新入社員に対する教育のポイントとコミュニケーションの促進

 あと2ヶ月もすれば4月となり、今年も多くの会社で新卒社員が入社してきます。彼らは社会人としてのファーストキャリアをこれから歩んでいこうとしている訳ですが、右も左もわからない状況の中で、まずは会社が用意する研修を受けることとなります。新入社員に対して会社は、入社前のマナー研修や職務に関する基礎研修など、新入社員に求められる様々な知識を学ばせるような研修を実施していますが、新入社員教育においては知識を学ばせるような内容だけで十分なのでしょうか。


 キャリア初期は、その会社の人らしくなっていく最初のステップになります。そのため、会社の理念や期待する人材像などを伝えることはもちろん、目に見える言葉だけでなく、理念がつくられた背景にある想いなどを共有しておくことが重要です。また、この時期にやっておきたいのが、社内でのネットワークの構築支援です。特に新入社員は同期で集まってしまいがちですが、その仲間内で固まるのではなく、積極的に他の世代の社員との交流を促進するような仕掛けが求められます。


 更には配属予定の部署だけではなく、一定期間さまざまな部門を経験する機会を設けてみるのもよいでしょう。全社の仕事の内容を理解させるという直接的な効果だけではなく、コミュニケーション面でも、一度でも話したことばあれば次に会ったとき気軽に話すことができるようになります。その他として、先輩社員が相談相手となるメンター制度を導入するなどして、意図的に接点をつくるような取組みも考えられます。


 最近の新入社員については既存社員とのコミュニケーションのすれ違いが問題となることが多いため、新入社員教育の時期に様々なコミュニケーション促進の対策を打つことで、スムーズな受入れを行っていきたいものです。



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(福間みゆき)


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