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注目を浴びる短時間正社員制度

 先日、厚生労働省から「短時間正社員制度」の導入マニュアルが公開され、また総務省でも「多様な働き方を支援 短時間正社員制度」という映像による広報を行われているなど、各官庁では「短時間正社員制度」の積極的な普及を目指しています。この背景には、非正規従業員の増加、育児・介護問題への対策や自己啓発促進、そして2007年問題による人材確保難への対策があると考えられますが、今回は総務省が「ピックアップ」として取り上げている情報をもとに、この制度の概要について見てみることにしましょう。


■高まる短時間正社員制度導入への期待
 近年、少子高齢化が急速に進み、労働力人口減少の問題が深刻化することが予想されています。また、就業意識の多様化も見られる中、フルタイム一辺倒の働き方を続けることは、労働者の士気の低下にも繋がり、企業に悪影響を及ぼしかねません。現在、これらの問題解決の鍵となる、企業の「短時間正社員制度」導入への期待が高まっています。


■フルタイム正社員に比べ労働時間の短い短時間正社員
 短時間正社員は、フルタイム正社員より一週間の所定労働時間が短い正社員です。労働時間が短い分、仕事における責任やキャリアアップについてはフルタイム正社員とは異なる場合もありますが、いわゆる非正規社員とは異なり、企業における正規の雇用形態として位置づけられるため、安定した雇用が望めます。短時間正社員には、フルタイム正社員が一定期間だけ短時間で働き、いずれはフルタイム正社員に復帰する場合と、正社員が恒常的に短時間で働く場合とがあります。


■企業側にも労働者にもあるメリット
 短時間正社員制度には、労働者と企業のそれぞれにメリットがあります。労働者が正社員として短時間で働くことができれば、これまでさまざまな理由で就業が制約されていた人にとっては働く機会が広がります。また、就業の継続を望みつつも育児や介護、自己啓発のための時間がないと悩まれていた方にとっては、正社員として働きながら家庭や勉強などとの両立を図ることが可能になります。企業としても、有能な人材の発掘・職場への定着が容易となり、企業の競争力を高めることができます。また、人事管理、労働時間管理、賃金管理、業務の進め方などを見直すことにより、仕事の効率性を高めることが可能となります。


■厚生労働省は制度導入を支援します
 現在、短時間正社員制度を利用している企業は決して多いとは言えません。また制度導入にあたり、キャリア形成や処遇面での対応など、業務運営・人事管理の面でクリアしなくてはならない課題があることも事実です。そこで、短時間正社員制度に興味はあるが具体的にどうやって導入すればよいのか分からない、どのような手順を踏めばよいのか分からないという企業のために、厚生労働省では、短時間正社員制度を導入する際のマニュアルをまとめています。平成18年3月中にも都道府県の労働局などを通じて、企業に提供していくとともに、ポスターなどによる啓発活動も展開される予定になっています。また平成18年度からはさらに、短時間正社員制度を導入する企業に対するサポートが強化されます。


 実際の厚生労働省のマニュアルでは、制度導入の際の課題が様々な観点から取り上げられ、その解決策が記載されています。これまでは、育児のためにやむを得ず退職するという労働者も少なくない現状がありました。法律として施行するのではなく、よりよい労使関係を築くためにはこのような制度の推進も重要になっています。



参考リンク
厚生労働省「ライフスタイルに合わせた働き方 「短時間正社員制度」を考えませんか?」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/03/tp0308-2.html
総務省「ピックアップ(平成17年3月) 多様な働き方を支援 短時間正社員制度」
http://www.gov-online.go.jp/pickup/2006_03/pickup_d.html


(宮武貴美)


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パートタイマーにも定期健康診断を受診させる必要があるか

 最近、雇用形態の多様化という言葉をよく耳にするようになりました。パートタイマーを初めとしたいわゆる非正規社員の増加は著しいものがあります。そこで今回は、パートタイマーにも定期健康診断を受診させる必要があるか(定期健康診断の受診労働者の範囲)について取り上げてみましょう。
■質問
 当社では社員は5名、パートタイマー・アルバイト10名で業務を行っています。社員には毎年1回の健康診断を実施していますが、パートタイマー・アルバイトについてはこれまで実施していません。先日、パートタイマーの方から「私も健康診断を受けたい」という申し出がありました。パートタイマーの方に対しても実施する必要があるのですか?


■回答
【結論】
 一定の基準満たすパートタイマーについては健康診断を実施する必要があります。


【解説】
 まず定期健康診断は、労働安全衛生法第66条および労働安全衛生規則第44条でその実施に関する事項が定められています。ここでは、「常時使用する労働者(第45条第1項に規定する労働者を除く。)に対し」て行わなければならないと規定されていますが、具体的な労働者の範囲については、法律に明確な定めがあるわけではありません。その上で「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の施行について」(平成5年12月1日基発第663号)という通達が、実施すべき労働者の範囲を以下のように明確に定めています。



 1週間の所定労働時間が、同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の労働時間の4分の3以上であり、かつ、雇用期間がのいづれかに該当する労働者については健康診断を実施する必要があります。
雇用期間の定めのない者
雇用期間の定めはあるが、契約の更新により1年(※)以上使用される予定の者
雇用期間の定めはあるが、契約の更新により1年(※)以上引き続き使用されている者
  ※特定業務従事者は6ヵ月


 なお、1週間の所定労働時間が2分の1以上の労働者については実施することが望ましいとされています。


 従って、御社でも上記の範囲に該当するパートタイマー・アルバイトについては定期健康診断を実施する必要があります。この範囲は社会保険に加入すべき範囲と似通っており、実施対象者選定の際には参考にできるかと思います。


■まとめ
 定期健康診断の費用については、事業主負担とされており、受診者が増加することで費用の負担も重くならざるを得ません。しかしながら、「健康であるからこそ業務の遂行ができるのだ」という考えのもと、対象者全員の健康診断実施に取り組む必要があるといえるでしょう。





参考条文
労働安全衛生法 第66条 第1項
 事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行なわなければならない。


労働安全衛生規則 第44条 第1項
 事業者は、常時使用する労働者(第45条第1項に規定する労働者を除く。)に対し、1年以内ごとに1回、定期に、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。
1 既往歴及び業務歴の調査
2 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
3 身長、体重、視力及び聴力の検査
4 胸部エックス線検査及び喀痰検査
5 血圧の測定
6 貧血検査
7 肝機能検査
8 血中脂質検査
9 血糖検査
10 尿検査
11 心電図検査





 参考リンク
短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の施行について(平成15年10月1日改正基発第663号)[pdf]~厚生労働省[pdf]
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/151010-a.pdf
短時間労働者についても健康診断が必要です。~愛知労働局
http://www.aichi-rodo.go.jp/topics/docs/03-08-28-2.html


(宮武貴美)


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人事制度改革における評価制度充実の重要性と具体的施策

 先日、財団法人社会経済生産性本部 社会労働部・雇用システム研究センターより「第9回 日本的人事制度の変容に関する調査結果概要」というレポートが発表になりました。この調査は全上場企業2,752社の人事労務担当者を対象に行われたもので、今回は254社の回答が集計されています。調査分野は、賃金・賞与制度の導入状況や採用の動向、キャリア開発支援、、評価制度柔軟な働き方への対応、そして福利厚生・退職金制度の導入状況と多岐に亘っていますが、今日はこの中でも非常に面白い切り口で分析がなされていた成果主義の成功要因分析について取り上げることとしましょう。


[成果主義導入企業は約9割 しかし適正な評価ができているのは半数が課題と認識]
 評価・処遇制度の現状に関して、「業績ないし成績の評価結果により、賃金・賞与で相当の格差がついている」かどうかという設問については、「当てはまる」が37.0%、「どちらかというと当てはまる」が49.2%との回答がなされ、合算すると86.2%(219社)が、成果主義を導入しているという結果が出ています。


 このうち、「現場の評価者の評価能力は、ほとんどバラツキはなく、ほぼ適正な評価ができている」かどうかという設問については、「当てはまらない」、「どちらかというと当てはまらない」をあわせると約半数(49.8%)に達しており、運用における人事評価制度の課題を感じている企業が多いことがデータとして現れています。ここまでは常識的に考えれば当然の結果であり、状況の確認といった域を出ていません。しかし、この調査が面白いのはここからです。


[成果主義成功の企業が採用している人事管理諸制度]
 成果主義導入企業のうち、その運用が比較的うまく行っていると回答した43社を「成果主義Ⅰ」、課題が多いと感じている16社を「成果主義Ⅱ」として、人事管理諸制度の導入状況を比較しているのですが、その結果が以下のようになっています。
人事評価関連制度
□コンピテンシーの人事評価制度への導入 Ⅰ:44.2% Ⅱ:8.3%
□管理職に対する360度評価制度 Ⅰ:30.2% Ⅱ:0%
□苦情処理制度 Ⅰ:60.5% Ⅱ:25.0%
キャリア開発関連制度
□社内公募制 Ⅰ:60.5% Ⅱ:31.3%
□社内FA制 Ⅰ:16.3% Ⅱ:12.5%
□自己申告制度 Ⅰ 90.7% 50.0%
□キャリアカウンセリング Ⅰ:39.5% Ⅱ:12.5%
その他の制度
□従業員へのメンタルヘルス対応 Ⅰ:83.7% Ⅱ:37.5%


 社内FA制こそ、それほど結果は変わらないものの、その他の諸制度については成果主義をうまく運用している「成果主義Ⅰ」の企業で、いずれも導入率が高くなっていることが分かります。具体的にどの施策が決め手になっているのかまでは読み取れませんし、また企業によってそのポイントは変わってくると思いますが、こうした人事管理諸制度の充実度合いが、成果主義人事制度の成否に大きな影響を与えていることは間違いなさそうです。私の私見としても、多面評価や評価結果のフィードバック、苦情処理などの仕組みは特に効果が大きいと考えていますので、こうした制度については是非導入を検討したいところです。



参考リンク
財団法人社会経済生産性本部「第9回 日本的人事制度の変容に関する調査結果概要」
http://www.jpc-sed.or.jp/contents/whatsnew-20060316-1.html


(大津章敬)


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石綿による健康被害の救済に関する法律の施行に伴う支給請求 本日より開始

 石綿による健康被害については、昨年社会問題化しましたが、3月27日に「石綿による健康被害の救済に関する法律」が施行されることになりました。この法施行に先立ち、本日より特別遺族年金または特別遺族一時金の支給請求が開始となります。そこで本日はこの制度の概要についてお伝えしましょう。
■救済の対象者
 労働者または特別加入者であって、石綿にさらされる業務に従事することにより、指定疾病等にかかり、これにより死亡した者の遺族であって、時効により労災保険法に基づく遺族補償給付の支給を受ける権利が消滅した者
※1 指定疾病等とは?
 中皮腫、気管支または肺の悪性新生物(肺がん)、石綿肺、びまん性胸膜肥厚および良性石綿胸水となる予定。
※2 対象となる死亡労働者等とは?
 昭和22年9月1日以降に指定疾病等にかかり、これにより、この法律の施行(平成18年3月27日)前日の5年前の日(平成13年3月26日)までに死亡した者。なお、平成13年3月26日以降に死亡した労働者等の遺族については、労災保険法に基づく遺族補償給付の対象となる。
■救済の内容
 特別遺族年金または特別遺族一時金が支給される。
■請求手続
 特別遺族年金の場合は「特別遺族年金支給請求書」を、特別遺族一時金の場合は「特別遺族一時金支給請求書」を所轄の労働基準監督署に提出。なお請求にあたっては、死亡診断書や戸籍抄本など所要の添付資料が必要となる。
■特別遺族年金、特別遺族一時金または労災補償の対象とならない者の救済
 石綿の吸入により指定疾病にかかった旨の認定を受けた者と、この法律の施行前に指定疾病に起因して死亡した者の遺族については、救済給付が支給される場合がある。



参考リンク(詳細情報)
東京労働局「石綿による健康被害の救済に関する法律が制定されました」[pdf]
http://www.roudoukyoku.go.jp/topics/2006/20060317-sekimen/20060317-sekimen.pdf
環境省「石綿問題への取り組みをご案内します」
http://www.env.go.jp/air/asbestos/index.html


(大津章敬)


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割増賃金に反映しない手当




 扶養家族のある者に一律支給している「家族手当」は、割増賃金の基礎となる賃金に含める必要はありますか?


 労働基準法第37条は、時間外、休日又は深夜の労働に対しては、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上の率(時間外労働及び深夜労働の場合)ないし3割5分以上の率(休日労働の場合)で計算した割増賃金を支払わなければならないと規定しています。また、労働基準法第37条第4項及び同法施行規則第21条において、以下の(1)~(7)は割増賃金の基礎となる賃金に算入しなくともよい旨を規定しています。


   家族手当
   通勤手当
   別居手当
   子女教育手当
   臨時に支払われた賃金
   1カ月を超える期間ごとに支払われる賃金
   住宅手当


 これらの賃金は、制限的列挙されたものと解されていますので、いずれにも該当しないものは、すべて割増賃金の基礎に算入しなければなりません。また、これらの賃金に該当するか否かは、名称にかかわらず「実質」によって取り扱うこととされています。これは、労働と直接的な関係が薄く個人的な事情に基づいて支払われる賃金は、割増賃金にはなじまないという趣旨で除かれているからです。


 例えば、家族手当といえども家族数に関係なく一律に支給されている場合(例えば扶養家族1人でも5人でも1万円)は家族手当として認められず、割増賃金の計算に含めなければなりません。逆に、「配偶者1万円、第1子5,000円、第2子以降3,000円を支給する」となっている場合は、各個人の家族構成により支給額も変わってきますので、割増賃金の基礎となる賃金に算入しなくても良い賃金となります。


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時間外手当について

 今週末は時間外手当について、ご説明いたします。


1.時間外労働の定義
・法定労働時間を超える労働を時間外労働といいます。
法定時間外手当の対象となる時間は次のとおりです。
1)原則として1日8時間を超える労働、1週40時間を超える労働
2)1ヵ月単位の変形労働時間制を採用している場合は、次のとおりとなります。
①所定労働時間が1日8時間を超える時間を定めた日はその時間、それ以外の日については8時間を超えて労働した時間。
②上記①で時間外とされた時間を除き、所定労働時間が1週40時間を超える時間を定めた週はその時間、それ以外の週については1週40時間を超えた時間。
③上記①及び②で時間外とされた時間を除き、変形期間の法定労働時間の総枠を超えて労働した時間。
上記の①+②+③=法定時間外の労働となります。
※法定労働時間の総枠は「40時間×変形期間の暦日数÷7」で計算された時間です。
※1年単位の変形労働時間制を採用している場合は、1ヵ月単位の変形労働時間制と同様に判断します。
※フレックスタイム制を採用している場合は、清算期間の法定労働時間の総枠を超えて労働した時間です。


2.法内残業
・所定労働時間を超える労働のうち、8時間になるまでの労働を法内残業といいます。例えば、所定
労働時間が7時間30分の場合、7時間30分を超え、8時間までの労働が法内残業となります。


3.賃金の割増率
1)時間外労働
・25%以上の割増を付けて支給しなければなりません。法内残業には割増を付けなくても結構ですが、労働分の賃金は支払う必要があります。
2)深夜労働(夜10時から朝5時まで)
・深夜の時間帯に及んだときは50%以上の割増になります。
3)休日労働
・法定休日の労働には35%以上の割増を付けて支給しなければなりません。法定外休日の労働は法定労働時間内ならば、割増を付ける必要はありませんが、法定労働時間を超えた時間については、25%以上の割増を付けなければなりません。


※法内残業、法定労働時間内の法定外休日労働には労働基準法上は割増を付ける必要はありませんが、就業規則等で割増を付けて支給するなどの決めがあれば、その決めに従って支給することとなります。


4.割増賃金対象時間の計算の例
  所定労働時間:1日 7時間30分
  休日:土曜と日曜
    次のような勤務実績の場合
    月曜日  9時間勤務
    火曜日    8時間勤務
    水曜日  8時間勤務
    木曜日  9時間勤務
    金曜日    8時間勤務
    土曜日  8時間勤務
         日曜日    勤務無し


●1日で見た場合の時間外労働
  …2時間(月曜1時間、木曜1時間)
●1週間で見た場合の時間外労働
  …8時間(50時間-40時間=10時間のうち2時間は1日で見た場合なので8時間となります)


この例の時間外労働は合計10時間となり、割増賃金(25%増)の対象時間になります。月曜から金曜までの割増賃金とならない、7時間30分を超えて8時間までの各日の30分については法内残業のため割増は付けなくとも時間外として賃金を支払う必要があります。


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4月からの労災保険料率等の改正

4月からの労災保険料率等の改正 今年の労働保険の年度更新の申告・納付手続は4月1日から5月22日までに行う必要がありますが、4月よりいくつかの点で改正が行なわれておりますので、今回、簡単にまとめてみることにしましょう。
労災保険料率等の改正
 平成18年4月1日から労災保険料率が改正されるため、平成18年の概算保険料から新労災保険率が適用となります。
業種区分の改正
 これまでの業種区分が「(旧)その他の各種事業」であった事業について、平成18年4月1日より変更が行われています。
労務比率の改正
 建設事業に係る労務比率のうち、「水力発電施設、ずい道等新設事業」が20%→19%に、「機械装置の組立て又は据付けの事業 組立て又は取り付けに関するもの」が41%→40%に改正されています。
第2種特別加入保険料率の改正
 第2種特別加入保険料率のうち、「労災保険法施行規則第46条の18第1号イの作業(特定農作業従事者)」が1000分の7→1000分の8)に改正されています。


 上記内容の詳細については以下をご参照下さい。(pdfファイル)
http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/03/dl/tp0317-1a.pdf



参考リンク
労働保険制度(制度紹介・手続き案内)~厚生労働省
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/daijin/hoken/980916_1.htm


(大津章敬)


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国民年金の学生納付特例制度

 先日、社会保険庁から「平成16年公的年金加入状況等調査結果 速報のポイント」が発表されました。この調査結果には公的年金について、その加入状況の他、制度に関する周知状況等が記載されています。この中で学生納付特例制度について比較的認知度があまり高くない(学生納付特例制度について知っている割合は、第3号被保険者で63.6%、第2号被保険者で61.5%、第1号被保険者で61.3%。中でも第1号未加入者では33.2%と非常に低い認知率)という結果が出ていました。そこで本日はこの制度について取り上げてみましょう。


 この制度は本来、保険料を納付すべき学生に対し、在学中の保険料納付を猶予するものです。日本国内に住むすべての人は、20歳になったときから国民年金の被保険者となりますが、近年の大学進学率を見てもわかるように、20歳では学生であるケースも多く、所得の低さから保険料の納付が困難なケースも見られます。そこで、本人の所得が一定以下の学生については、申請に基づき保険料納付が猶予されることになっています。


 この制度を活用し、保険料が猶予された場合のメリットを以下にまとめてみましょう。
■メリット
老齢基礎年金の受給資格期間に算入される。
 老齢基礎年金を受け取るためには、原則として保険料の納付済期間等が25年以上必要です。この制度の承認を受けた期間は、この25年以上という老齢基礎年金の受給資格期間に含まれることとなります。ただし、老齢基礎年金の額の計算の対象となる期間には含まれません。


障害基礎年金・遺族基礎年金の支給判断において納付済期間と同様の取り扱いとなる。
 障害や死亡といった不慮の事態が生じた場合に、(1)その事故が発生した月の前々月までに保険料を滞納した期間が被保険者期間の3分の1以上ない場合、または(2)その事故が発生した月の前々月までの1年間に保険料の未納がない場合には、障害基礎年金や遺族基礎年金が支給されますが、この制度の承認を受けている期間は、保険料納付済期間と同様に当該要件の対象期間になります。


■注意すべき点
保険料の追納を行う必要性がある。
 申請により猶予が認められた期間については、猶予後10年間、保険料を納付(追納)することができる仕組みになっています。この期間内に納付しない場合は、将来、老齢基礎年金の額の計算の対象となる期間には含まれまないことになるため、満額の老齢基礎年金が受給できないことがあります。なお、猶予後2年以上経過後に追納する場合は、猶予されていたときの保険料に、一定の加算額が加わります。


申請は毎年必要である。
 通常の学校では複数年通学することになりますが、この制度は本人の所得を基準としているため、毎年申請することが必要です。申請が遅れると、申請日前に生じた不慮の事故や病気による障害について、障害基礎年金を受け取ることができない場合があります。


 以上、この制度のメリットおよび注意点をまとめてみました。



参考リンク
社会保険庁「平成16年公的年金加入状況等調査結果 速報のポイント」[pdf]
http://www.sia.go.jp/infom/press/houdou/2006/h060308.pdf
学生納付特例制度~社会保険庁
http://www.sia.go.jp/top/gozonji/gozonji01.htm


(宮武貴美)


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6月2日/3日「人事評価制度構築」実践講座(大阪)受付開始

6月2日/3日「人事評価制度構築」実践講座(大阪)受付開始 昨年、東京・名古屋・大阪で開講し、約120名のみなさまにご受講いただきました「人事評価能力向上訓練トレーナー養成講座」をバージョンアップし、2日間の「人事評価制度構築」実践講座として開講することとなりました。本日より、6月2日および3日に大阪で開催する講座の受付を開始しました。概要は以下のとおりとなりますので、是非ご参加下さい。


「人事評価制度構築」実践講座
  パフォーマンスとメンテナンスの両面から「人事評価」を再構築する


 HRM(ヒューマン・リソース・マネジメント)のベースは人材育成。そして人事評価制度はその一翼を担うものですが、これはややもすると成果(パフォーマンス)の向上対策ばかりに目が向き、果実を生み出す「材」を充実させる維持機能(メンテナンス)がおざなりになってしまう傾向が見られます。企業体質を真に強くする人事制度にはこの2つのバランが重要になってきました。
 今回企画した講座では、パフォーマンス系の制度構築手法と同時に、メンテナンス系、特に管理職の能力向上に焦点を当てたカリキュラムを組みました。人事評価コンサルティングの新しいスキームを求めている方々のご参加をお待ちしております。
■ セミナーのポイント 
1)人事制度改定に携わる者のスタンス
2)人事評価制度構築論~短期、中期、長期
3)報酬制度とのリンク
4)人事評価をマネジメントする管理職のあり方
5)人事評価者訓練で説明力を高める
6)面接の制度化と効果的な進め方~ビジネスコーチングの活用
※1 人事コンサルティングを事業にするためのスペシャルコラムも講義中に盛り込みます。
1.人事評価制度コンサルティングのノウハウ
2.人事コンサルティングを収益の柱にする方策
※2 初日夜には小山邦彦参加の懇親会(希望者)も開催!


■前回までの1日コースとの違い
□管理者研修の演習を充実させ、すぐに研修講師ができるスキルを身に付けていただく。
□パフォーマンス系の人事評価システムの構築方法についての単元を設定。
□人事評価と報酬制度のリンク方法についての単元を設定。
□ビジネスコーチングの単元に演習を採り入れ、基本的なコーチングスキルを身に付けていただく。


■研修概要 
日 時 平成18年6月2日(金)および 3日(土)
     時間は2日(金)が午後1時から午後5時、3日(土)が午前9時から午後1時
講 師 株式会社名南経営 人事労務統括 小山邦彦(社会保険労務士)
会 場 名南経営大阪支社 研修室
※地下鉄中央線/堺筋線 「堺筋本町駅」下車徒歩5分
受講料 52,500円(税込)
※懇親会参加の場合は別途5,000円の実費が必要となります。
対 象 社会保険労務士、コンサルタントの皆様
※一般企業の皆様もご参加頂けますが、基本的に専門家向けの内容になりますので、ご了承下さい。
定 員 30名


詳細およびお申込みは以下よりお願いします。
https://roumu.com/seminar/seminar_evaluation.html


(大津章敬)


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障害者雇用の促進等に関する法律の改正に伴う納付金制度の改正

 障害者雇用を促進し、障害者の職業生活における自立と職業の安定を図ることを目的とした「障害者の雇用の促進等に関する法律」というものがあります。


 この法律では「障害者雇用率制度」が設けられており、「常用雇用労働者数」が56人以上の一般事業主は、その「常用雇用労働者数」の1.8%以上の身体障害者または知的障害者を雇用しなければならないとされています。その上で、その実効性確保と経済的負担の調整のため、「障害者雇用納付金制度」が設けられており、障害者雇用率(1.8%)未達成の事業主については、法定雇用障害者数に不足する障害者数に応じて1人につき月額50,000円の障害者雇用納付金を納付しなければならないこととされています。(当分の間は、常用雇用労働者数が300人以下の事業主からは、障害者雇用納付金を徴収しないことになっています。)


 今回、この「障害者の雇用の促進等に関する法律」の一部が改正され、4月1日より障害者雇用納付金制度の一部が変わります。精神障害者の各企業の雇用率への参入が改正されるのですが、具体的な内容は以下の2点になります。
精神障害者保健福祉手帳を所持している精神障害者が各企業の雇用率の算定対象とされ、これに基づき障害者雇用納付金の納付、障害者雇用調整金・報奨金の支給がなされます。
精神障害者である短時間労働者(週20時間以上30時間未満の労働者)についても、0.5人分とカウントされます。


 この障害者雇用の問題は、多くの企業において実務上の悩みの種となっていますが、企業の社会的責任の一環としても、社内で積極的な議論を行うことが求められています。



□参照リンク
独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構「障害者雇用の促進等に関する法律の改正に伴う納付金制度の改正」[pdf]
http://www.jeed.or.jp/disability/employer/payment/download/h18_reform_info.pdf


(大津章敬)


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