上場企業を中心に役員退職金廃止の動き


昨日、日本経団連より「2005年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況(第1回集計)」:PDFが発表になりました。その結果は総平均で889,834円(4.49%)、製造業907,910円(4.96%)、非製造業703,776円(-2.48%)となっています。最近は相場を製造業が牽引する状況が続いていますが、賞与においては完全にその明暗が分かれる結果となりました。また各種報道によれば、この水準は3年連続の上昇で過去最高を更新したということです。これは単純に製造業を中心に業績が回復したというだけではなく、報酬制度全体の見直しの中で、定期昇給の抑制+業績賞与制度の拡大という傾向が強まっていることが背景にあるのでしょう。
(大津章敬)

昨日、日本経団連より2005年春季労使交渉・中小企業業種別回答一覧(第2回集計):PDFが発表されました。調査対象は従業員数500人未満の17業種737社。その中で回答が出ている217社の総平均は3,968円(1.53%)となり、4月20日に発表された第1回集計(4,111円)と比較すると143円のマイナスとなっています。なお製造業では4,293円(1.63%)、非製造業では2,858円(1.16%)という結果になりました。
(大津章敬)
今日の日経新聞ベンチャー面に「新興企業の8割『経営人材不足』3市場対象の調査」という記事が掲載されていました。これはリクルート・エックスが新興3市場の上場企業に対して行ったアンケート結果を紹介した記事でしたが、それによれば経営人材の不足感があるという回答が8割近くを占めたそうです。私もあるベンチャー企業の人事労務顧問を、その会社の創業2年目、従業員数が5名というときから受託させて頂いていますが、その会社でもこの人材の問題が会社の成長を止めてしまった時期がありました。
この会社の社長は非常に優秀な研究開発者であり、新しい市場を作ってしまうような革新的な商品を自ら開発し、会社を大きくしてきました。しかし、社長1人で企業経営のすべてを仕切って、引っ張っていくというスタイルはいつか必ず限界を迎えます。通常は従業員が10人くらいになると、財務や人事など社内のマネジメントを任せられる人材が必要になる時期がやって来るのではないでしょうか。この会社でも研究開発職と同時にそういったマネジメント人材を採用したのですが、なかなかうまく行きません。ベンチャー企業の総務・財務というポジションは非常に守備範囲が広い上に、柔軟な対応が求められるという難しい職務ですから、適任の人材はなかなか労働市場にはいないのです。この会社の場合は、社長の生業から、組織としての企業に生まれ変わるこのタイミングで、本当に人材の問題に悩まされました。その後数年掛けて、この会社はそうした問題を乗り越え、新たな大ヒット商品を開発し、人の面も資金の面もかなり安定しました。今は客観的に見ても非常に強い会社になっています。今になって振り返ってみると、あのときに優秀な経営人材が採用できていれば、この会社はもっと早く成長することができただろうと思います。もっともあの苦しみがあったからこそ、社長の現在のマネジメントスタイルが確立されたのも間違いありません。一方で、税理士や社労士はこういった環境にあるベンチャー企業に対し、もっと積極的な支援を行い、その成長を後押ししていかなければならないとも思います。
ちなみに記事とは関係ありませんが、この調査は対象企業577社のうち、回答はたったの67社。こんな少ないサンプル数の調査でも視点が良ければ日経も取り上げるのだなぁと感じました。
(大津章敬)

「成果主義・能力主義は導入した。しかし最大の問題は管理者に部下評価能力がないことだ!」
このような声をよく聞きます。非常に多くの時間を費やして人事評価制度の構築を進め、それが完成したと思ったら、次は制度運用の問題が浮上。人事評価制度の導入にあたり、その成否を左右するのは精緻な制度や完成度の高い人事評価表ではなく、現場で実際に評価を行う管理者の部下評価能力なのです。しかし現実には多くの管理者は人事評価のトレーニングなど受けたことはなく、場合によっては各評価者が勝手な持論を展開して、的外れな評価を下していることも珍しくありません。これでは人事評価制度は機能しないどころか、部下はますますヤル気を失うことになってしまいます。
そこで今回、「管理者の部下評価能力をアップさせる特別講座」という終日の研修会を企画しました。この講座では20年以上にわたり中小企業の人事制度を見続けてきた小山邦彦が、その経験を活かし、「本当に効果が出る人事評価者訓練」のトレーナーを務めます。この1日が終わる頃には「そうか、こうすれば良かったのか!」という目からウロコが落ちる体験ができることでしょう。
人事評価制度導入の最終段階にして、最大の課題である管理者の部下評価能力の向上の手法について、体験的に習得することができる少人数での特別講座となっています。是非ご参加下さい。
お申込みはこちらからお願いします。
https://roumu.com/seminar/seminar20050624.html
(大津章敬)
この週末の日経に「大手スーパーのパート率、過去最高77%に・10社で21万人」という記事が掲載されていました。
それによれば、大手スーパーがパート労働者の比率を高めており、大手10社に勤めるパートは2005年2月末で合計212,000人で、全従業員に占める比率は77%に達したそうです。人数、比率ともに過去最高。こうした動きは流通を中心に全産業的に進んでおり、今後も更に進むことは確実な状況です。これに対し、これまでの人事労務管理はもっぱら「正社員」を対象としたものであり、こうした非正規社員についてはその対応が遅れているのは否めません。今回の流通の事例のように、今や「非正規社員」が「正規社員」の数倍の人数になっているという企業も珍しくなく、その雇用管理の巧拙が企業全体の業績に大きな影響を与える時代になってきました。広い意味で異質の人材をマネジメントし、成果を挙げるというのは本当に難しい課題ですが、多くの企業にはこれが求められています。
(大津章敬)