[改正パート労働法]既に雇用しているパートタイマーへの労働条件通知書の切り替え

 パートタイム労働法まで2ヶ月を切り、最近は毎日と言っていいほど質問が寄せられています。そこで、今回もある顧問先様から頂いた質問を取り上げてみましょう。



[質問]
 当社では、現在20名程度のパートタイマーを雇用していいます。繁忙期となる5月にも数名を雇う予定をしています。この5月のときは新しい労働条件通知書を利用する予定ですが、現在既に雇用しているパートタイマーに対しても、4月に改めて新しい書式の労働条件通知書を渡す必要はあるのでしょうか?


[回答]
 今回の改正により「昇給の有無」、「退職手当の有無」、「賞与の有無」を文書の交付等により明示することが義務付けられました。これは、パートタイム労働者を雇い入れたときに必要になります。したがって、改正法施行以前にすでに雇い入れているパートタイム労働者には改めて明示する必要はありません。ただし、すでに雇い入れているパートタイマーについて契約期間が満了し、契約を更新する際には新しい労働条件を明示する必要があります。


[まとめ]
 実務上の問題としては、施行前後で明示内容が異なるため、すでに雇い入れているパートタイマーにも事前に追加された項目である「昇給の有無」、「退職手当の有無」、「賞与の有無」について説明を行っておくことが望ましいと言えるでしょう。


[参考条文]
短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第6条(労働条件に関する文書の交付等)
 事業主は、短時間労働者を雇い入れたときは、速やかに、当該短時間労働者に対して、労働条件に関する事項のうち労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第十五条第一項に規定する厚生労働省令で定める事項以外のものであって厚生労働省令で定めるもの(次項おいて「特定事項」という。)を文書の交付その他厚生労働省令で定める方法(次項において「文書の交付等」という。)により明示しなければならない。



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参考リンク
厚生労働省「改正パートタイム労働法関連資料」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/06/tp0605-1.html
名南経営セミナー「労働契約法・パートタイム労働法への具体的対応と雇用環境変化に適応する人事制度」(東京)
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(宮武貴美)


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