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提案コンテスト制度規程

提案コンテスト制度規程 毎年時季を決めて開催する提案コンテストの運用取り扱いについて定めた規程サンプル(画像はクリックして拡大)です。
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[ワンポイントアドバイス]
 多くの企業で提案制度が導入されていますが、マンネリ化してしまっている事例がほとんどではないでしょうか。この活性化のためには、毎年1回のコンテストを開催するなどメリハリのある運用をすることが効果的です。コンテストで情報共有することにより、発表者だけでなく全社員に対しても刺激を与え、動機づけを行っていこうとする狙いがあります。ちなみに名南経営では20年前から毎年、こうしたコンテストを開催しています。

(福間みゆき)

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自己申告制度規程

自己申告制度規程 業務や職業生活に関する社員の希望と意見を申告させ、配置転換、能力開発、教育訓練等に反映する自己申告制度の取り扱いについて定めた規程サンプル(画像はクリックして拡大)です。
重要度 ★★

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[ワンポイントアドバイス]
 この規程は、現在の職務に関する評価、職能開発(研修・教育)の実績と希望、今後担当したい職務の内容、勤務地についての希望など、職務や配置に関する希望を聞き出し、その見直しやキャリア構築支援に活用しようとする内容になっています。近年はこのように社員の考えを職務配置に反映し、主体的なキャリアデザインをさせる企業が増えています。

(福間みゆき)

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インターンシップにはどのような効果がありますか?

 服部社長との面談中、大熊は小・中学校からの「職場体験学習の依頼書」が机の上に置いてあるのに気付き、服部社長に尋ねてみた。



大熊社労士:
 その書類はなんですか?「職場体験学習の依頼書」とありますが。
服部社長服部社長:
 あぁ、これですか。最近、地域の小中学校から児童や生徒の職場体験学習を受け入れて欲しいとの依頼が来ているんですよ。まあ、1日体験といってもほとんど社会見学に近いものなのですが、わが社としても、自社のことを地域のみなさんに知ってもらうためにと、できるだけ引き受けています。
大熊社労士:
 そうでしたか。それは素晴らしいことですね。地域の中に会社はあるものの何をしているのか、どのような方が何人ぐらい働いているのか、よく分からないことが多いですから、見学を受け入れて服部印刷のことをよく知ってもらうのは良いことです。昔、小学校の授業で見た「働くおじさん、働くおじさん、こーんにーちーわー」という歌が流れる教育番組の現実版といったところですね。まぁ、そんなことはどうでもいいのですが、最近、そうした職場体験の一環として、インターンシップという制度が多くの企業で行われています。
服部社長:
 インターンシップですか。そういえば経営者協会かどこかで、そのような話を聞いたことがありますね。それはどのようなものなのですか?
大熊社労士:
 はい、インターンシップとは、大学や短大、専門学校の学生が在学中に自らの専攻や将来のキャリアに関連した就業体験を行うことです。欧米では既に100年も前から導入され定着していますが、日本ではここ数年で普及し始めたところです。これを利用することで、学生が自身の職業の適性やキャリアプランを考える機会となり、職業選択や職業意識を育てるのに有効といわれています。
宮田部長:
 学生のメリットはそれとして、受け入れ企業側のメリットはどうなのでしょうか?インターンシップで就業体験をした学生は、わが社に就職してくれるなど新卒者を確保するのに有効でしょうか?
大熊社労士:
 残念ながら、必ずしもインターンシップで受け入れた学生が就職してくるとは限りませんので、これを取り入れたからすぐに新卒者が確保できるという訳ではありません。もちろん学生との接点ができるのは事実ですから、入社に繋がることもあるでしょうが、その点についてはあまり大きな期待を持たないでください。
宮田部長:
 それでは会社にとっては、受け入れるだけでメリットはないのでしょうか?
大熊社労士:
 いいえ、会社側にもメリットはあります。厚生労働省職業安定局が行った調査結果によると会社がインターンシップを実施する効果としては、次のようなものが挙げられています。
指導に当たる若手社員の成長
大学や学生への自社の認知度の向上、地元の大学との交流の深化
学生の配置による職場全体の活性化など
服部社長:
 なるほど、それなりの効果はありそうですね。特に②は重要だと思いますが、わが社として受入できるかどうかは検討してみないといけませんね。
大熊社労士大熊社労士:
 それが良いでしょうね。計画もなくインターンシップで学生を受け入れると現場への負担だけが発生し、効果的な就業体験には繋がらない危険性があります。職業選択や職業意識を育てるのに有効だといわれているインターンシップが、逆に学生を遠ざけてしまうことにもなりかねませんので十分に検討し、準備を整えた上で受け入れるべきです。
宮田部長:
 実際にどのような業務をさせるとよいのでしょうか?
大熊社労士:
 先ほどの調査では「社員の基幹的業務の一部」を体験できると満足度は高い一方、「アルバイトやパートの業務の一部」では満足度が低いという結果が出ていますので、単純作業ではなく、正社員の基幹的業務を体験させたり、社員に同行させることが望まれます。しかし、個人情報や会社の秘密情報に関わる部分などには当然携わることができませんので、受け入れる業務については慎重に検討しておくことが必要です。
宮田部長宮田部長:
 そうですよね。学生には満足してもらいたいですが、社内の各種秘密情報に関わる業務や危険な作業は避けなければいけませんね。その他に、注意すべき点はありますか?
大熊社労士:
 受入期間としては、一般的には1週間から2週間程度が多いのですが、学生が実習効果を得るには1ヶ月程度の方が高い効果を得られるといわれています。また、指導に当たる担当者を誰にするのか、1人なのか複数なのか(1部署なのか複数部署なのか)、どのように指導するのかなどを予め準備しておく必要があります。
服部社長:
 いろいろ準備はたいへんそうですが、わが社を知ってもらうという意味では求人活動に有効だろうと思います。今後、前向きに検討してみます。本日はありがとうございました。


>>>to be continued


[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。今回はインターンシップについて取り上げてみました。就業体験学生を受け入れるには会社側にもそれなりの負担はあるでしょうが、会社のPRができることは大きなメリットです。また、学生の持つ意識や就職に際し期待するものを把握できれば、優秀な人材を確保する対策を打つことができます。中小企業においてインターンシップは普及しているというところまでは至っていないと思いますが、人材確保戦略の一つとして検討してみる余地はあるのではないでしょうか。なお、実務的には学生が自宅との往復途上に事故に遭ったり、会社の物品に損害を与えたりするリスクもないとはいえませんので損害賠償保険への加入を受入条件とすることも検討しておいた方がよいでしょう。また、規則遵守などを記載した「誓約書」を提出してもらうことも必要です。



関連blog記事
2007年7月4日「新卒採用における学生への効果的なアピールポイント」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51010530.html
2007年5月10日「新入社員の会社選択の基準は「雰囲気」「仕事の内容」「個性が活かせる」がダントツ」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/50966484.html


参考リンク
厚生労働省「インターンシップ推進のための調査研究委員会報告書の取りまとめ」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/03/h0318-1.html
インターンシップ推進支援センター公式サイト
http://www.internship-ssc.org/
社会経済生産性本部「平成19年度新入社員『働くことの意識』調査結果」
http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/lrw/activity000821.html


(鷹取敏昭)


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単身赴任社員援助制度規程

単身赴任社員援助制度規程 単身赴任者を経済的に援助し、家庭生活の充実を図ることを目的とした援助制度の実施取り扱いについて定めた規程サンプル(画像はクリックして拡大)です。
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[ワンポイントアドバイス]
 単身赴任者に対する援助の内容としては、単身赴任手当の支給、帰宅旅費の支給などがあります。また、帰宅するための特別休暇を付与するなど、会社独自の制度を設けるのも良いでしょう。

(福間みゆき)

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応援派遣制度規程

応援派遣制度規程 特定の事業所の業務を支援するために、他の事業所から期間を定めて従業員を派遣する応援派遣制度の取り扱いについて定めた規程サンプル(画像はクリックして拡大)です。
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[ワンポイントアドバイス]
 人員にやりくり等の問題から、社員を他の事業所への応援に行ってもらう場合があります。この規程では、その際の実施要件や期間、応援派遣先での労働時間・休日などの取り扱い等について定めています。

(福間みゆき)

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新卒採用における学生への効果的なアピールポイント

新卒採用における学生への効果的なアピールポイント 最近、お客様の人事担当のみなさんと話をしていて必ず出てくるのが、「人材採用に苦戦している」という悩みの声です。特に当社が所在している愛知県の人材不足感は極めて高く、十分な人員が確保できないために受注案件の選別・抑制をせざるを得ないというような話を現実に聞くような状況にまでなっています。今日は先日、社会経済生産性本部から発表された「平成19年度新入社員『働くことの意識』調査結果」に基づき、採用活動を行う際の、有効なアピールの打ち出し方について考えてみることにしましょう。


 この調査結果は、今春の新入社員4,000名弱に対して行われたものですが、学歴としては約6割が大卒、高卒・専門・大学院卒がそれぞれ1割前後という内訳になっていますが、会社の選択理由に関する質問の回答(グラフはクリックして拡大)を見ると、以下の3つが上位を占めています。
自分の能力、個性を生かせるから 28.8%
仕事が面白いから 21.3%
技術が覚えられるから 14.1%


 回答率が10%を超えているのはこの3項目だけであり、新卒者の意識は従来の「就社」から個人の能力や仕事そのものを重視する本来の「就職」へ向いていることが分かります。年々、回答率が低下している「会社の将来を考えて」という項目の回答率は9.0%にまで落ち込んでいることを考え合わせると、今後の採用活動においては、仕事の内容や面白さを十分に説明し、学生に自らがそこで能力発揮をするイメージを持たせることが重要になってきていると言えるのではないでしょうか。具体的にはインターンシップの効果的な運営などが今後、大きな課題となってくるでしょう。



関連blog記事
2007年5月10日「新入社員の会社選択の基準は「雰囲気」「仕事の内容」「個性が活かせる」がダントツ」
https://roumu.com
/archives/50966484.html

2007年4月29日「採用戦線激化 今春の都内高校生の就職内定率は100%に迫る勢い」
https://roumu.com
/archives/50954934.html

2007年4月26日「「偉くなりたくない」「最低限の収入を得てのんびり暮らしたい」という高校生が激増」
https://roumu.com
/archives/50953735.html

2007年4月25日「新入社員が魅力を感じるのは実力主義より年功主義?」
https://roumu.com
/archives/50953381.html

2007年4月24日「新入社員が描く理想の上司と、実際の上司の意識はこんなにズレている」
https://roumu.com
/archives/50952564.html

2007年3月6日「平成18年に本格化した企業の人材採用の状況」
https://roumu.com
/archives/50908086.html


参考リンク
社会経済生産性本部「平成19年度新入社員『働くことの意識』調査結果」
http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/lrw/activity000821.html


(大津章敬)


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職場復帰及び就業措置に関する情報提供書

職場復帰及び就業措置に関する情報提供書 心の健康問題により休業している労働者が職場復帰する際に、主治医に情報提供するための書式サンプル(画像はクリックして拡大)です。
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[ワンポイントアドバイス]
 心の健康問題を抱える労働者は通常、復帰後も定期的に主治医の診療を受診します。このため、主治医へは職場復帰のタイミングで事業場の対応や就業上の措置の内容等について情報提供しておくことが望ましいでしょう。この情報交換により、産業医等と主治医が連携を図りながら職場復帰後のフォローアップを行なうことが期待できます。


関連blog記事
2007年7月3日「職場復帰に関する意見書」
https://roumu.com/archives/54632691.html
2007年7月2日「職場復帰支援に関する面談記録票」
https://roumu.com/archives/54632500.html
2007年6月29日「職場復帰支援に関する情報提供依頼書」
https://roumu.com/archives/54619401.html

 

参考リンク
厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引きについて」
http://www-bm.mhlw.go.jp/houdou/2004/10/h1014-1.html

(宮武貴美)

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職場復帰に関する意見書

職場復帰に関する意見書 心の健康問題により休業している労働者の最終的な職場復帰判断の際に利用する産業医の意見書サンプル(画像はクリックして拡大)です。
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[ワンポイントアドバイス]
 メンタルヘルス不全者の職場復帰の決定は、その可否についての判断および職場復帰支援プランの作成を経て行われますが、この際、産業医等が選任されている事業場においては、産業医等が職場復帰に関する意見および就業上の措置等についてとりまとめた「職場復帰に関する意見書」を作成し、それをもとに関係者間で内容を確認しながら手続きを進めていくことが望ましいでしょう。ここでは復職の可否およびその意見、また復職可または条件付可の場合には、就業上の措置の内容を明確にしていきます。

 


関連blog記事
2007年7月2日「職場復帰支援に関する面談記録票」
https://roumu.com/archives/54632500.html
2007年6月29日「職場復帰支援に関する情報提供依頼書」
https://roumu.com/archives/54619401.html

 

参考リンク
厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引きについて」
http://www-bm.mhlw.go.jp/houdou/2004/10/h1014-1.html

 

(宮武貴美)

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賞与は支給日に在籍していなければ、もらえないの?

 前回、賞与算定における出勤率の問題を解決した大熊であったが、何やら賞与について追加で確認したいことがあるという連絡を受け、再度服部印刷を訪問した。



宮田部長:
 大熊先生、前回賞与のことについて教えて頂きましたが、その打ち合わせの夜、ある社員が急に退職を申し出てきたのです。理由は、実家のある秋田でお父さんが倒れて、その会社を引き継がなくてはならなくなったということなのです。
服部社長服部社長:
 以前からゆくゆくは実家の家業を継ぐということは聞いていましたが、このように事態が急変するとはさすがに予想していませんでした。お父さんは今のところ生命にかかわる状態ではないらしいのですが、半年程度、職場復帰は難しいようです。私も中小企業の経営者ですから、その大変さは良く分かります。優秀な社員ですから、当社にとって大きな痛手となりますが、事情が事情だけに退職を了承しました。
大熊社労士:
 そうですか、それは心配ですね。それにしても急な退職となりますが、業務の引継ぎは支障ありませんか?
宮田部長:
 はい、彼は普段から仕事はきっちりとしていましたし、書類や記録も非常に丁寧に残してくれていました。また部下の育成にも熱心で、訪問先にはできるだけ同行させて仕事のやり方を教えていましたので、ゼロから引き継ぐものはないそうです。
大熊社労士:
 それは本当に素晴らしい社員ですね。御社にとってこうした優秀な人材を失うのは残念なことですが、彼なら秋田の会社でもお父さんの後をしっかりと引き継いでくれるでしょう。ところで宮田部長、賞与のことで何か相談があったのではないですか?
宮田部長宮田部長:
 そうそう、今回の退職に伴う得意先などへの挨拶や業務の引継ぎなどを考えると最短でも2週間程度は必要ですから、退職日は7月10日を予定しています。偶然ですが、この日はちょうど当社の賞与支給日なのです。我が社としては、彼に賞与を支給することになんら異議はないのですが、もし退職日が前倒しになり、賞与支給日の前になったら、どのようになるのかと疑問に思ったので教えていただきたいのです。
大熊社労士:
 なるほど。御社では賞与の支給に関する規定はどのようになっていますか?
宮田部長:
 実は給与規程に、賞与の算定期間については定めがありますが、支給日に在籍している云々ということには触れられていないのです。どのように考えれば良いのでしょうか?
服部社長:
 確かに就業規則などにはこうした場合の取り扱いについての定めはなく、また今までこのようなケースはありませんでした。特に当社では先代社長のときから、賞与は現金、さすがに最近は銀行振込のため賞与明細書の入った賞与袋ですが、を手渡ししているので、実際に支給日に在籍していないときは支給できません。このことについて社員から疑問の声などが出たことはありませんし、また過去に退職した社員もこのことを意識して退職日を申し出ています。
大熊社労士:
 なるほど、規程には明記されていないけれども、いわゆる職場の慣行として成立している状態ですね。御社の場合、賞与支給日に在籍している社員に対して賞与を支給するという賞与の「支給日在籍要件」が実質上、成り立っているのですね。
宮田部長:
 賞与の「支給日在籍要件」ですか?ということは賞与算定の全期間を在籍し働いていても、賞与支給日に在籍していなければ支給しなくても良いということでしょうか?
大熊社労士大熊社労士:
 「支給日在籍要件」とは、賞与の支給日に在籍していることを賞与の支給要件とする基準のことを言いますが、過去の裁判例を見ても、この取り扱いは合理的理由があり有効であるとされています。また、京都新聞社事件(最一小判昭和60年11月28日)によれば「こうした取扱いをすることは、明文の規定がない場合でも、社内の慣行として成立していると認められるときは許される」とされています。よって御社の現在の取り扱いは労使慣行として有効とされる可能性が高いと思われますが、今後もこの取り扱いを継続するのであれば。賃金規程において明確に規定しておいた方が良いでしょうね。
服部社長:
 そうですね、宮田部長、さっそく手配しておいてくれ。
宮田部長:
 分かりました。すぐに改定案を作成します。
大熊社労士:
 さすが、意思決定が早いですね。ただし、一点だけ注意があります。例えば事務処理上の手違いや資金繰りがつかなかったなどの理由で、規程で予定されている支給日から実際に支給する日が遅れた場合、実際の支給日ではなく規定されている日に在籍していれば支給しなくてはいけません(須賀工業事件 東京地判平成12年12月14日)。また、賞与算定期間の末日から賞与支給日があまりにもかけ離れている場合も、トラブルになる可能性がありますので注意が必要でしょう。
服部社長:
 わかりました。まあ今回の彼の場合は、急な退職とはいえ規定どおりに賞与を支給を行います。もっとも今後のことを考えると「賞与支給日の在籍要件」を給与規程に明記することにします。大熊さん、ありがとうございました。


>>>to be continued


[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。今回は賞与制度における法的論点の一つである「支給日在籍要件」について取り上げてみました。文中でも紹介した京都新聞社事件や大和銀行事件の最高裁判例にあるように、一般的には支給日在籍要件は合理性を有し、支給日以前に退職した社員については賞与の請求権を有しないと解されています。この取り扱いを行うためには、やはり賃金規程において以下のような条項を明記しておくことが求められます。
第○条(賞与)
1.賞与は原則として毎年 月および 月に社員各人の勤務成績を査定して決定し、支給する。ただし、会社の業績によっては、賞与の額を縮小し、または見送ることがある。
2.賞与の算定期間は以下のとおりとし、支給対象者は賞与の支給日に在籍している社員に限る。
   夏季賞与   月  日から  月  日
   冬季賞与   月  日から  月  日


[関連条文]
労働基準法 第11条
 この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。



関連blog記事
2007年6月25日「賞与査定で産前産後休業はどのように取り扱えばいいの?」
https://roumu.com/archives/64530902.html
2007年6月13日「賞与規程」
http://blog.livedoor.jp/shanaikitei/archives/54506727.html
2007年6月7日「賃金規程」
http://blog.livedoor.jp/shanaikitei/archives/54438817.html
2007年6月7日「日本経団連による2007年賃上げ最終集計 結果は6,202円(1.90%) 」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/50989612.html
2007年5月30日「2006年の大企業年間賞与平均支給額 非管理職は1,576,821円・管理職は2,911,270円」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/50983333.html
2007年5月25日「今夏の大企業賞与妥結額平均は938,555円(プラス2.77%)」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/50979303.html
2007年5月9日「2007年夏季賞与は5年連続増加も伸び率は小幅に」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/50965560.html
2007年6月5日「賞与試算シミュレーションソフト 最新バージョンv1.06の無料ダウンロード開始」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/50976518.html


参考リンク
東京都産業労働局「2007年夏季一時金要求・妥結状況について(平成19年6月6日現在・中間集計)」
http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2007/06/60h6b100.htm
独立行政法人労働政策研究・研修機構「【賞与】支給日在籍要件」
http://kobetsu.jil.go.jp/kobetsu/book/16.html
茨城労働局「年内での退職を申し出たところ賞与が半分以下に/考課が合理的な裁量の限界を超えている場合は違法」
http://www.ibarakiroudoukyoku.go.jp/soumu/qa/chingin/chingin07.html
茨城労働局「賞与の支給日在籍条項は有効だが、解雇の場合は支払義務が生ずる場合もある」
http://www.ibarakiroudoukyoku.go.jp/soumu/qa/chingin/chingin05.html
島根労働局「支給日に在籍していなかったとして賞与をもらえない」
http://www.shimaneroudou.go.jp/consult/qanda/q23.html


(鷹取敏昭)


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職場復帰支援に関する面談記録票

職場復帰支援に関する面談記録票 心の健康問題により休業している労働者の職場復帰判断を行なう際に、職場復帰の可否および職場復帰支援プランに関する話し合いの結果をまとめておく書式サンプル(画像はクリックして拡大)です。
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[ワンポイントアドバイス]
 安全でスムーズな職場復帰を支援するためには、最終的な職場復帰決定の手続きの前に、必要な情報の収集と評価を行った上で職場復帰の可否を適切に判断し、更には職場復帰を支援するための具体的プランを準備しておくことが求められます。このプロセスは、事業場内の産業保健スタッフ等を中心に、管理監督者および当該労働者の間で十分に話し合い、良く連携しながら進めていく必要がありますが、その面談の結果をこの記録票にまとめ、関係者がその内容を互いに確認しながら進めることが求められています。

 


関連blog記事
2007年7月3日「職場復帰に関する意見書」
https://roumu.com/archives/54632691.html
2007年6月29日「職場復帰支援に関する情報提供依頼書」
https://roumu.com/archives/54619401.html

 

参考リンク
厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引きについて」
http://www-bm.mhlw.go.jp/houdou/2004/10/h1014-1.html

 

(宮武貴美)

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