支給要件が緩和された中小企業基盤人材確保助成金

支給要件が緩和された中小企業基盤人材確保助成金 ここ数ヶ月間、雇用に関連した助成金の拡充・要件緩和には目が離せないほどですが、この4月から改正されたものも少なくありません。今日は、その中でも中小企業基盤人材確保助成金について取り上げましょう(画像はクリックして拡大)。


 そもそもこの助成金は、都道府県知事の認定を受けた改善計画に従い、新分野進出等(創業・異業種進出)に伴い新たに経営基盤の強化に資する労働者を雇入れた場合、または生産性を向上させるための基盤となる人材を新たに雇い入れまたは大企業等から受け入れた場合に受けられるものです。助成額は原則として以下の通りとなっています。
【新分野進出等に係る基盤助成金】
 基盤人材の雇入れ・・・140万円/人
 一般労働者の雇入れ・・30万円/人


【生産性向上に係る基盤助成金】
 基盤人材の雇入れ・受入れ・・・140万円/人
 一般労働者の雇入れ・・・・・・・30万円/人


 この助成金を受給するためには、この改善計画認定申請書による事業を開始した日から第1期初回の支給申請書の提出日までの間に、新分野進出等に伴う事業の用に供するための施設または設備等の設置・整備に要する費用を事業主が300万円以上負担することが必要でしたが、今回の改正により、この負担すべき費用が250万円以上に引き下げられました(※)。この改正の適用は、平成21年4月1日移行に「新分野進出等基盤人材確保実施計画認定申請書」を提出した場合に適用されます。
※特定地域においては改善計画を提出し対象労働者を雇い入れる事業主については、費用の額が250万円以上から200万円以上と改正されています。


 雇用調整を行っている事業所も多いところですが、新分野へ進出を計画している企業にとっては活用できる助成金といえるでしょう。



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参考リンク
独立行政法人雇用・能力開発機構「中小企業基盤人材確保助成金の改正のご案内」
http://www.ehdo.go.jp/new/n_2009/0401.html
独立行政法人雇用・能力開発機構「中小企業基盤人材確保助成金」
http://www.ehdo.go.jp/gyomu/f-1.html


(宮武貴美)


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