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[ワンポイント講座] 兼業禁止規定の有効性

 正社員として勤務している者が、会社に報告しないで休日にアルバイトをしている場合、会社はこのアルバイトを禁止することはできるのでしょうか?会社としては社員には自社での本来の業務に集中して仕事をしてもらうことを期待し、また社外での活動により会社の信頼を傷つけないかが懸念されるところでもあるはずです。そこで今回のワンポイント講座では、就業規則における兼業禁止規定の有効性について取り上げてみましょう。


 そもそも就業規則に兼業禁止規定が置かれている趣旨としては、社員は会社との労働契約の中で1日のうちの特定の時間について労務を提供する義務を負っており、アルバイトをすることでしっかり休息がとれず、仕事の能率が低下したり、あるいは過重労働にならないようにしたいということがあります。そのため、兼業により肉体的精神的疲労が蓄積し労務提供に大きな支障がある場合には解雇もやむを得ませんが、現実的に支障が生じておらず、職場秩序にも影響がないような場合には、社員だからといって兼業を禁止することは難しいという考え方があります。裁判例をみると、土木建築工事会社の社員がキャバレーのリスト係や会計係として深夜におよぶ6時間の勤務に従事していたことにより解雇された事案では、「労働者がその自由となる時間を精神的肉体的疲労回復のための適度な休養に用いることは次の労働日における誠実な労務提供の基礎的条件をなす」こと、「兼業の内容によっては企業の経営秩序を害し、または企業の対外的信用、体面が傷つけられる場合もあり得る」ことから、就業規則の兼業の事前承諾制度の合理性を認めた例(小川建設事件 東京地裁 昭和57年11月19日決定)がありますが、国際タクシー事件(福岡地裁 昭59年1月20日判決)のように兼業をしていても業務への具体的支障がないことを理由に、解雇を無効とした事案も少なくありません。


 一時帰休を実施している企業では社員からアルバイトの相談を受けるようなケースもみられますが、会社としては、アルバイトを認める基準を設け、届出制ではなく許可制とすることが望まれます。併せて、兼業することで過重労働が懸念されるため、会社は社員に対してアルバイトをする際の注意点を事前に説明しておくべきでしょう。



関連blog記事
2009年7月15日「[ワンポイント講座]社員がダブルワークを行う際の留意点」
https://roumu.com
/archives/51588137.html


(福間みゆき)


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雇用調整助成金 様式第1号(2)・様式第2号(2)雇用調整実施事業所の事業活動の状況に関する申出書(平成21年12月版)[旧版]

雇用調整実施事業所の事業活動の状況に関する申出書 雇用調整助成金および中小企業緊急雇用安定助成金の申請において、初回の申請時に添付することになっている雇用調整実施事業所の事業活動および雇用の状況に関する申出書の様式(画像はクリックして拡大)です。
重要度:

[ダウンロード]
WORD
Word形式 shoshiki348.doc(55KB)
pdfPDF形式 shoshiki348.pdf(102KB)

[ワンポイントアドバイス]
 平成21年12月1日に行われた要件緩和により、様式が変更となりました。記入することになっている(1)月間生産高については、事業所でどのような事業を行っており、それを数量で表すものとして何があるのかを検討してみましょう。なお、計画届を提出する際には、数量(事業所全体の生産高、売上高等)の確認ができる書類を添付する必要があります。

平成23年4月8日に改正された書式は、以下のリンク先にあります。
https://roumu.com/archives/55463395.html


関連blog記事
2009年12月17日「雇用調整助成金 様式第1号(1)休業等実施計画(変更)届」
https://roumu.com/archives/55342644.html
2009年12月11日「12月に要件緩和された雇用調整助成金の最新リーフレット ダウンロード開始」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51664654.html
2009年12月8日「[速報]新緊急経済対策における雇用対策の概要」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51664028.html
2009年12月3日「雇用調整助成金の生産量要件が緩和されました」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51660362.html

 

(福間みゆき)

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在宅勤務者の労働者性はどのように判断するのですか?

 服部印刷では現在、育児休業を取得している社員がおり、その社員から復帰に当って在宅勤務を認めてもらえないかという申し出があった。そこで宮田部長は、在宅勤務について大熊社労士に相談することにした。



宮田部長:
 大熊先生、こんにちは。この週末はとても寒かったですね。
大熊社労士大熊社労士:
 そうですね。日本海側を中心に大雪になったようですね。これからの時期は雪で公共交通機関に乱れが出やすいので、それで遅刻をした社員についてどのように扱えばよいかという質問が増えそうです。
宮田部長:
 なるほど、労務の相談もシーズンによって変わるのですね。夏は熱中症対策のような相談も多いでしょうしね。さて、今日は育児休業終了者から在宅勤務の相談があったものですから、在宅勤務制度の取扱いについて教えてもらいたいと思っています。
大熊社労士:
 わかりました。最近はインターネットの普及で、職種によっては在宅でもかなりの仕事ができるようになっていますので、育児や介護などの事情があり、社員が退職することなく仕事を続けることができる手段として、在宅勤務制度を導入する企業が少しずつ増えていますね。今回は社員の方が在宅勤務者になるというお話ですが、SOHOのように個人の方が企業から業務を請負い、在宅で勤務するような場合もあります。
宮田部長宮田部長:
 なるほど。一言で在宅勤務といっても、労働者として在宅勤務するケースと業務を請負い在宅で仕事をするようなケースの2つに分かれるのですね。
大熊社労士:
 そのとおりです。同じ在宅勤務者であっても、労働基準法に定める「労働者」に該当するか否かが分かれるため、会社の方で「労働者」に該当しない在宅勤務を導入する場合は、労働者性の要素がないようにしておく必要があります。
宮田部長:
 具体的にはどのように考えれば良いのでしょうか?
大熊社労士:
 はい、これは通常の労働者と同じ基準によって判断します。基本として、その者が労働者であるか否かをを判断する要素は(1)使用従属性と(2)労働者性の2点があり、この(1)使用従属性に関する判断基準は(1)-1「指揮監督下の労働」に関する判断基準と、(1)-2報酬の労務対償性の有無から検討します。具体的にみていくと、(1)-1「指揮監督下の労働」に関する判断基準とは以下の4つの要素から構成されます。
(イ)仕事の依頼、業務従事の指示等に対する諾否の自由の有無
(ロ)業務遂行上の指揮監督の有無
(ハ)拘束性の有無
(ニ)代替性の有無(※指揮監督関係の判断を補強する要素)
 次に、(1)-2報酬の労務対償性の有無とは、報酬が時間給や月給等、時間を単位として計算されている場合は、「使用従属性」が強いのではないかと考えられ、補強する重要な要素となります。
宮田部長:
 指揮命令権の有無や仕事の依頼があったときの諾否の自由があるか否かという点がポイントになるのですね。
大熊社労士:
 そのとおりです。次に「労働者性」については、(2)-1事業者性の有無や(2)-2専属性の程度などから判断することになります。(2)-1事業者性の有無は、機械・器具の負担関係と報酬の額からみていくことになり、自宅に設置する機械、器具が会社より無償貸与されている場合には、「事業者性」を薄める要素として考えることになります。報酬の額については、その額が、同じ会社で同様の業務に従事する社員と比べて著しく高額な場合には「労働者性」を薄める要素として考えることになります。
宮田部長:
 請負の場合は、機械・器具の負担をさせておいた方が良いのですね。
大熊社労士:
 そうですね。(2)-2専属性の程度とは、例えば他社の業務に従事することが制約されているような場合は専属性の程度が高く、「労働者性」を補強する要素のひとつとして考えることになります。また、報酬に固定給部分が設けられているような場合は、生活保障的要素が強いとされる場合があり、「労働者性」を補強する要素のひとつになるようです。その他、報酬について給与所得としての源泉徴収を行っているか否か、労働保険の対象としているか否か、採用、委託等の際の選考過程が社員の場合と同じような取扱いになっているか否か等は、「労働者性」の有無が明確とならない場合に判断基準のひとつとして考えることになりますので、注意が必要です。
宮田部長:
 業務委託にするような場合は、社員との扱いと明確な違いを設けて取扱う注意がありますね。次回は、在宅勤務の導入する際のポイントを教えてください。


>>>to be continued


[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。今回は在宅勤務者の労働者性について取り上げてみましたが、ここで業務委託による在宅勤務を行う場合の業務委託契約書について補足しておきましょう。この契約書には、主に以下の項目について定めることになります。
(1)委託業務の内容
(2)契約期間・納期
(3)支払金額(委託料)
(4)支払方法(一括、分割、現金、手形など)
(5)機密保持(別途、機密保持契約書を締結する場合あり)
(6)解除要件


 会社としては、契約時に業務委託の内容を明確にしておき、後でトラブルにならないように契約書を締結しておくことが求められます。



関連blog記事
2008年11月12日「[ワンポイント講座]在宅勤務者の労働時間はどのように取り扱うのか」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51447800.html


(福間みゆき)


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雇用調整助成金 様式第1号(1)休業等実施計画(変更)届[旧版]

様式第1号(1)休業等実施計画(変更)届 雇用調整助成金および中小企業緊急雇用安定助成金の申請において、毎回提出する必要がある休業等実施計画(変更)届の様式(画像はクリックして拡大)です。
重要度:

[ダウンロード]
WORD
Word形式 shoshiki347.doc(67KB)
pdfPDF形式 shoshiki347.pdf(125KB)

[ワンポイントアドバイス]
 初回の実施計画届の提出は、原則、雇用調整開始日の2週間前までとなっています。2回目以降については、雇用調整開始日の前日までとされています。休業予定日に変更が生じた場合は、速やかに変更を届け出る必要がありますが、届け出た予定日の範囲内で減少する場合は、変更届の提出を省略できます。

平成23年4月8日より様式が変更となっております。新様式は以下のリンク先よりご利用ください。
https://roumu.com/archives/55463393.html


関連blog記事
2009年12月11日「12月に要件緩和された雇用調整助成金の最新リーフレット ダウンロード開始」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51664654.html
2009年12月8日「[速報]新緊急経済対策における雇用対策の概要」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51664028.html
2009年12月3日「雇用調整助成金の生産量要件が緩和されました」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51660362.html

 

(福間みゆき)

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2月開催の医療人事セミナー(東京・大阪)好評につき東京会場の定員を拡大

社労士向け医療福祉業界人事労務セミナー開催決定! 先日よりご案内しておりますセミナー「社会保険労務士が知っておきたい医療機関・福祉施設経営の基礎知識と人材採用・定着の実践ノウハウ」ですが、当社の予想以上に多くのお申込みを頂いており、東京会場については満席が近付いてきました。そこで東京会場につきましては同時間帯に同じ総評会館の別の研修室を確保し、同時並行(2会場で前半後半の講師が入れ替わる)で研修を開催することとしました。これにより定員を60名ほど拡大できましたので、この機会に是非ご参加下さい。なお大阪会場も定員に達する可能性がありますので、お申込みはお早めにお願いします。



 医療機関・福祉施設では、その収入のあり方が厚生労働省の施策である診療報酬制度や介護保険制度によって左右されることは広く知られているところですが、こうした制度に基づき看護師などを一定数以上確保しなければならないため、人材の採用や定着を初めとした人事労務管理の適正化は安定した経営を実現しようとする際の最大のポイントとなっています。特に看護師などの資格者についてはその需給バランスが崩れやすい環境にあることから、医療機関・福祉施設においては一般企業以上に処遇などの労働条件を巡っての人事労務トラブルが多いといわれており、その問題解決については根強いニーズがあるところでもあります。


 そこで今回、医療機関・福祉施設の関与にあたって知っておくべき経営や人事管理の基礎知識に関して、それぞれの専門家が様々な経験から培ったノウハウをお伝えします。医療機関・福祉施設をクライアントに持つ、もしくは今後拡大したいと考えていらっしゃる社会保険労務士の皆様には必聴のセミナーとなっておりますので、是非ご参加下さい。なお、本セミナーはLCG会員以外の一般のみなさまもご参加いただけますで、是非お申込み下さい。


セミナー総合タイトル:
社会保険労務士が知っておきたい医療機関・福祉施設経営の基礎知識と人材採用・定着の実践ノウハウ



【第一部】社会保険労務士が知っておきたい医療機関・福祉施設経営の基礎知識
講師:株式会社名南経営 常務取締役 奥村尚弘
時間:午後1時30分より午後3時(東京B会場は午後3時15分より午後4時45分)



 医療機関・福祉施設の経営は、基本的には診療報酬・介護報酬等による収入によって経営が行われます。さらには医療法・医師法・療養担当規則など様々な医療福祉固有の法律規制の中で経営が行われます。この診療報酬制度や介護報酬制度は、数年に一度抜本的な見直しが行われ、それによって従来と同様の診療等を行っていても収入が大幅に異なってくることがあります。今回のセミナーでは、こうした制度の仕組みをはじめとして、医療機関・福祉施設のクライアントを有する、もしくは今後拡大しようと考えている社会保険労務士が知っておくべき医療・福祉業界特有の知識や情報等について、わかりやすくお話します。
(1)医療保険制度の概要と医療関連法規の基礎知識
(2)診療報酬・介護報酬の基礎知識
(3)医療法人制度の基礎知識
(4)医療機関・福祉施設における専門用語の基礎知識



【第二部】人事コンサルタントが教える医療機関・福祉施設における人材採用・定着の実践ノウハウ
講師:株式会社 名南経営 人事コンサルタント 服部英治
時間:午後3時15分より午後4時45分(東京B会場は午後1時30分より午後3時)



 医療機関や福祉施設においては、安定したサービスを提供するためにも人材の定着が経営における大きな課題となっています。仮に職員の入替えが頻繁に生じるような状況にあるとすれば、患者に対して技術面やサービス面の不安を与え、更にはそれが「口コミ」によって地域に拡大するというリスクを孕んでいることとなります。事実、地域において評判の良い医療機関・福祉施設を見てみると、人材の定着が良く、それが一定以上の技術やサービスの提供に繋がっていることが分かります。今回のセミナーでは、そうした評判の良い医療機関・福祉施設になるために人材の採用方法や定着はどのように考えればよいのか、社会保険労務士が医療福祉のクライアントにアドバイスをする際のポイントについて分かりやすくお話させて頂きます。
(1)評判のよい医療機関・福祉施設の特徴
(2)人材の定着と人件費率の考え方
(3)問題職員を発生させないための取組み
(4)人材確保に困らない医療機関・福祉施設の事例
(5)なぜ看護師・介護士は3年以内に退職をするのか?その傾向と対策
 
[開催概要]
【東京会場】
日 時 平成22年2月10日(水)午後1時30分から午後4時45分
会 場 総評会館 A会場:201会議室 B会場:402会議室(東京・御茶ノ水)
定 員 70名+60名
【大阪会場】
日 時 平成22年2月15日(月)午後1時30分から午後4時45分
会 場 エル・おおさか 709会議室(大阪・天満橋)
定 員 80名



[受講料]
一般 20,000円
LCG特別会員 3,000円 LCG正会員 5,000円(1名まで。2人目からは15,000円)
LCG準会員 15,000円 ※いずれも税込み
 
[詳細およびお申込み]
 本セミナーの詳細およびお申込みは以下よりお願いします。
http://www.lcgjapan.com/sr/seminar/1002igyo.html 




関連blog記事
2009年11月25日「服部英治最新単行本「最新/医療機関の就業規則・諸規程完全マニュアル」12月発売決定」
https://roumu.com
/archives/51656634.html


(大津章敬)


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プライバシーに配慮して障害者の把握を行うにはどのようにすればよいのでしょうか?

 服部印刷では、来年7月より段階的に障害者雇用納付金制度の対象事業主が拡大されることから、障害者雇用の検討を開始した。そこで、障害の有無を採用段階でどのように把握・確認していったらよいのか、大熊社労士に相談することにした。



宮田部長:
 大熊先生、こんにちは。今年も残すことをあと半月となりましたね。
大熊社労士:
 そうですね。本当に毎年、あっという間に1年が過ぎてしまいますよ。
宮田部長宮田部長:
 さて今日は、障害者の把握・確認方法について教えてください。採用にあたって、事前にどのような配慮が求められているのか勉強しておきたいと思います。
大熊社労士:
 分かりました。個人情報保護法の関係から、社員の個人情報については利用目的を明確にした上でその範囲内で使用する必要があります。中でも障害者の方については一層の配慮が求められるため、厚生労働省から「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」というもとが出されています。
宮田部長:
 会社としては、このガイドラインに基づいて、障害者の把握・確認をしていくことが必要なのですね。
大熊社労士:
 はい。会社の方で情報を利用するケースとしては、障害者雇用状況の報告、障害者雇用納付金の申告、障害者雇用調整金または報奨金の申請のためなどが挙げられます。そして、取得した個人情報は基本的には毎年利用することになりますので、そのことも伝えておく必要があります。
宮田部長:
 この個人情報は毎年、会社で確認する必要があるのでしょうか?
大熊社労士:
 確認は必要最小限にすべきですね。場合によっては、障害等級の変更や手帳に有効期限が設けられているケースがありますので、その都度申し出てもらうように手続を示しておくと良いですね。併せて、本人の同意を得るにあたっては、どのような目的で使用するのか、しっかり説明しておくことが望まれます。
福島照美福島さん:
 採用した際に障害者であることを把握していれば、個別にお願いできますが、勤務している者の中から障害者を把握するにはどのようにすれば良いのでしょうか?
大熊社労士:
 はい。ガイトラインで示されている方法としては、例えば社内LANが整備されている場合に掲示板に案内をしたり、社内報で知らせるという方法があります。また、呼びかける際には利用目的を知らせ、「業務命令として、この呼びかけに対する回答を求めているものではないこと」も伝えておくことが望まれます。
宮田部長:
 会社としてはしっかり説明を行い、従業員に協力をお願いするという形ですね。
大熊社労士大熊社労士:
 そのとおりです。また実際に提供された情報の取扱いについても注意が必要であり、障害者であることを明らかにする書類を備え付ける必要があり、本人の死亡・退職または解雇の日から3年間は保存する必要があります。また、障害者雇用状況の報告書等の漏洩防止や情報の安全管理のために必要な措置を講じることが求められています。


>>>to be continued


[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。今回はプライバシーに配慮した障害者の把握について取り上げてみましたが、以下では本人から情報の利用停止の申出があった場合について補足しておきましょう。会社は、本人から障害者雇用状況の報告等のために利用しないよう要求された場合、その求めが適正であると認められるときは、利用を停止する必要があります。具体的には、障害者雇用状況の報告等以外の目的のために利用されているという理由や、情報が偽りその他不正の手段を用いて取得されたという理由、本人の同意無く、情報が第三者提供されているという理由によって、障害者雇用状況の報告等に利用しないように求められた場合が該当します。そのため、会社としては、本人に同意なく、利用目的の範囲を超えて情報を取り扱ってならないことに注意が必要です。



関連blog記事
2009年6月29日「平成21年4月に改正された障害者雇用促進法とはどのような内容ですか」
https://roumu.com/archives/65111013.html
2009年5月13日「[改正障害者法]分割支給が可能となった障害者雇用調整金(最終回)」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51544556.html
2009年5月12日「[改正障害者法]事業協同組合等算定特例の創設(第5回)」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51544555.html
2009年5月11日「[改正障害者法]常用雇用労働者数のカウントへの短時間労働者の追加(第4回)」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51543612.html
2009年5月8日「[改正障害者法]障害者雇用率算定における短時間労働者の算入(第3回)」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51543611.html
2009年5月7日「[改正障害者法]適用から5年間に限り行われる障害者雇用納付金制度の特例(第2回)」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51543607.html
2009年4月24日「[改正障害者法]常時雇用労働者101人以上の企業にまで拡大される障害者雇用納付金制度」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51541112.html
2009年4月20日「4月に創設された障害者雇用に関するグループ算定特例」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51539278.html
2009年4月10日「平成22年7月に予定される障害者雇用の除外率10%引き下げの概要」


参考リンク
厚生労働省「障害者雇用対策の概要」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha02/index.html


(福間みゆき)


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身元保証契約解除の通知書

身元保証契約解除の通知書 身元保証人への通知書を受けて、身元保証人から会社との身元保証契約を解除したい旨の通知を行う文書サンプル(画像はクリックして拡大)です。
重要度:
官公庁への届出:不要
法定保存期間:なし

[ダウンロード]
WORD
Word形式 mimoto4.doc(21KB)
pdfPDF形式  mimoto4.pdf(5KB)

[ワンポイントアドバイス]
 社員を採用した場合に身元保証書を交わすことがありますが、この身元保証期間については、期間を定める場合5年間、期間を定めない場合3年間とされています。そのため、経理や営業などの職務に就く者については、期間満了後、身元保証契約を更新しておくことが望まれます。

[関連法規]
身元保証ニ関スル法律 第4条(保証人の契約解除権)
 身元保証人前条ノ通知ヲ受ケタルトキハ将来ニ向テ契約ノ解除ヲ為スコトヲ得身元保証人自ラ前条第一号及第二号ノ事実アリタルコトヲ知リタルトキ亦同ジ


関連blog記事
2009年12月3日「身元保証人への通知書」
https://roumu.com/archives/55334928.html
2007年8月10日「身元保証契約更新書」
https://roumu.com/archives/54766406.html
2006年11月30日「身元保証書」
https://roumu.com/archives/50843052.html

 

(福間みゆき)

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出張のため休日に出発する場合は、休日労働として割増賃金の支払いが必要ですか?

 服部印刷では県外に営業先があり、担当者から顧客訪問のため休日に出発する場合、その日は勤務日になるではないかという質問が宮田部長に寄せられた。そこで宮田は、休日に出発しなければならない場合の取扱いについて、大熊社労士に相談することにした。



宮田部長:
 大熊先生、こんにちは。
大熊社労士:
 年末調整の時期となりましたが、資料の回収は順調に進んでいますか?
宮田部長宮田部長:
 いえ、それがなかなかでして…。保険などの資料を提出していない者がおり、ちょうど催促しているところです。さて今日は出張の際の賃金の取扱いについて相談させてください。当社の営業エリアは東海圏が中心ですが、ここ最近、遠方の営業先が増えており、遠いところとしては福岡があります。
大熊社労士:
 そうですか、ここから行くとなると、3~4時間はかかりますね。
宮田部長:
 実はですね、先日、福岡の営業先を担当している者から相談がありまして、商談のため月曜日の朝にアポイントが入っており、日曜日(会社休日)に移動しなければならないとき、その日曜日は勤務日になるのではないかと言ってきたのです。こういったケースは初めてなのですが、この場合、出勤となり割増賃金の支払いが必要なのでしょうか?
大熊社労士大熊社労士:
 なるほど。ありそうなケースですね。結論からお話すれば、今回のケースでは割増賃金の支払いは必要ありません。これは意外に思われるかも知れませんですが、この日曜日には移動を行っただけですので、賃金の支払いは不要なのです。詳しく説明しましょう。そもそも労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令のもとに置かれている時間のことを指し、実際に労務の提供をしていなくても、使用者の指揮命令のもとにあると評価できる時間、例えば手待時間についても労働時間となります。
宮田部長:
 出張のための移動時間も、使用者の指揮命令下にあるのではないでしょうか?
大熊社労士:
 確かに移動時間は、業務を行う上で必要な時間ですが、移動している間は本を読んだり、居眠りをしていてもよい自由な時間です。
福島照美福島さん:
 使用者の指揮命令下にあるのではないので、日曜日に移動した場合については、それは労働時間にはならず、つまり出勤扱いとはしなくても問題ないということですね。
大熊社労士:
 そのとおりです。しかし、休日に移動しなければならないという負担がありますので、企業によっては日当を支給することでそのバランスを調整しているのです。
宮田部長:
 日当となると出張旅費の関係ですね。当社ではもともと日当の設定がありませんでしたが、支給を検討してみるものよさそうですね。社長の考えも聞いてみます。
大熊社労士:
 以前に検討した取扱いが現状と合わなくなっていたり、実際の取扱いが規程と異なっていたりすることがありますので、出張旅費規程についても就業規則を見直すタイミングでチェックして見られるのがよいですね。


>>>to be continued


[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。今回は休日に出発する場合の割増賃金の取扱いについて取り上げてみましたが、ここで法定休日に勤務した場合の割増賃金率について補足しておきましょう。法定休日労働については3割5分以上の割増賃金を支払う必要がありますが、法定休日に8時間を超えて勤務した場合の割増率はどのようになるのでしょうか。この場合の取扱いについては通達(昭和22年11月21日 基発第366号、昭和33年2月13日 基発第90号、平成6年3月31日 基発第181号、平成11年3月31日 基発第168号)が出されており、8時間を超えていたとしても深夜業に該当しない限り3割5分以上の割増賃金を支払っていれば問題ないとされています。また、来年4月に改正労働基準法が施行され、月の時間外労働時間が60時間を超えた場合、5割以上の割増賃金の支払いが必要となります(※中小企業については当分の間猶予)。そのため会社としては、割増賃金の取扱いを整理しておくことが望まれます。



関連blog記事
2009年7月27日「朝礼の時間は労働時間に当たるのですか?」
https://roumu.com/archives/65121604.html
2009年7月6日「過重労働対策の基本ポイントについて教えて下さい」
https://roumu.com/archives/65113567.html
2009年5月4日「コアタイムに遅刻・早退や欠勤があった場合、どのように取り扱えばよいのですか?」
https://roumu.com/archives/65088905.html
2009年4月27日「フレックスタイム制での時間外手当の支払について教えてください」
https://roumu.com/archives/65083065.html
2009年4月20日「フレックスタイム制というのはどのような制度なのですか?」
https://roumu.com/archives/65082983.html


(福間みゆき)


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2月に東京・大阪で社労士向け医療福祉業界人事労務セミナー開催決定!

社労士向け医療福祉業界人事労務セミナー開催決定! 医療機関・福祉施設では、その収入のあり方が厚生労働省の施策である診療報酬制度や介護保険制度によって左右されることは広く知られているところですが、こうした制度に基づき看護師などを一定数以上確保しなければならないため、人材の採用や定着を初めとした人事労務管理の適正化は安定した経営を実現しようとする際の最大のポイントとなっています。特に看護師などの資格者についてはその需給バランスが崩れやすい環境にあることから、医療機関・福祉施設においては一般企業以上に処遇などの労働条件を巡っての人事労務トラブルが多いといわれており、その問題解決については根強いニーズがあるところでもあります。


 そこで今回、医療機関・福祉施設の関与にあたって知っておくべき経営や人事管理の基礎知識に関して、それぞれの専門家が様々な経験から培ったノウハウをお伝えします。医療機関・福祉施設をクライアントに持つ、もしくは今後拡大したいと考えていらっしゃる社会保険労務士の皆様には必聴のセミナーとなっておりますので、是非ご参加下さい。なお、本セミナーはLCG会員以外の一般のみなさまもご参加いただけますで、是非お申込み下さい。


セミナー総合タイトル:
社会保険労務士が知っておきたい医療機関・福祉施設経営の基礎知識と人材採用・定着の実践ノウハウ



【第一部】社会保険労務士が知っておきたい医療機関・福祉施設経営の基礎知識
講師:株式会社名南経営 常務取締役 奥村尚弘
時間:午後1時30分より午後3時



 医療機関・福祉施設の経営は、基本的には診療報酬・介護報酬等による収入によって経営が行われます。さらには医療法・医師法・療養担当規則など様々な医療福祉固有の法律規制の中で経営が行われます。この診療報酬制度や介護報酬制度は、数年に一度抜本的な見直しが行われ、それによって従来と同様の診療等を行っていても収入が大幅に異なってくることがあります。今回のセミナーでは、こうした制度の仕組みをはじめとして、医療機関・福祉施設のクライアントを有する、もしくは今後拡大しようと考えている社会保険労務士が知っておくべき医療・福祉業界特有の知識や情報等について、わかりやすくお話します。
(1)医療保険制度の概要と医療関連法規の基礎知識
(2)診療報酬・介護報酬の基礎知識
(3)医療法人制度の基礎知識
(4)医療機関・福祉施設における専門用語の基礎知識



【第二部】人事コンサルタントが教える医療機関・福祉施設における人材採用・定着の実践ノウハウ
講師:株式会社 名南経営 人事コンサルタント 服部英治
時間:午後3時15分より午後4時45分



 医療機関や福祉施設においては、安定したサービスを提供するためにも人材の定着が経営における大きな課題となっています。仮に職員の入替えが頻繁に生じるような状況にあるとすれば、患者に対して技術面やサービス面の不安を与え、更にはそれが「口コミ」によって地域に拡大するというリスクを孕んでいることとなります。事実、地域において評判の良い医療機関・福祉施設を見てみると、人材の定着が良く、それが一定以上の技術やサービスの提供に繋がっていることが分かります。今回のセミナーでは、そうした評判の良い医療機関・福祉施設になるために人材の採用方法や定着はどのように考えればよいのか、社会保険労務士が医療福祉のクライアントにアドバイスをする際のポイントについて分かりやすくお話させて頂きます。
(1)評判のよい医療機関・福祉施設の特徴
(2)人材の定着と人件費率の考え方
(3)問題職員を発生させないための取組み
(4)人材確保に困らない医療機関・福祉施設の事例
(5)なぜ看護師・介護士は3年以内に退職をするのか?その傾向と対策
 
[開催概要]
【東京会場】
日 時 平成22年2月10日(水)午後1時30分から午後4時45分
会 場 総評会館 201会議室(東京・御茶ノ水)
定 員 80名
【大阪会場】
日 時 平成22年2月15日(月)午後1時30分から午後4時45分
会 場 エル・おおさか 709会議室(大阪・天満橋)
定 員 80名


[受講料]
一般 20,000円
LCG特別会員 3,000円 LCG正会員 5,000円(1名まで。2人目からは15,000円)
LCG準会員 15,000円 ※いずれも税込み
 
[詳細およびお申込み]
 本セミナーの詳細およびお申込みは以下よりお願いします。
http://www.lcgjapan.com/sr/seminar/1002igyo.html 



関連blog記事
2009年11月25日「服部英治最新単行本「最新/医療機関の就業規則・諸規程完全マニュアル」12月発売決定」
https://roumu.com
/archives/51656634.html


(大津章敬)


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身元保証人への通知書

身元保証人への通知書 採用した社員に業務上不適任や不誠実な事跡があり身元保証人の責任が生じるおそれがある場合などに、身元保証人となった者に対して会社が通知する文書サンプル(画像はクリックして拡大)です。
重要度:
官公庁への届出:不要
法定保存期間:なし(身元保証契約期間満了まで保存しておくことが望ましい)

[ダウンロード]
WORD
Word形式 mimoto3.doc(21KB)
pdfPDF形式  mimoto3.pdf(4KB)

[ワンポイントアドバイス]
 身元保証ニ関スル法律3条に使用者の通義義務が定められており、社員に業務上不適任または不誠実な行跡があり身元保証人の責任を引き起こしそうな場合や、社員の任務・任地に変更があり身元保証人の責任が重くなるときは、使用者はその旨を身元保証人に通知しなければならないとされています。そのため、この通知を行っておらず、社員が問題行動を起こして会社に損害を与えた場合、会社は身元保証人に損害賠償を請求ができない可能性がありますので、注意が必要です。

[関連法規]
身元保証ニ関スル法律 第3条(使用者の通知義務)
 使用者ハ左ノ場合ニ於テハ遅滞ナク身元保証人ニ通知スベシ
一  被用者ニ業務上不適任又ハ不誠実ナル事跡アリテ之ガ為身元保証人ノ責任ヲ惹起スル虞アルコトヲ知リタルトキ
二 被用者ノ任務又ハ任地ヲ変更シ之ガ為身元保証人ノ責任ヲ加重シ又ハ其ノ監督ヲ困難ナラシムルトキ

身元保証ニ関スル法律 第4条(保証人の契約解除権)
 身元保証人前条ノ通知ヲ受ケタルトキハ将来ニ向テ契約ノ解除ヲ為スコトヲ得身元保証人自ラ前条第一号及第二号ノ事実アリタルコトヲ知リタルトキ亦同ジ


関連blog記事
2007年8月10日「身元保証契約更新書」
https://roumu.com/archives/54766406.html
2006年11月30日「身元保証書」
https://roumu.com/archives/50843052.html

 

(福間みゆき)

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