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高額療養費制度 2026年8月・2029年8月の2段階で見直し予定

健康保険には、医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される「高額療養費」の制度があります。自己負担限度額は、月ごとに計算されることになっており、受診者の年齢や被保険者の標準報酬月額により、計算式が変わってきます。

これまで高額療養費制度の見直しについて議論が行われ、医療保険制度の維持のために、自己負担限度額が引き上げられると共に、新たに年単位の上限額(年間上限)の設定、低所得者への配慮が予定となっています。

この制度の変更は、2026年8月と2029年8月に段階的に行われる予定となっており、厚生労働省はその概要をホームページに掲載しました。現在今回で関係予算案が審議中であり、審議結果を受けて、所要の法令改正が行われる予定です年間上限の設定等は、長期的に治療を行う従業員にとっては負担の軽減になるかもしれませんが、維持知的・短期的に医療費が高くなる従業員の自己負担額はかなり大きくなる改正といえそうです。


参考リンク
厚生労働省「現在検討している医療保険制度改革についての考え方」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/newpage_00014.html

(宮武貴美)

令和8年度の最低賃金議論がスタート

先日(2026年2月27日)、厚生労働省において、第72回中央最低賃金審議会が開催され、令和8年度の最低賃金の議論がスタートしました。

今回の資料を見ると、「目安制度の在り方に関する検討の進め方について(案)」程度となっていますが、目安制度の在り方については、2025年4月28日の目安制度のあり方に関する全員協議会報告において、今後概ね5年ごとに見直しを行うとされましたが、今後、できる限り目安制度の改善を図るという観点から、以下のように目安制度の在り方に関する検討を進めていくことが確認されました。
1.検討すべきものとして考えられる事項

  1. 近隣県等との過度な競争意識や最下位争いによる目安を大幅に上回る高い引上げについて
  2. ランク区分について
  3. 発効日について
  4. EU指令についての考え方について
  5. その他労使の意見に基づくもの等

2.検討体制及び期間

  1. 検討体制 目安制度の在り方に関する全員協議会(仮称)で検討する。
  2. 検討期間 令和9年度中のとりまとめを目指し、労使の意見により、中央最低賃金審議会における令和8年度の目安審議までに一定の考え方の整理が必要と考えられるものは令和8年度の目安審議までのとりまとめを目指し検討を進める。

発効日については、昨年度地方最低賃金審議会における審議の結果、都道府県ごとに大きなバラつきが生じたことから、今回、「検討すべきものとして考えられる事項」に含めることとなりました。また中長期的にはEU指令の考え方をどのように我が国の最低賃金設定の議論に加えていくのかは重要な論点となるでしょう。

最低賃金の引き上げへの対応が大きな負担となる中、今後の議論に注目が集まります。


参考リンク
厚生労働省「第72回中央最低賃金審議会 資料」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70849.html
厚生労働省「中央最低賃金審議会目安制度の在り方に関する全員協議会報告 (令和5年4月6日)」
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001662144.pdf

(大津章敬)

個人事業者等の健康管理に関するガイドラインQ&A

タイトル:個人事業者等の健康管理に関するガイドラインQ&A
発行者:厚生労働省
発行時期:2024年11月
ページ数:17ページ
概要:このリーフレットは、個人事業者等の健康管理に関するガイドラインの内容をQ&A形式で解説した資料である。健康診断費用の負担、長時間就業への配慮、医師面談の機会提供などについて、注文者および個人事業者が自主的に取り組むべき事項や留意点を整理し、健康確保のための適切な対応を促すものである。

Downloadはこちらから(448KB)
https://roumu.com/pdf/2026022503.pdf


参考リンク
厚生労働省「個人事業者等の安全衛生対策について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/anzeneisei03_00004.html

(豊田幸恵)

労働契約法のあらまし

タイトル:労働契約法のあらまし
発行者:厚生労働省
発行時期:2024年6月
ページ数:82ページ
概要:このリーフレットは、労働契約法の趣旨および各条文の内容を解説した資料である。労働契約の成立、変更、解雇、有期契約の無期転換などの基本的なルールを条文ごとに整理し、使用者と労働者が相互理解のもとで適正な労働関係を構築するための考え方を示している。

Downloadはこちらから(1.07MB)
https://roumu.com/pdf/2026022203.pdf


参考リンク
厚生労働省「労働契約法について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21911.html

(豊田幸恵)

産業医の辞任・解任があった場合の報告の義務化 パブコメ発出→2026年8月施行の方向

労働者数が50人以上の事業場は、産業医の選任する義務がありますが、労働者数が50人以上になったときに選任の届出を行い、その後、産業医を変更した場合において届出をしていないケース等がみられます。そのため、労働安全衛生規則の改正が行われる予定で、改正されるポイントは以下のとおりです。

  • 産業医の辞任または解任があった場合の所轄労働基準監督署長へその辞任または解任した産業医の氏名、辞任または解任の年月日等の報告を義務付ける。
  • 産業医の後任者の選任により、辞任または解任した産業医の氏名、辞任または解任の年月日等について、所轄労働基準監督署長へ報告を行った場合は、この報告を不要とする

2026年8月1日施行予定で、パブリックコメントとして出されています。このような稀に発生する届出については、漏れがないように役割設定しておくことが必要になってきます。


参考リンク
パブリックコメント「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案に関する御意見の募集について」
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495250436&Mode=0

(福間みゆき)

§

事業の譲渡を行う際に会社等が守るべきルール(事業譲渡等指針)が変わりました

タイトル:事業の譲渡を行う際に会社等が守るべきルール(事業譲渡等指針)が変わりました
発行者:厚生労働省・金融庁
発行時期:2026年1月
ページ数:2ページ
概要:このリーフレットは、企業価値担保権制度の導入に伴い改正された事業譲渡等指針について、働く方々向けに解説した資料である。事業譲渡時の雇用維持の考え方や労働条件の保護、賃金の優先弁済など、労働者の権利保護に関する重要なポイントを分かりやすく示している。

Downloadはこちらから(489KB)
https://roumu.com/pdf/2026022202.pdf


参考リンク
厚生労働省「「事業譲渡又は合併を行うに当たって会社等が留意すべき事項に関する指針」の一部改正について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudouseisaku/saihen/68297_00001.html

(豊田幸恵)

2026年4月1日より適用される治療と就業の両立支援指針のポイント

医療技術の進歩により「長く付き合う病気」が増えた現代において、労働者が疾病を理由に安易に離職せず、適切に治療を受けながら働ける社会の実現が求められています。そこで先日(2026年2月10日)、厚生労働省から深刻な少子高齢化を背景に、疾病を抱える労働者が治療を続けながらその能力を最大限発揮できる環境を整備することを目的とした「治療と就業の両立支援指針」が示され、2026年4月1日より適用されると告示されました。

以下では、この指針のポイントを整理して解説します。
1. 対象者
雇用形態に関わらず全ての労働者が対象です。

2.事業主に求められる対応と環境整備
事業主は、労働者からの相談に応じ、必要な体制整備を行うことが求められます。
■環境整備のポイント
(1)基本方針の表明: 両立支援に取り組む姿勢や具体的なルール(事業場内ルール)を作成し、全労働者に周知します。
(2)制度の充実: 治療のための柔軟な働き方を支える以下の制度の導入が望ましいとされています。
休暇制度: 時間単位の年次有給休暇、傷病休暇など。
勤務制度: 時差出勤、短時間勤務、在宅勤務、試し出勤制度。
(3)相談窓口の明確化: 労働者が安心して申し出ができるよう、窓口や情報の取扱い方法をはっきりさせます。

3. 両立支援の具体的な進め方
支援は、原則として労働者本人からの申出を端緒として開始されます。
■プロセスの流れ

  1. 情報の収集: 労働者が主治医から「就業継続の可否」や「必要な配慮」に関する情報を収集し、事業主に提出します。
  2. 意見聴取: 事業主は主治医の情報に基づき、産業医等から専門的な意見を聴取します。
  3. 判断と協議: 主治医・産業医等の意見を勘案し、労働者本人と十分な話合いを行った上で、就業継続や職場復帰を判断します。
  4. 支援プランの作成: 具体的な配慮内容やスケジュールをまとめた**「治療と就業の両立支援プラン」(または職場復帰支援プラン)を作成・実施します。

4. 留意事項
個人情報の保護: 疾病に関する「健康情報」は機微な情報であるため、原則として本人の同意なく取得してはならず、厳重な管理が必要です。
周囲への配慮: 支援を行うことで上司や同僚に過度な負担がかからないよう、組織的なバックアップ体制を整えることが重要です。
安易な就業禁止の回避: 疾病があることだけで安易に辞めさせるのではなく、配置転換や時短勤務などにより、可能な限り就業機会を確保するよう努めます。

70歳もしくはそれ以上の年齢まで働く時代を迎えており、治療の就業の両立は今後、更に重要性が増していく重要テーマです。この指針を参考にし、自社としての対応を検討していきましょう。


参考リンク
厚生労働省「治療と就業の両立支援指針」
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001653964.pdf

(大津章敬)

2026年初任給、大企業の3割が25万円以上

近年、多くの企業で初任給の引き上げが行われており、他社の動向は気になるところではないでしょうか。そこで本日は、帝国データバンクの「初任給に関する企業の動向アンケート(2026年度)」の内容を取り上げたいと思います。なお、この調査は2026年2月5日~2月9日に実施されたもので、有効回答企業数は1,541社となっています。
(1)初任給の改定状況
2026年4月入社の新卒社員に支給する初任給の前年度からの改定状況は以下のようになっています。「引き上げる」の回答は前年度比▲3.5%となっていますが、それでも多くの企業で初任給の引き上げが実施されることが分かりました。
67.5% 引き上げる
32.5% 引き上げない

なお、初任給を引き上げる企業の割合を企業規模別に、前年度と比較すると以下のようになっています。
全体 71.0%→67.5%(▲3.5%)
大企業 69.6%→65.6%(▲4.0%)
中小企業 71.4%→68.2%(▲3.2%)
小規模企業 62.2%→50.0%(▲12.2%)

このように小規模企業の引き上げ率が大幅減となっており、初任給引き上げの体力がなくなってきており、企業間格差の拡大が進んでいることが感じられる結果となっています。

(2)平均引上げ額
初任給の平均引上げ額は全体で9,462円。大企業であ9,749円、中小企業では9,371円となっています。

(3)初任給の金額
■全体
0.4% 15万円未満
17.4% 15万~20万円未満
61.7% 20万~25万円未満
17.8% 25万~30万円未満
2.7% 30万円以上
■大企業
1.4% 15万円未満
10.0% 15万~20万円未満
58.6% 20万~25万円未満
25.7% 25万~30万円未満
4.3% 30万円以上
■中小企業
0.0% 15万円未満
20.1% 15万~20万円未満
62.9% 20万~25万円未満
14.9% 25万~30万円未満
2.1% 30万円以上

このように大企業では25万円以上が30%となり、初任給25万円時代の到来を感じる結果となりました。

初任給は新卒採用においてはかなり重要なポイントとなりますので、相場を意識した設定が重要となりますが、その引き上げによって既存社員の賃金カーブにも大きな影響を与えることから、その適正化も含め、議論を進めましょう。


参考リンク
帝国データバンク「初任給に関する企業の動向アンケート(2026年度)2026/2/18」
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260218-startingsalary2026/

(大津章敬)

企業価値担保権が有効に活用され、事業の継続と成長が実現されるためには、労働者や労働組合とのコミュニケーションが重要です

タイトル:企業価値担保権が有効に活用され、事業の継続と成長が実現されるためには、労働者や労働組合とのコミュニケーションが重要です
発行者:厚生労働省・金融庁
発行時期:2026年1月
ページ数:4ページ
概要:このリーフレットは、企業価値担保権制度の概要と活用時の労働者保護の仕組みを解説したものである。担保権実行時は原則として事業譲渡により雇用維持が図られることや、賃金が優先的に弁済されることなど、制度の特徴と留意点を整理している。

Downloadはこちらから(495KB)
https://roumu.com/pdf/2026022201.pdf


参考リンク
厚生労働省「「事業譲渡又は合併を行うに当たって会社等が留意すべき事項に関する指針」の一部改正について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudouseisaku/saihen/68297_00001.html

(豊田幸恵)