さん:
 大熊先生、今日は、服部が聞きたいことがあると言っていたのですが・・・
服部社長:
 大熊さん、お待たせしてすみません。
大熊社労士:
 いえいえ、今、伺ったところでした。
服部社長:
 つい先ほどまで採用面接をやっていて。宮田部長が「採用するかぎりぎりのところで迷っている人材がいる」というので、色々話を聞いていたら時間がかかってしまいました。
大熊社労士:
 そうでしたか。で、いかがでしたか?
服部社長:
 確かに「採用することがダメ」という部分はないのですが、宮田部長の採用の決め手に欠けるというのがよく分かる人材でした。おそらく、買い手市場であれば採用しないのですが、人材不足の今ですから、難しい判断を迫られることになっています。
宮田部長:
 大熊先生、私も遅れてすみませんでした。今、社長の話が耳に入ってきたのですが、そうなんですよ、とても難しい。仕事はまじめに取り組むのでしょうけれども、周りの従業員とうまくやっていけるかが一番心配です。
服部社長:
 まぁ、ここまで悩むのであれば、今回は採用を見送りにすることにしよう。宮田部長に尽力いただいていたのに申し訳ない。
 あ、それで、大熊さん、このように考えると、人材不足がどんどん深刻化していっています。そこで、現在の60歳定年を65歳まで延長することも視野にいれなければならないと考えています。
大熊社労士:
 なるほど。
福島さん:
 現状は、60歳で定年となり、希望者は役職から外れてもらい、給与額も減らしながら65歳まで1年更新で働いてもらっています。多くの人は65歳まで働いていますが、時折、「給与額が仕事と見合わないよ」ということも耳にします。
宮田部長:
 確かに役職から外れるといっても責任感を持って仕事をしているので、新任の役職者をフォローしたり、役職についていなかった人はほとんど仕事内容が変わっていないのに、給与は下がるという印象を持っているようです。
大熊社労士:
 確かにその点はよく耳にすることですね。今後、問題となってくる可能性もありますし。

服部社長服部社長:
 そこで、一層のこと、定年を65歳まで引上げるのはどうかと考えたのです。もちろん、給与を下げずにいくわけなので、人件費の増加も見込まれます。大熊さんはどう考えますか。
大熊社労士:
 そうですね。私は選択肢として「アリ」だと思っています。特に人材採用が難しくなってきている現状では、解決策の一助にはなると思っています。
宮田部長:
 その後に続くことばは「ただ・・・」ですよね(笑)。
大熊社労士:
 あはは、よく分かりましたね。そうです。ただ・・・服部社長のおっしゃったように人件費の問題等、様々な問題が出てくると思います。
福島さん:
 大熊先生、ふと疑問に思ったのですが、実際に65歳以上を定年としている企業はどのくらいあるのですか?
大熊社労士:
 なるほど、世の中の状況ということですね。厚生労働省の平成29年の調査によると、65歳以上の定年を定めているのは全企業の17.1%となっています。御社のように65歳未満の定年とし65歳までの継続雇用制度を導入している企業が80.3%ですので、まだまだ定年を引上げたり、定年を廃止したりする企業は多くないということになりますね。
服部社長:
 なるほど、そうですか。
大熊社労士:
 服部社長からは人件費という話が出てきましたが、確かに60歳以降も60歳のときの給与以上を維持していくとなると、それだけで給与の額は上がるでしょう。特に賞与を支給する、退職金の制度も維持して65歳までとなると、その額は更にふくらみます。
宮田部長宮田部長:

 そうか、今は寸志の賞与も払うことになると確かに大きいなぁ。
大熊社労士:
 そうですよね。それに加え、今であれば60歳以降、社会保険に入らない労働条件にしている人もいるので、この部分を考えると社会保険料の負担も確実に増えます。
福島さん:
 確かに社会保険に入らない選択をする人もいますね。労働時間を少なくしてぼちぼち働いて、雇用保険からの給付金を受けて、そこそこの生活はできる。子どもも就職したので、生活費も夫婦ふたりであればそこまでいらない。
宮田部長:
 なんか、それもわかるのだよなぁ。定年後はぼちぼち働きたい・・・って気持ち。
大熊社労士:
 あはは、労働者の目線になっていますね。ま、このようなことを考えると、人件費の負担は相当大きなものになります。

服部社長服部社長:
 それを捻出するとなると、どこから行うのかということになり、結果として、60歳以下の従業員の給与に手を付けるかという話になるのですね。
大熊社労士:
 おっしゃるとおりです。最終的には、多少なりともそのような場面が出てくるとは思うのですが、あまりに手をつけると、現役世代の給与水準が他社と見劣りして、現役世代の人材流出ということになりかねません。
福島さん:
 かなり慎重に考えなくてはいけない問題なのですね。
宮田部長:
 私なんて、自分が65歳までしっかりとお給料をもらえるようになる~!なんて思ってしまいました。
大熊社労士:
 あはは。部長らしくていいですね。この話は宮田部長のように労働者の視点も含めて、いろいろ議論していくことにしましょう。
服部社長:
 そうですね。いずれにしてもこれからの服部印刷を担う現役世代の採用は続けるべきものなので、部長、たいへんかもしれないけど継続的に頼みますよ。
宮田部長:
 承知しました。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス
 
 こんにちは、大熊です。人材採用難からこのようなご質問を受ける機会が増えています。今後、同一労働同一賃金の観点から定年以降の労働条件の引き下げが認められるのか、雇用保険の高年齢雇用継続給付はどうなるのかといったことについて、一定の情報が出てくるものと思われますので、定年の引上げは慎重に考えていきたい問題になっています。


参考リンク
厚生労働省「平成29年「高年齢者の雇用状況」集計結果」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000182200.html
(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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中国ビジネス最新動向セミナー(2017年12月13日)@名古屋

無題 名南経営コンサルティングネットワークでは、海外進出する企業の支援として様々なテーマでセミナーを開催しています。今回は、名古屋において、中国ビジネスの最新動向をお伝えするセミナーを開催します。モバイクやスマホ決済の普及など、中国ビジネスの変貌、最新情報を把握できる内容となっていますので、中国進出企業や中国マーケットにご興味のある皆様は是非ご活用ください。

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『~モバイク、スマホ決済等にみる中国ビジネスの変貌~
激変する中国マーケットで闘うために日系企業が今すべき現地対応』

 今の中国は数年前とは大きく異なり、都市部にはモバイクといわれるシェア自転車が溢れており、爆発的にそれが普及しています。また、レストランや小売店に至っては、スマートフォンによって決済をすることが一般的で、「安い人件費で生産をする拠点」という印象がないくらい近代的な社会が一部にみられます。実際、現地における人件費は高騰し、製造業の多くは厳しい経営環境に直面していますが、他方でサービス業を中心に様々なビジネスが登場してきており、国民の購買意欲は右肩上がりに上昇していることから景気の勢いを感じることも少なくありません。今回のセミナーでは、こうした状況下の中で中国のマーケットをどのように捉え、自社の今後の中国ビジネスにおいて何をしなければならないのか等といったことを現地の最新成功例を交えながら様々な角度からお話させて頂きます。是非、ご参加下さい。

<セミナーのポイント>
1.今、中国で何が起きているのか~モバイク、スマホ決済等~
2.共産党大会の総括からみる今後の中国の行方
3.現地からみた今後有望な中国ビジネス
4.これからの製造業の中国における事業戦略
5.日系企業がしなければならない現地対応 等      
 ※セミナー当日までの情勢変化により、内容を一部変更することがあります。

■開催要領
 日 時: 2017年12月13日(水) 午後2時~午後5時(開場:午後1時30分) 
 会 場: JPタワー名古屋34階研修室
      (名古屋市中村区名駅一丁目1番1号/名古屋駅直結)
 講 師:清原 学
      株式会社名南経営コンサルティング 人事労務コンサルティング事業部 シニアコンサルタント(中国担当)
 受講料: 8,640円(税込)
               ただし、名南コンサルティングネットワーク顧問先様は1社2名様まで無料
 
◆◇◆お申込方法及び詳細はこちらをご覧ください◆◇◆
http://www.kaigai-shien.net/files/kaigai052.pdf
http://www.meinan.net/seminar/23195/

育児休業期間は無期転換の「5年を超える期間」に通算されますか?

 2018年4月まであと4ケ月強となり、無期転換の話題について、もう一度話そうと大熊は会社の門をくぐった。


大熊社労士:
 こんにちは。
福島さん:
 大熊先生、こんにちは。
宮田部長:
 最近は朝晩急に冷え込んで、寒くなりました。先生は体調大丈夫ですか?
大熊社労士:
 お陰様で、最近ウォーキングを始めまして、身体も軽くなってきました。
福島照美福島さん:
 ウォーキングには、最適な季節ですよね。私も今度の休みには、子どもを連れて、仲間と高原でウオーキングしてきます!
大熊社労士:
 それはいいですね。楽しんできてくださいね。
宮田部長:
 そういえば先生、最近、2018年問題という言葉を耳にするのですが、何ですか、2018年問題って?
大熊社労士:
 今日はまさにその2018年問題を取り上げようとお伺いしました。以心伝心ですね、宮田部長。さて2018年、来年に迫っているものとは、何でしょう?
宮田部長:
 先生、質問返しですね(笑)。
福島さん:
 来年…? あっ、来年4月から無期転換になるって話ですか?
大熊社労士大熊社労士:
 そのとおりです。いわゆる無期転換ルールですが、改正労働契約法の施行日である2013年4月1日の5年後がいよいよ来春に迫ってきました。これにより、2018年4月以降無期転換の申込みが多く発生するのではといわれています。
宮田部長:
 随分先と思っていましたが、もう4ヶ月後ですね。
大熊社労士:
 そうですね。厚生労働省も9月、10月は無期転換ルール取組促進キャンペーン期間と位置づけて、特別相談窓口を設けたり、リーフレット等配布して様々な取り組みを行っていました。
福島さん:
 先生、無期転換に関して実務上の問題がないか考えていたのですが、育児休業時間はどのような取り扱いになるのでしょうか?妊娠、出産して育児休業取った場合は、1年以上お休みしていることになりますが、長期休業ですので通算されないのでしょうか?
大熊社労士:
 福島さん、いい質問ですね。確かに、育児休業を取得すると多くの場合1年程度の長期休業となりますが、結論は5年の期間に通算されます。
宮田部長:
 えぇっ~?通算されるのですか?
大熊社労士:
 はい、その通りです。退職金の支給額計算においては育児休業などの長期休業期間は除外するという取り扱いが多く見られますが、無期転換の通算契約期間からは除外することができません。
宮田部長宮田部長:
 ふむ~。育児休業期間については全然盲点でした。無期転換の場合は、単に在籍期間で通算5年を見るということですね。結局、契約期間の定めがある多くの人が、休んでいる、いないに関わらず、2018年4月以降無期転換の申込みができるということですね。
大熊社労士:
 無期転換に関しては細かく検討していくといろいろと課題が出てきますので、早めに対策を検討しましょうね。
宮田部長:
 はい、よろしくお願いします。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス
 こんにちは、大熊です。無期転換申込権が多く発生するとされている2018年4月まであと4ヶ月となりました。通算5年の考え方、無期転換の申込み手続き、無期転換後の処遇について、就業規則の整備が急がれます。今後の採用難を考慮し、無期転換者の処遇について、転換前と同一のままとするか、正社員等へ登用制度を設けて人材確保へつなげていくのか、この機会にしっかり検討したいものです。


関連blog記事
2017年11月1日「要注意 すでに無期転換が発生しているケースがあります」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52139605.html
2017年5月29日「もう行いましたか?定年再雇用者の無期転換に関する特例の認定申請」
https://roumu.com/archives/65778417.html

参考リンク
厚生労働省「有期契約労働者の無期転換ポータルサイト」
ht
tp://muki.mhlw.go.jp/campaign/20170901.html

(小浜ますみ)

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「退職後に支給される給与等の源泉徴収は?」一覧化された国税庁のタックスアンサー

zu そろそろ年末調整が本格化してくる時期です。国税庁では、「年末調整がよくわかるページ」を開設し、周知を強化しています。
 これに関連し、各種、税金に関する疑義をまとめた国税庁のタックスアンサーについて、「タックスアンサーコード一覧」にリンク機能が追加されました。タックスアンサーの分類には、源泉所得税があり、さらに「給与と源泉徴収」や「特殊な給与」、「年末調整」等がまとめられています。
 収録されている内容は様々ですが、例えば「退職後に支給される給与等の源泉徴収」として以下のような内容が記載されています。給与計算の処理で迷った場合に活用できるものですので、一度、確認してみてはいかがでしょうか。


No.2739 退職後に支給される給与等の源泉徴収

 退職者に対して、退職後に支給期が到来する給与等を支払ったり、在職中の給与等の追加払を行う場合などがあります。
 それが在職者に支払われるものと同性質のものであれば、それは退職したことに基因して支払われるものにはなりませんので、退職手当等には該当せず、給与等として源泉徴収をすることになります。

 給与所得者の扶養控除等申告書は、その給与所得者が提出の際に経由した給与等の支払者のもとを退職したときにその効力を失うものとされています。
 したがって、退職者に退職後に支給期が到来する給与等を支払う場合には、原則として給与所得の源泉徴収税額表の乙欄で源泉徴収をすることになります。

 ただし、退職後その年中に給与等の支給をする時において、その退職した者がほかの給与等の支払者を経由して給与所得者の扶養控除等申告書を提出していないことが明らかな場合には、退職後も給与所得者の扶養控除等申告書が引き続き効力を有するものとして、給与所得の源泉徴収税額表の甲欄で源泉徴収して差し支えありません。

※平成29年4月1日現在法令等

↓タックスアンサー「源泉所得税」はこちらから!
http://www.nta.go.jp/taxanswer/code/index.htm#code02


関連blog記事
2017年11月8日「今年もオープンした平成29年の年末調整情報がすべて揃う国税庁のページ」
https://roumu.com
/archives/52140021.html

参考リンク
国税庁「タックスアンサーコード一覧」
http://www.nta.go.jp/taxanswer/code/index.htm

(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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