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日本経団連「ホワイトカラーエグゼンプションに関する提言」

 昨日のblogで「日本経団連 2005年規制改革要望を発表」という記事を掲載しましたが、本日はその続きになります。この改革要望書の発表と同じ21日に同じ日本経団連から「ホワイトカラーエグゼンプションに関する提言」という資料が発表されました。


 ホワイトカラー・エグゼンプションについては当社の労働時間専門チームがこれまで何度かこのblogでも取り上げていますが、今後の労働時間法制の見直しの中で、もっとも大きな変革になる議論です。まだまだあまり一般的になっていないこの制度ですが、本提言書では、現在の日本におけるホワイトカラーにおける労働時間と成果の把握の問題、裁量労働制を中心としたみなし労働時間制の問題、管理監督者の労働時間等適用除外の問題点を完結にまとめた上で、ホワイトカラーエグゼンプション制度の新設に関する具体的な提案がなされています。近年のホワイトカラーを取り巻く労働時間の論点が非常に分かりやすく、まとめられています(全19ページ)ので、非常に参考になります。是非以下よりダウンロードして、ご一読下さい。
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2005/042/teigen.pdf


(大津章敬)

日本経団連 2005年規制改革要望を発表

 日本経団連は、2005年度規制改革要望を6月21日に発表しました。このうち、雇用・労働分野においては次の要望が提出されることになりました。その概要についてご紹介いたします。

 

有料職業紹介事業の手数料徴収に係る対象職業制限と年収制限の撤廃

 芸能家、モデル、科学技術者、経営管理者、熟練技能者であって年収700万円を超える仕事に就いた場合は賃金の100分の10.5を上限として手数料の徴収ができるが、この対象職業と年収に関する規制を撤廃する。

  

派遣労働者への雇用契約申し込み義務の廃止

 派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務に派遣労働者を3年を超えて受け入れており、その業務に新たに労働者を雇い入れ使用とするときはその派遣労働者に対して雇用契約の申し込み義務が生ずるがこれを撤廃する。

 

派遣労働者を特定することを目的とする行為の禁止の廃止

 派遣労働者を特定することは紹介予定派遣のみ許されているが、これを一般の派遣労働者にも解禁する。

 

派遣労働者のいわゆる自由化業務の派遣受け入れ期間制限の撤廃

 派遣受入期間の制限のあるいわゆる自由化業務について、現在は3年を上限としているが、これを撤廃する。

 

物の製造業務派遣の派遣受け入れ期間制限の撤廃ないし延長

 製造業務の派遣受入期間は2007年まで1年とされているが、この受入期間の上限を撤廃する。

 

派遣禁止業務の解禁

 港湾運送業務、建設業務、警備業務、医療業務については現在労働者派遣は禁止されているが、これを解禁する。

 

士業者派遣の解禁

  弁護士、外国法事務弁護士、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、行政書士は労働者派遣の対象とされていないが、すべての士業について労働者派遣を認める。

 

派遣労働者の直接雇用申込について厚生労働大臣が行う指導及び助言に関する規定の見直し

 派遣受入期間の制限を超えて労働者派遣の役務の提供を受けた場合、派遣労働者の希望による場合を除いて期間の定めのない雇用をするよう助言、勧告できるという、労働者派遣事業関係業務取扱要領を削除する。

 

労働者派遣法上のいわゆる26業種の見直し

 あらゆる業務において派遣制限期間を撤廃するとともに、26業種についても、現状の実態にあったものとなるよう内容を見直す。

 

労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分の見直し

1)単に肉体的な労働力の提供でないことが請負事業の条件とされているが、この条件として自己の責任・負担で調達した機械設備、材料等で業務を処理することが規程され賃貸借契約による確保までを求めているがこれを撤廃すること。

2)請負業務に要する関連費用の無償提供を認めること。

 

労働者派遣事業における「複合業務」の受入期間制限の判断基準の見直し

 派遣受入期間の制限の無い業務とある業務をあわせて行なう場合、主たる業務が派遣受入期間の無い業務であれば全体として派遣受入期間のない業務と取り扱うこと。

 

労働条件の明示の方法にかかる電子メール等の解禁

 労働条件の明示方法について、書面で交付することが義務付けられているが、これを電子メールでも可能とする。

   

労働保険事務の見直し

 現在事業所単位での労働保険の適用を、包括的一括申請制度を導入し、可能な限り本社で一元的に処理できるように改める。

 

特定求職者雇用開発助成金の給付条件の緩和

 給付条件として、公共職業安定所または一定の要件を満たす無料・有料の職業事業者の紹介によると限定されているが、いかなるルートであろうと受給を可能にする。

 

解雇の金銭解決制度の導入

 解雇の金銭解決の導入について、職場復帰より金銭解決を求める当事者の意向を反映させ、紛争解決の選択肢を増やす。

 

ホワイトカラーエグゼンプション制度の早期導入

 管理監督者に限らず、裁量性の高い労働者などについても労働時間規制の適用除外とする。

 

1年単位の変形労働時間制における変形期間途中の異動者の時間外清算に関する適用除外

 変形期間途中の異動者や退職者について現行では賃金精算が必要であるが、これを撤廃する。

 

1年単位の変形労働時間制の規制緩和

1)労働日労働時間の決定を30日前から1週間前に緩和する。

2)連続して労働させられる日数を6日から12日にする。

3)対象期間が3ヶ月を超える場合の労働時間週48時間超にかかる規程を撤廃する。

 

管理監督者に対する割増賃金支払義務の見直し

 管理監督者に対する深夜割増賃金支払義務を撤廃する。

 

労働時間に関する規定の適用除外者の範囲拡大

 管理監督者の範囲について現在の企業の実態に見合うように対象者を拡大する。

 

企画業務型裁量労働制に関する対象業務の拡大および手続の簡素化

1)対象業務の制限を撤廃しホワイトカラー全般に適用する。

2)企画業務型裁量労働に関する報告書の提出を半年ごとから1年ごとに改める。

3)労使委員会の設置義務を撤廃する。

4)事業場ごとではなく全社統一の労使委員会の決議でも制度導入を可能にする。

 

従業員の個人情報の第三者提供に関する扱いの見直し

 従業員の個人情報の第三者提供について個別同意を必要とせず、就業規則等による包括同意で可能にする。

 

女性の坑内労働禁止規定の見直し

 女性の坑内労働禁止規定の撤廃を行い、女性の坑内工事監督業務を可能にする。

 

深夜の割増賃金規定の見直し

 深夜割増率を撤廃し、時間帯による割増率の格差をなくす。

 

時間外労働の上限が2時間に制限される健康上特に有害な業務の見直し

 具体的業務の見直しと不要な業務の削除を行う。

 

有期労働契約に関する雇用期間の上限の延長

 現在の有期労働契約者の雇用期間の上限は3年(専門知識を有する場合は5年)であるがこれを一律5年とする。

 

衛生管理者の巡視頻度の自主的運用の推進

 現行では「毎週1回」の巡視義務があるが、これを事業場の実情にあわせて自主的に運用できるようにする。

 

衛生委員会の開催に関する特例措置

 法人ごとに独立した衛生委員会の開催を義務付けられているが、一定の要件を満たす場合は、各法人の衛生委員会を統合して開催することを認める。

 

 当然ながら、かなり使用者寄りの要望事項となっています。あくまでも要望事項ですからこれがそのまま成立するというものではありませんが、雇用労働に関する分野の論点であることは間違いがありません。

                                                         (神谷篤史)

割増率の引き上げは時間外労働の削減につながるのか?

 平成17年6月3日(金)に厚生労働省内において「第3回今後の労働時間制度に関する研究会」が開催され、労働組合側である以下の3名の方に対するヒアリングが行われました。
□日本労働組合総連合会 総合労働局長 総合労働局長 須賀恭孝氏
□全日本電機・電子・情報関連産業労働組合(電機連合)
                         書記次長/総合労働政策部門統括 成瀬豊氏
□JAM 副書記長/組織部門部門長 小山正樹氏
 
 この3名の方はヒアリングを受ける際に労働組合側の提案として以下のレジュメを厚生労働省に提出しています。今回はこのレジュメの概要についてご紹介したいと思います。 

 





厚生労働省「今後の労働時間制度に関する研究会」ヒアリングレジュメ
 
0.はじめに
(1)労働時間の現状
  ・「労働時間の二極化」長時間労働による労働者の健康問題
  ・仕事と生活との両立の困難さ
  ・「不払い残業」問題
(2)労働時間の喫緊の課題は「長時間労働の是正」
  労働時間と労働者の心身の健康、家庭生活、地域社会への参加など
  労働時間とそれ以外の時間の調和をどのようにはかるか
(3)労働時間の原則
  「1週40時間、1日8時間」の原則
  健康で文化的な生活の保障
  あらゆる労働者にとっての労働時間の原則
 
1.裁量労働制について
(1)裁量労働制の運用実績について
  職場での具体的取り組み
(2)企画業務型裁量労働制に関する2003年法改正について  
  ①制度を導入する事業場は大きく増加。  
  ②労使委員会の手続き緩和 
   ・手続きの緩和に対する評価
   ・労使委員会の委員提出:労働者からの信任手続きは不可欠。
   ・決議5分の4要件について、再検討すべき。
 
2.労働時間規制の適用除外について
(1)アメリカのホワイトカラー・イグゼンプション制度に関する調査報告  
  ①日米では労働時間法制をはじめ、意識・文化・慣行などさまざまな点で相違がある。
  ②アメリカのイグゼンプトの範囲は、日本の適用除外の範囲よりも広い。
  ③イグゼンプト対象者に関する議論は、「働き方をめぐる問題」ではなく、「コスト問題」。
  →アメリカのホワイトカラー・イグゼンプションの制度を日本に導入することは、木に竹を
   接ぐようなものであり、行うべきではない。
(2)適用除外について
  ・これ以上、適用除外を拡大する必要性はないと考える。
  ・適用除外についての検討は、ドイツやフランスも参考にすべき。 
 
3.管理監督者について
(1)管理監督者の範囲が明確ではない。→拡大解釈の実態
(2)管理監督者等の適用除外者の健康問題
  →労働時間の把握、健康確保措置、苦情処理の仕組が必要
(3)労働基準法第41条
  「労働時間、休憩および休日に関する規定」からの適用除外
  ・適用を除外してよいものは何か
  ・適用除外者の代償措置の検討
(4)労働時間規制の適用除外について
  ・対象者を拡大すべきではない
   現行法で十分足りる
 
4.年次有給休暇の取得促進
(1)要員の適正配置、業務遂行のあり方も含めて、年休取得促進についての労使協議
(2)家族の病気・看護休暇、配偶者出産休暇(最低5日)の新設など、各種休暇の拡大
 
5.所定外労働の削減
(1)時間外割増率の引き上げ
  時間外50%、休日100%、深夜50%に
  
6.そのほか
 「特別条項付き協定」について
   特別条項付き協定を適用する場合の上限時間の設定についても検討を。
 
  ※法定労働時間を超える時間外労働及び法定休日における休日労働を行わせるため
   には、労働基準法第36条で時間外労働及び休日労働に関する協定(いわゆる「36協
   定」)を締結し、限度時間を守らなければなりません。しかし、特別の事情が予想され
   る場合には特別条項付き36協定を締結することにより、一定期間(1年間に6ヶ月が限
   度)についての延長時間は限度時間を超えることができます。





 

 以上、提案されている内容の中には、所定外労働の削減対策として「割増率の引き上げ」について言及されていますが、はたして割増率の引き上げが本当に所定外労働の削減につながるのでしょうか?私は必ずしも割増率引き上げ→所定外労働削減とはならないと考えます。確かに割増率を引き上げれば、使用者は人件費負担増を避けるために所定外労働そのものを減らそうとしたり、ワークシェアリングなどの活用を通じた労働時間の適正化を検討することになるでしょう。

 

 現実的な問題として、基本的に業務の絶対量は変わりません。時間外労働の削減に向けて業務内容の改善は欠かせませんが、本質的な改善を行うためには現状より多くの従業員を雇用し、業務の平準化を図ることが必要となるでしょう。しかし、少子化による労働人口の減少を前に、十分な労働力の確保が難しい時代が忍び寄っています。よって、この問題を解決するためには高齢者や女性などの活用や、ニートなどの問題が深刻化している若年労働者の就労意識の向上、更には外国人労働力の導入といったより根本的な課題に国家として取り組んでいく必要があるのではないでしょうか。こうした根本的な対策を行わず、割増率の引き上げと言った表面的な対策を議論したところで、サービス残業強化に繋がるだけであると思わざるを得ません。

 
 現在、厚生労働省で行われている「今後の労働時間制度に関する研究会」では、非常に多くの問題提起がなされていますので、これからも動向に注意を払う必要がありそうです。

 

(志治英樹)

政府税調「個人所得課税に関する論点整理」レポート発表

 政府税制調査会 基礎問題小委員会は昨日、以前より話題になっていた「個人所得課税に関する論点整理」のレポートを発表しました。これまでの各種報道の通り、給与所得控除縮小、退職金課税強化、配偶者控除・特定扶養控除の縮小・廃止、子育支援に向けた所得税の税額控除などが盛り込まれています。20ページの報告書ですが、以下よりダウンロードできますので、是非ご覧下さい。

 


 

(大津章敬)

専門業務型裁量労働制の導入事例

 裁量労働制とは、業務の性質上その遂行方法が労働者の裁量にゆだねる必要があり、労働時間の算定が困難な業務について、あらかじめ労働時間を定め、実際の労働時間が何時間であるかにかかわらず、みなし労働時間を労働したものとする制度です。(1990年から専門業務型裁量労働制、2001年から企画業務型裁量労働制が施行されています。)

 

 この制度は従来あまり導入事例がなかったのですが、ここ数年、導入企業が急増しています。そこで今回は、実際に裁量労働を導入したある会社の運用状況について紹介します。

■第1回目(1998年)

対象労働者

 研究職の主任クラス 専門業務型裁量労働制 約300名 

みなし時間外手当(裁量労働手当)

 1日1時間相当の時間外業務を見込んだ賃金(裁量労働手当)を支払い、原則としてそれ以上の時間外手当は支給しない。

労働者の状況

  リストラによる人手不足もあって過重労働になり、健康を損ねる労働者が増加、労働者の有志が2001年4月から15回に亘り、職場のサービス残業の疑いを労働基準監督署に訴え続けた。

労働基準監督署の対応

 調査に入った結果、実態は裁量労働ではなくサービス残業とみなされ、過去2年間に遡って100人超の労働者に平均150時間分の割増賃金、総額約4,500万円を支払うように是正指導を実施。


■第2回目(2002年10月)

対象労働者

 人事、財務、広報、資材部門等の管理職手前の主任。

 専門業務型約6,000人、企画業務型約1,000人。


みなし時間外手当(裁量労働手当)
 1日1時間相当の時間外業務を見込んだ賃金を支払い、原則としてそれ以上の時間外手当は支給しない。

変更点

1)一定期間残業が大幅に増加する者は対象労働者から外した。

2)非常な繁忙が予想される場合には、裁量労働制の適用除外として残業代を申請できる。

3)1日1時間分の残業代しか支給しない代わりに、半期のボーナスで1人当たり22万円~26万円の原資を用意して成果に応じて配分する。

厚生労働省への説明

 担当常務が2002年6月から粘り強く厚生労働省に「このクラスのホワイトカラーの仕事はみな、企画や調査を含む」と説いて交渉。


労働基準監督署の対応
  承認

現在の状況

 サービス残業及び過重労働が発生している疑いがある。非常な繁忙が予想される場合でも「時間内に仕事が終わらないのは能力がないから、仕事ができないからだ」という風潮があり、時間外手当を申請しづらい状況。対象労働者は、上司の指示に基づく納期のある仕事に追われているのが現実なので、裁量労働制に該当する裁量権があるかは疑わしいという話が出ている。しかし、今のところは労働基準監督署からの是正指導はされていない様子。

 

 この会社が導入したように、他の企業でも事務系の管理職手前主任クラスに、裁量労働制を導入できる可能性はあります。しかし、あらかじめみなし労働時間を定めることはかなり困難であるため、実際の労働時間とそぐわないことが多く、結果として、サービス残業及び過重労働になってしまうことがあります。このサービス残業及び過重労働が発生すると従業員のモチベーションの低下や従業員の健康阻害のリスクが高まりますので、裁量労働制を導入するには充分な注意が必要です。

 

(日比彩恵子)

次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画策定届の届出はお済ですか?

 次世代育成支援対策推進法により、平成17年4月1日から、常時301人以上の労働者を雇用する事業主(企業・法人単位)は、仕事と子育ての両立を図るために必要な雇用環境整備などについて一般事業主行動計画を策定し、その旨を主たる事業所の所在地を管轄する都道府県労働局に届出することが義務となっています。御社ではもうお済でしょうか?最近、労働局の方から未提出の事業所へ電話等での確認が進められているようです。まだの場合には早めの届出をお勧めします。(300人以下の場合は努力義務)

 

 なお詳細は以下の東京労働局および厚生労働省のページをご参照下さい。

 



 

(大津章敬)

思い切って任せてみる

 本日は当社代表の佐藤澄男が毎週執筆しているウィークリーレポートより「思い切って任せてみる」というコラムをご紹介します。





 最近読んだ本に、「ウィーン・フィル 音と響きの秘密」(中野雄 著 文春新書刊)があります。ウィーン・フィルを知る上において非常に興味のある本でしたので、一気に読み通しました。

 

 その本の冒頭の中で、著者は「今まで聴いたウィーン・フィルの演奏のうちでどれが最高でしたか、と訊かれたら迷うことなくある場所で聞いた交響曲と答えるだろう」と述べていました。

 

 「こんなにすばらしい指揮者であったかと指揮者の楽屋へ向かう途中、ウィーンフィルの演奏者の一人に会い、そのすばらしい演奏をした指揮者を褒めたら、彼を褒めるなら、コンサートマスターとウィーン・フィルをほめてほしい、完全にわれわれのペースでやった。指揮者は指揮棒をもっていたが、なにもせず、はじめからおわりまでそれだけであった。といわれ、とうとうその指揮者訪問をやめた」

というくだりがありました。

 

 先日、地元著名楽団の演奏者と同席し、いろいろ話を交わす機会がありました。その時に聞いた話の中で、「その楽団で6~7年指揮者をしていた人が辞める際に、お別れの席で『一番いい演奏はどれだったか』との話になった。皆の意見はその指揮者が風邪をひき、ろくに練習もせず、本番でもほとんど指揮ができなかったときが一番良かったと言われた。」とのことでした。冒頭の話と一致しています。

 

 このことは企業全般でも言えることではないでしょうか。指示をされ、定められ、手取り足取りされるよりも、「楽団自体に実力がある」として思い切って自由にやらせることで、大きな成果を得ることができる場合もあります。もちろん、楽団自体、社員自体の能力が高い場合の話ではありますが…。

 

 ある労務コンサルタントは、「能力と意欲とをマトリックスで考えた場合、能力も意欲も高い人材はあれこれ指示することなく方向性だけ示して後はしっかり任せておいたほうがいい。あれこれ指示するのは、意欲はあっても能力のない人にすることで、相手のレベルを見て人を使うべきである」と言っています。まさしくそのとおりで、何もしないことのほうがいい結果を出せる場合が実際に多くあります。

 

 もちろん全体の把握は必要ですが、考えるべき点においては非常に参考となるのではないでしょうか。

 

(大津章敬)

雇用状況報告書の提出 都道府県によっては明日が締切です

 厚生労働省では、高年齢者、障害者および外国人労働者の失業の予防や再就職の促進並びに、これら労働者に係る雇用管理の改善を推進するための指導・援助に役立てるため、雇用状況報告制度を実施しています。一定規模以上の事業主及び外国人労働者を雇用している事業主は、管轄のハローワークに、毎年6月1日現在における高年齢者、障害者および外国人労働者の雇用状況を提出することとなっています。なお「雇用状況報告書」は各事業所に5月下旬に郵送されています。

 

[提出が必要な事業主]
□高年齢者雇用状況報告書
  雇用する労働者がおおむね50人以上のすべての事業主
□障害者雇用状況報告書
  雇用する労働者の数から除外率により除外すべき労働者を控除した数がおおむね50人以上の事業主(法律上、障害者を1人以上雇用することが義務となるすべての事業主)
□外国人雇用状況報告書
 外国人労働者を直接及び間接雇用しているすべての事業主

 

[提出期限]
 提出期限は都道府県および報告書の種類によって異なるようですので、最寄のハローワークにお問い合わせ下さい。なお都道府県によっては明日6月15日が期限(大阪群馬など)とされている場合もあります。

 

 また昨年度よりインターネットを利用した電子申請も可能となっています。詳しくはこちらをご覧下さい。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/syokuan/online/index.html

 

(大津章敬)

暑くなってきました!熱中症に注意しましょう

熱中症 昨日、東京で行われた東京シティロードレースで、21人が熱中症により病院に運ばれたというニュースが報道されていました。ここ数日、全国的に急激な気温の上昇が見られ、昨日は前橋で32.6度、今日は熊本で34.6度という最高気温を記録。熱中症の危険性が高まっています。東京労働局の資料を見ると、ここ数年、熱中症の発生が急増(昨年勤務中に熱中症にかかり医療機関で治療を受けたのは317人で、うち2人が死亡)しており、特に建設業については注意が必要です。


 以下に建設業労働災害防止協会東京支部が作成した「死を招く熱中症を防げ!」という資料(PDFファイル)がありますので、是非ご覧頂き、早めの対策をされることをお勧めします。
http://www.roudoukyoku.go.jp/roudou/eisei/pdf/pamph.pdf


  それにしても個人的には暑さが飛び切り苦手なので、嫌な季節がやってきたと思っています。


(大津章敬)

女性の活躍の場、拡大「女性坑内労働解禁」へ

 6月8日の日本経済新聞に「坑内労働も女性に解禁」という記事が掲載されていました。

 

 現行の労働基準法第64条の2は18歳以上の女性が坑内労働することを禁止しています。(労働基準法第63条において18歳未満の者の坑内労働は禁止されており、実質坑内労働ができるのは18歳以上の男性及び16歳以上の男性である訓練生とされています。)これは妊産婦の女性が就業制限を受ける仕事を除けば、1947年の労働基準法制定時に女性の就業が禁止された唯一の仕事です。この点に関しては制定当時における坑内労働の就業環境は劣悪であり、母体保護の必要性から禁止となったという経緯があります。ただし、現在は満18歳以上の女性でも、医師、看護師、マスメディアの取材業務、自然科学の研究業務で臨時の必要のための業務については例外的に入坑が認められています。

 

 「坑内労働」と聞くと、炭鉱での労働をイメージしがちです。しかし「坑内労働」とは鉱山におけるものと、ずい道工事等鉱山以外におけるもの(道路、鉄道、水路等)の工事のことを指しています。その中でトンネル工事、地下鉄工事における労働もこれに該当し、具体的には地表に出ない部分の工事現場がこれに当たるとされています。(既に完成しているトンネルや地下鉄については除かれる。)

 

 こうした状況に対し、女性の建設業界への進出が増加傾向にある中で、女性の土木技術者がトンネル工事、地下鉄工事に従事できないのは差別問題であるという声があがっていました。また近年の技術の進歩により坑内の職場環境も改善され、肉体労働の比率も低下し、昭和30年~40年代に比べれば労働災害の発生も大幅に減少しているという意見も強まっています。厚生労働省はこれらを受け議論を重ね、女性の坑内労働解禁に関する報告書を作成し、来春の通常国会にも労働基準法改正案を提出、2007年度からの施行を目指しています。

 

参考:労働基準法第64条の2(坑内労働の禁止)

 使用者は、満18歳以上の女性を坑内で労働させてはならない。ただし、臨時の必要のため坑内で行われる業務で厚生労働省令で定めるものに従事する者(次条第1項に規定する妊産婦で厚生労働省令で定めるものを除く。)については、この限りでない。

 

 また「第4回女性の坑内労働に係る専門家会合」の議事録につきましては近日中に以下において公開される予定です。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/other.html#koyou

 

(赤田亘久)