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キャリアストレス

 本日はキャリア連載の第3回として、キャリアストレスというテーマを取り上げることとしましょう。ストレスと聞くと何か悪いイメージがあるのではないでしょうか。しかし、この「ストレス」というものですが、必ずしもすべてが“悪”という訳ではありません。もちろん過度なストレスには、様々な健康阻害の危険性が潜んでいますが、例えばストレスを感じることで、程よい緊張感を得るといったプラスの側面を持ち合わせています。


 そうしたストレスの中に「キャリアストレス」と言われるものがありますが、これはどのようなものなのでしょうか。キャリアストレスは、キャリアが注目されるようになり、それにまつわるストレスということで生まれた言葉です。最近ではワークライフバランスへの注目が高まるにつれ、このキャリアを取り巻くストレスについても関心が高まっています。今回は、キャリアストレスの発生原因、引き起こされる問題、そしてそれに対する会社の支援策についてお話します。


 そもそもキャリアストレスはなぜ生じるのでしょうか。その原因は次の3つにまとめることができます。
仕事から受けるストレス
 目標を達成しなければならないというプレッシャーから生まれるストレスはイメージがつくと思いますが、このストレスは、1)同時に2つ以上の役割を期待されて悩む葛藤と、2)役割がわからなくて悩む役割の曖昧に分けることができます。特に役割の曖昧は、社内のコミュニケーション不足などによって、その曖昧さが大きくなります。


人生の節目で感じるストレス
 昇進や転職といった人生の節目となるイベントは、社員個人にとって大きな転機となります。そのため大きな力が必要となり、新しいステージや環境に適応していかなければなりません。


ライフイベントがもたらすストレス
 これは体力の衰えや出産、そして仕事と家庭のバランスといった個人的な事由が原因となるものです。社員にとって初めて降りかかるものであるため、それがストレスに繋がることになります。


 このキャリアストレスは、会社・個人の双方の問題を引き起こすこととなります。会社側としては、社員が成長していかないことや欠勤あるいは退職という事態に頭を抱えかねません。社員個人にとっては、自分の将来が見通せないことに悩み、キャリア意識が下がっていくこともあるでしょう。こうしたキャリアストレスに対し、会社はどのような対策を講じれば良いのでしょうか。キャリアストレスの問題を適切に解消していくためには、昇進や配置転換などのキャリアステージ、転職や出産などのライフステージが変化する際に、相談相手を身近に確保しておくことが求められます。特に、経験者のアドバイスは非常に重みがあり、社員にとって役割モデルという存在になっていきます。また、定期的に様子を確認する機会、例えば数ヶ月毎にメールを入れるといった仕組みを用意することも重要になってくるのではないでしょうか。


 それでは次回は「キャリアアンカー」を紹介していきたいと思います。お楽しみに。


(福間みゆき)


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給与計算で便利なEXCEL TIPS集「効率的にデータ入力したい」

給与計算で便利なEXCEL TIPS集「効率的にデータ入力したい」 本日は「給与計算で便利なEXCEL TIPS集」の第14回として、「効率的にデータ入力したい」をお送りしましょう。


 給与計算ソフトへは様々なデータがインポートできます。「インポートは敷居が高い」などという話も耳にしますが、実際にはインポート作業に慣れると、「数字のみではなく、住所等のデータもインポートできればもっと便利になるのに…」などと考えるようになります。そこで今回は、数字以外のデータをEXCELに入力する際に効率的な「入力規則」というメニューについて説明しましょう。



【質問】
 当社では毎月、多くのパート・アルバイトが入社します。従来は履歴書を見て給与計算ソフトに入力するという作業を行っていました。しかし、給与計算ソフトは1名しか利用できず、また、社員の給与データを見ることができるため、パートの方に入力していただくことができません。EXCELを使ってデータをうまくインポートしたいのですが、何か効率的な方法はありますか?


【回答】
 EXCELの機能「入力規則」を利用することで効率的な入力ができ、入力の形式も揃えることができます。


【解説】
 入力規則というEXCELの機能を用いると、セル単位で入力規則の設定を行うことができます。ここでは仮に氏名のフリガナを入力する例を取り上げてみましょう。
[設定する入力規則]
 半角のカタカナで文字数数は8文字以下


[設定方法]
①設定したいセルを選択し、[データ]-[入力規則]を選択する。
②[設定]タブで以下の設定をする
 入力の種類:文字列(長さ指定)
 データ:次の値以下
 最大値:8
③[日本語入力]タブで以下の設定をする
 日本語入力:半角カタカナ


[実際の入力]
 設定したセルへ入力する際には設定した入力規則に従って変換される。
「やまだ たろう」 → 「ヤマダ タロウ」
「ひがしやま ゆうじろう」 → 「ヒガシヤマ ユウジロウ」 → セルを移動する時点でエラーメッセージが表示(文字数オーバー)


【まとめ】
 複数のメンバーで入力作業をするような場合、全角・半角の問題や文字の長さの問題が頻繁に発生します。今回の入力規則の設定は手間がかかりますが、効率化以上に、この問題を解決するひとつの手立てとなります。弊社の給与計算の入力業務でも使用しており、効果を実感していますので、是非お試しください。


(宮武貴美)


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【労務管理は管理職の役割】残業命令の条件

 従来から時間外労働(残業)をさせることが当たり前のようになっている職場であったとしても、社員に時間外労働をさせるためには一定の条件が整っていなければなりません。また社員から残業拒否されたときに、管理職としてどのように考えれば良いのかなど、本日は管理者のみなさんに押さえておいて頂きたい時間外労働の基本をお話させて頂きます。


【残業はあくまでも「臨時的なもの」】
 労働基準法が定めている法定の労働時間は「1日8時間、1週40時間」となっています。この時間を超えて業務を行う場合、その労働時間が時間外労働となります。労働基準法の趣旨は、時間外労働はあくまでも「臨時なもの」であって、それを無制限に認めている訳ではありません。まずはこの原則を認識しておいてください。


【適法に残業命令を出すための必要条件】
 次に、適法に残業命令を出すための必要な条件を確認しておきましょう。労働基準法では時間外労働を行わせる前提として、以下の要件を定めています。
事業場における労使協定(36協定)の締結および労働基準監督署への届出
36協定の内容に基づいた就業規則や労働協約における定め


 社員に時間外労働をさせるためには以上の要件が必要とされますが、その場合でも常に残業命令が有効であるとはされていません。従来より時間外労働義務の根拠をめぐって、例え36協定の締結や就業規則等への定めがあったとしても、具体的必要が生じたときに個々の労働者の承諾がなければ残業義務はないとする「個別的同意説」と、36協定と就業規則や労働協約があり、具体的必要が生じた際に、それに基づいて使用者が残業命令を出せば、労働者は時間外労働義務を負うとする「包括的命令権説」との対立がありました。


 この点に関し、最高裁は「日立製作所武蔵野工場事件」(最高裁一小 平成3年11月28日判決)において、次のような見解を示しています。就業規則の中に、概括的・網羅的でない「一定の業務上の事由」を定めていることを求め、さらに、「就業規則の規定の内容が合理的なものである限り、それが具体的労働契約の内容をなすから」使用者は命令権を獲得し、その命令によって労働者の義務が具体化する、というものです。


 よって、時間外労働を命令する場合には、先ほどのの手続に加え、合理的要件をなすものとして、具体的な業務上の必要性が求められています。なお、社員の事情もありますので必ずしもの条件が揃っていたとしても、常に残業命令が有効だとはいえないことがあります。例えば、労働者本人や家族が体調不良であるなど、どうしても残業ができない事情のある場合は、難しい判断になりますが、これに関する具体的で明確な境界線はなく、労使双方の事情によるバランスの問題だといえるでしょう。このトラブルを防ぐには管理職・労働者とも常日頃からコミュニケーションを取り、それぞれの事情を十分に知っておくことが肝要です。



参照条文
労働基準法第32条(労働時間)
 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。2 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。
労働基準法第36条第1項(時間外及び休日の労働)
 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては、第32条から第32条の5まで若しくは第40条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この項において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。ただし、坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務の労働時間の延長は、1日について2時間を超えてはならない。


(鷹取敏昭)


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新卒採用の一人当たり経費の平均は371,819円

 最近、産労総合研究所より非常に興味深いアンケートの結果が連続して発表されていますが、先日「新規学卒者(2007年3月予定)の採用活動の実態」というこれまた面白いプレスリリースが発表されました。この調査は、2007年3月卒業予定者を対象にした新規学卒者の採用活動の実態について、同社の登録会員企業に対してアンケートを実施したもの。


 様々な項目が集計されていますが、本日はそれらの中から「新卒1人当たりの採用経費」の項目について見てみることにしましょう。結果としては、平均385,111円となっていますが、一部に「150万円以上」(1.4%)と解答した企業もあることで全体の平均額が引きあがってしまっているようです。実際には約5割が「20万円台以下」という区分に入っているということです。これを規模別に見ると、大企業397,851円、中企業367,997円、小企業397,707円となっており、採用人数に大きなばらつきがあるとはいえ、一人当たり平均額で見ると、結果的には規模による格差は少ないという内容になっています。


新卒採用の一人当たり経費の平均は371,819円 ちなみに項目別の平均額は以下のようになっており、インターネット関連の経費が突出して高くなっています。新卒のインターネット採用が完全に定着した中で、今後はこの経費を如何に抑制するかが企業としては重要な課題になってくるのでしょう。
□インターネット関連 157,595円
□DM、情報誌掲載 47,551円
□面接(会場費等) 40,406円
□企業セミナー 36,108円
□入社案内作成 34,217円
□内定者フォロー 22,645円
□学校訪問 5,390円
□OBとの懇談会 3,283円
□その他 24,625円



参考リンク
産労総合研究所「新規学卒者(2007年3月予定)の採用活動の実態」
http://www.e-sanro.net/sri/ilibrary/pressrelease/press_files/srip_061023.pdf


(大津章敬)


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キャリアは誰のものか

 「キャリア」といえば、以前は「キャリア組」や「キャリアアップ」という言葉をイメージしました。それは国家公務員で上級試験に合格している者を表す呼称、職業・技能上の経験、あるいは経歴という意味で使われていました。これに対し最近では「キャリア開発」や「キャリアカウンセリング」という言葉をよく耳にします。キャリアは仕事上のキャリアだけでなく、今後どうやって行くのか、どうやって行(生)きたいのかを考え、人生全般を表すものとして意味が広がっています。


 キャリアは誰のものでもなく、個人に培われるものです。会社で働く社員は、職業経験だけでなく、家族や友人、趣味、自己啓発など会社内外の手助けを借りてキャリアを展開しています。会社の立場から考えると、従業員のキャリアは組織の目標を達成するための経営資源に違いありません。そして会社は、従業員にキャリアを提供する場を担っています。自らのキャリアデザインを描き、展開していくのは本人の役割ですが、いまの企業にとっては、それを支援していくことの重要性が高まっています。そこで今後、社員のキャリアデザインに関する記事を掲載していこうと計画していますが、まず初回の今回は、身近にあるキャリア支援策を2つお話したいと思います。


人事評価など面談の機会
 人事評価をする際に、面談を行っている会社は多いと思いますが、何を話されていますか。今期の評価や来期の計画、目標設定が中心になっていることでしょう。これからはそこから一歩踏み込んで、「本当のところ何がやりたいのか」について聞いてみてください。社員が進もうとしている方向性を知り、会社がそれを後押しすることによって、社員の本人の動機づけに繋がっていきます。改まった社員面談の機会は年に数回しかありません。これからの時期であれば冬季賞与評価の面談の機会などを活かして、会社の方向性とと社員の方向性の擦り合わせを行ってみてはいかがでしょうか。


社員教育
 社員を社外研修に参加させる際、業務に関する知識の習得が中心になっていませんか。業務に直結するものだけでなく、接遇や時間の活用術、改善活動の手法などを学ぶことは、仕事をする上での基礎体力の向上に繋がり、後々の大きな飛躍に向けたベースとなります。多くの企業で社員研修に関する関心が高まっていますが、その時間を確保し、計画的な能力開発を行うことは、会社・社員の双方にとって重要な課題となっています。


 これら2つの支援策は、実際に多くの企業で日常的に行われているものです。既にある仕組みを見直し、その効果を高めることが、キャリア支援のスタートとして求められています。次回は「キャリアの停滞」を紹介していきたいと思います。お楽しみに。


(福間みゆき)


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法令遵守強化の傾向

 ここ最近、酒気帯び運転に関する報道が目立っています。酒気帯び運転による忌まわしい事故が相次ぎ、刑罰強化の動きもあるようです。酒気帯び運転といえば、先に東京都と福岡市がオリンピック開催地をめぐり競っていましたが、得票差が11票出た背景に、福岡市職員の起こした事件が少なからず影響していたであろう、ということをある関係者から聞いたことが印象として残っています。2006年9月22日付けの中日新聞でも「朝日新聞社は21日、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで甲府署に摘発された記者を同日付で懲戒解雇したと発表した」と報じられています。企業も世の中の流れから厳しい対応を迫られている一例といえるでしょう。


 折りしも本年6月に日本版SOX法が成立しました。上場企業と連結子会社については、2009年3月期の決算から内部統制報告書の提出と公認会計士による確認が義務付けられます。いままで日本での内部統制といえば、財務会計の視点でしかありませんでした。日本版SOX法では、これ以外にも経営全体の方針や業務ルールの遵守、リスクに対する検討や備えはどうか、なども要求されています。上場企業が求められるということは、必然的にその下請け企業にも求められる要求項目だということを忘れてはなりません。取引条件として提示されたとき、あわてふためいて決めるのではなく、法令遵守の強化へ傾向している世の中の動きを見据え、先を見越して整備しておく必要があるでしょう。


 一人の従業員が犯した罪で会社の信用が失墜することは十分あり得ることです。観念として理解できていても、自分自身におとし込んで考えることのできない従業員がいるかもしれません。企業内での罰則強化を行う場合であればなおのこと、いまは従業員の理解が得られやすい時期ともいえるでしょう。せっかくのチャンスです。永続可能な企業にしていくための基礎を整えてみてはいかがでしょうか。


(佐藤澄男)


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求人サイトとフリーペーパーのシェアが急拡大する求人媒体

求人サイトとフリーペーパーのシェアが急拡大する求人媒体 先日、全国求人情報協会より「求人広告掲載件数集計結果(平成18年8月分)」が発表されました。この調査は媒体別の求人広告の件数を集計したもので、企業の求人動向のひとつの先行指標として見ることができるものとなっています。これによれば8月の求人広告掲載件数(メディア全体)は667,709件と、前年同月比7.7%の大幅プラスとなりました。


 ここで目を引いたのが、求人各メディアの掲載件数の動きです。8月のデータで見てみると、以下のように有料求人情報誌が大幅な減少をする一方で、フリーペーパーおよび求人サイトが劇的な伸びを見せています。
有料求人情報誌 123,047件(前年同月比△32.4%)
フリーペーパー 267,661件(前年同月比+30.1%)
折込求人紙   125,295件(前年同月比+0.6%)
求人サイト   151,706件(前年同月比+41.2%)


 この媒体別のシェアについて、平成16年4月以降のデータをグラフ化したのが左上の画像になります。これを見ると、約2年前には求人媒体の50%近いシェアを占めていた有料求人情報誌のシェアが急落し、それに代わってフリーペーパーおよび求人サイトのシェアが急速に伸びていることが良くわかります。この調査からは雇用区分と利用求人媒体の関係までは読み取ることができませんが、一般的には正社員採用については求人サイトが、パート・アルバイトについてはフリーペーパーが活用されていると予想されます。



参考リンク
全国求人情報協会「求人広告掲載件数集計結果(平成18年8月分)」
http://www.zenkyukyo.or.jp/shiryou/press/index.html


(大津章敬)


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一般社員の31%がいまの仕事へのやりがいを感じず

一般社員の31%がいまの仕事へのやりがいを感じず 野村総合研究所は、東証一部上場企業の社長、そして東証一部上場企業に在籍している正社員と一般企業に在籍している契約・パート・アルバイト・派遣社員を対象に実施したアンケート結果を発表しました。基本的には経営理念やビジョンに関する意識調査で、そちらは予想通り、社長の回答と一般従業員の回答に大きなギャップがあるという当然の結果になったのですが、私が興味を持ったのはそれではなく、従業員対象の「今の仕事にやりがいを感じているか」という質問項目の回答結果でした。


 役員の100%、管理職の56%がいまの仕事にやりがいを「感じている」と回答していますが、これが一般の正社員になると38%、契約社員で43%、パートアルバイトでは29%、派遣社員では27%と急速にその割合が低下しています。一方でやりがいを「感じない」という回答は、派遣社員では40%、パートアルバイトでは37%となっており、この両雇用区分ではやりがいを「感じている」者よりも「感じない」者の方が割合が大きくなっています。また一般正社員と契約社員の31%、管理職の25%もやりがいを「感じない」と回答しています。派遣社員やパートアルバイトがやりがいを「感じない」と感じるのは、その職務配置上、現状ではある程度やむを得ないと考えるとしても、一般の正社員を見てもやりがいを「感じる」38%・「感じない」31%と、その割合には大きな差がありません。


 このように多くの従業員が仕事にやりがいを感じないままに、現在の職務に従事している姿が、この結果からは浮かび上がってきます。もしかすると本音ベースではある程度予想できていた結果なのかも知れませんが、このように実際のデータで見せられると、経営側としてはショッキングな結果ではないでしょうか。企業としては、意識的に社員の仕事をやりがいを感じるような環境の構築が必要であるように思えてなりません。


 そもそも、社員が仕事に対するやりがいを感じるポイントは様々です。正社員の場合は、担当する仕事の内容や会社からの評価であることが多いでしょうし、パートアルバイトや派遣社員の場合は、労働時間の柔軟性など、プライベートとの両立を無理なく図れる環境といったことも少なくないでしょう。これからの時代は多様な価値観を持った人材ひとりひとりにあった仕事の与え方をし、やりがいをもって職務に専念してもらえる環境を作ることが重要になってきます。



参考リンク
野村総合研究所「上場企業の社長・従業員を対象に経営理念・ビジョンに関する意識調査を実施」
http://www.nri.co.jp/news/2006/060920_1.html


(大津章敬)


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【実務家のための労務実務書紹介】税務研究会出版局「労務管理における出向・転籍Q&A―企業再編時の留意点と実務対応」

 今回の【実務家のための労務実務書紹介】は税務研究会出版局「労務管理における出向・転籍Q&A―企業再編時の留意点と実務対応 」(石井妙子弁護士著)を取り上げてみましょう。


 出向や転籍を行う際には留意すべき点が多々ありますが、他の労務問題に比較すると事例がそれほど多くないこともあり、実務に直結できる書籍はあまり発刊されていないようです。この本は、月刊スタッフアドバイザーに連載されたものに、加筆編集して制作されました。今後、増加していく出向・転籍の問題対処のために備えておきたい一冊です。
【お薦めのポイント】
Q&A方式で分かりやすい
 約120のQ&A方式になっており、調べたい項目から読むことができます。Q&Aでの記載になっていますので、実務敵には疑問に思ったことを調べるような利用方法が考えられるでしょう。
規程や書式が含まれている
 モデル協定書や覚書などが含まれており、すぐに利用することができます。


【注意点】
平成13年12月の発行
 この書籍は会社分割にかかる法制が平成13年4月1日に施行されたことを機に執筆された書籍であり、それ以降は改訂されていないようです。従って内容によっては改正された部分がありますので注意が必要です。


【書籍の詳細情報】
出版社:税務研究会出版局
書籍名:労務管理における出向・転籍Q&A―企業再編時の留意点と実務対応
著 者:石井妙子 山田泰章 共著
定 価:2,415円  本体2,300円+税
購入は以下より:
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4793111548/roumucom-22


(宮武貴美)


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退職金課税は増税か

 今年も残すところ後4ヶ月を切りました。政府・与党ともに来年度の税制改正議論が本格化しています。例年ですと、12月中旬に税制改正大綱が発表されますが、そのための改正議論は今年は春から活発に行われています。中でも注目すべきは、退職金の課税です。


 現在の退職金の課税制度では退職金に対し、勤務年数に応じた特別控除を控除し、残った金額の2分の1だけが課税されています。他の所得とは別に総合されずに単独で課税されています。この制度では、無条件で2分の1課税となり、所得ゼロから積み上げられたものとして計算することになりますので、税負担は極めて少なくなることは自明のことです。この退職金課税の制度について、さまざまな情報を総合すると、政府・与党からの増税案はかなり煮詰まっている模様です。


 外資系の証券会社等の場合は、勤務期間を短くして退職し、退職金をとって実質課税を少なくする手法がよく使われていますが、このことはいま問題として取り上げられています。終身雇用ではないこの時代に、節税に退職金制度を利用されていること等を考えると、やはりこの退職金課税が槍玉に挙げられてしまうのは仕方がないことかもしれません。


 しかし、一方で、30年~40年に勤め続けた末での退職金についても、一挙に2分の1課税の廃止や控除額の縮減を行うのは、影響が非常に大きいため、どのような形で調整されるのか目が離せません。例えば、特別控除については、20年超の70万円については、40万円に見直されるという可能性が強いと思われます。また、2分の1課税については、無条件ではなく、いろいろな条件が付された上で行なわれることになると考えられます。


 早ければ、恐らく今年の12月の大綱に盛り込まれてくると思われる案件ですが、いずれにしても高齢経営者の方で退職金を受取るチャンスがある方は、企業業績がよければ、思い切って今年中に一線から退き、恩恵を受けられるようにすることも、そろそろ考えてもよいかもしれません。


(佐藤澄男)


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