急増する職場の嫌がらせ 相手は上司が過半数

急増する職場の嫌がらせ 相手は上司が過半数 東京都では、都内6か所の労働相談情報センターで労働問題の相談に対応していますが、先日、東京都産業労働局は「平成20年度上半期の労働相談状況」を集計し、発表しました。


 これによれば、平成20年度上半期(4月~9月)の労働相談の件数は、前年度同期比2.3%プラスの25,871件で、相談内容の上位には「解雇」(10.6%)、「賃金不払」(8.7%)、「退職」(8.5%)といった相談が並んでいますが、中でも目立つのが「職場の嫌がらせ」の相談の急増です(グラフはクリックして拡大)。「職場の嫌がらせ」の相談は、3,385件と前年度同期(2,193件)比で54.4%の大幅増加となっています。嫌がらせをされた相手は、「上司」が58.6%と半数以上となっており、以下「同僚」24.9%、「その他」16.5%となっています。


 2008年7月14日のブログ記事「深刻化する企業内でのいじめ・嫌がらせ」でも、「いじめ・嫌がらせ」に基づく個別労働紛争解決制度の利用件数が平成16年度からの3年間でほぼ倍増したという結果をお伝えしましたが、職場でのいじめや嫌がらせは、もはや従業員個人の問題としておくことはできない状況になっています。今回の調査から、いじめや嫌がらせの具体的な内容までは十分に読み取れませんが、職場におけるいじめや嫌がらせを受けていると感じている労働者が急増しているという事実は間違いなく、企業としても管理職に対する教育や相談窓口の設置などを検討することが求められています。



関連blog記事
2008年7月14日「深刻化する企業内でのいじめ・嫌がらせ」
https://roumu.com
/archives/51370980.html

2008年6月21日「勤務問題による自殺者の動機のトップは「仕事疲れ」」
https://roumu.com
/archives/51355988.html

2008年5月18日「賃金不払事案による行政指導が前年比11%増と急増」
https://roumu.com
/archives/51332058.html

2008年2月27日「労働者から労働基準監督署への内部告発が急増」
https://roumu.com
/archives/51263004.html

2008年1月15日「内部告発の急増で求められる従業員の相談窓口の設置」
https://roumu.com
/archives/51219943.html

2007年5月26日「増加を続ける個別労働紛争解決制度の利用」
https://roumu.com
/archives/50980621.html

2007年5月21日「前年比2桁の伸びを見せる労働相談件数」
https://roumu.com
/archives/50974155.html

2006年12月25日「増加を続ける個別労働紛争と求められる企業の対応」
https://roumu.com
/archives/50832401.html


参考リンク
東京都産業労働局「平成20年度上半期の労働相談状況について」
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2008/11/20ibi100.htm


(大津章敬


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