「V」の検索結果

上場企業を中心に役員退職金廃止の動き

 今朝の日経のトップに「役員退職金2割が廃止 上場企業 今期、新たに100社超」という記事が掲載されていました。ここ数年、同様の動きが強まってきていますが、2006年3月期には日本ガイシ、協和発酵など100社以上の上場企業がその意向を表明し、累計では300社が役員退職慰労金を廃止する見通しになっているそうです。

 

 これまで不透明であった退職慰労金制度を透明化するという目的があるのでしょうが、それ以上に役員報酬の業績連動が強まるという価値の方が大きいでしょう。一般従業員に関しては成果主義の導入が既に一巡していますが、もっとも大きな業績管理責任が課せられている役員については、様々な制約があることもあり、これまで「成果主義」が十分に徹底されていない状況が多く見られました。一般従業員に成果主義の人事制度を適用する以上、役員についても同様の扱いがなされ、十分に情報公開されなければ、その納得性を得ることはできません。

 

 オーナー企業における役員退職慰労金はまた別の意味がありますので、同列で論じることはできませんが、今後、税制の見直しにも後押しされ、この流れは強まるものと予想されます。

 

(大津章敬)

政府税制調査会の報告書の大枠が固まる

 以前より政府税制調査会が行っている個人所得課税の見直しに関する検討の内容をお伝えしていますが、日経によれば昨日、その報告書の大枠が固まったということです。そのポイントをいくつかピックアップしてみましょう。

 

 まず増税の可能性があるものとして、給与所得控除、配偶者控除、退職金所得控除の見直しが行われる方向が打ち出されています。これはいわゆる標準世帯が消滅したことによる対応ということなのでしょう。人事制度もかつての男性労働者のシングルインカムに頼る世帯収入という図式が崩壊したことで、大きな影響を受けていますが、税務においても同じような問題が出ているのでしょう。

 

 一方で、子育て支援への扶養控除の税額控除化も提案されるようですが、こちらは減税になります。子育ての支援は国全体を挙げた重要な政策であり、労働の分野でも育児介護休業制度の拡充などが進められていますが、税務面での対応も進められるようです。

 

 近日中にこの報告書が公表されることになると思いますので、現物が公表されましたら、また取り上げたいと思います。

 

(大津章敬)

助成金検索ソフト2005 月曜日より発送開始

 先日、当blogでご案内しました助成金検索ソフト2005ですが、当初の予定を若干前倒しし、5月30日(月)より発送させて頂きます。今回は厚生労働省関係の55種類の助成金を収録しております。社労士や税理士のみなさんの顧客情報提供ツールとして、是非ご利用下さい。

 

 お申込みはこちらよりお願いします。


 

(大津章敬)

日本経団連の夏季賞与大企業集計は889,834円で過去最高水準

日経団賞与20050526 昨日、日本経団連より「2005年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況(第1回集計)」:PDFが発表になりました。その結果は総平均で889,834円(4.49%)、製造業907,910円(4.96%)、非製造業703,776円(-2.48%)となっています。最近は相場を製造業が牽引する状況が続いていますが、賞与においては完全にその明暗が分かれる結果となりました。また各種報道によれば、この水準は3年連続の上昇で過去最高を更新したということです。これは単純に製造業を中心に業績が回復したというだけではなく、報酬制度全体の見直しの中で、定期昇給の抑制+業績賞与制度の拡大という傾向が強まっていることが背景にあるのでしょう。


(大津章敬)

日本経団連の中小企業賃上げ調査 第2回集計では3,968円

日経団中小賃上げ20050526 昨日、日本経団連より2005年春季労使交渉・中小企業業種別回答一覧(第2回集計):PDFが発表されました。調査対象は従業員数500人未満の17業種737社。その中で回答が出ている217社の総平均は3,968円(1.53%)となり、4月20日に発表された第1回集計(4,111円)と比較すると143円のマイナスとなっています。なお製造業では4,293円(1.63%)、非製造業では2,858円(1.16%)という結果になりました。


(大津章敬)

新DB年金の予定利率は100名以下企業で2.5%

 今日、あるお客様の適年解約の打ち合わせで、某国内大手生命保険会社の方とお話しする機会がありました。既に何度も一緒にお仕事をさせて頂いている方ということもあり、互いに情報交換をしようということになりました。私からは質問を受けた企業合併時の企業年金の取り扱いについてお話した上で、その方からは新DB年金(規約型確定給付年金制度)の状況について情報を頂きました。その方は名古屋市内でも都心にある大きな営業所の部長さんなのですが、その営業所でこれまでに取り扱った新DB年金はまだたった1件だそうです。またその際の予定利率についてお聞きしたところ、被保険者数100名以下の場合には年2.5%以下(100名超の場合には交渉の余地あり)と定められているそうです。この設定では、従来5.5%で契約し、過去の積立不足を抱えた通常の中小企業であれば、掛金は10倍近くに跳ね上がることも珍しくないでしょう。これでは仮に新DB年金を選択したくとも、実際に選択することは極めて難しいと言わざるを得ません。

 

 中退共に加入できる規模の企業であればまだ良いのでしょうが、そのラインを少し超えた中堅企業の企業年金問題の深刻さを改めて実感しました。

 

(大津章敬)

4年連続の出生率低下、企業の対策は?

 今日の日本経済新聞に、平成16年の出生率が4年連続で低下し、過去の最低の1.28になるという記事が掲載されていました。このように出生率の下落傾向に歯止めがかからない状態になっているため、これに対応すべく、政府も様々な施策をとっています。以下で平成17年4月1日に実施された2つの法整備をご紹介しましょう。

 

1.育児・介護休業法の改正

 平成17年4月1日、法改正が行われ、1歳半までの育児休業期間の延長や、小学校入学前の子女に対する看護休暇の創設などが行われました。

2.次世代育成支援対策推進法の成立

 この法律は、少子化対策として従業員が300名以上の企業に対し、次世代育成推進対策を進めるための行動計画の策定を義務付けています。平成17年4月1日以降速やかに各都道府県の労働局に届け出ることが求められています。

 

 出生率が政府の予想を超えて低下していることを勘案すると、今後も様々な法律の施行や改正が予想され、企業側としても更なる対策を求めることになるでしょう。

 

【参考】
改正育児・介護休業法の詳細について
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/ryouritu/index.html
次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画について
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/jisedai/index.html

 

(宮武貴美)

ベンチャー企業が成長過程で必ずぶつかる人材の問題

 今日の日経新聞ベンチャー面に「新興企業の8割『経営人材不足』3市場対象の調査」という記事が掲載されていました。これはリクルート・エックスが新興3市場の上場企業に対して行ったアンケート結果を紹介した記事でしたが、それによれば経営人材の不足感があるという回答が8割近くを占めたそうです。私もあるベンチャー企業の人事労務顧問を、その会社の創業2年目、従業員数が5名というときから受託させて頂いていますが、その会社でもこの人材の問題が会社の成長を止めてしまった時期がありました。


 この会社の社長は非常に優秀な研究開発者であり、新しい市場を作ってしまうような革新的な商品を自ら開発し、会社を大きくしてきました。しかし、社長1人で企業経営のすべてを仕切って、引っ張っていくというスタイルはいつか必ず限界を迎えます。通常は従業員が10人くらいになると、財務や人事など社内のマネジメントを任せられる人材が必要になる時期がやって来るのではないでしょうか。この会社でも研究開発職と同時にそういったマネジメント人材を採用したのですが、なかなかうまく行きません。ベンチャー企業の総務・財務というポジションは非常に守備範囲が広い上に、柔軟な対応が求められるという難しい職務ですから、適任の人材はなかなか労働市場にはいないのです。この会社の場合は、社長の生業から、組織としての企業に生まれ変わるこのタイミングで、本当に人材の問題に悩まされました。その後数年掛けて、この会社はそうした問題を乗り越え、新たな大ヒット商品を開発し、人の面も資金の面もかなり安定しました。今は客観的に見ても非常に強い会社になっています。今になって振り返ってみると、あのときに優秀な経営人材が採用できていれば、この会社はもっと早く成長することができただろうと思います。もっともあの苦しみがあったからこそ、社長の現在のマネジメントスタイルが確立されたのも間違いありません。一方で、税理士や社労士はこういった環境にあるベンチャー企業に対し、もっと積極的な支援を行い、その成長を後押ししていかなければならないとも思います。


 ちなみに記事とは関係ありませんが、この調査は対象企業577社のうち、回答はたったの67社。こんな少ないサンプル数の調査でも視点が良ければ日経も取り上げるのだなぁと感じました。


(大津章敬)


6月24日「管理者の部下評価能力をアップさせる特別講座」(講師:小山邦彦)受付開始

20050629セミナー「成果主義・能力主義は導入した。しかし最大の問題は管理者に部下評価能力がないことだ!」


 このような声をよく聞きます。非常に多くの時間を費やして人事評価制度の構築を進め、それが完成したと思ったら、次は制度運用の問題が浮上。人事評価制度の導入にあたり、その成否を左右するのは精緻な制度や完成度の高い人事評価表ではなく、現場で実際に評価を行う管理者の部下評価能力なのです。しかし現実には多くの管理者は人事評価のトレーニングなど受けたことはなく、場合によっては各評価者が勝手な持論を展開して、的外れな評価を下していることも珍しくありません。これでは人事評価制度は機能しないどころか、部下はますますヤル気を失うことになってしまいます。


 そこで今回、「管理者の部下評価能力をアップさせる特別講座」という終日の研修会を企画しました。この講座では20年以上にわたり中小企業の人事制度を見続けてきた小山邦彦が、その経験を活かし、「本当に効果が出る人事評価者訓練」のトレーナーを務めます。この1日が終わる頃には「そうか、こうすれば良かったのか!」という目からウロコが落ちる体験ができることでしょう。


 人事評価制度導入の最終段階にして、最大の課題である管理者の部下評価能力の向上の手法について、体験的に習得することができる少人数での特別講座となっています。是非ご参加下さい。


 お申込みはこちらからお願いします。
https://roumu.com/seminar/seminar20050624.html


(大津章敬)

非正規社員の増加に伴う人事労務管理のポイントの変化

 この週末の日経に「大手スーパーのパート率、過去最高77%に・10社で21万人」という記事が掲載されていました。


 それによれば、大手スーパーがパート労働者の比率を高めており、大手10社に勤めるパートは2005年2月末で合計212,000人で、全従業員に占める比率は77%に達したそうです。人数、比率ともに過去最高。こうした動きは流通を中心に全産業的に進んでおり、今後も更に進むことは確実な状況です。これに対し、これまでの人事労務管理はもっぱら「正社員」を対象としたものであり、こうした非正規社員についてはその対応が遅れているのは否めません。今回の流通の事例のように、今や「非正規社員」が「正規社員」の数倍の人数になっているという企業も珍しくなく、その雇用管理の巧拙が企業全体の業績に大きな影響を与える時代になってきました。広い意味で異質の人材をマネジメントし、成果を挙げるというのは本当に難しい課題ですが、多くの企業にはこれが求められています。


(大津章敬)