[改正労働契約法]無期転換の申込みができることを労働者に伝えることが必要か?

無期転換の申込みができることを労働者に伝えることが必要か? 改正労働契約法の主要部分の施行まで約2ヶ月となりました。実務上の対策を徐々に進められている企業が多くありますが、本日はその中でも無期転換に関し、特に質問が多い事項を取り上げましょう。

 改正労働契約法では、有期労働契約を反復更新し、その通算契約期間が5年を超える場合には、労働者の申込みにより無期労働契約へ転換することが義務付けられます。この際に疑義が生じることとして、無期労働契約に転換の申込みができる場合には、事業主が当該対象労働者に対し、その説明をしなければならないかということが挙げられます。

 これについて、厚生労働省労働基準局労働条件政策課が策定した質疑応答を確認すると、「法第18条には、そのような説明をする義務は定められていない」としています。ただし、無期転換の申込みに係るトラブル防止を念頭におき、現在、厚生労働省が出しているモデル労働条件通知書では、その他の欄に「労働契約法第18条の規定により、有期労働契約(平成25年4月1日以降に開始するもの)の契約期間が通算5年を超える場合には、労働契約の期間の末日までに労働者から申込みをすることにより、当該労働契約の期間の末日の翌日から期間の定めのない労働契約に転換されます」という文言が記載されています。
 この文言については、記載義務があるわけではなく、あくまでも任意となっていますが、無用なトラブルを避けるためにも、労働者全体への通知をするといった方法など、何らかの対策を取っておくことが望まれます。


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参考リンク
厚生労働省「労働契約締結時の労働条件の明示 ~労働基準法施行規則が改正されました~」
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/meiji/index.html

(宮武貴美)

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