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部門ごとに異なる労働時間制度を採用できるか?




 当社は1つの事業場の中に製造部門と営業部門があります。このうち業務の繁閑の差の激しい製造部門について、今年度から変形労働時間制を採用しようと考えております。この際に、同じ事業場であるにも関わらず、製造部門にのみ変形労働時間制を適用させることはできるのでしょうか?それとも、これに併せて営業部門についても、同一の変形労働時間制を適用させなければならないのでしょうか?


 結論を申しあげると、1つの事業場に対して1つの制度でなければならないという制限はありません。


 労働基準法上の一般的な適用範囲として、「事業単位」での適用という原則があります。これは同一の事業であるかは、主として同一の場所で行われているかにより決定するというものです。


 労働時間は、製造業など事業としての法定労働時間が事業場全体に適用されますが、その範囲内である限り、部門ごとに異なる労働時間管理制度を設定することは可能です。よって、この前提の下で労使協定等によって対象者を限定した場合には、製造部門と営業部門のそれぞれに適した変形労働時間制を導入することが可能です。この場合は、それぞれの部門ごとに、就業規則に始業・終業時刻の時刻や、変形労働時間制の種類等を規定し、就業規則の作成・変更手続(届出)を行う必要があります。


 今回は部門ごとの限定でしたが、上記同様、労使協定等への記載内容によっては、各従業員といった個人単位まで、適用対象者を限定することもできます。なお、変形労働時間制における要件、手続きについてはそれぞれ異なるため、要件を満たしているか否かの確認は都度必要となります。 


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資格等級別の所定内賃金の平均額データ

 先日、財団法人社会経済生産性本部より「2005年度 能力・仕事別賃金実態調査 結果概要」という資料が発表されました。この調査は、「人事処遇システムの能力・成果主義化が進む状況の中で、従来の年功基準である年齢・勤続・性・学歴等に代わる能力等級別
賃金と職種別賃金の実態を明らかにした」もの。今回はその中から、能力(資格等級)基準の賃金相場のデータをご紹介しましょう。


 調査にあたり社内の等級を10等級として仮定し、そのうち上位8等級(大卒初任以上)を調査した結果は以下のようになっています。
部長相当
 全体:558.800円 100人未満:515.800円 100~299人:532.700円 300~999人:576.900円 1000人以上:695.000円
次長相当
 全体:493.200円 100人未満:440.000円 100~299人:474.200円 300~999人:518.200円 1000人以上:611.200円
課長相当
 全体:431,300円 100人未満:392,400円 100~299人:418,500円 300~999人:450,400円 1000人以上:532,500円
係長・主任Ⅰ
 全体:342,200円 100人未満:316,300円 100~299人:335,300円 300~999人:359,100円 1000人以上:396,000円
係長・主任Ⅱ
 全体:301,100円 100人未満:289,100円 100~299人:293,000円 300~999人:316,200円 1000人以上:337,200円
一般職Ⅰ
 全体:252,900円 100人未満:239,100円 100~299人:248,300円 300~999人:260,000円 1000人以上:287,300円
一般職Ⅱ
 全体:226,400円 100人未満:219,200円 100~299人:220,100円 300~999人:229,500円 1000人以上:245,600円
一般職Ⅲ(大卒初任)
 全体:204,400円 100人未満:202,600円 100~299人:200,100円 300~999人:204,600円 1000人以上:212,600円


 このように上位等級になればなるほど、企業規模間格差が大きくなっていることが分かりますが、このデータを見れば、等級別の大まかな水準を把握することができるでしょう。その他、等級別の賃金レンジや職種別賃金相場なども調査されていますので、賃金管理や賃金制度設計においては非常に良いデータとして仕上がっています。是非ご覧ください。



参考リンク
財団法人社会経済生産性本部より「2005年度 能力・仕事別賃金実態調査 結果概要」
http://www.jpc-sed.or.jp/contents/whatsnew-20060329-1.html


(大津章敬)


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連合の中小企業賃上げ一次集計は5,067円(1.96%)

連合の中小企業賃上げ一次集計は5,067円(1.96%) 先日、連合より「2006年春季生活闘争 第1回改定集計」の結果が発表されました。これによれば中小企業の賃上げは総計で5,067円(1.96%)と昨年よりも高い伸びを見せています。企業規模別に見ると99人以下企業は4,740円(1.86%)、100人以上299人以下企業は5,170円(1.99%)となっています。先行して妥結した企業のデータですので、まだ若干高いという印象はありますが、中小企業においても、全体としては昨年より高水準での賃上げになるのは間違いなさそうです。



参考リンク
連合「2006年春季生活闘争 第1回改定集計」
http://www.jtuc-rengo.or.jp/roudou/shuntou/index2006.html


(大津章敬)


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結論に導かせる工夫

 今回は、ある会社の管理職の方とお話した際にお聞きしたエピソードをご紹介します。



 先日、ある従業員がお客様において重大なミスを発生させました。そこで「今後の再発防止のために、クレーム報告書を提出するように」と指示をしました。


 私としては、ミスの再発防止が目的ですから、ミスが発生した原因とその事実、問題解決のために実施した対応、今後の再発防止策などを報告してもらいたいと思っていました。しかし、クレーム報告書に記載されていたのは「注意力が散漫でチェックが甘くなりミスが発生しました。申し訳ありません。今回のミスを反省し、今後同じようなことがないようにチェックを徹底します」という内容。ミスをして、お客様にご迷惑をお掛けした以上、しっかり反省してもらうことは確かに重要である。しかし、会社が求めているのは、今後、同様のミスを発生させないために、そのミスの原因をしっかり把握し、再発を防止する仕組みの改善である、この報告書ではまったく話にならない。どうしたものだろうか…。



 上司が部下に業務等について指示を出した際に上司の意図と違う、またはズレたことを行うケースは本当によく耳にします。上記の件については確かに部下の考え方にも問題があるかもしれません。しかし、部下の考え方に問題ありと理解していた場合には、事前に結論に導かせる工夫が必要が必要だったのではないでしょうか。


 上記の件でいえば「クレーム報告書を提出するように」と漠然と指示するのではなく、例えば
ミス発生の原因と環境
ミス発生時に実施した対応
今後、同様のミスを再発させないために求められる仕組みの改善
改善した仕組みを組織に定着させるための方策
といったように、考えて欲しいポイントをそれぞれ細分化して尋ね、求めるべき結論に誘導するような質問をすることが有効です。


 このように質問を相手のレベルや場面に合わせることを「チャンキング」、質問を細分化することを「チャンクダウン」、質問をより漠然として伝えることを「チャンクアップ」といいます。チャンクとは塊という意味であり、質問を塊に置き換えて質問を砕いたり、大きくしたりする質問の手法がチャンキングなのです。


 部下に質問を投げ掛けたときに返答が意図しないものだった場合には、ぜひ「チャンキング」を思い出して下さい。相手に対して何かを気付かせたい場合には「チャンクダウン」、相手に対して色々意見を引き出したい場合には「チャンクアップ」が有効です。みなさんは普段、部下に対していつも同じような質問ばかりしていませんか?質問をたった一つ変えるだけで、部下から思いもかけない返答が得られるかもしれません。


(志治英樹)


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改正安衛法対応した長時間労働者への面接指導に関するチェックシート

長時間労働者への面接指導に関するチェックシート 平成18年4月1日から改正労働安全衛生法が施行され、長時間労働者への面接指導が制度化されますが、先日、財団法人産業医学振興財団のホームページに、この長時間労働者への面接指導マニュアルとチェックリストが掲載されました。


 このチェックリストでは事業者からの事前ヒアリング項目、労働者本人からのヒアリング項目、医師による面接調査・指導項目などがまとめられており、最後には「面談指導結果報告書および事後措置に係る意見書」のサンプルまでついています。面接指導といってもどのような内容になるのか良く分からないという意見を良く耳にしましたが、このチェックリストおよびマニュアルには、その具体的内容が詳細に記載されているので、非常に参考になるでしょう。ダウンロードも自由になっていますので、参考にされることをお勧めします。



参考リンク
産業医学振興財団「長時間労働者への面接指導チェックリスト(医師用)」[WORD]
http://www.zsisz.or.jp/hoken/doc/m-clist.doc
産業医学振興財団「長時間労働者への面接指導マニュアル(医師用)」[WORD]
http://www.zsisz.or.jp/hoken/doc/m-manual.doc
東京労働局「労働安全衛生法等が改正されました」
http://www.roudoukyoku.go.jp/topics/2005/20051115-anzeneisei/index.html


(宮武貴美)


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日本経団連の春闘一時集計結果は総平均で5,630円(1.69%)

日本経団連の春闘一時集計結果は総平均で5,630円 日本経済団体連合会より、「2006年春季労使交渉・大手企業業種別回答一覧」の第1回集計(3月23日現在)が発表されました。この調査は、主要22業種・大手288社(東証一部上場、従業員500人以上が原則)の調査になりますが、今回は17業種158社(54.9%)の回答のうち、平均金額不明などの103社を除外した結果。


 まず総平均(55社)で見ると、回答額の平均は5,630円(1.69%)となっています。昨年実績は5,138円(1.53%)でしたので、約500円のプラスという結果。また業種別に見ると、製造業平均は5,798(1.74%)、非製造業平均は5,303円(1.57%)という結果が出ています。



  参考リンク日本経団連「2006年春季労使交渉・大手企業業種別回答一覧(第1回集計:3月23日現在)」
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2006/011.pdf


(大津章敬)


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「HOW」ではなく「WHY」

 2006年2月の日経新聞の「私の履歴書」は、ジャック・二クラウス氏で、好評を得ていたようです。今回は、その第21回、「名コーチの条件」と題された2006年2月22日の記事に注目したいと思います。


 氏は名コーチの条件として、「よいゴルフコーチの条件とは何だろう。私なら、こう定義する。すなわち、生徒に「どのようにすべきか(How)」ではなく「なぜそうなるのか(Why)」を教えられること」と記しています。


 これは、今どの企業も抱えている「人材育成」の部分で重要なヒントとなる言葉ではないでしょうか。トヨタの強さの理由を記した図書等にも記されている通り、「なぜ」「なぜ」の繰り返しは重要で、すべての仕事の中でこのような問いかけの気持ちがあることが、さまざまな改善に結びつき、「カイゼン」「改革」のベースとなります。


 一方、幹部の対応としても、部下が相談をしてきた場合には、すぐに「こうだ」と回答・指示するのではなく、「君はどう考えるのか、どうすることがベターと思うか」という質問を重ね、部下に考える機会を与えながら答えを導くということも重要です。


 ある有能なラグビー部の監督が、ラガーに対し、練習一つ一つについて「なぜするのか」ということを説明指導しているという話を聞いたことがあります。これにより、ラガー達はその練習の持つ意味を理解し、より効果的に練習に励むことができます。


 このようにHowではなくWhyということが、社風として企業に定着するならば、社員に知恵が生まれ、企業間競争において強い社風となって生きてくるのではないでしょうか。


 さらに同記事で氏は、「弱肉強食に等しいプロの世界において、ゴルファー達は皆、精神的に不安定になるものだ。そんな時、最も重要なのは心を落ち着かせることだ。そのために必要なもの。それは目の前の相手を思いやり、その苦悩を理解し、勇気付けてくれる存在である。プレーヤーから見て、理想のコーチとはそういうものだと思う。」と述べています。


 企業のトップやリーダーについて、今、スキル以前に社員の心の問題が企業の問題として掲げられています。氏の記事は、この問題解決の糸口となるのではないでしょうか。


(佐藤澄男)


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兼業と労働時間管理、割増賃金の支払義務

 本日は、兼業を認めた場合の労働時間のカウント方法、割増賃金の支払義務について、ご紹介します。


 労働基準法第38条は「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する」と規定しています。つまり、事業主を異にする事業場において労働する場合も時間を通算し、法定労働時間を超過するのであれば割増賃金の支払義務が生じることになります。


具体的には以下のようになります。
 前提)A会社・B会社ともその労働者が兼業している事を知っており、
    またB会社がA会社の後で労働契約を結んでいる。


A会社(4時間)の後、B会社(5時間)で勤務する場合
  →B会社で1時間分の割増賃金支払義務が発生


A会社(5時間)の後、B会社(4時間)で勤務する場合
  →B会社で1時間分の割増賃金支払義務が発生


A会社(4時間)の後、B会社(4時間)で勤務する契約であるが、
  たまたまA会社で5時間勤務してしまった場合
  →A会社で1時間分の割増賃金支払義務が発生


A会社で常勤勤務(8時間)の後、B会社でアルバイトをする場合
  →B会社での労働時間すべてが割増賃金支払義務発生
   ※例えば愛知県の最低賃金は688円/時ですので、B会社では最低でも
    その25%割増の860円以上の時給で雇用契約を結ぶ必要があるということになります。


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残業手当の定額払い

 本日は、残業手当の定額払いについて、ご説明いたします。


 定額残業手当とは、あらかじめ一定の残業時間を見込んで、その分の手当を定額で支給する方法です。この場合、実際の残業が、当初見込んだ時間に満たなくても手当を支払いますが、この手当を支給することで、それ以上の残業手当を支給する必要がなくなるわけではありません。逆に、見込んだ残業時間を超えた場合には、差額の時間外手当を支払う必要があります。


 判例上も、残業手当の定額支給については、手当額が法の定める計算方法による割増賃金を上回っていれば、定額支給で差し支えありませんが、現実の労働時間によって計算した割増賃金額が手当額を上回る場合には、使用者はその差額を支払わなければならないとされています。
(昭和63.10.26 大阪地裁判決 関西ソニー販売事件)


 実際の勤務が見込んでいた残業時間を超えた場合は、差額の時間外手当を支払う必要がありますので、適正な労働時間管理を通じて、実際の時間外労働時間を把握することが必要とされます。また、この制度を導入する際は、定額残業手当が何時間分の残業時間に対する手当なのかを就業規則や雇用契約書等で明確にしておく必要があります。なお、その際、定額残業手当の金額は実際の時間外手当単価に見合った額であることも当然求められます。


 残業手当を定額にて支給することは、給与計算事務の簡略化というメリットがありますが、実際の勤務が見込時間に満たない場合も定額分を支給しなくてはならないため、費用が余計にかかってしまう可能性を含むというデメリットがあります。


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5月15日「中小企業に求められる労働時間・社員健康管理の基本対策」受付開始

中小企業に求められる労働時間・社員健康管理の基本対策 労働時間に関するトラブルが急増しています。数年前までは労働時間の問題といえば、サービス残業の問題がほとんどでしたが、最近はその傾向が変わり、長時間労働自体が問題とされることが多くなっています。そこで今回、長時間労働に伴う過労死問題、社員の健康管理およびメンタルヘルスについて、基本的な知識とその対応方法について解説するセミナーを開催することとなりました。今回は、基本的な知識を押さえて頂くという内容のセミナーのため、一般企業の経営者および実務担当者のみなさま限定とさせて頂きますが、現在の労務管理においては最重要のテーマの1つですので、是非ご参加ください。


https://roumu.com/seminar/seminar20060515.html


■日時および会場
日 時 2006年5月15日(月)午後1時30分より午後4時45分
会 場 名南経営本館2階研修室(名古屋市熱田区神宮2-3-18)
     ※地下鉄「伝馬町駅」徒歩3分もしくは名鉄「神宮前駅」徒歩5分


■セミナーのポイント(2部構成)
第1部 求められる社員の健康管理とメンタルヘルスの基本対策
 ~労働安全衛生法改正の内容を踏まえた実務対応
 講師:株式会社名南経営 社会保険労務士 宮武貴美
 時間:13:30-15:00
 概要:近年、長時間労働や仕事のストレスなどによって過重な負担がかかり、健康障害やうつ病などのメンタルヘルスの問題を抱える社員が急増しています。これに対応するため、4月には労働安全衛生法が改正されるなど、国としても様々な対応を行っているところです。今回のセミナーでは、この改正安衛法のポイントおよび、企業として行わなければならない社員の健康管理とメンタルヘルスに関する基本的対策についてお話します。
ポイント:
1.労働安全衛生法改正の概要
2.最低限知っておくべきメンタルヘルスの基礎知識基礎
3.重要性を増す健康診断の実施
4.企業における労働者メンテナンス


第2部 トラブルが急増する労働時間制度の法的問題とその対策
 ~最近のトラブル事例に学ぶ労働時間管理のポイント

 講師:株式会社名南経営 社会保険労務士 大津章敬
 時間:15:15-16:45
 ここ数年、サービス残業や過労死など、労働時間制度に関するトラブルが急増しています。この問題は、その対応を間違えると巨額の不払い金や慰謝料の支払いに繋がる経営上の最大のリスクの1つになっているといっても過言ではありません。そこで今回のセミナーでは最近の労働時間制度の論点について解説した上で、中小企業に求められている労働時間管理のあり方についてお話したいと思います。
ポイント:
1.最近の労働時間制度の論点とその対応
2.今後の労働時間法制の方向性
3.いま、企業に求められる労働時間管理のあり方


■その他概要
受講料 5,000円(税込)
定 員 30名
持ち物 可能であれば自社の就業規則をご持参下さい


■詳細およびお申し込み
以下よりお願いします。
https://roumu.com/seminar/seminar20060515.html


(大津章敬)


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