厚生労働省から公開された「中小企業に役立つ時間外労働削減の事例集」
過重労働の原因や精神疾患の原因として長時間労働が挙げられますが、現実にはなかなか労働時間の削減が進まない企業も多くあるのではないでしょうか。特に中小企業においては、限りある人材を活用しながら、業務の繁閑に対応していく必要性も高いため、時間短縮への取り組みが遅れているというのが実態ではないかと思います。
こうした背景から厚生労働省では「中小企業に役立つ時間外労働削減の事例集」というパンフレットを作成し、ホームページで公開しました。このパンフレットでは、長時間労働に関するアンケート調査結果のほかに、情報通信業、製造業、運輸業といった様々な業種の時間外労働削減の事例が10個取り上げられています。取組みの内容、取組みの効果・課題、実践のポイントや従業員の声などが含まれた内容になっており、自社で取組む際の参考資料となるでしょう。
平成22年4月には長時間労働を抑制し、労働者の健康の確保を目的として、時間外労働の割増賃金率が引上げとなっています。一定の要件を満たした中小企業については現在、適用が猶予されていますが、この猶予措置の廃止前にそもそもの時間外労働削減の取組みをしておく必要もあるでしょう。
中小事業主に役立つ時間外労働削減の事例集のダウンロードはこちら
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kinrou/110803_01.html
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参考リンク
厚生労働省「中小事業主に役立つ時間外労働削減の事例集」
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kinrou/110803_01.html
(宮武貴美)
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