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36協定の記載例 特別条項の1ヶ月あたり上限時間数が90時間から60時間に変更

 2019年4月より時間外労働の上限規制が法制化され、36協定の様式が変更となりました。新様式では、一般条項と特別条項が別の用紙となり、特別条項についてはより詳しい内容を記載するものとなりました。
 厚生労働省から、この36協定の様式の記載例が公開されていましたが、記載してある労働時間数について見直しが行われ、先日、新しい記載例に差し替えられました。
 一般条項・特別条項ともに差し替えされましたが、特別条項の記載例を確認すると、限度時間を超えて労働させることができる回数が最大6回であったものを4回に、延長することができる時間数及び休日労働の時間数(1ヶ月)が最長90時間であったものを60時間に、延長することができる時間数(1年)が最長820時間であったものを670時間に変更されています。
 また、注意書きの「限度時間を超えて労働させる必要がある場合でも、時間外労働は限度時間にできる限り近づけるように努めてください。」については赤文字とな注意喚起を促すものとなっています。
 いわゆる過労死認定基準を上回るような時間外労働や休日労働を認めるような内容であったため、見直しがされたようですが、自社の36協定の内容と実態が適切なものであるかも確認しておきたいものです。

↓差し替えられたリーフレットはこちらのページからダウンロードできます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322_00001.html


参考リンク
厚生労働省「「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322_00001.html

(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

前年対比2倍以上の大幅増加により過去最多となった外国人の在留資格取消件数/平成30年結果

 法務省は、令和元年8月21日、平成30年の「在留資格取消件数」の結果について公表を行いました。
 
 平成30年に出入国管理及び難民認定法(以下、「入管法」という)に基づく在留資格の取消しが行われた件数は832件で、前年に比べ、447件増加(116.1%増)となり、過去最多を記録しました。

 在留資格別、国籍・地域別、取消事由別の上位項目は以下のとおりです。

【在留資格別】
  第1位:「留学」412件(49.5%)、第2位:「技能実習」153件(18.4%)、第3位:「日本人の配偶者等」80件(9.6%)。

 【国籍・地域別】
  第1位:「ベトナム」416件(50.0%)、第2位:「中国」152件(18.3%)、第3位:「ネパール」62件(7.5%)。

 【取消事由別(入管法第22条の4第1項の各号の取消事由)】
  第1位:「第6号(例:留学生が学校を除籍された後の在留、技能実習生の失踪後の在留 等)」393件(46.5%)、第2位:「第5号(例:留学生が学校を除籍された後のアルバイト、技能実習生の失踪後の他社就労 等)」218件(25.8%)、第3位:「第2号(例:日本人との偽装結婚、架空の会社での就労 等)」100件(11.8%)。

 取消事案として多いのは、留学生が学校を除籍された後も日本に在留、さらにはアルバイトをしていたり、技能実習生が失踪後、日本に在留、さらには他社で就労しているという事例のようです。

 特に、留学生アルバイトについては、日本の学校での勉強ではなく、アルバイト就労を目的に日本の学校に入学しているケースも少なからずあるようです。その受け入れを行っている日本語学校などが学校の定員数を超えて入学をさせており、問題となっているケースも発生しています。

 留学生アルバイトを雇用する企業においては、留学生アルバイトのシフト管理(留学生アルバイトは、通常、週28時間までの就労制限あり)を徹底するとともに、学校に通っているのか、そもそも学校を除籍されていたりしないか、といった確認も行っておくことがよいでしょう。

 

<参考リンク>
法務省「平成30年の「在留資格取消件数」について」
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri10_00057.html

民間主要企業の2019年春季賃上げ平均は前年比243円減の6,790円

 今年は消費税増税の年であり、政府からも賃上げ要請が行われていたこともあり、賃上げの水準がどうなるか注目を集めていましたが、予想通り高水準の結果となったようです。本日は厚生労働省の「平成31年 民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」の結果を取り上げます。この調査の対象は、妥結額(定期昇給込みの賃上げ額)などを把握できた、資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の労働組合のある企業341社。よって大企業の結果と考えるのがよいでしょう。

 これによれば、今春の賃上げにおける平均妥結額は6,790円で、前年(7,033円)に比べ243円の減となっています。現行ベース(交渉前の平均賃金)に対する賃上げ率は2.18%で、前年(2.26%)に比べ0.08ポイントの減。とは言え、賃上げ率は平成26年以降、6年連続の2%台となっており、高水準の結果であることが分かります。

 企業の人手不足感は引き続き高く、初任給見直しを含む賃金の引き上げの必要性が高まる一方で、景気の先行き不透明感が増していることによる結果であると考えることができそうです。


関連blog記事
2019年7月22日「経団連調査の2019年大手企業賃上げ平均額(最終集計)は前年より微減の8,200円(2.43%)」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52174206.html
2019年6月20日「経団連調査の2019年中小賃上げ平均額は前年より微減の4,764円(1.87%)」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52172668.html
2019年5月28日「都内企業の賃上げ平均妥結額は前年比▲7.35%の6,086円」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52171409.html
2019年2月07日「2019年の賃上げ予測は上場企業クラスで6,820円 ベアの意向も高い結果に」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52165773.html
2018年8月8日「民間主要企業の春季賃上げは前年比463円増の7,033円」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52155653.html
2018年7月11日「東証一部上場企業の2018年賃上げ妥結額平均 最終集計は前年比10%増の8,539円」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52154025.html
2018年7月4日「都内労働組合の賃上げ調査 前年比443円プラスの5,739円」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52153623.html
2018年6月20日「経団連集計の2018年中小企業賃上げは前年比110円プラスの4,805円」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52152652.html
2018年5月30日「都内労働組合の2018年賃上げは前年比7.37%プラスの5,462円」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52151440.html


参考リンク
厚生労働省「令和元年 民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06163.html


(渡たかせ)

愛知県 あいち障害者雇用総合サポートデスクを名古屋駅に開設

 障害者雇用の重要性が高まる中、愛知県では、名古屋駅にあるあいち労働総合支援フロア内に「あいち障害者雇用総合サポートデスク」を開設し、愛知労働局と一体となって、地域の障害者支援機関と共働して障害者雇用に取り組む企業をサポートすることになりました。

 サポートデスクでは、企業への障害者の受け入れに関する相談のほか、障害者を雇用する企業が取り組む職場定着に関する相談など障害者雇用に取り組む企業の課題に応じた雇用から定着までの一連の支援が行われます。障害者雇用で悩んでいる企業のみなさまはこうした窓口も利用されるとよいのではないでしょうか。
開設場所
愛知県産業労働センター(ウインクあいち)17階 
 あいち労働総合支援フロア内(名古屋市中村区名駅4-4-38)
電話 052-583-1010
FAX 052-583-1011
メールアドレス supportdesk@mmg.jp
利用時間
月曜~金曜:午前9時30分から午後6時まで
土曜日  :午前10時から午後5時まで
(日祝日・年末年始を除く)
主な事業内容
(1)雇用支援
ア 障害者職場実習受入企業の開拓・リスト管理、マッチング調整。
イ 雇用事例の収集及び情報提供。
ウ 「職場見学会」「各種セミナー」の企画、運営。
※障害者本人に対する職業紹介・相談業務はハローワークで行なわれます。
(2)定着支援
ア 各企業の課題に応じた雇用から定着までの具体的なコンサルティングを実施。
イ 障害者の就職情報に基づき、就労支援者等を派遣して、職場定着支援のニーズを把握するとともにそのニーズに応じた定着支援メニューを実施。
(3)就労支援機関等を始めとする各種関係機関とのネットワークの構築
 サポートデスクを中心とした県内ハローワーク、就労支援機関等とのネットワークの構築を図る。
(4)障害者雇用関連事業への協力
 県・愛知労働局との共催事業や、県又は愛知労働局が独自に実施する障害者関連事業に対しての協力


参考リンク
愛知県「「あいち障害者雇用総合サポートデスク」を開設しました。」
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/shugyo/k-2018-102.html
あいち障害者雇用総合サポートデスク
https://shougaisupportdesk.pref.aichi.jp/

(大津章敬)

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厚生労働省は労働時間管理でログ等の確認を重視し始めているようです

 最近、朝晩は少し涼しくなり、秋の近づきを感じている大熊であった。


大熊社労士:
 おはようございます。
宮田部長宮田部長:
 大熊先生、おはようございます。最近、朝晩はだいぶ涼しくなってきましたね。まだまだ昼の時間帯は暑いですけど。
大熊社労士:
 そうですね。もう来週には9月ですからね。そろそろ夏も終わりますね。さてさて、今日は労働時間管理に関するお話をしたいと思っています。
服部社長:
 労働時間管理ですか。具体的にはどのような話でしょうか?
大熊社労士大熊社労士:
 はい、先日、厚生労働省は「監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成30年度)」という資料を公表しました。要は労働基準監督署の指摘によって賃金不払いの是正を行った企業の状況をまとめたもので、結論としては概ね例年並みの水準だったということになりますが、今日ご紹介したいのはその資料に添付されている「賃金不払残業の解消のための取組事例」というものです。
https://www.mhlw.go.jp/content/11202000/000536139.pdf
服部社長:
 取り組み事例ですか?
大熊社労士:
 はい、そうです。ここでは4つの事例が掲載されていますが、こういった事例というのはこういう方向で取り組んで欲しいという厚生労働省からのメッセージだと考えられます。
服部社長:
 なるほど。法的な拘束力はないものの、事実上の指導として方針を示しているということですね。確かにそのように言えるかも知れません。
大熊社労士:
 そうなのです。そこで気になったのが、以下のような記述です。
生体認証による労働時間管理システムの記録と入退館記録との間にかい離があった場合は、部署の管理者に対し、書面により指導を行うこととした。
会社は、パソコンのログ記録や金庫の開閉記録などを基に労働時間の実態調査を行った上で、不払となっていた割増賃金を支払った。
店長が定期的に、労働時間の記録と警備システム記録を照合してかい離がないかを確認し、かい離があった場合は、その理由を確認するとともに、本社の総務担当者がダブルチェックを行うこととした。
自己申告の記録とパソコンのログ記録との間にかい離があった場合は、上司がその理由を確認する仕組みを導入した。
福島照美福島さん:
 大熊先生、これらってすべて通常の労働時間の記録とは別の客観的な記録との照合を行うという内容ですよね。入退館記録にパソコンのログ、金庫の開閉記録、警備システム記録などなど。
大熊社労士:
 そうなのです。4つの事例のすべてにそのような対策が入っているのです。近年は労働基準監督署の監督指導においてアクセスログが問題になることが多いのですが、今後、更にそのような流れが強まるのかも知れません。
服部社長服部社長:
 なるほど。当社の場合は不払いはないと思っていますが、もしかすると勤怠管理システムの打刻に問題があり、乖離が発生していることがあるかも知れません。宮田部長、どこかのタイミングで抜き打ちチェックをしてみましょうか。
宮田部長:
 分かりました。毎月全員のチェックを行うのは大変なので、まずはタイムカードの打刻時間を確認し、問題がありそうな社員を中心に抜き打ちで確認してみます。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]

大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。今回は厚生労働法が作成した「賃金不払残業の解消のための取組事例」を取り上げてみました。現在はIT化が進んだことから、様々な時間が自動的に記録される時代となっています。先ほど挙げたもの以外でも、例えばメールの送受信時刻などもあるでしょうし、場合によっては最寄り駅を交通系ICカードで通過した時刻なども記録に残っています。どこまで厳密に行うかは別として、アクセスログなどの時間と把握している労働時間に大きな乖離が発生しないよう、社員に注意喚起を行うと共に、なんらかの理由により差異が発生する場合にはその理由を申告させるなどの対応も行っておきたいものです。


参考リンク
厚生労働省「監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成30年度)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06128.html

(大津章敬)

労働条件が悪いことを理由に転職した人の割合は男性10%、女性13.4%

 人手不足が深刻化し、採用活動を行っても満足するほどは応募が集まらなかったり、求める人材とにギャップがあるという時期が続いています。このような就職・転職活動に関連した厚生労働省の調査である平成30年雇用動向調査の結果の概要が公表されました。
 この調査は全国の事業所において、入職者数・離職者数、入職者数・離職者の性・年齢階級、離職理由等の状況を明らかにすることを目的に実施されているものです。
 調査結果のうち、転職入職者が前職を辞めた理由は、「その他の理由(出向等を含む)](男性 29.4%、女性 25.5%)を除くと高いものは以下の3つになっています。

【男性】
・定年・契約期間の満了・・・16.9%
・給料等収入が少なかった・・・10.2%
・労働時間、休日等の労働条件が悪かった・・・10.0%

【女性】
・定年・契約期間の満了・・・14.8%
・労働時間、休日等の労働条件が悪かった・・・13.4%
・職場の人間関係が好ましくなかった・・・11.8%

 「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」という理由は昨年度よりも男女ともに減少していますが、長時間労働の削減や、柔軟な働き方を前提とした制度整備により、無理をして労働条件が悪い企業で働き続けるよりも、転職を選択するという人が一定数いることがわかります。


参考リンク
厚生労働省「平成30年雇用動向調査結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/19-2/index.html
(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

10月5日から変更となる社会保険の電子通知書等

 2020年4月から大企業は社会保険の手続きについて電子申請で行うことが義務化されます。それに先立ち、日本年金機構より電子申請の機能を改善することが案内されました。その具体的内容は以下の2点です。

システムによる自動チェックの追加
 電子申請の届書にかかるシステムによる自動チェックが追加され、これまで目視による確認および記入もれ等による返戻作業が自動化されます。これにより事務処理の迅速化が見込まれます。

電子通知書のレイアウト変更
 電子通知書(健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得確認および標準報酬決定通知書等)について、現在、1枚に複数名が記載されているものを、被保険者1名ごとの通知書にレイアウトに変更されます。これにより通知書等を印刷して、従業員に渡すことができます。
 なお、事業主には、標準報酬月額の決定または改定があったとき等には被保険者等にその内容を通知することが義務付けられています。

 対応は2019年10月5日からということであり、現在、日本年金機構のホームページでは各申請書のチェック項目が分かる資料が掲載されています。


関連blog記事
2018年8月20日「大企業で義務化される社会保険手続きと進む法令整備」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52156519.html

参考リンク
日本年金機構「【社会保険関係手続】電子申請の機能改善について」
https://www.nenkin.go.jp/denshibenri/setsumei/20190820.html?fbclid=IwAR1OudV7mymW-bHk_O8FMQ8bOLRBKCP53R1x80Dk-rs17FmylHOCvOrdV7g
日本年金機構「被保険者への通知」
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/jigyonushi/sonota/20120330-04.html
(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

自動車運転者使用事業場の監督指導結果 83.1%の事業場で労働基準関係法令違反

 平成30年にトラック、バス、タクシーなどの自動車運転者を使用する事業場に対して実施された監督指導や送検等の状況について取りまとめが、先日、公表されました。そのポイントは以下のようになっています。
監督指導を実施した事業場 6,531事業場
 このうち、労働基準関係法令違反が認められたのは、5,424事業場(83.1%)
 改善基準告示※違反が認められたのは、4,006事業場(61.3%)
※「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年労働省告示第7号)

 そして、主な労働基準関係法令違反事項を見てみると以下のとおりです。
労働時間(55.5%)
割増賃金の支払(21.1%)
休日(4.4%)

 一方、主な改善基準告示違反事項については、以下のようになっています。
最大拘束時間(46.4%)
総拘束時間(38.8%)
休息期間(32.4%)

 また、この公表結果には監督指導の事例が掲載されており、長時間労働を行わせているおそれのある運送会社に対して以下の監督指導が実施されています。
[概要]
・運転者について、1日の拘束時間が最長16時間を超え、1か月の総拘束時間が最長315時間、また、1か月120時間を超える時間外労働の実態が認められた。
・健康診断の結果、異常の所見があると診断された労働者について、健康を保持するために必要な措置について、医師の意見を聴いていない。

[指導内容]
(1)36協定の限度時間を超えて、違法な時間外労働を行わせていたため、是正を指導した。また、過重労働による健康障害防止対策として長時間労働の削減について併せて指導した。
(2)運転者の1日の拘束時間が16時間及び1か月の総拘束時間が293時間を超えていることについて是正を指導した。
(3)健康診断の結果、異常の所見があると診断された労働者について、健康を保持するために必要な措置について、医師の意見を聴くよう是正を指導した。

[指導後の会社の取組]
・荷主と交渉し、配送ルートを改善した結果、拘束時間が短縮された。また、時間外労働時間の実績を月内に適切に把握し、月80時間を超えそうな場合には運転者を交代させること等により、特定の運転者の拘束時間が長くならないよう勤務体制の見直しを行った結果、時間外労働が36協定の限度時間以内かつ80時間以内、1か月の総拘束時間が293時間、1日の拘束時間が16時間以下となった。
・健康診断の結果、異常の所見があると診断された労働者について、健康を保持するために必要な措置に関して医師の意見を聴取した。

 このように荷主と交渉が必要になることもあり、現場ではなく会社組織としての対応も求められます。また、2019年7月1日より、荷主の理解・協力を得て、トラックドライバーの働き方改革・法令遵守を進めるための改正がスタートしていることからも、荷主となる企業側もこの改正内容をふまえた対応が求められます。


関連blog記事
2019年6月27日「改正貨物自動車運送事業法〈荷主関連部分〉 荷主の理解・協力を得て、トラックドライバーの働き方改革・法令遵守を進められるようにするための改正が行われました」
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/51574711.html

参考リンク
厚生労働省「自動車運転者を使用する事業場に対する平成30年の監督指導、送検等の状況を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06105.html

(福間みゆき

派遣労働者の同一労働同一賃金「労使協定方式に関するQ&A」が公表

 今回の同一労働同一賃金問題の中でももっとも煩雑なのが派遣労働者の対応です。派遣労働者に関しては派遣先労働者との均等・均衡方式と、労使協定方式の2つの対応の選択肢が存在しますが、大半が労使協定方式になると言われています。この基本については、2019年7月10日のブログ記事「派遣労働者の同一労働同一賃金において労使協定方式を用いる場合の賃金水準が公開されました」でお伝えしていますが、昨日(2019年8月19日)に、厚生労働省から「労使協定方式に関するQ&A」が公表されました。

 実務上非常に重要な資料となりますが、以下ではいくつか気になった項目について引用します。


問1-6
労使協定には、派遣労働者の賃金の額のほか、その比較対象となる一般賃金の額を記載する必要はあるのか。
答 貴見のとおり。
 法第30条の4第1項第2号イにより、一般賃金の額と同等以上である協定対象派遣労働者の賃金の決定の方法を定めることとされているため、同等以上であることが客観的に明らかとなるよう、協定対象派遣労働者の賃金の額に加え、その比較対象となる一般賃金の額も記載することが必要である。


問1-8
労使協定の有効期間中に、一般賃金の額が変わった場合、労使協定を締結し直す必要があるのか。
答 労使協定の有効期間中に一般賃金の額が変わった場合には、有効期間中であっても、労使協定に定める派遣労働者の賃金の額が一般賃金の額と同等以上の額であるか否か確認することが必要。派遣労働者の賃金額が一般賃金の額と同等以上の額でない場合には、労使協定に定める賃金の決定方法を変更するために労使協定を締結し直す必要があること。一方、派遣労働者の賃金額が一般賃金の額と同等以上の額である場合には、派遣元事業主は、同額以上の額であることを確認した旨の書面を労使協定に添付すること。


問2-3
賃金に含まれない「時間外、休日及び深夜の労働に係る手当等」の「等」とは何を指すのか。
答 「等」には、宿日直手当(本来の職務外としての宿日直勤務に対して支給される給与)及び交替手当(臨時に交替制勤務の早番あるいは後番に対して支給される交替勤務給など、労働時間の位置により支給される給与)が含まれる。


問2-6
賃金構造基本統計調査と職業安定業務統計に同様の職種がある場合(例えば、測量技術者等)、どちらを選択すればよいのか。
答 賃金構造基本統計調査の職種については、「役職及び職種解説」において、職業安定業務統計の職種については「第4回改訂 厚生労働省編職業分類 職業分類表 改訂の経緯とその内容(独立行政法人労働政策研究・研修機構)」において、それぞれ職種の具体的な内容を解説している。これらをもとにして、派遣労働者の業務がこれらの政府統計のいずれの職種と一致するのか、近いのかについて、労使で十分に議論し、比較対象とする職種を決定することが求められる。なお、協定対象派遣労働者の賃金を引き下げることなどを目的に、職種ごとに統計などを使い分けることは労使協定方式の趣旨に照らして適切ではなく、認められないことに留意すること。


問2-8
能力・経験調整指数について、例えば、勤続が5年目の協定対象派遣労働者については、必ず「5年」の指数を使用しないといけないのか。
答 能力・経験調整指数の年数は、派遣労働者の勤続年数を示すものではないため、ご指摘の場合に、必ず「5年」にしなければならないものではない。例えば、職務給の場合には、派遣労働者が従事する業務の内容、難易度等が、一般の労働者の勤続何年目に相当するかを労使で判断いただくこととなる。なお、待遇を引き下げることなどを目的として、低い能力・経験調整指数を使用することは、労使協定方式の趣旨に反するものであり、適当ではなく、認められない。


問3-1
通勤手当について、実費支給により「同等以上」を確保する場合、通勤手当の上限額を協定対象派遣労働者の平均的な所定内労働時間1時間当たりに換算した額が「72 円」以上であることが必要であるが、この「上限額を協定対象派遣労働者の平均的な所定内労働時間1時間当たりに換算した額」はどのように計算して導き出せばよいのか。
答 「上限額を協定対象派遣労働者の平均的な所定内労働時間1時間当たりに換算した額」の計算方法については、労使で合意されたものである必要があるが、例えば、一月当たりの上限額が設けられている場合、当該上限額を協定対象派遣労働者の一月当たりの所定内労働時間の平均で割ることが考えられる。
問3-4 実費支給で通勤手当を支払っているが、例えば、派遣就業の場所と居住地の間の距離が1㎞未満である場合を「徒歩圏内」とし、通勤手当を支給していない場合、どのように取り扱えばよいか。
答 派遣就業の場所と居住地の間の距離が1㎞未満である場合を「徒歩圏内」として通勤手当を支給しないことを労使で合意し、その他の場合を実費支給している場合には、局長通知第2の2の(1)の実費支給と解される。「徒歩圏内」の距離については、(人事院規則(原則として2㎞未満の場合には通勤手当は支給しない)等を参考にしつつ、)労使でご判断いただくものである。


問4-6
退職金に関して東京都が実施した調査「中小企業の賃金・退職金事情」は、従業員が 10人~299人の中小企業を対象とした調査であるが、中小企業以外の派遣元事業主も使用することはできるのか。
答 可能であるが、労使で十分に議論した上で判断いただくことが望まれる。ただし、例えば、従業員規模が大きい派遣元事業主が「中小企業の賃金・退職金事情」を使用する場合は、労使間でその理由を十分に共有するなど、派遣労働者が納得できるように留意すること。


問4-7
協定対象派遣労働者が高齢者であり、前職で退職金が支払われている者、再雇用である者であれば、退職金を支給しなくても問題ないか(一般退職金と同等以上の額としなくてもよいか。)。
答 労使で十分に議論した上で判断いただくことが望まれる。


関連blog記事
2019年8月7日「厚労省から人材派遣協会に出された無期転換時の通勤手当と基本給の取扱いに関する通達」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52174915.html
2019年7月31日「分かりやすい同一労働同一賃金の解説資料が山形労働局から公開されました」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52174617.html
2019年7月10日「派遣労働者の同一労働同一賃金において労使協定方式を用いる場合の賃金水準が公開されました」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52173624.html

参考リンク
厚生労働省「労使協定方式に関するQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/content/000538206.pdf

(大津章敬)

経団連調査の2019年中小賃上げ平均額(最終集計)は前年より微増の4,815円(1.89%)

 先日、経団連は「2019年春季労使交渉・中小企業業種別回答状況」の最終集計結果を公表しました。この調査は、地方別経済団体の協力により、従業員数500人未満の17業種750社を対象に実施されたもので、今回の集計は回答が出て、かつ集計可能な396社の結果となっています。

 これによれば今春の中小企業の賃上げ平均額は4,815円(1.89%)となりました。昨年は4,804円(1.70%)でしたので、微増という結果。これを業種別でみると、製造業は4,815円(1.89%)、非製造業は4,286円(1.73%)となっています。

 今回の調査は中小企業と言っても各地の経営者協会の会員等である従業員数500人未満の企業ですので、平均的な中小企業というよりは中堅企業を対象としたものと理解するのがよいでしょう。


関連blog記事
2019年7月22日「経団連調査の2019年大手企業賃上げ平均額(最終集計)は前年より微減の8,200円(2.43%)」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52174206.html
2019年6月20日「経団連調査の2019年中小賃上げ平均額は前年より微減の4,764円(1.87%)」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52172668.html
2019年5月28日「都内企業の賃上げ平均妥結額は前年比▲7.35%の6,086円」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52171409.html
2019年2月07日「2019年の賃上げ予測は上場企業クラスで6,820円 ベアの意向も高い結果に」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52165773.html
2018年8月8日「民間主要企業の春季賃上げは前年比463円増の7,033円」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52155653.html
2018年7月11日「東証一部上場企業の2018年賃上げ妥結額平均 最終集計は前年比10%増の8,539円」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52154025.html
2018年7月4日「都内労働組合の賃上げ調査 前年比443円プラスの5,739円」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52153623.html
2018年6月20日「経団連集計の2018年中小企業賃上げは前年比110円プラスの4,805円」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52152652.html
2018年5月30日「都内労働組合の2018年賃上げは前年比7.37%プラスの5,462円」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52151440.html

参考リンク
経団連「2019年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果(最終集計)」
http://www.keidanren.or.jp/policy/2019/065.pdf

(大津章敬)