育児中の社員の短時間勤務促進に関する助成金制度

育児中の社員の短時間勤務促進に関する助成金制度 育児休業制度に関する不定期連載を行っていますが、今回はその第6回。前回の予告どおり、育児休業の取得を積極的に促進する企業に支給される助成金の続きとして、「短時間勤務促進」に関する助成金をご紹介しましょう。



【質問】
 当社では育児休業を取得する社員も増え、その後、復帰する社員も出てきております。人材確保の難しい時期ですので、業務に慣れた社員が復帰してくれることは非常にありがたく感じています。そのような中、ある社員から短時間勤務の要望が出されました。どうやら保育園の都合のようです。本人の所得の保障も含め、会社は最大限のサポートをしたいと思っていますが、なるべく経費をかけずにそれを実現したいと思っています。何かよいアドバイスをいただけませんか?


【回答】
 育児休業期間中に養育のための短時間勤務制度を利用させ、経済的支援を行った場合に支給される育児休業取得促進等助成金を活用することで、支援した金額の一部の助成を受けることができます(画像はクリックして拡大)。


 この育児休業取得促進等助成金(短時間勤務促進)は、事業主が短時間勤務の対象となる子を養育する被保険者(母親および父親)に対し、残業手当などの算定の基礎となる賃金を、この短時間勤務期間中に連続して3ヶ月以上の期間にわたり支援している場合に支給されるものです。助成額は短時間勤務制度を利用した日数や時間、利用開始前後の賃金によりに助成率(※)を乗じて得た額となっています。ノーワークノーペイの原則により、短時間勤務になった場合には賃金もその短縮後の時間に応じて支給する仕組みを採用している企業が多くみられますが、このような制度を利用し、育児休業復帰後の積極的なサポートを考えることが可能です。
※2 中小企業事業主 4分の3 中小企業事業主以外 3分の2


【まとめ】
 この助成金は平成22年3月31日までに、雇用する労働者に対して短時間勤務制度を利用させ、一定期間以上の経済的支援を行なった場合に対象となる暫定措置として設けられています。助成を受けるためにはいくつかの条件や注意点がありますので詳細は参考リンクにて確認してください。



関連blog記事
2008年3月5日「育児休業の取得促進に関する助成金制度」
https://roumu.com
/archives/51269983.html

2008年2月21日「育児休業期間延長の申出があった場合の対応」
https://roumu.com
/archives/51260480.html

2008年1月31日「育児休業中の社員から年次有給休暇の取得申出があった場合の対応」
https://roumu.com
/archives/51240197.html

2008年1月10日「育児休業復帰後は休業前の原職に復帰させなければならないのか?」
https://roumu.com
/archives/51219462.html

2007年10月27日「今後重要性を増す次世代育成支援対策」
https://roumu.com
/archives/51139516.html

2007年10月13日「次世代育成支援策 各社の具体的取り組み状況」
https://roumu.com
/archives/51099945.html

2007年1月23日「中小企業の育児休業に対し100万円の助成金」
https://roumu.com
/archives/50865999.html

2006年8月4日「日本ユニシスの育児関係制度大幅拡充の内容」
https://roumu.com
/archives/50675409.html

2006年7月31日「サイボウズが導入する先進的ワーク・ライフ・バランス支援制度」
https://roumu.com
/archives/50667885.html

Wordで使える!就業規則・労務管理書式Blog「育児介護関連」
http://blog.livedoor.jp/shanaikitei/archives/cat_50218347.html


参考リンク
厚生労働省「労働者に対し育児休業又は養育のための短時間勤務制度を利用させ、経済的支援を行う事業主の方への給付金」
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/pdf/40.pdf


(宮武貴美)


当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。