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【中国社会保険法】外国人適用のゆくえ

 「上海ではまだ外国人の社会保険の徴収は始まらないのでしょうか?」
 日系企業の駐在員の方から、最近時々このような問合せを頂きます。今から約3年前の2010年10月28日、「中国社会保険法」が新たに公布され、翌2011年7月1日から施行されました。この法律の本来の趣旨は、中国人の社会保険制度の整備に関する適用法ですが、本法において中国に在留している外国人に対する社会保険納付義務も定められたことで、現地の駐在員は言うに及ばず、駐在コストの上昇を懸念する日本本社の方にとっても大変気がかりな法律となっていました。

 その後、2011年10月15日からは「外国人適用に関する実施弁法」までもが施行され、北京市がいち早く徴収を開始したことを皮切りに、その後青島や蘇州・無錫なども続きました。いよいよ全国的な広がりを見せるかと思いきや、ここ2年くらいは新規に徴収が始まったという都市の情報は一向に耳にしなくなりました。

 中国の中でも5万人以上と最も多くの日本人が駐在している上海市では、社会保険の徴収が始まる気配すら感じさせません。一時はいつから徴収が始まってもよいように駐在員の社会保険料を計算し、引当金として内部留保をしていた企業も多かったものです。しかしながら、中国の場合、引当金に対しても課税がされてしまうため、年度末には一旦引き当てた額を取り崩さなければなりません。法律の施行からこれまで既に2回の決算を跨いでいますので、企業はその都度引当金を取り崩してきました。

 そのような状況もあり、上海市を含め、これ以上徴収が始まる都市は今後ほとんど現れないということも考えられます。既に徴収が始まっている都市によっては、徴収開始から法律施行まで遡って保険料を納めるよう指導があったところもありますが、法律の施行から既に3年が経とうとしている現在、徴収未実施の都市では、仮に徴収が始まったとしても今さら2011年の10月まで遡ってということはあまり考えられません。

 更に、中国社会保険法施行後、協議が順調に重ねられてきていると思われた日中二国間の社会保険協定も、2012年9月に日中関係に陰りが表れてきたとき以来、協議は進んでいないものと思われます。日中二国間の協定がいつ締結され、いつから発効されるかは、既に不確定な事項になってしまいました。

 新規徴収の開始が止まっている中国側の事情、日中二国間協議が進まない状況を考えると、一体あのときの騒動は何だったのだろうかという気持ちにもなってしまいますが、まだまだ安閑としてはいられないかも知れません。もしかすると上海市もある日突然、徴収義務が発生するかも知れないのです。その思惑や動向は、現在誰も予測することができなくなってしまっています。しかしながら、中国進出企業とその本社においては、今後も引き続き、社会保険の徴収に関する情報収集を行いながら、駐在コストの管理を行い続けて頂きたいと思います。(清原学)

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育児休業申請書

shoshiki550 育児休業の申出を行う際の申出書サンプル(画像はクリックして拡大)です。以前に提供した「育児・介護休業申出書」の育児のみの書式となります。
重要度:★★

[ダウンロード]
WORD
Word形式 shoshiki550.doc(38KB)
pdfPDF形式 shoshiki550.pdf(6KB)

[ワンポイントアドバイス]
 この申出は、書面によるほか、事業主が適当と認める場合には、労働者の希望により、ファックス、電子メール又はイントラネットを経由した専用のブラウザによる申出も可能(ただし、後二者については、労働者及び事業主が送信した情報を出力して書面を作成できるものに限る。)となっています。


関連blog記事
2010年3月3日「育児・介護休業に関する労使協定(平成22年6月30日施行対応版)」
https://roumu.com/archives/55366668.html
2010年2月18日「育児・介護休業規程(平成22年6月30日施行対応版)」
https://roumu.com/archives/55362738.html

 

(福間みゆき)

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離職票を受け取った従業員のハローワークでの手続き(7)再就職後、短期間で離職した際の取扱い

 離職票を受け取った従業員が何をするべきか宮田部長にレクチャーしてきたが、いよいよ今回が最後。少しイレギュラーな取り扱いではあるが、いまの宮田部長なら付いて来れるだろうと思い、大熊は話題に出した。
過去6回の記事はこちら
2013年7月22日「離職票を受け取った従業員のハローワークでの手続き(6)就職決定時に受給できる再就職手当とは」
https://roumu.com/archives/65620632.html
2013年7月8日「離職票を受け取った従業員のハローワークでの手続き(5)失業手当受給に必要な求職活動とは」
https://roumu.com/archives/65618803.html
2013年6月17日「離職票を受け取った従業員のハローワークでの手続き(4)病気や定年で受給期間を延長するには」
https://roumu.com/archives/65615474.html
2013年6月10日「離職票を受け取った従業員のハローワークでの手続き(3)認定日と失業認定申告書とは」
https://roumu.com/archives/65614341.html
2013年6月3日「離職票を受け取った従業員のハローワークでの手続き(2)待期と給付制限」
https://roumu.com/archives/65613496.html
2013年5月27日「離職票を受け取った従業員のハローワークでの手続き(1)離職理由の確認」
https://roumu.com/archives/65613436.html


大熊社労士:
 今日はお伝えしていた通り、再就職をした後、すぐに退職をしてしまった場合の基本手当(失業手当)の取扱いについて解説することにしましょう。
宮田部長:
 今回が最終回でしたよね、なんだかいろいろ勉強してきたな。
大熊社労士大熊社労士:
 そうですね。最初の頃にお話ししたものは忘れていませんか?ちょっと振り返ってみてくださいね。さて、失業手当は「働く意思と能力」があることを前提に、給付が受けられるものでしたよね。ですので、求職活動をしなければ給付が受けられません。それで、めでたく就職先が決まるとします。
宮田部長:
 失業手当は受けることができなくなりますね。場合によっては再就職手当がもらえる・・・でしたっけ?
大熊社労士:
 そうですね。その方がそのまま長く新しい就職先に勤務してくれれば特に問題ないのですが、再就職先でうまくいかず、退職というケースもありえます。
宮田部長:
 そういえば、当社でも以前に想像していた仕事とまったく違うという理由で1週間も経たずに辞めていった社員がいましたね。
大熊社労士:
 合わない仕事をいやいや続けているよりは、退職という選択肢を進むことも一つかと思います。ただ、宮田部長がおっしゃったように1週間も経たずに退職してしまうと、当然ながら、新しい会社で加入していた雇用保険で失業手当がもらえる状況ではありません。
宮田部長:
 確かに給与額もわずか、離職票を作る必要性があるの?と疑問に思ってしまいます。
大熊社労士:
 そのようなときは、以前の失業手当をもらうことができる場合があります。少し回りくどい言い方をしてしまいましたが、誰でももらえるわけではなく、まず、当初の受給資格期間・・・原則1年以内とお伝えしましたよね・・・内でなければなりません。
宮田部長:
 つまり、以前の会社をやめてから1年ということですね。
大熊社労士:
 はい、その通りです。1年でもらいきらないと、残りの日数分は消滅してしまいます。さらには求職の申込を再度行うことになります。
宮田部長:
 なるほど、失業手当は求職している人が対象ですもんね。それで、新しい会社を辞めた翌日から、受給できるのですか?
大熊社労士:
 そうです、と言いたいところですが、求職をしていることが必要ですので、退職後にハローワークに行き、届出をした日からになります(給付制限期間中だった場合には給付制限期間終了後)。だから気を抜いていると時間が経過し、もらい始める日も少なくなり、1年以内にもらいきれないという事態に発展したりします。
宮田部長宮田部長:
 それはたいへんですね。そういえば、前回教えていただいた再就職手当をもらった人はどうなるんですか?一時金でもらってしまったから、もう権利がなくなる感じですかね?
大熊社労士:
 鋭い質問ですね。再就職手当をもらった場合には、もらった日数分を差し引いた日数分についてはもらえることになります。
宮田部長:
 なるほど、そういう仕組みになっているんですね。だったら、再就職手当をもらっても安心・・・安心という表現は変か・・・・ですね!?
大熊社労士:
 はい、ちなみに新しい会社で12ヶ月以上(解雇等であれば6ヶ月以上)勤務し、新しい会社で加入した雇用保険で受給資格が得られる場合には、以前の受給資格における支給残日数がいくら残っていても消滅することになります。そして、もちろん受給資格の手続きも最初から行うことになりますので、少し手間ですね。
宮田部長:
 なるほど。良くわかりました。ありがとうございました。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
 こんにちは、大熊です。この連載も今日で最後です。最後までお読みいただいた方、ありがとうございました。今回の連載では、職業訓練を受けた場合の取り扱いや、就業手当についてなど、省いた部分もあります。いろいろなパターンがあるので、失業手当をもらうときには、ハローワークの職員の方に相談しながら、再就職の手続きをしてもらえればと思います。


関連blog記事
2013年7月22日「離職票を受け取った従業員のハローワークでの手続き(6)就職決定時に受給できる再就職手当とは」
https://roumu.com/archives/65620632.html
2013年7月8日「離職票を受け取った従業員のハローワークでの手続き(5)失業手当受給に必要な求職活動とは」
https://roumu.com/archives/65618803.html
2013年6月17日「離職票を受け取った従業員のハローワークでの手続き(4)病気や定年で受給期間を延長するには」
https://roumu.com/archives/65615474.html
2013年6月10日「離職票を受け取った従業員のハローワークでの手続き(3)認定日と失業認定申告書とは」
https://roumu.com/archives/65614341.html
2013年6月3日「離職票を受け取った従業員のハローワークでの手続き(2)待期と給付制限」
https://roumu.com/archives/65613496.html
2013年5月27日「離職票を受け取った従業員のハローワークでの手続き(1)離職理由の確認」
https://roumu.com/archives/65613436.html

参考リンク
ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」
https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_procedure.html

(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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休暇・欠勤・遅刻・早退・外出届

shoshiki549 従業員が休暇や欠勤、遅刻、早退や中抜けの届け出を行うことができる書式のサンプルです。

[ダウンロード]
WORDWord形式 shoshiki549.doc(35KB)
pdfPDF形式 shoshiki549.pdf(9KB)


[ワンポイントアドバイス]

 これらの届出はルーズになりがちで、口頭によって承認している場合もあると思いますが、管理上は書面に残しておく方が良いでしょう。勤怠集計の際に処理がスムーズとなり、給与計算ミスの防止にも繋がっていきます。有給休暇の取得の場合には有給管理表に反映させて、有給残日数が分かるようにしておきましょう。


[根拠条文]

労働基準法第109条(記録の保存)
 使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を3年間保存しなければならない。

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(福間みゆき)

新しい特別休暇制度の創設が求められているのですか?

 今日も暑い日差しの中、服部印刷に向かった大熊は、あまりの暑さに車から降りたところでのけぞってしまった。


服部社長服部社長:
 大熊さん、こんにちは。ニュースを見ていると、今年は熱中症がかなり多く発生しているようですね。当社でも対策を講じていますが、こうも多いと心配になりますよ。
大熊社労士:
 そうですよね。集注しすぎて気づいたら、4時間も5時間も、食事はもちろん、水分を摂らず、トイレにもいかずに仕事をしていたという人もいるようですから、気を付けたいですよね。
宮田部長:
 そんなことしたら、寿命が短くなっちゃいますよ~!
大熊社労士:
 そうですね。口酸っぱく言ってもやってしまう人がいるので、1時間に1回チャイムでも鳴らすというのは、集中をよい意味でリセットするものになるのかもしれませんね。
服部社長:
 さて、今日は私から質問があるのですが、よろしいですか?宮田部長から既に聞かれているかもしれませんが、小学校1年生のお子さんを持つ当社の男性従業員が、休暇の相談に来たのです。
大熊社労士:
 そうですか。休暇の相談ですか。
宮田部長宮田部長:
 そうえいば、お話ししていませんでしたね。実は、彼の奥さんの体調が悪く、入院して手術をすることになったそうです。ちょうど子どもが夏休みでもあり、面倒を見る人がいなくて、困っているとのことで、奥さんの入院中、おそらく2週間程度、休暇が欲しいと申し出てきたんです。まぁ、年次有給休暇(以下、「年休」という)が残っているとのことだったので、それを取ればよいのではないかと話をしたのですが、彼がそれを拒みまして。
大熊社労士:
 え?拒む…?
宮田部長:
 はい。聞いたところ、「長期休暇をもらうのは、自分の家の問題であり、周りのメンバーにも大きな迷惑をかけることになる。それなのに年休を使って給料をもらうなんて、すごく心苦しい」と言っているんです。
服部社長:
 その話を聞いて、私は少し感動してしまいました。それで、今回は周りのメンバーに宮田部長から説明をしてもらい、年休での取得ということで、対処をしてもらう予定なのですが、少し調べたら、最近「特に配慮を必要とする労働者に対する休暇」というものの推進が行われているという話を耳にしたので、それをお聞きしたいと思いまして。
大熊社労士:
 謙虚な気持ちをお持ちの従業員さんですね。なるほど、了解しました。特に配慮を必要とする労働者に対する休暇・・・長いので「特配休暇」と呼びますが、これは、休暇の目的や取得形態を労使による話し合いにおいて任意で設定できる法定外休暇のことを指しています。お話しに出ていた年休とは別の位置づけ、どちらかというと、特別休暇に近いイメージです。代表的な休暇の名称としては、ボランティア休暇、リフレッシュ休暇等ですかね。
服部社長:
 そういえば、東日本大震災後はボランティア休暇を創設するという同業者の社長もいましたね。
大熊社労士大熊社労士:
 そうですね。そもそもは厚生労働省が平成22年12月に一部改正した「労働時間等見直しガイドライン(労働時間等設定改善指針)」というもので、「特に配慮を必要とする労働者について事業主が講ずべき措置」という項目を作り、配慮が必要な人に対する取扱いをまとめたのです。これが特配休暇の始まりです。その一つとして「地域活動等を行う労働者」というものもあり、東日本大震災ではボランティア志願者も増え、ボランティア休暇制度の導入も一部で進んだものと思われます。
宮田部長:
 なるほど!それで、この配慮する人というのはどんな人ですか?私みたいに既に夏バテしている人も対象だったりします!?(笑)
大熊社労士:
 はい、対象ですよ、と言いたいところですが、対象とするかは会社次第です(笑)。
服部社長:
 却下!(笑)
大熊社労士:
 さて、ガイドラインに挙げられているのは、以下の7つです。
1.特に健康の保持に努める必要があると認められる労働者
2.子の養育又は家族の介護を行う労働者
3.妊娠中及び出産後の女性労働者
4.単身赴任者
5.自発的な職業能力開発を図る労働者
6.地域活動等を行う労働者
7.その他特に配慮を必要とする労働者
服部社長:
 なるほど、法律で休暇等の義務まではないけれども、一定の配慮ができるとよい人たちですね。今回の男性従業員の場合は、2.に当てはまってきそうな内容ですね。
大熊社労士:
 そうですね。ちなみに、この特配休暇は服部社長がおっしゃったように、あくまでも法律を上回る休暇制度の導入ですので、無給でも構いませんし、日数の上限を作ってももちろん問題ありません。できるだけ、真に配慮が必要な人が、制度の中で大きな気兼ねをすることなく、取得できるようにしていきたいですね。
服部社長:
 そうですね。ありがとうございました。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス
 こんにちは、大熊です。今回は特配休暇について取り上げました。長い職業人生の中で、一定期間、労働時間の設定を通常より短くせざるを得ない状況というのは、誰にでも起こり得るものです。すべてのものを対象にする必要はありませんが、労使双方で話し合い、必要と思われる休暇は、ルールの中でうまく活用できるようにしていきたいものですね。なお、制度を導入する場合には、就業規則の変更が必要になりますのでご注意ください。


参考リンク
厚生労働省「特別な休暇制度」
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/shigoto/kyuukaseido/index.html

(宮武貴美)

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年次有給休暇の算定基礎となる全労働日の取扱いが変更に

年次有給休暇の算定基礎となる全労働日の取扱いが変更に 労働基準法第39条で定められている年次有給休暇(以下、「年休」という)は、全労働日の8割以上出勤した労働者に付与されることとなっています。この「全労働日」とはどのような日を指すのか、具体的な内容は通達により解釈が示されていますが、今回、この通達の一部が変更になりましたので、本日はその内容について取り上げておきましょう。

【出勤率の基礎となる全労働日】
 以下のの一部が削除され、新たにおよびが加えられました。
年次有給休暇算定の基礎となる全労働日の日数は就業規則その他によって定められた所定休日を除いた日をいい、各労働者の職種が異なること等により異なることもあり得る。したがって、所定の休日に労働させた場合には、その日は、全労働日に含まれないものである。
労働者の責に帰すべき事由によるとはいえない不就労日は、3.に該当する場合を除き、出勤率の算定に当たっては、出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれるものとする。例えば、裁判所の判決により解雇が無効と確定した場合や、労働委員会による救済命令を受けて会社が解雇の取消しを行った場合の解雇日から復職日までの不就労日のように、労働者が使用者から正当な理由なく就労を拒まれたために就労することができなかった日が考えられる。
労働者の責に帰すべき事由によるとはいえない不就労日であっても、次に掲げる日のように、当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入するのが相当でないものは、全労働日に含まれないものとする。
(1)不可抗力による休業日
(2)使用者側に起因する経営、管理上の障害による休業日
(3)正当な同盟罷業その他正当な争議行為により労務の提供が全くなされなかった日

 なお、上記の取扱い変更に伴い、「全労働日が零となる場合の年次有給休暇」は削除されています。

 今回は最高裁判決で、解雇が無効となった後の年休請求に関する判断が出されたことによる変更となっています。このような案件が頻繁に出るとは限りませんが、押さえておきたい内容でしょう。


参考リンク
法令等データベース「年次有給休暇算定の基礎となる全労働日の取扱いについて(平成25年7月10日基発0710第3号)」
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T130718K0010.pdf

(宮武貴美)

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カムバック・エントリー登録シート

shoshiki548 カムバック・エントリー制度を設けた際に、その登録をしてもらうためのシートサンプル(画像はクリックして拡大)です。

[ダウンロード]
WORD
Word形式 shoshiki548.doc(37KB)
PDFPDF形式 
shoshiki548.pdf(9KB)


[ワンポイントアドバイス]

 再雇用時の手続きとして、退職時に登録してもらう方法と働くことができるようになったときに会社へ連絡してもらうという方法があります。


関連blog記事
2013年7月10日「カムバック・エントリー制度運用規程」
https://roumu.com/archives/55571013.html

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(福間みゆき)

雇用者に占める非正規従業員の割合は平成23年平均で38.2%と過去最高

非正規推移 近年、非正規従業員の増加が課題として挙げられていますが、先日、総務省は「平成24年 就業構造基本調査」の中でその最新のデータを公表しました。

 今回の調査の中では、「雇用者(役員を除く)」に占める「パート」や「アルバイト」などの「非正規の職員・従業員」の割合の推移を男女別に見ると、以下のようになっています。
全体 38.2%(平成19年比2.7ポイント増)
男性 22.1%(平成19年比2.2ポイント増)
女性 57.5%(平成19年比2.3ポイント増)

 このように雇用者の中で非正規従業員が占める割合は全体で38.2%となり、過去最高を更新しました。伸びで言えば、男性の非正規比率の伸びは顕著で、平成4年は9.9%と比較すると、20年間で2.23倍に急増しています。また女性は全体の57.5%が非正規となり、正規従業員としての就労の機会が非常に少ないことも明らかになっています。

 今春には労働契約法が改正されるなど、法制面での非正規対策は進められていますが、今後、どのような政策が打ち出されるかによって、我が国の雇用のあり方や国民生活が大きな影響を受けることになりそうです。


関連blog記事
2012年2月22日「雇用者に占める非正規従業員の割合は平成23年平均で35.2%と過去最高」
https://roumu.com
/archives/51912802.html

参考リンク
総務省「平成24年就業構造基本調査」
http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2012/index.htm

(大津章敬

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愛知県内企業の今春の賃上げは前年比▲167円の5,088円(賃上げ率1.65%)

愛知県内企業の今春の賃上げは前年比▲167円の5,088円 愛知県は、県内企業の春季賃上げ要求・妥結状況を、県内労働情勢の一つとして調査し、その結果をとりまとめました。調査は県内308社の回答で、平均年齢37.9歳、基準内賃金309,140円となっていますが、以下ではその概要について取り上げましょう。
妥結額5,088円 【前年比】167円減
賃上げ率1.65% 【前年比】 0.07ポイント減
※数値はいずれも加重平均

 なお、集計企業数の約7割を占める「製造業」の妥結額は5,789円で、前年と比べ81円の減となり、賃上げ率は1.88%で、前年と比べ0.03ポイントの減となりました。また、「製造業」の業種別の妥結額をみると、「輸送用機械器具」の6,318円がもっとも高く、「鉄鋼業」の3,154円がもっとも低くなりました。


参考リンク
愛知県「県内の企業における平成25年春季賃上げ要求・妥結状況調査結果をお知らせします」
http://www.pref.aichi.jp/0000063212.html

(大津章敬)

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離職票を受け取った従業員のハローワークでの手続き(6)就職決定時に受給できる再就職手当とは

 従業員が離職後にハローワークで行う手続きを大熊は説明してきたが、そろろそろ終盤。今日は、再就職手当のことを説明しようと思い、服部印刷に向かった。
過去5回の記事はこちら
2013年7月8日「離職票を受け取った従業員のハローワークでの手続き(5)失業手当受給に必要な求職活動とは」
https://roumu.com/archives/65618803.html
2013年6月17日「離職票を受け取った従業員のハローワークでの手続き(4)病気や定年で受給期間を延長するには」
https://roumu.com/archives/65615474.html
2013年6月10日「離職票を受け取った従業員のハローワークでの手続き(3)認定日と失業認定申告書とは」
https://roumu.com/archives/65614341.html
2013年6月3日「離職票を受け取った従業員のハローワークでの手続き(2)待期と給付制限」
https://roumu.com/archives/65613496.html
2013年5月27日「離職票を受け取った従業員のハローワークでの手続き(1)離職理由の確認」
https://roumu.com/archives/65613436.html


大熊社労士:
 今日は予定通り、失業手当をもらっている人が就職が決まったときの手続きについて確認しておきましょうか。
宮田部長:
 お願いします。
大熊社労士:
 就職が決まったら、当然、ハローワークに届け出る必要があります。当然ながら、就職すれば、失業手当はもらえなくなります。
宮田部長宮田部長:
 確かにそうですね。ん?就職が決まったら、その日から失業手当がもらえなくなっちゃうのですか?例えば今日(7月15日)、8月1日から働くことが決まった場合、明日からの分がもらえなくなっちゃうとか!?そうなるとハローワークに内定の連絡をするのはなるべくゆっくりしたほうがよいってことになりますよね。
大熊社労士:
 あはは、連絡をゆっくりとは考えますね。でもそこは就職の前日の7月31日分までもらうことができますよ。原則として、就職の前日にハローワークに行って、例の失業認定申告書の届出を行います。具体的には、就職の届出をするとともに、前日までの失業の認定を行うことになりますよ。
宮田部長:
 へぇ、ギリギリまでもらえるんですね。うれしいですね。
大熊社労士:
 確かにそうですね。さらに年齢、勤続年数、離職理由により失業手当がもらえる日数が変わりますが、その日数(支給残日数)が多く残っている人は「再就職手当」がもらえたりします。
宮田部長:
 再就職手当?
大熊社労士:
 早めに就職したお祝い金のようなものですよ。具体的には、所定給付日数の3分の1以上の支給残日数があるような場合(※)に、支給されるものです。
※他にも細かな支給要件あり
宮田部長:
 へぇ!それは嬉しいですね。実は、私がいま退職したとしたら、たぶん、それなりの日数をもらえると思うのですよね。もちろん、次の就職先を見つけることもしなくちゃなりませんが、せっかく払ってきた雇用保険料だから、まぁ、とりあえず、失業手当をほぼもらい終わるようなスケジュールで就職先を見つけようかなぁ、なんて思っちゃうなと感じていたのです。
大熊社労士:
 そう、まさにそういう人に早く就職してもらうためにも、このような再就職手当があるのですよね。そのため、再就職した時期、つまり、支給残日数が多い場合には、この再就職手当の額も大きくなるのです。
宮田部長:
 へぇ、そんな仕組みになっているんですか。
大熊社労士大熊社労士:
 はい。この額は、失業手当の日額(上限あり)に支給残日数と支給率を掛けて算出するのですが、支給残日数が3分の2以上のときは、支給率が60%、3分の2未満、3分の1以上は50%となります。例を挙げておくと、失業手当の日額が4,000円、所定給付日数が90日、支給残日数が60日の時点で就職するとなると、9日分の60日で、ちょうど3分の2の支給残日数になります。したがって支給率は60%となりますよね。計算すると、4,000円×60日×60%=144,000円が支給されるのです。
宮田部長:
 すごい!結構な額になりますね。本当にお祝い金だ!
大熊社労士:
 そうですね。ハローワークとしても早く就職することのインセンティブとしての位置づけですので、それなりの額を支給するなと私も感じていますよ。
宮田部長:
 それで、これはいつ頃もらえるものなのですか?
大熊社労士:
 よい質問ですね。失業手当は、認定から1週間程度で振込でしたが、この再就職手当は、1ヶ月以上はかかると思ってください。
宮田部長:
 額が大きくなったりするから、時間がかかるのですか?
大熊社労士:
 いやいや、そうじゃないんですよ。再就職ですので、例えば、就職後にすぐに退職してしまったような場合には、再就職手当の支給対象にはなりません。そのため、再就職手当の支給申請書が提出されて約1ヶ月後に調査が行われ、その結果を判断し、口座への振込手続きが行われる流れになります。
宮田部長:
 なるほど。いろいろあるのですね。

大熊社労士:

 そうですね。他にも手続きの細かなことがあったりするので対象となった場合は、しっかりと確認しておきたいですね。
宮田部長:
 まぁ、何にしても早く就職をしましょう、ということですね。
大熊社労士:
 はい、そうですね。それでは次回は最終回として、再就職をした後すぐに退職をしてしまった場合の取扱いについて説明することにしましょう。
宮田部長:
 了解しました。よろしくお願いいたします。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス
 こんにちは、大熊です。今回は再就職手当のことについて説明しました。再就職手当に該当しないケースでも、一定の要件を満たした場合には、「就業手当」や「常用就職手当」等を受けることができる人もいます。再就職が決まった状況ではハローワークでしっかりと確認をし、必要な手続きを進めましょう。


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2013年6月10日「離職票を受け取った従業員のハローワークでの手続き(3)認定日と失業認定申告書とは」
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2013年5月27日「離職票を受け取った従業員のハローワークでの手続き(1)離職理由の確認」
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参考リンク
ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」
https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_procedure.html

(宮武貴美)

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