補正予算で創設される女性のがん検診無料クーポンの配布
労働者の健康管理は近年の人事労務管理の重要テーマのひとつとなっていますが、今日はこの健康管理という観点から無料で受診することができる女性のがん検診について取り上げてみましょう。
がんは我が国において、昭和56年から死亡原因の第1位であり、がんによる死亡者数は年間30万人を超える状況となっています。 がんについては、診断と治療の進歩により、早期発見、早期治療が可能となっているにも関らず、子宮頸がん、乳がんといった女性特有のがんについては、検診受診率が低い状況にあることから、検診受診率を向上させ、がんを早期に発見することによってがんによる死亡者数を減少させることができると考えられています。このため平成21年度補正予算において、未来への投資につながる子育て支援の一環として、一定年齢の方を対象に子宮がん検診および乳がん検診が無料で受診できる「がん検診無料クーポン」と、がんについてわかりやすく解説した「検診手帳」が配布されることとなりました(画像はクリックして拡大)。配布対象者は、子宮がん検診・乳がん検診それぞれで分かれており、以下の通りとなっています。
[子宮頸がん検診無料クーポン]
平成20年度に(昨年の4月2日から今年の4月1日までの間)に20歳、25歳、30歳、35歳、40歳になった女性が対象
[乳がん検診無料クーポン]
平成20年度に(昨年の4月2日から今年の4月1日までの間)に40歳、45歳、50歳、55歳、60歳になった女性が対象
問い合わせ先は、各社員が住んでいる市区町村のがん検診担当窓口となり、会社で取りまとめることは難しいですが、社員にはこのような制度があることを周知し、積極的に受診を進めたいものです。
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参考リンク
厚生労働省「政府広報「女性のがん検診の無料クーポンが配布されます!」について」
http://www.mhlw.go.jp/za/0723/a18/gan_kensin.html
厚生労働省「女性特有のがん検診推進事業について」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan10/index.html
(宮武貴美)
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