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3.9%の企業で「賞与の給与化」を実施と回答

初任給の引き上げが続いています。そこで本日は、労務行政研究所の「賃金改定と報酬制度の見直しに関するアンケート」から初任給の引き上げ状況について見ておくことにしましょう。なお、この調査は「WEB労政時報」の登録者である人事労務担当者を対象に実施されたもので、集計対象は197社となっています。
(1)2023年以降における大卒初任給の引き上げ状況
2023年 実施した 65.3% 実施していない 34.7%
2024年 実施した 81.4% 実施していない 18.6%
2025年 実施した 83.2% 実施していない 16.8%

このように特に2024年以降、8割を超える企業で大卒初任給の引き上げが行われていますが、300人未満企業に限定すると2024年は全体平均と比べ▲13.1ptとなっていたものが、2025年は▲4.9ptに縮小しており、新卒採用に苦戦する中、中小企業もなんとか初任給の引き上げを行っている様子がよく分かります。
2023年 実施した 56.7% 実施していない 43.3%
2024年 実施した 68.3% 実施していない 31.7%
2025年 実施した 78.3% 実施していない 21.7%

(2)賞与の給与化の実施状況
初任給引き上げにおいては、その原資の調達が大きな問題となります。その対応として近年、従来支給していた賞与の一部または全額を、月例給に上乗せして支払う「賞与の給与化」が話題になっていますが、その実施状況は「行っていない」が96.1%、「行った」との回答は3.9%にとどまっています。

一方、弊社には最近、賞与や退職金の給与化とそれに伴う賃金制度改定相談が増加しています。今回の調査では3.9%と低い水準となりましたが、今後、その実施率は年々上昇していくと予想しています。


参考リンク
労務行政研究所「賃金改定と報酬制度の見直しに関するアンケート」
https://www.rosei.or.jp/attach/labo/research/pdf/000090546.pdf

(大津章敬)

新たな働き方改革を議論する厚生労働省「労働市場改革分科会」が始動

2019年に始まった働き方改革ですが、当初は労働時間の絶対的上限規制や同一労働同一賃金の推進などの法規制の強化を中心とした内容が中心でしたが、今後は実際の働き方を改革する内容が中心になりそうです。そうした新たな働き方改革を議論する厚生労働省の「労働市場改革分科会」が2026年3月11日に始動しました。

今回の分科会の資料を確認すると、労働時間法制以外に以下の3つが大きなテーマとして掲げられています。

  1. 労働生産性の向上
  2. 労働移動の促進
  3. 労働参加の促進

以下は各テーマの論点として挙げられている事項です。
(1)労働生産性の向上

  • 労働生産性の向上を持続的な賃上げにつなげることが重要。そのためには、労働生産性の向上に資する産業政策との連携を図ることが重要であり、国や地域におけるリ・スキリングの推進が必要。これらの取組について今後どのような連携が考えられるか。
  • 「人的資本投資」の促進のためには、企業の競争力強化につながる人材育成の支援が重要。また、スキル需要に応じた労働者のスキル取得を促す仕組みが重要だと考えられるが、どのような方法が考えられるか。
  • 人的資本の強化には、リ・スキリング等が重要だが、企業が従業員の教育訓練に関して支出した費用は概ね横ばい。企業における取組を一層促進するためにどのような施策が考えられるか。また、リ・スキリングのための支援策が効果的であることをどのように確認していくべきか。
  • 自己啓発を実施した労働者の割合は、正社員は約45%で概ね横ばい、正社員以外は約15%でやや低下傾向であり、自己啓発の一層の活性化が必要。そのためには、労働者がスキルを習得することのインセンティブを高めることが重要だが、どのような方法が考えられるか。
  • 社会を支えるエッセンシャルワーカー等の労働生産性の向上のため、業務効率化等を推進する人材の育成や企業向けの取組としてどのようなことが考えられるか。
  • DX化を含めた設備投資、事業承継・M&Aの環境整備や更なる取引適正化等、企業におけるビジネスモデルの転換などを通じて労働生産性を高め、持続的な賃上げにつなげることも重要。労働生産性の向上と持続的な賃上げをつなげるための取組として、どのようなことが考えられるか。
  • これらに関連して企業に求められるマネジメントとしてどのようなことが考えられるか。その際、特に地域経済の大宗を占める中小企業におけるマネジメント向上のための相談支援等が重要であるが、どのようなことが考えられるか。

(2)労働移動の促進

  • 引き続き、省力化による生産性向上に取り組みつつ、国際的にみると我が国は労働移動が活発ではなく、同一産業、同一職種の労働移動が多い現状の中、成長産業や社会を支えるエッセンシャルワーカー等の分野への移動等を促す観点から、どのようなことが必要か。
  • 転職を希望しながら転職活動をしていない者のうち、「自分に合った仕事がわからない」「仕事の探し方がわからない」などの理由を挙げている者に対して、労働者の適職選択に資する職業情報の提供を更に進めるべきではないか。具体的には、職業情報・職場情報の提供などの「労働市場の見える化」を行うことで、個人が希望する職業選択やリ・スキリングをしやすい環境を整えることが必要ではないか。その際、人手不足に悩む中小企業にも支援となるよう、中小企業の情報の提供に配意すべきではないか。
  • 労働者の希望に応じた労働移動の実現に向けては、円滑かつ安心して労働移動できることが必要だが、セーフティネットの在り方についてどう考えるか。
  • 労働移動の促進には、労働者が自らの意欲と能力を最大限発揮できるよう、労働者主体でのリ・スキリングを含めたキャリア形成が重要だが、そのためにはどのような取組が必要か。
  • 労働力希少社会における中小企業の人材確保に向けて、企業に求められるマネジメントの向上に関して、どのような取組が必要か。また、ハローワークによるマッチング機能の果たすべき役割をどう考えるか。

(3)労働参加の促進

  • 働く意欲はあるが、育児や介護との両立に課題を抱える女性や高齢者、障害者等で潜在的に就業意欲がある者の更なる労働参加を促進するためにはどのようなことが必要か。
  • 外国人労働者が在留資格の範囲内で適正に就労するためにはどのようなことが必要か。
  • 労働力供給制約が進むとともに、職業人生が長期化するなかで、労働者が高齢期を含む職業人生にわたって望むキャリアを形成し、能力を獲得・発揮しつづけていくための支援が求められているが、どのようなことが必要か。
  • 労働者の健康確保も図りつつ、労働時間制度については、柔軟で多様な働き方の実現に向け、運用・制度の両面からどのような対応が考えられるか。
  • これらに関連して、企業において労働参加の促進に向けた人材マネジメントを高めるためにどのようなことが求められるか。その際、特に中小企業について、個々の経営課題に応じて様々な支援機関と連携して人材マネジメントに関する相談支援等が重要ではないか。

これらの論点からは、主に以下の4つの柱について議論されることが分かります。

  1. 労働移動の円滑化: 成長産業への移動や、労働市場の見える化。
  2. 人的資本の強化: リスキリングの促進と、賃上げへの還元。
  3. 多様な人材の活躍: 女性・高齢者・外国人等の就業促進と、柔軟な働き方。
  4. 中小企業支援: 経営課題に即したマネジメント向上と相談体制の構築。

今後の議論が注目されます。


参考リンク
厚生労働省「第1回労働市場改革分科会(2026/3/11)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71297.html

(大津章敬)

令和7年度全国年金委員研修 (参考)在留資格の解説

タイトル:令和7年度全国年金委員研修 (参考)在留資格の解説
発行者:日本年金機構
発行時期:2026年1月
ページ数:14ページ
概要:この資料は、外国人への年金制度周知のための参考資料として、在留資格の種類や概要、学生納付特例制度、外国人向け年金制度案内などを整理した資料である。外国人居住者に対する年金制度理解の促進と適切な加入手続の周知を目的としている。

Downloadはこちらから(9.36MB)
https://roumu.com/pdf/2026030507.pdf


参考リンク
日本年金機構「年金委員研修を開催しています」
https://www.nenkin.go.jp/service/riyoushabetsu/cooperator/nenkiniin/7.html

(豊田幸恵)

§

令和8年度の雇用保険料率は令和7年度から引き下げ

雇用保険率は、雇用保険の財政状況により毎会計年度、見直しが行われています。法令では原則の雇用保険料率を定めつつ、弾力条項により毎年度の雇用保険料率を変更していますが、令和8年度の雇用保険料率については、図表のように令和7年度より引き下げとなることが公表されました。

給与計算や年度更新の際に誤りのないように気を付けましょう。


関連記事
2026年3月12日「令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内」
https://roumu.com/archives/130636.html
参考リンク
厚生労働省「事業主・被保険者の皆さまへ 令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内」
https://www.mhlw.go.jp/content/001672589.pdf

(宮武貴美)

 

無期転換ルールのよくある質問(Q&A)(2025年12月版)

タイトル:無期転換ルールのよくある質問(Q&A)(2025年12月版)
発行者:厚生労働省・都道府県労働局
発行時期:2025年12月
ページ数:8ページ
概要:このリーフレットは、無期転換ルールに関する実務上の疑問点をQ&A形式で整理した資料である。通算契約期間の算定方法や転換申込手続、雇止めとの関係など、制度の適切な運用に必要な具体的事項を分かりやすく解説している。

Downloadはこちらから(526KB)
https://roumu.com/pdf/2026022205.pdf


参考リンク
厚生労働省「有期契約労働者の無期転換ポータルサイト:導入支援策」
https://muki.mhlw.go.jp/business/policy/#handbook

(豊田幸恵)

令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内

タイトル:令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内
発行者:厚生労働省
発行時期:2026年3月
ページ数:1ページ
概要:令和8年度の雇用保険料率について案内したリーフレット

Downloadはこちらから(142KB)
https://roumu.com/pdf/2026031251.pdf


参考リンク
厚生労働省「雇用保険料率について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000108634.html

(川崎恵)

4月からの健康保険被扶養者の認定基準の変更 追加のQ&Aが公開

2025年10月24日の記事「来年度から変わる健康保険の被扶養者認定 年収の考え方」で取り上げたように、2026年4月1日から健康保険の被扶養者について、給与収入のみである家族の認定基準が変更になります。

変更後は、労働条件通知書等の内容で年収を判断することになりますが、その実務は不透明な点がありました。これに関連し、2026年3月9日に厚生労働省保険局保険課と厚生労働省年金局事業管理課から「労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いに係るQ&A(第2版)について」という事務連絡が全国健康保険協会等に発出されました

これはすでに公開されていたQ&Aに新たな項目が追加され、また、すでにあるQ&Aに補足がされたものですが、例えば、以下のような給与収入が判然としない労働条件通知書等の場合の対応が明記されました。


Q2-2 労働契約内容により年間収入が判定できない場合(例えば、「シフト制による」といった労働時間の記載が不明確な場合、契約期間が1年に満たない場合等)にはどのように年間収入を判定すべきか。

A 労働契約内容による年間収入の判定ができないため、従来どおり給与明細書、課税(非課税)証明書等により年間収入を判定することとなります。


4月1日が徐々に迫ってくるため、内容を確認して従業員への説明などに備える必要があります。


関連記事
2025年10月24日「来年度から変わる健康保険の被扶養者認定 年収の考え方」
https://roumu.com/archives/129113.html
参考リンク
法令等データベース「労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いに係るQ&A(第2版)について」
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T260310S0010.pdf
(宮武貴美)

無期転換ルールハンドブック ~無期転換ルールの円滑な運用のために~(2025年12月版)

タイトル:無期転換ルールハンドブック ~無期転換ルールの円滑な運用のために~(2025年12月版)
発行者:厚生労働省
発行時期:2025年12月
ページ数:20ページ
概要:このリーフレットは、有期契約労働者の無期転換ルールについて、制度の概要と企業および労働者の対応方法を解説した資料である。通算契約期間が5年を超えた場合の無期契約への転換申込権や、制度運用に必要な実務上の留意点を体系的に整理している。

Downloadはこちらから(2.66MB)
https://roumu.com/pdf/2026022204.pdf


参考リンク
厚生労働省「有期契約労働者の無期転換ポータルサイト:導入支援策」
https://muki.mhlw.go.jp/business/policy/

(豊田幸恵)

4月から変わる国家公務員の副業・兼業の基準

昨年12月、国家公務員の自営兼業制度について、新たに「職員の有する知識・技能をいかした事業」および「社会貢献に資する事業」を承認可能とするなど内容が公表されました。この内容は実質的に国家公務員の副業・兼業基準の見直しであり、2026年4月から適用されるものです。

現行は、自営兼業を承認可能な事業として、不動産等賃貸、太陽光電気販売および農業等(※家業を継承した場合のみ)が承認されていますが、見直された新制度としては、ハンドメイド品の販売やスポーツや芸術の教室等の職員の有する知識・技能をいかした事業、地域振興イベントの主催や高齢者対象の買物代行等の社会貢献に資する事業について、承認基準を満たせば承認可能とするとのことです。

その承認基準は、事業に係る開業届や事業計画書等の書類の作成・提出が必要であり、職務専念義務・公務の公正な執行・国民の公務への信頼の確保が求めらることになっています。

また、不動産等賃貸・太陽光電気の販売に係る自営の範囲の見直しも行われており、承認が必要となっていた一定規模について、承認不要となる範囲が拡大されます。

これにより、民間企業の副業・兼業が直接的に影響する可能性は低いですが、副業・兼業の流れがさらに進むことが想定されます。


参考リンク
人事院「自営兼業制度の見直しについて~ 自己実現・社会貢献につながる兼業が承認可能に ~」
https://www.jinji.go.jp/kouho_houdo/kisya/2512/jieikengyo_00001.html
(宮武貴美)