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挨拶をしない従業員を懲戒解雇できますか?

A.挨拶をしないという理由のみをもって懲戒解雇をした場合、不当解雇とされる可能性が高いでしょう。まずは改善をするよう指導を行い、それでも改善がされない場合には譴責などの懲戒処分を行うといった段階的な対応が求められます。

1.懲戒処分を行うために必要なこと
 懲戒処分を行うためには、(1)就業規則上に懲戒処分の根拠に関する規定が存在し、(2)当該従業員の行為が、就業規則に定められた懲戒事由に当てはまり、(3)該当する懲戒処分が社会通念上相当なものである必要があります。

 今回の「挨拶をしない」という行為については、たしかに挨拶は相手とのコミュニケーションを円滑にするためにの基本的な手段であり、特に接客業などであれば業務上の必要性も高いものであります。しかしながら、懲戒処分の中でもっとも厳しい懲戒解雇相当の問題行動であるかと言われれば、一般感覚からすれば、問題行動に対する処分のバランスを欠いていると考えられるのではないでしょうか。

2.日常的な勤務態度が思わしくない従業員に対する指導方法
 挨拶をしないといった日常的な勤務態度が思わしくない従業員に対しては、まず、本人に当該行為が問題であるという認識をさせる必要があります。その上で、態度を改めるよう業務命令を行い、指導をしていきます。職場において好ましくない行動や周りに迷惑をかける行為を放置するわけにはいきません。職場において問題行動を行わないよう、例えば、「顧客や上司、同僚に会った際には必ず挨拶をするように」といったように本人へ具体的な改善点を伝えます。初めは口頭で伝えますが(指導記録を残しておくとよいでしょう)、改善がなされないようであれば、問題行動の改善を求める旨を記載した指導書や警告書といった文書を交付し指導を行います。それでも改善がなされなければ、 指導書や警告書の文面に記した業務命令(改善命令)に違反していることが明らかであるため、いよいよ懲戒処分行うことを検討します。その場合も、はじめから懲戒解雇という選択をするわけではなく、譴責など軽めの懲戒処分から検討されるべきでしょう。

 勤務態度が思わしくない従業員が発生したときは、まずは注意・指導を行い改善を促します。懲戒処分を検討する際には、問題行動と懲戒処分のバランスを考える必要があります。日頃から職場の従業員の状況にアンテナを張り、問題が小さなうちに注意・指導を行い、改善を促す対応を心がけましょう。

(瀬古紘那)

副業者の労災保険の取扱い②請求書の記載と書類の流れ

 今回は、副業者の労災保険の取扱いについて説明をするのだったなと思い返しながら、服部印刷に向かう大熊であった。

↓前回の記事はこちらから!
2020年9月7日「副業者の労災保険の取扱い①給付額の決定における賃金の合算」
https://roumu.com/archives/104278.html


福島照美福島さん
 大熊先生、今日は労災保険の続きのお話でしたよね。
大熊社労士
 そうですね。2か所以上に勤務している従業員が、いずれか一方の勤務先で労災事故にあって休むことになった場合には、その給付額の計算において、9月からは勤務先のすべての賃金を合算するというお話でしたね。
宮田部長
 そうそう、うちじゃないところの労災事故で休んでも、うちが届出をしなくてはならないのですよね?
大熊社労士
 届出というか、証明をするということになります。もう少し流れを整理しておきましょうか。A社・B社と2社で勤務している人がいるとします。A社では15万円、B社では10万円をもらっている。このような状況下、B社で労災事故に遭い、10日間、休むことになりました。
福島さん
 なんか、ありそうな事案ですね。
大熊社労士
 イメージが沸いているようでよかったです。このような場合、一般的にはB社で休業補償給付の請求書を出すことになります。この9月からはこの様式が変更になり、他の会社で勤務しているかの確認をする欄が設けられました。
福島さん
 他の会社で勤務しているかの確認をする欄ですか。
大熊社労士
 はい。様式に沿った表現であれば「その他就業先の有無」という欄になります。「有・無」のいずれかに〇を打ち、「有」の場合にはその数を記載して、別紙(指定の様式)で、他社の平均賃金額の計算等や、就労状況を証明してもらい、全部まとめて提出します。
宮田部長


宮田部長
 なるほど、ということは、他社で労働災害に遭った場合には、その証明の依頼が来るということですね。
大熊社労士
 そうです。ちなみに、別紙の提出が必要となるのは、「休業(補償)等給付」「障害(補償)等給付」「遺族(補償)等給付」「葬祭料等(葬祭給付)」です。4日以上の休業を伴わないようなケガ等は、「その他就業先の有無」欄はあるのみです。
宮田部長
 まぁ、従業員から会社を休むという連絡が来て、それが長引くようであれば、その理由を言ってきたり、上司が尋ねたりするだろうから、自然に情報は入りそうですね。
福島さん
 確かにそうですね。ところで大熊先生、今説明いただいた「その他就業先の有無」欄が空欄だったり、実際には2か所以上で働いているのに「無」に〇を打ったらどうなりますか?
大熊社労士
 いい質問ですね!一応、様式の注意事項に記載がありまして、例えば休業(補償)給付の場合には、以下のような記載になっています。
「「その他就業先の有無」欄の記載がない場合又は複数就業していない場合は、複数事業労働者休業給付の請求はないものとして取り扱うこと。」
 つまり、空欄であったり、虚偽で「無」に〇を打った場合には、1か所のみで計算されるということですね、もちろん、その状況がいいかは別として・・・。
宮田部長
 うちの従業員というわけではなく、黙って副業している人もいるでしょうから、給付額は少なくなっても虚偽の報告をするって人はいるのかもしれませんね。
大熊社労士大熊社労士
 残念ながら一定数はいるのではないかと思います。ちなみに、支給決定されたものを遡って2か所以上で勤務していましたと申し出ても遡ることはないようですので、会社としては請求時の確認をして、空欄ではなく「有・無」のいずれかに〇を打つようにフォローするべきなのでしょうね。
福島さん
 承知しました。労災事故があるのは稀ですが、その時にはしっかりとフォローできるように覚えておきます。
>>to be continued
[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイスおはようございます。大熊です。「複数事業労働者」には、1つの会社と雇用契約を締結しつつ、他の就業について特別加入をしている人も含まれます。特別加入の場合には、「その他就業先の有無」欄に、特別加入の労働保険番号等を記入することになっています。


関連記事
2020年9月7日「副業者の労災保険の取扱い①給付額の決定における賃金の合算」
https://roumu.com/archives/104278.html
2020年9月4日「9月1日から労災保険の様式が変更になりました」
https://roumu.com/archives/104255.html
2020年8月27日「要チェック!9月1日より始まる複数就業者の労災保険給付額の合算」
https://roumu.com/archives/104153.html
参考リンク
厚生労働省「労働者災害補償保険法の改正について~複数の会社等で働かれている方への保険給付が変わります~」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/rousaihukugyou.html
(宮武貴美)

公正な採用選考をめざして(令和2年度版)

タイトル:公正な採用選考をめざして(令和2年度版)
発行者:厚生労働省
発行時期:2020年3月
ページ数:48ページ
概要:本人の適正と能力のみを基準とした「公正な採用選考」を行うための具体的な方法を記載したパンフレット。

Downloadはこちらから(32.1MB)
https://roumu.com/pdf/2020090204.pdf


参考リンク
厚生労働省「公正な採用選考について」
https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/topics/saiyo/saiyo.htm

(宮武貴美)

今後強化される社会保険の未適用事業所への日本年金機構の立入調査等

 年金制度改正法では、様々な項目に関して改正が行われましたが、そのひとつに日本年金機構による立入調査等の強化があります。

 日本年金機構はこれまでも国税庁から、従業員を雇い給与を支払っている法人事業所の情報の提供を受ける等により、社会保険の適用の可能性がある事業所への加入指導を実施してきました。しかし、厚生年金保険法第100条に基づく、事業所に対する立入検査・文書等の提出命令については、適用事業所のみが対象となっており、未適用事業所については立入検査等ができませんでした。

 これに関し、今回の年金制度改正法により、未適用事業所であるものの、適用事業所であると認められる事業所についても、法的権限に基づく立入検査等の対象に加えられることになりました。

 厚生年金の適用の可能性がある法人事業所は、国税庁情報に基づく調査対象として、2019年9月末時点で約34万件あるとのことで、今後、対象となる事業所への調査が行われるのでしょう。


参考リンク
厚生労働省「年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00006.html
(宮武貴美)

日経ヘルスケア 2020年9月号「同一労働同一賃金への対応は必要?どこから手を着けるべきか」

日経ヘルスケア2020年9月号(2020年9月10日発行)

 弊社コンサルタントの服部英治が「医療・介護経営者のための人事・労務入門」という連載を行っております、日経ヘルスケアの2020年9月号が発売になりました。今月は「同一労働同一賃金への対応は必要?どこから手を着けるべきか」というタイトルで医療機関・介護事業所の同一労働同一賃金への対応に関する説明をしています。

 なお、今回の記事で賃金カットで踏まえておく3つのポイントは以下のとおりです。詳細は是非、誌面でご覧下さい。
 正規・非正規の待遇差が焦点 中小法人は2021年4月から
 待遇改善でコスト増の可能性 放置していれば様々なリスク
 諸規定を洗い出して確認 人事制度の根幹に及ぶことも


参考リンク
日経ヘルスケア
http://medical.nikkeibp.co.jp/all/info/mag/nhc/

(菊地利永子)

[年末調整]令和3年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書ダウンロード開始!

 今年も年末調整の時期が近づき、国税庁のホームページで「令和3年分(2021年分)給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」が公開されました。また「令和2年分給与所得者の保険料控除申告書」、「令和2年分給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」はもちろんのこと、「令和2年分 年末調整のしかた」等も公開されています。早めに年末調整の準備を進めるようにしましょう。

 「令和3年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」のダウンロードはこちら!
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_01.htm
「令和2年分給与所得者の保険料控除申告書」のダウンロードはこちら!
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_05.htm
「令和2年分給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」のダウンロードはこちら!
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_73.htm
「令和2年分 年末調整のしかた」のダウンロードはこちら!
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2020/01.htm


参考リンク
国税庁「源泉徴収義務者の方」
https://www.nta.go.jp/users/gensen/index.htm
(宮武貴美)

パートタイム・有期雇用労働法の概要(令和2年8月)

タイトル:パートタイム・有期雇用労働法の概要(令和2年8月)
発行者:厚生労働省
発行時期:2020年8月27日
ページ数:16ページ
概要:パートタイム・有期雇用労働法の概要を解説したリーフレット(2020年8月版)。

Downloadはこちらから(6,009KB)
https://roumu.com/pdf/2020091011.pdf


参考リンク
厚生労働省「パートタイム労働法のあらまし」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061842.html#ri-fu

(菊地利永子

オンライン面接実施にあたってのお願い

タイトル:オンライン面接実施にあたってのお願い
発行者:厚生労働省
発行時期:2020年8月
ページ数:2ページ
概要:高校生の採用選考については、面接機会の限られている高校生に職場の雰囲気などが伝わるよう、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に十分留意した上で、対面での面接実施について、企業の理解・協力を求めたリーフレット。オンライン面接を実施する場合の協議事項や留意事項も記載されている。

Downloadはこちらから(708KB)
https://roumu.com/pdf/2020090404.pdf


参考リンク
厚生労働省「若者の雇入れを検討している事業主のみなさまへ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000133085.html

(宮武貴美)

2020年度の地域別最低賃金が正式に決定されました

 2020年8月21日の記事「2020年度の最低賃金 40県最低賃金引上げ 加重平均902円へ」で紹介したように、2020年度の最低賃金について、正式な公示待ちとなっていましたが、すべての都道府県に関し公示され、全国の最低賃金が出そろいました。

 厚生労働省のホームページも更新されています。最低賃金を下回っている従業員がいないか早めに確認しておきましょう。
↓2020年度地域別最低賃金一覧
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/index.html


関連記事
2020年8月21日の記事「2020年度の最低賃金 40県最低賃金引上げ 加重平均902円へ」
https://roumu.com/archives/104093.html
2020年8月6日「2020年度の最低賃金 東京据え置き 神奈川・愛知1円 埼玉・滋賀2円引上げ等の方向性」
https://roumu.com/archives/103946.html
参考リンク
厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
(宮武貴美)

労基署の監督指導による違法な時間外労働の是正指導割合は47.3%

 厚生労働省は先日、長時間労働が疑われる事業場に対する令和元年度の監督指導結果を公表しました。

 これは、各種情報から時間外・休日労働時間数が1ヶ月当たり80時間を超えていると考えられる事業場や、長時間にわたる過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場を対象として監督指導が行われたものです。

 対象となった32,981事業場のうち、15,593事業場(47.3%)で違法な時間外労働が確認されており、是正・改善に向けた指導が行われました。なお、このうち実際に1ヶ月当たり80時間を超える時間外・休日労働が認められた事業場は、5,785事業場(違法な時間外労働があったもののうち37.1%)でした。

 賃金不払残業があったものは、2,559事業場(7.8%)となり、過重労働による健康障害防止措置が未実施のものは6,419事業場(19.5%)となりました。

 新型コロナウイルス感染症の関係で今年度は時間外労働が減少している企業も多いかと思いますが、引き続き過重労働対策にしっかりと取り組む必要があります。

 なお、厚生労働省により、今後も長時間労働の是正に向けた取り組みが積極的に行われるとともに、11月の「過重労働解消キャンペーン」期間中に重点的な監督指導が行われることになっています。


参考リンク
厚生労働省「長時間労働が疑われる事業場に対する令和元年度の監督指導結果を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13350.html
(宮武貴美)