[改正育児介護休業法]労使協定の締結により介護休暇の対象から除外できる者の範囲(5)

 前回の改正育児介護休業法連載「子の看護休暇の日数と看護の対象範囲の拡充(3)」では、今回の改正で創設された介護休暇について取り上げました。厚生労働省から発表されている資料によると、家族の介護・看護のために離転職している労働者は、平成14年からの5年間で約50万人存在しているとされており、子の看護休暇の拡充・介護休暇の新設は当然に時代の流れに沿っているといえるのかも知れません。


 ただし、育児休業や介護休業について一定の範囲の労働者が労使協定の締結等で、休業取得の対象から除外できるように、子の看護休暇や介護休暇についても労使協定を締結することで同様の措置ができることになっており、子の看護休暇では以下のいずれかに該当する労働者が対象除外の範囲とされています。
入社6ヶ月未満の労働者
1週間の所定労働日数が2日以下の労働者


 この範囲は、育児介護休業法施行規則案を見ても変更はなく、介護休暇についても労使協定の締結を行うことで子の看護休暇と同様の労働者の範囲を除外することができるようになっています。なお、日々雇用される労働者については、育児介護休業法第2条でそもそも除外されているため、労使協定で締結することもなく適用除外となります。今回の改正で多くの企業が労使協定を見直すかと思いますが、介護休暇についても忘れずに対応する必要があるでしょう。



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参考リンク
厚生労働省「育児・介護休業法の改正について」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/07/tp0701-1.html


(宮武貴美)

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