社員を海外派遣した際の住民税特別徴収の取り扱い

 不定期連載中の海外勤務者の各種取り扱いですが、今回は所得税から離れて住民税のことについて取り上げましょう。



[質問]
 今年(平成19年)の8月9日に3年間の予定で中国に派遣した出向社員の住民税の取り扱いについて教えてください。当社では、住民税は特別徴収しており、この社員も対象となっています。所得税は、8月25日に支払われる給与から控除不要で処理をしていますが、住民税はどのようにすればよろしいでしょうか?


[回答]
 ご質問の住民税は平成20年5月分まで納付する必要があります。現在控除している住民税は、平成19年分のものであり、これは平成19年1月1日現在において、日本国内に住所がある者に対して課税されます。したがって、所得税の取り扱いとは異なり、継続して特別徴収し、納付する必要があります。なお、平成20年1月1日には日本国内に住所を有さないことになりますので、原則として平成20年の住民税は不要となり、平成20年6月分より特別徴収は行わないこと(ゼロとなる)となります。


[まとめ]
 今回のケースでは、引き続き日本の会社から給与の支給が行われる前提としていますが、給与の支給がなく、特別徴収ができない場合は、別途、納税管理人を定めて納付する必要があります。次回はこの納税管理人について取り上げたいと思います。



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(宮武貴美)


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