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元上司が継続雇用で部下になる際に抵抗があると回答した人は57.6%

元上司が継続雇用で部下になる際に抵抗があると回答した人は57.6% 今年4月に改正高年齢者雇用安定法が施行され、原則65歳までの継続雇用が義務化されました。これを受け、60歳以降の労働条件や賃金制度の検討を開始している企業も増えているようですが、そのような中、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構から「定年後継続雇用者の戦力化に向けて―評価行動の実態」というニュースが公表されました。

 様々な項目が調査され、まとめられていますが、注目しておきたい内容として「元上司が部下になる抵抗感」というものがあります。調査結果では、元上司が60歳以降に部下になることについて、継続雇用者の部下を持つ管理職では57.6%が抵抗があると回答したとのことです。この数字を多いとみるか少ないとみるかは判断が分かれるところですが、プラス面・マイナス面の両方があり、調査結果では以下のようになっています。
プラスの評価
・経験を活かしたアドバイスがもらえる 81.8%
・面倒見がよい 68.6%
・人脈を持っている 62.6%
マイナスの評価
・柔軟性にかける 64.0%
・過去の経験に固執している 57.2%
・事務的な仕事を自分でやろうとしない 46.7%
・言うだけで行動が伴わない 43.1%

 個人によるところも大きく、継続雇用者を一括りで判断することは難しいのかも知れませんが、今後、継続雇用者は増加を続け、元上司が部下になることも一層増えてくるかと思われます。上司・部下それぞれの立場に立って、物事を考えられるようにしておく必要があるのでしょう。


参考リンク
独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「定年後継続雇用者の戦力化に向けて―評価行動の実態」
http://www.jeed.or.jp/news/download/news_147.pdf

(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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雇用関係助成金のご案内~雇用の安定のために【詳細版】が更新されました

lb20130821-l 前回、5月に公開された「平成25年度版 雇用関係助成金のご案内~雇用の安定のために【詳細版】」ですが、8月に内容が更新され、その最新版のダウンロードが開始されています。今年は多くの雇用関連助成金が多くの注目を集めていますので、最新の資料としてダウンロードの上、ご利用になられてはいかがでしょうか。
雇用関係助成金のご案内~雇用の安定のために【詳細版】のダウンロードはこちら
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/51280916.html


関連blog記事
2013年8月22日「雇用関係助成金のご案内~雇用の安定のために【詳細版】」
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/51280916.html

参考リンク
厚生労働省「雇用関係助成金のご案内 ~雇用の安定のために~【詳細版】」
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/koyouantei.html

(大津章敬)
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育児短時間勤務申出書

shoshiki552 育児短時間勤務の申出を行う際の申出書サンプル(画像はクリックして拡大)です。以前に提供した「育児・介護短時間勤務申出書」の育児のみの書式となります。
重要度:★★

[ダウンロード]
WORD
Word形式 shoshiki552.doc(35KB)
pdfPDF形式 shoshiki552.pdf(6KB)

[ワンポイントアドバイス]
 この短時間勤務制度は、1日の所定労働時間を原則として6時間とする措置を含むものとする必要があります。この 「原則として6時間」とは、1日の所定労働時間を6時間とすることを原則としつつ、通常の所定労働時間が7時間45分である事業所において短縮後の所定労働時間を5時間45分とする場合などを勘案し、短縮後の所定労働時間について、1日5時間45分から6時間までが許容されています。


関連blog記事
2010年3月3日「育児・介護休業に関する労使協定(平成22年6月30日施行対応版)」
https://roumu.com/archives/55366668.html
2010年2月18日「育児・介護休業規程(平成22年6月30日施行対応版)」
https://roumu.com/archives/55362738.html

 

(福間みゆき)

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労働保険事務組合ってなんですか?

 宮田部長は、先日かかってきた労働保険事務組合からの電話が心に引っ掛かっていた。そこで大熊の訪問日を待って尋ねることにした。


宮田部長宮田部長:
 大熊先生、先日「ロウドウホケンジムクミアイ」と名乗るところから、電話がかかってきたんです。「社長も労災保険に加入できますよ」という案内だったんですけど、このジムクミアイっていうのはどのようなものなのですか?
大熊社労士:
 かなり前に社長も加入できる労災保険制度という話をしたのですが、労働保険事務組合もこのときにちらっと説明しませんでしたか?
ましたね?
宮田部長:
 え!そうでしたか。すっかり忘れてしまいましたよ。
大熊社労士:
 私もうろ覚えなんですけどね。さて、この事務組合ですが、一般的にもっとも大きなメリットは、労災保険に加入することができない事業主や家族従事者なども労災保険に特別加入し、従業員とほぼ同じような保険の給付が受けられることかと思います。
宮田部長:
 そうか、労災保険は労働者災害補償保険だから、経営者は入ることができなかったんですよね。それが事務組合に加入することで、その特別加入ができるようになるのですね?
大熊社労士:
 はい、そうです。その他にも労働保険料の申告・納付等の労働保険事務を事業主に代わって処理することになっています。代行してくれるので、事務の手間が省けるという点もメリットになります。
服部社長服部社長:
 なるほど、当社はある程度従業員数がいて、福島さんのような優秀な人材を事務として配置しているので自社で事務処理ができるけれど、従業員数の少ない企業だと、事務担当を置いていなかったり、そもそも手続きが稀で、都度調べてやることが時間のロスになったりするだろうね。
宮田部長:
 社長、いらっしゃったのですね。びっくりした~。
服部社長:
 あ、すまないすまない。会議室の前を通ったら、大熊さんの声がしたものでね。失礼しました。
大熊社労士:
 いえいえ、とんでもないです。先ほどの話、まさに服部社長のおっしゃる通りです。書類を作成して、届出をする。一言で済ませるのであればこうなりますが、法改正もあれば、イレギュラーケースも出てくる。1年に何度あるか分からないような手続きならば、専門家に任せようという考え方もでてきますよね。
宮田部長:
 確かにそうですね。ところで他のメリットはないのですか?
大熊社労士大熊社労士:
 はい、この他に労働保険料の金額にかかわらず、労働保険料を3回に分割納付できるというものがあります。労働保険料は概算保険料総額が40万円以上(労災保険または雇用保険のみ加入は20万円以上)でなければ分納が認められていません。ただし、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している場合には延納が可能なのですよね。
服部社長:
 労働保険料は社会保険料と異なり、一度に支払わなければならないので、資金繰りで厳しい企業もあるでしょうからね。
宮田部長:
 でも、そういうのって組合費のようなものが必要だったりするのですよね?
大熊社労士:
 はい、どの事務組合に委託するかにもよりますが、入会金・委託手数料等が必要だったりします。加入を検討されるのであれば、事前にしっかりと確認しておきたいところですよね。
服部社長:
 なるほど。それでその事務組合にはどのような企業でも委託できるのですか?
大熊社労士:
 いえ、そもそもが中小企業を対象としていますので、以下のように業種と常時使用する労働者数で委託できるかが分かれます。
■金融・保険・不動産・小売業・・・50人以下
■卸売の事業・サービス業・・・100人以下
■その他の事業・・・300人以下
宮田部長:
 当社は製造業で従業員数が50名なので、委託しようと思えば、できるということですね。
大熊社労士:
 はい、おっしゃる通りです。また、委託できる事務の範囲も概ね以下のように決まっています。
(1)概算保険料、確定保険料などの申告及び納付に関する事務
(2)保険関係成立届、任意加入の申請、雇用保険の事業所設置届の提出等に関する事務
(3)労災保険の特別加入の申請等に関する事務
(4)雇用保険の被保険者に関する届出等の事務
(5)その他労働保険についての申請、届出、報告に関する事務
宮田部長:
 なんかよくわからないけど、かなりの範囲が委託できそうな雰囲気ですね。
大熊社労士:
 はい、そうですね。ただし、印紙保険料に関する事務並びに労災保険及び雇用保険の保険給付に関する請求等の事務は除かれています。つまり、育児休業給付については、委託できずに自社で処理をすることになります。
宮田部長:
 へぇ、その部分が切り離されていると不便ですね。
大熊社労士:
 確かにそうですね。ただ、特別加入をしたいというのであれば、逆に委託しないと加入できないということになりますので、そこはきちんと自社で整理しておくべき点になろうかと思います。
宮田部長:
 そうですね。ありがとうございました。

>>>
to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス
 こんにちは、大熊です。今日は労働保険事務組合について取りあげました。次回は特別加入するときの手続きについて取りあげることにしましょう。


関連blog記事
2009年6月1日「社長も加入できる労災保険制度があるのですか?」
https://roumu.com/archives/65100380.html

参考リンク
厚生労働省「労働保険事務組合制度とは」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhoken01/kumiai-seido.html

(宮武貴美)
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時間外労働・休日労働に関する協定書

shoshiki554 従業員に法定労働時間を超えて労働させる場合に、予め労使で作成・締結しておかなければならない労使協定書サンプル(画像はクリックして拡大)です。
重要度:★★★★★

[ダウンロード]
WORD
Word形式 shoshiki554.doc(44KB)
pdfPDF形式 shoshiki554.pdf(11KB)


[ワンポイントアドバイス]
 多くのケースでは、「時間外労働・休日労働に関する協定届」(第9号)を作成し、従業員の記名・押印のうえ、届出ることで済ましてします。本来、協定書と協定届をセットで届出る必要があり、これは通達(昭和53年11月20日基発第642号)で、労働者代表の押印等を加えることで、36協定の協定書とすることは差し支えないとされていることから、このような取扱いとなっています。 今後、過重労働対策がますます重要になっていくことから、時間外・休日労働の対象となる業種・対象者数、延長時間数などしっかり労使で話し合い、取り決めをしていくことが望まれます。

※第3条の表を修正し、ファイルを差し替えました(2014.5.30)。


関連blog記事
2013年3月13日「37.7%の事業所が36協定を未締結」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51982688.html

2009年11月26日「特別条項付き36協定に基づく延長通知書」
https://roumu.com/archives/55334925.html
2009年8月6日「特別条項を付記した時間外労働・休日労働に関する協定届(特別条項付き36協定)」
https://roumu.com/archives/55295087.html
2007年12月3日「36協定の限度時間と特別条項とは何ですか?」
http://blog.livedoor.jp/ookumablog/archives/64751919.html
2007年11月26日「大熊blog36協定の労働者代表はどのように選出すれば良いのですか?」
http://blog.livedoor.jp/ookumablog/archives/64742927.html
2007年11月19日「大熊blog本社で36協定を届け出るだけではダメなのですか?」
http://blog.livedoor.jp/ookumablog/archives/64734929.html
 

(福間みゆき)

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中国人事管理の先を読む!第65回「居留証の更新」

中国人事管理の先を読む!第65回「居留証の更新」 今回は、居留証の件で最近私自身が身をもって経験したことをお話します。

 2013年7月1日から「中国出入国管理法」が施行されています。これは外国人の中国への出入国の管理を強化するものです。「外国人に対するビザ発給制度の整備」「外国人の滞在・居留に関する整備」などが主な目的で、いずれも外国人の中国滞在に対する管理を強化していく内容のものです。私の場合、当然不法滞在はあり得ないわけで、出入国管理法に定められている管理体制についても一応は納得してはいたものの、対岸の火事のようなものと高を括っていましたが、たまたまこの7月に就業証と居留証の更新を控えていました。

 ご存知のとおり、就業証、居留証の更新にはそれぞれ5営業日くらいの日数を要しており、また就業証は特急料金200元を加算すれば、2営業日で手続きをしてくれていましたので、今回もそのつもりで国内、国外移動の予定を立てておりました。実際に更新手続きを行ったところ、まず今年から就業証の短縮手続き、つまり2営業日の手続きがなくなり、通常の5営業日を要する手続きしかできなくなっているとのこと。幸い早めに更新手続きを始めており、私の場合、当社スタッフに手続きを担当してもらっていましたので、こうしたケースはまあ一応想定内でした。

 ところが就業証の更新が終わり、居留証の手続き、つまり出入国管理局への申請を始めた段階で分かったのが、今まで5営業日で終わっていた手続きが15営業日もかかってしまうということです。7月から施行されている出入国管理法は一通り目を通していましたし、その内容についても把握していたつもりだったのですが、更新手続きが長くなるなどということはどこにも書かれていない。しかも手続きが10日間も長くなり(実際は土日も含めると約2週間)、その間日本でどうしても変更できない打ち合わせやセミナーなどの予定もあり、10日も待っていられないという事態が生じてしまいました。法律が変わる、あるいは新法が施行されるのはまだしも、このように重要なことはしっかり通知してほしいと思いながらもどうしようもなく、今回は結局、更新手続きを見合わせることにしました。

 みなさんも次回、就業証、居留証の更新をされる場合には、そのつもりで移動のご予定を立てられ、手続きの直前で慌てないようにしてください。


参考リンク
ビジネスフリーペーパー「Bizpresso」概要
http://bizpresso.net/about

(清原学)
http://blog.livedoor.jp/kiyoharamanabu/

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名古屋市「なごやワーク・ライフ・バランス実践塾」の参加者を募集

名古屋市「なごやワーク・ライフ・バランス実践塾」の参加者を募集 名古屋市は市内の企業のワーク・ライフ・バランスを推進するため、「ワーク・ライフ・バランス実践塾」(全2回)を開催し、その参加者を募集しています。
日程:2013年9月9日(月)および10日(火)午後2時から午後4時30分
講師:木谷宏氏(麗澤大学経済学部 教授)
参加対象:市内の企業経営者・管理者・人事担当者(定員30名)
参加費:無料
プログラム:
9月9日(月曜日)のプログラム
午後2時から午後2時30分
 イントロダクション及び全員の自己紹介
午後2時30分から午後3時30分
 【講義】ワーク・ライフ・バランスの背景・目的・課題
午後3時40分から午後4時30分
 【ワークショップ】自社の行動計画の共有化と講師アドバイス
9月10日(火曜日)のプログラム
午後2時から午後2時30分
 【講義】一般事業主行動計画の作成と活用について
午後2時30分から午後3時00分
 【ワークショップ】各グループごとでの発表準備
午後3時10分から午後4時30分
 【グループ発表】発表と講師講評、まとめ
会場:愛知県産業労働センター(ウインクあいち)1006会議室
申込方法
 下記の募集チラシを使用してファックスでお申込いただくか、法人名、所在地、電話番号、ファックス番号、参加者の氏名・ふりがな・所属部署・役職名・電子メールアドレスをご記入の上、電子メールにてお申込下さい。(受付は8月30日(金曜日)まで)
http://www.city.nagoya.jp/shiminkeizai/cmsfiles/contents/0000049/49715/wlb-panf.pdf

(大津章敬)
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TEL 052(229)0730
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介護休業申出書

shoshiki551 介護休業の申出を行う際の申出書サンプル(画像はクリックして拡大)です。以前に提供した「育児・介護休業申出書」の介護のみの書式となります。
重要度:★★

[ダウンロード]
WORD
Word形式 shoshiki551.doc(35KB)
pdfPDF形式 shoshiki551.pdf(6KB)

[ワンポイントアドバイス]
 この申出は、書面によるほか、事業主が適当と認める場合には、労働者の希望により、ファックス、電子メール又はイントラネットを経由した専用のブラウザによる申出も可能(ただし、後二者については、労働者及び事業主が送信した情報を出力して書面を作成できるものに限る。)となっています。


関連blog記事
2010年3月3日「育児・介護休業に関する労使協定(平成22年6月30日施行対応版)」
https://roumu.com/archives/55366668.html
2010年2月18日「育児・介護休業規程(平成22年6月30日施行対応版)」
https://roumu.com/archives/55362738.html

 

(福間みゆき)

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中国からの撤退と従業員に対する措置<前編>

 中国進出企業の人件費負担が増えています。従来、利益を確保できていた事業であっても、特に労働集約型の企業においては、人件費の高騰が利益を圧迫し、厳しい経営状況を強いられてきています。昨今の日中関係の悪化が影響し、中国から事業の撤退を考えている企業は多くありませんが、肝心の事業が中国の高コストに振れていく投資環境において、労賃が安い東南アジアへ事業そのものの移管を計画している企業は年々増加の傾向にあるようです。

 以下は、北京市の2001年から2012年までの最低賃金の推移を表にしたものです。私が滞在している上海市でも、滞在を始めた13年前は最低賃金が650元/月程度だったと記憶しています。それが2013年現在では1620元/年となっています。この10数年の間で約1000元も最低賃金が上昇したことになります。最低賃金が上昇するということはそれにつられ、残業手当や社会保険料も増加します。そのように考えると人件費全体の上昇幅は相当な比率になってくることがわかります。

中国撤退2

 
 

 
 中国での人件費の高騰に悩まされる企業は、事業所全体を中国から引き揚げ、相対的に人件費の安い国や地域に事業所を移そうとします。いわゆる中国からの撤退です。撤退と一言で言ってもそうやすやすと事業所を閉めるわけにはいきません。中国の投資環境というものは、「行きはよいよい、帰りは怖い」という言葉で表されるように進出の際は比較的簡単に法人設立ができますが、撤退するときには非常に時間と労力がかかります。下手をすれば撤退できないという企業も出てきたりします。

 その原因のひとつは管轄当局との関係の問題です。一般的に外資企業の中国投資(進出)は「中国工商局」という部門が担当します。進出のときにはこの工商局が営業許可を下すわけですが、撤退の際にもこの工商局が絡んできます。事業によっては、例えば運輸や金融のように特殊な事業であると、中国での事業に対する規制が厳しいものについては交通部とか財務部のような部局まで関係してきます。

 中国にとって外資企業の進出は大きな投資資金を運んでくれるため、基本的に歓迎ムードなのですが、撤退となりますと税収が減る、国民の雇用機会が減少するなど、国や地方行政にとってはマイナスなため、できるだけ撤退させないように動くか、あるいは大変な時間を費やせさせて処理を行わせようと企てます。中には、今まで税制面で優遇してきたのだから、撤退するのであれば享受してきた税金の差額を納めろ、などという、非常に乱暴な命令を出すケースもあります。このような背景があるため、外資企業は「中国事業は割に合わない。でも撤退したくても撤退できない」という状況に陥ってしまうのです。<次回後編につづく(清原学)>

 
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契約社員でも育児休業が取れるのですか?

 服部印刷に訪問する前日、服部社長から電話があり、「育児休業のことについて相談したい」と言われていた大熊。到着すると、服部社長が待っていた。


服部社長:
 大熊さん、こんにちは。いつもお世話になっています。
大熊社労士:
 こんにちは。暑い日が続いていますね。さて、今日は育児休業のことでご相談があると伺っていましたが、どのようなことですか?
服部社長服部社長:
 連絡したのは、知り合いの会社のことなんですけどね、契約社員が妊娠をして、育児休業を取りたいと申し出てきたようなんです。福島さんが育児休業を取っていたので、以前、その話をしたことを覚えていたんでしょうね。
大熊社労士:
 なるほど、そういうことだったのですね。
服部社長:
 もちろん、子どもが増えるということは日本全体にとって良いことではあるのですが、契約社員となるとどうなんだろう、というのが知り合いの戸惑いのようです。
大熊社労士:
 そうですね、契約社員となると、基本的にはその仕事のために来てもらっているということになるので、期間途中で休業に入り、出て来れなくなると会社としては困りますよね。ですので法律れも、育児休業を取得できる人について一定の要件を設けています。
宮田部長:
 一定の要件?
大熊社労士:
 はい、契約社員・・・つまり有期雇用の場合であっても、長く契約されているのであれば、そして、育児休業後も長く雇用が見込まれるのであれば、育児休業は取らせてあげてくださいねというスタンスです。
服部社長:
 「長く」の長さがポイントになりそうですね。
大熊社労士大熊社労士:
 そうですね。具体的な内容に踏み込みましょう。契約社員が育児休業を取れるといのうは、申出の時点で、以下のからまですべてを満たすこととされています。長さとしては、1年、1歳、2歳が出てきます。
同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること
子の1歳の誕生日以降も引き続き雇用されることが見込まれること
子の2歳の誕生日の前々日までに、労働契約の期間が満了しており、かつ、契約が更新されないことが明らかでないこと
 まず、についてですが、入社して半年で育児休業を取りたいという申し出があったとしても、それは会社として断ることができます。
宮田部長:
 面接のときには妊娠していることについて気づかず、入社していたら妊娠が発覚!というケースとかありそうですね。
大熊社労士:
 そうですね。そして、については、育児休業は取ったけれど、復帰するときに・・・復帰というのは子が1歳になるときが多いかと思いますが・・・既に契約期間が満了しているというのであれば、取らせなくてもよいことになります。
服部社長:
 なるほど長期雇用を前提にしているからという理解ですね。
大熊社労士:
 そうですね、育児休業というのは、長期雇用の中で一定の期間、育児のために休むことも必要だよねということで認められているものですので、復帰時に契約がないような人までをも含める必要はないということになります。そして、もう一つの要件もそれを示しています。
宮田部長:
 「子の2歳の誕生日の前々日までに、労働契約の期間が満了しており、かつ、契約が更新されないことが明らかでないこと」というものですね。
大熊社労士:
 そうです。育児休業を取って、復帰したとしても復帰後の勤務期間が短いのであれば、やはり育児休業を取らせなくてもよいということになります。
服部社長:
 なるほど。特にが重要になりそうですね。
大熊社労士:
 そうですね。ちなみに厚生労働省ではこの判断をフローチャートにまとめており、このリーフレットの中にありますので、ご確認くださいね。
宮田部長宮田部長:
 大熊先生、ふと気になったのですが、契約社員と結ぶ雇用契約書等には、「契約を更新する場合がある」というような表現をするじゃないですか。こういう場合には、はどのように判断するのですか?
大熊社労士:
 とても良い質問ですね!実務的に微妙な判断にはなりますが、厚生労働省から発行されているパンフレットで確認すると、「契約を更新する場合がある」というのは更新の可能性の明示があると判断されており、申出時点の契約と同じ長さでもう一度契約が更新されたならば、その更新後の労働契約の期間の末日が子の1歳の誕生日以後になるのであれば、の要件を満たすということになっています。
服部社長:
 大熊さんがおっしゃるように確かに微妙な判断になりそうですね。
大熊社労士:
 そうですね。特に近年はご存じのとおり、契約社員も含めた非正規労働者の増加が著しく、またその大部分が契約の更新がありうる前提で働いているので、育児休業が取れる・取れないというトラブルが増加しています。
服部社長:
 それに合わせて少子化の解消や女性労働力の活用となると、国としては契約社員であっても育児休業を取らせる方向に判断していきそうですね。
大熊社労士:
 おっしゃるとおりです。よほど要件に明確に合致していない場合でなければ取得させる必要があるという状況になりがちです。
服部社長:
 会社としてはそのようなリスクを持っているということを十分に理解しておく必要があるのでしょうね。
大熊社労士:
 そうですね。あ、「取得させる必要がある」というような表現をしてきましたし、服部社長も「リスク」というような表現をされていますが、子どもがたくさん生まれてくるのは、社長も私も大賛成ですよね。ただ、企業経営という視点から立つと厳しいので、どうしてもこういう表現になってしまいますね。
服部社長:
 そうですね。でも、少子化の進行を少しでも食い止め、育児を本当に支援するのであれば、契約社員の育児休業も含めて支援をしていく必要がある。そのためには、個別の人に依存した体制から、仕事を良い意味で移せるような見える化が必要なのでしょうね。
大熊社労士:
 おっしゃる通りだと思います。お知り合いの方にもよろしくお伝えください。

>>>
to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス
 こんにちは、大熊です。有期契約労働者の育児休業については、特にこのような要件に合致しなくても、とることができるような仕組みにしている会社もあるようです。この場合、雇用保険の取扱いで注意すべき点がありますので、これはまたの機会に説明することにしましょう。


関連blog記事
2013年5月20日「産休期間中の社会保険料免除は2014年4月施行となりました」
https://roumu.com/archives/65612498.html
2013年5月13日「育児休業中には住民税の徴収が猶予されるのですか?」
https://roumu.com/archives/65611375.html
2013年5月6日「育児休業給付が支給されている期間は失業手当の勤続年数に入りますか?」
https://roumu.com/archives/65610218.html
2013年4月15日「育児休業中の社会保険料について確認させてください」
https://roumu.com/archives/65607299.html

参考リンク
厚生労働省「有期契約労働者の育児休業取得推進に向けて」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/pdf/ikuji_h23_3.pdf
厚生労働省「育児休業や介護休業をすることができる期間雇用者について(平成24年7月)」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/07/dl/tp0701-1x.pdf

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