定年退職者に占める再雇用者の割合は72%と進展する高齢者雇用

定年退職者に占める再雇用者の割合は72%と進展する高齢者雇用 平成18年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法により、多くの企業で定年後の高年齢者雇用が進められています。本日はこの高年齢者雇用について、財団法人日本経済生産性本部より発表された「第12回 日本的雇用・人事の変容に関する調査結果概要」の内容を取り上げてみましょう。これは全上場企業を対象に1997年より毎年行われている調査であり、第12回となる今回の結果は昨年の10月下旬から11月中旬に行われたものになります。


 この調査結果によると、定年年齢の引上げを行っている企業は4.5%、勤務延長は9.1%、再雇用を行っている企業は86.9%とほとんどの企業で定年後の対応を再雇用制度で行っている結果となりました。その再雇用率(再雇用者÷定年退職者)については72.0%となり、多くの労働者が同じ企業で定年後も働いているということが分かる結果となっています。


 再雇用のメリットに関する調査も行われており、これに関しては「技術や技能の更新への伝承に効果がある」が76.5%と高い割合を占めています。これは2008年調査の69.7%から上昇しており、後継者不足の一端を表す数字とも言えるでしょう。その他、「人件費負担が軽減できる」という回答が2008年調査の25.7%から43.8%と大きく上昇しており、再雇用時に賃金額を含めた労働条件を大きく見直し、引き下げているということが推測されます(グラフはクリックして拡大)。


 高年齢者の雇用については「元上司・先輩などの為、現役社員が再雇用者を使いづらい」と言った課題もあるようですが、技能伝承には必要不可欠な人員であることは明らかであり、高年齢者本人の希望も聞きながら活用していきたいものです。



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参考リンク
財団法人日本経済生産性本部「第12回 日本的雇用・人事の変容に関する調査結果概要」
http://activity.jpc-net.jp/detail/lrw/activity000962.html


(宮武貴美)

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