「V」の検索結果

転勤猶予制度運用規程

転勤猶予制度運用規程 家族の介護など、会社が認める事由に該当する場合に、一定期間転勤を猶予する制度の運用についてを定めた規程のサンプル(画像はクリックして拡大)です。
重要度:

[ダウンロード]
word
Word形式 tenkinyuyo.doc(34KB)
pdfPDF形式 tenkinyuyo.pdf(46KB)

[ワンポイントアドバイス]
 会社は就業規則等に定めがあれば、その人事権により社員を転勤させることができますが、近年、この転勤命令権の濫用としてその転勤命令が無効とされることが増えてきています。特に家族の介護などの事由がある場合には、転勤命令に際し、十分な配慮をすることが求められています。この規程ではそうした取扱いを明確にしていますが、社員が安心して働く環境を構築するためにも、一定の事由がある場合には転勤を猶予するという取扱いを制度化することは有効でしょう。

[関連裁判例]
ミロク情報サービス事件 京都地裁 平成12年4月18日判決
 京都支社から大阪支社への転勤命令につき、労働契約に勤務地を京都に限定する旨の合意は含まれていないが、労働者のメニエール病罹患は周知され、病気のため長時間の通勤に耐えられるか疑問等の理由から、転勤命令権の濫用で許されないとされ、転勤命令に違反し無断欠勤したとしてなされた解雇も無効とされた例。

ネスレジャパン事件 神戸地裁姫路支部 平成15年11月14日判決
 総合食品会社の従業員に対する姫路工場から霞ケ浦工場への転勤命令について、妻(精神病で通院加療中)や母(母が高齢で介護を要する)の援助や介護の必要性、子供の養育(子供2名の受験)等を理由に、いずれも、業務上の必要性が認められながら、労働者に対し通常受忍すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるとして、権利の濫用に当たり無効とした例。


参考リンク
福島県労働委員会「使用者の配転命令とその限界」
http://www.pref.fukushima.jp/roui/roushitoraburuqa/kobetu/200209.html
厚生労働省「配置転換、出向、転籍に関する判例・裁判例」
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/05/s0524-2b.html

 

(福間みゆき)

人事労務の最新情報は「労務ドットコム」をご利用ください。
就業規則作成のご相談・コンサルティングのご依頼は名南経営まで。

[H19年末調整]年末調整の改正点2「源泉徴収票等の電子化」

[H19年末調整]年末調整の改正点2「源泉徴収票等の電子化」 先日から開始した年末調整の改正点に関する短期連載。2回目の本日は「源泉徴収票等の電子化」を取り上げます。


 給与等の支払いをする者には、支払を受ける人に対し、給与所得の源泉徴収票および給与等の支払明細書(交付等の内容は画像をクリックして拡大)を交付する義務があります。これまでは、これらの書類は書面による交付が義務付けられていましたが、平成19年1月1日以後に交付するものより電磁的方法により提供することが認められました。ただし、この電磁的方法による提供は、あらかじめ給与等の支払を受ける人の承諾を得る必要があります。また、給与等の支払を受ける人の請求があるときは、給与等の支払をする者は書面により給与所得の源泉徴収票等を交付する必要があります。


 次第に取り組みが始まっている電子申請ですが、まだまだ個人への浸透はさほど進んでいないため、当分の間、この電磁的方法による提供は進まない可能性が高いと言えるでしょう。しかしその一方では、電子化が進むことで、データ入力やチェックといった作業の軽減も考えらます。今後、常に情報を取り入れ、うまく利用していくことが求められるでしょう。



関連blog記事
2007年10月9日「[H19年末調整]年末調整の改正点1「定率減税の廃止・所得税の税率改正関係」」
https://roumu.com
/archives/51107963.html
2007年10月2日「[年末調整]平成20年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書ダウンロード開始!」
https://roumu.com
/archives/51094484.html
2007年8月19日「[税源移譲]これまで受けていた住宅ローン控除の取り扱い」
https://roumu.com
/archives/51047799.html
2007年9月17日「[年末調整]保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書の様式ダウンロード(確定版)開始」
https://roumu.com
/archives/51066766.html


参考リンク
国税庁「平成19年分 年末調整のしかた」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/nencho2007/01.htm
国税庁「給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_01.htm
国税庁「給与所得者の保険料控除及び配偶者特別控除の申告」
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_05.htm


(宮武貴美)


当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。

11月2日人事考課セミナー(大阪)・退職金セミナー(名古屋) 諸事情により開催日程変更

セミナー日程変更いつもお世話になっております。名南経営大津です。日頃は労務ドットコムをご愛顧頂きましてありがとうございます。本日は現在受付中のセミナーの日程変更についてお知らせします。


 諸事情により、11月2日に開催予定であった以下の2本のセミナーの日程を変更させて頂きます。
人事考課研修DVDを使った効果的な人事考課研修の進め方」(大阪)
https://roumu.com/seminar/seminar_evadvd.html
 11月2日(金) →代替日程:2007年10月31日(水) 
適年廃止カウントダウン!中堅中小企業の退職金・企業年金改革実践講座(名古屋)
https://roumu.com/seminar/seminar_tekinen2007fall.html
 11月2日(金) →代替日程:2007年12月4日(火)


 既にお申込み頂いているみなさんには弊社より個別にご案内させていただいております。この度はご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いいたします。


(大津章敬)


当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。

社会保険庁廃止に伴う都道府県別健康保険料率設定の影響

社保庁廃止に伴う都道府県別健康保険料率設定の影響 社会保険庁の不祥事はテレビや新聞で大きく取り上げられ社会問題化していますが、この社会保険庁は今後、「日本年金機構」と「全国健康保険協会」という2つの非公務員型の法人に分割されることが決まっています。この2つの組織のうち、今日は平成20年10月に設立される全国健康保険協会(画像はクリックして拡大)について取り上げてみましょう。


 この全国健康保険協会は社会保険庁が担っている機能のうち、健康保険事業を担う法人です。つまり現在、中小企業等の被用者とその家族(約3,600万人)が加入する政府管掌健康保険の保険給付・保健事業等がここに引き継がれることになります。組織形態は本部の下に全国47ヶ所の都道府県支部を持ち、支部単位で地域の実状を踏まえて、以下の事業を行うこととされています。
保険運営の企画
 保険料率の設定、財政運営、医療費分析など
保険給付
 被保険者賞発行、窓口サービス・相談、保険給付、レセプトの点検など
保健事業(予防)
 健康診断、保健指導など


 この中で影響が大きいと予想されるのが、健康保険料率が都道府県別に設定される予定となっていることです。適用所在地によって保険料の負担が変わるという問題だけではなく、複数の適用事業所を管理する会社では給与計算が煩雑になるなど、大きな影響を受けることになりそうです。



関連blog記事
2007年8月17日「平成19年9月からの社会保険料額表 EXCEL/PDFでダウンロードできます!」
https://roumu.com
/archives/51046361.html
2007年7月26日「政管健康保険の定期的な被扶養者の認定状況の確認 今年は実施見合わせ」
https://roumu.com
/archives/51028423.html
2007年7月20日「海外で治療を受けた場合の健康保険の申請方法」
https://roumu.com
/archives/51022943.html
2007年7月13日「海外派遣者の社会保険・雇用保険・労災保険の取り扱い」
https://roumu.com
/archives/51017702.html


参考リンク
社会保険庁「社会保険庁の廃止と2分割について」
http://www.sia.go.jp/top/kaikaku/houan/haishi.pdf


(宮武貴美)


当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。

「職業家庭両立推進者」の選任・変更届

「職業家庭両立推進者」の選任・変更届 企業全体の雇用管理方針の中で仕事と家庭との両立を図るための取組を企画し、実施するという業務を担当する役割の職業家庭両立推進者の選任・変更届の書式(画像はクリックして拡大)です。
□重要度:
□官公庁への届出:必要(提出先:労働局雇用均等室)
□法定保存期間:特になし

[ダウンロード]
word
Word形式 syokugyoukateiryouritsu_suishin.doc(28KB)
pdfPDF形式 syokugyoukateiryouritsu_suishin.pdf(27KB)

[ワンポイントアドバイス]
 厚生労働省では、育児や家族介護を行う労働者等の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするためには、育児・介護休業法に基づき講ずべき各種措置を制度化させ、これを円滑に実施するとともに、「男は仕事、女は家庭」というような固定的な性別役割分担意識の解消や職場優先の企業風土の是正を図るため社内の理解を深めることが極めて重要とし、この対策のため担当として職業課程両立推進者の選任を求めています。担当者を新たに選任する場合、または変更する場合には、この様式を都道府県労働局雇用均等室宛てに郵送またはFAXにより提出することで、各種セミナーの開催案内をはじめとして、情報や資料の提供が行われることになっています。なお、現時点においてこの選任はあくまでも努力義務の範囲にとどまっています。

[根拠条文]
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第29条(職業家庭両立推進者)
 事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、第21条から第27条までに定める措置及び子の養育又は家族の介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために講ずべきその他の措置の適切かつ有効な実施を図るための業務を担当する者(第三十九条第一項第五号において「職業家庭両立推進者」という。)を選任するように努めなければならない。


参考リンク
厚生労働省「職業家庭両立推進者を選任しましょう」
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/ryouritu/suisinsya/

 

(宮武貴美)

人事労務の最新情報は「労務ドットコム」をご利用ください。
就業規則作成のご相談・コンサルティングのご依頼は名南経営まで。

事業所別被保険者台帳提供依頼書(雇用保険)

事業所別被保険者台帳提供依頼書(雇用保険) 公共職業安定所が管理している雇用保険の被保険者台帳の提供を受ける際に必要となる依頼書書式(画像はクリックして拡大)です。
重要度:
官公庁への届出:必要(公共職業安定所に依頼)
法定保存期間:特になし

[ダウンロード]
word
Word形式 koyouhoken_daicho_irai.doc(25KB)
pdfPDF形式 koyouhoken_daicho_irai.pdf(35KB)

[ワンポイントアドバイス]
 健康保険の手続き漏れは「健康保険証がもらえない」といった従業員からの問い合わせによって気づくことが多く、長期間に亘る手続き漏れは発生しませんが、これと比べると、雇用保険の手続き漏れは発生しやすいものです。この手続き漏れを防ぐためには、公共職業安定所が管理している被保険者台帳を取り寄せ、現在取得しているはずの社員と突合するのが効果的です。一般的にはこの「事業所別被保険者台帳提供依頼書」で取り寄せることが可能ですが、この書式は各公共職業安定所により若干違いがあるようですので、事前に管轄の公共職業安定所までお問い合わせいただいたほうがよいでしょう。


関連blog記事
2007年7月2日「雇用保険の取得・喪失漏れを防止する方法」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51010200.html

 

(宮武貴美)

人事労務の最新情報は「労務ドットコム」をご利用ください。
就業規則作成のご相談・コンサルティングのご依頼は名南経営まで。

[H19年末調整]年末調整の改正点1「定率減税の廃止・所得税の税率改正関係」

年末調整の改正点1「定率減税の廃止・所得税の税率改正関係」 先日、国税庁から「平成19年分 年末調整のしかた」の冊子のダウンロードが開始されました。今回からこの冊子に基づき、年末調整の改正点について取り上げていきます。第1回目は、「定率減税の廃止・所得税の税率改正関係」です。



定率減税の廃止
 定率減税は景気対策のための暫定的な税負担の軽減措置として平成11年に導入されましたが、経済状況の改善等を踏まえ平成19年分から完全に廃止されます。


所得税の税率改正
 国税(所得税)から地方税(住民税)への税金の移し替え(いわゆる税源移譲)が行われたこと等を踏まえ、平成19年分の所得税から税率構造が5%~40%の6段階に変更されます。


 これらの改正にあわせ、年末調整の際に利用していた所得税額の速算表も左表(画像はクリックして拡大)のとおり変更になっています。今年は税源移譲後、初めての年末調整となり、さらに定率減税も廃止になるため、これまで還付額が大きかった人にとっては、予想外の年末調整結果になるでしょう。昨年よりも社員に対する事前アナウンスを徹底しておきたいところです。



関連blog記事
2007年10月2日「[年末調整]平成20年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書ダウンロード開始!」
https://roumu.com
/archives/51094484.html
2007年8月19日「[税源移譲]これまで受けていた住宅ローン控除の取り扱い」
https://roumu.com
/archives/51047799.html
2007年9月17日「[年末調整]保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書の様式ダウンロード(確定版)開始」
https://roumu.com
/archives/51066766.html


参考リンク
国税庁「平成19年分 年末調整のしかた」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/nencho2007/01.htm
国税庁「給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_01.htm
国税庁「給与所得者の保険料控除及び配偶者特別控除の申告」
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_05.htm


(宮武貴美)


当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。

[佐藤澄男ウィークリーレポート]ワークライフバランス

 2007年9月9日付けの日本経済新聞「読書」のコーナーに「今を読み解く」と題し、編集委員の岩田三代氏が「ワークライフバランス」について取り上げています。「ワーク」は仕事、「ライフ」は生活、つまり、仕事と生活のバランスについてです。記事を少し抜粋でご紹介します。



「1990年代の米国で企業戦略として始まり、時を同じくして欧州で家族政策として注目された。私的な生活も楽しめる働き方でなければ優秀な人材は集まらない、家庭生活を大事にできる生き方でなければ少子化も解決しないとの考え方だ。」



 日本でも、政府がこの問題について、今年に入ってからさまざまな会議を推進する等して、旗振りを進めています。今年中には憲章と行動指針を作成すると報じられていますが、これは非常に良いことだといえましょう。同記事によると、「全国の未就学児がいる父親の14%が23時を過ぎて帰宅する」ということです。家庭も大切にできると労働生産性も高いと言われますが、まさにその通りです。特にデスクワークの人達の生産性は、いわゆる気持ちの持ち方で集中力も変わり、自分の置かれている環境が仕事の能率や成果に非常に大きな影響を及ぼします。労働時間が長いから成果も大きい、という論理は単純には成り立ちません。時間をかけてダラダラ取り組んでいても、成果はもちろんあがりません。むしろ短時間であっても、集中して「やるときにはやる」という姿勢のほうが成果が大きいことも多々あります。根を詰めすぎては、人間は持ちません。やはり集中するには、ゆとりも必要なのではないでしょうか。


 ワークライフバランスが企業にとってプラスの効果を発揮することは、疑う余地もありません。しかし実際にはほとんどの企業にとっては、どのように改善していったらよいのかについてはまだまだ未研究であり、未知の領域です。同記事はその終盤で「旧態依然の職場は多いし、管理職の意識改革も不十分」と指摘しています。まさにその通りといえます。特に中堅中小企業では、この部分の改革はほとんど進んでいないのが現状ではないでしょうか。まずトップそのものが、ワークライフバランスがこれからの優秀な人材を確保し企業を成長させるために必要であることを認識し、その意味をしっかりと理解することが大切です。また、個別事情もありますが、自社としての適応を検討し、結果として生産性を向上させ発展させるためには何をすべきかについて、まず真剣に考えなければなりません。更には、幹部や管理職等の意識改革を行い、ゆとりを持って仕事をするために今の業務をどう改革していったらよいかについて、現場レベルでも課題としてきっちりと取り組むことが必要です。


 ワークライフバランスについて、企業も真剣に取り組む時期に来ているのではないでしょうか。



参考リンク
社会経済生産性本部「「ワーク・ライフ・バランスは新しい時代の生き方」を発表」
http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/lrw/activity000834.html


(名南経営センターグループ 代表 佐藤澄男


当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。

最低賃金が大幅に引き上げられるのですか?

 プライベートで奥様と一緒のフランス旅行のため、前回訪問時には不在であった服部社長。今回の訪問では、服部社長のリフレッシュした生き生きした姿をとても素敵に感じた大熊社労士であった。



大熊社労士:
 おはようございます。社長、お久しぶりです。いかがでしたか、奥様とのフランスの旅行はいかがでしたか?
服部社長服部社長:
 ありがとうございます。今回はフランスの田舎を中心に回ってきたのですが、ロワールやノルマンディでのんびりしてきました。そうそう、世界遺産に指定されているモン・サン=ミシェルにも行ってきました。やはり、たまには仕事を忘れてのんびりするのも必要だと改めて思いましたよ。今まで仕事一筋でやってきたが今回の旅行で心身ともにリフレッシュでき、余暇の大切さがよく分かりました。うちの社員もほとんど休暇など取らず頑張ってくれていますから、定期的に長期休暇を取得するなど、余暇の有効利用を勧めたいと思っています。
大熊社労士:
 モン・サン=ミシェルですか。あそこは素晴らしいですよね。私も以前勤めていた社労士事務所のご褒美旅行で所長に連れて行ってもらったことがあるのですが、あの夕暮れ時の景色の美しさったら、いまでも瞼を閉じれば、はっきりと思い出すことができます。それにしても、在職当時は本当に所長に世話になりました。いまの私がこうして独立して何とかやっていけているのも、当時の所長のお陰です。私のことを本当に信頼してくれて、私もそれに何とかして応えたいという思いだけで頑張ることができました。いまの私があるのも、その所長のお陰であり、本当に感謝しても感謝してもし切れません。あらら、なんだか話が逸れてしまいましたね。モン・サン=ミシェルと言うと、私にとっては昔の事務所のイメージがだぶっているものですから…。いずれにしても、仕事と生活とのメリハリをつけることは、とても大切だと思います。まずお手本を示すのは、宮田部長でしょうか?
宮田部長:
 うーん、まずは週1回の定時帰宅をめざして頑張りましょうかね。ところで、先日最低賃金が大幅に上がるというニュースを聞いたのですが、そもそも最低賃金とは何でしょうか教えてください。
大熊社労士:
 はい、最低賃金とは賃金の最低限度額を定めたもので、事業主は最低賃金以上の賃金を社員に支払わなければならないというものです。
服部社長:
 最低賃金以下の賃金で雇用契約をした場合はどうなるのですか?
大熊社労士大熊社労士:
 最低賃金法という法律により無効とされ、最低賃金額を支払わなければなりません。なお、最低賃金には次の2種類があります。まず「地域別最低賃金」は、都道府県ごとにすべての労働者に適用されます。もう一つの「産業別最低賃金」は、都道府県ごとに特定の産業に従事する労働者に適用されることになります。
宮田部長:
 「地域別最低賃金」も「産業別最低賃金」も、それぞれ都道府県ごとに違うのですか?
大熊社労士:
 ええ、地域によって物価等が違うように最低賃金も都道府県ごとで決められ、その額も違います。
服部社長:
 2種類の最低賃金があるということですが、これはどの会社にも当てはまることなのですか?か?
大熊社労士:
 いいえ、「産業別最低賃金」はすべての産業で定められているわけではありませんので、必ずしも2種類はなく、「地域別最低賃金」のみしか当てはまらないという会社が多いのです。
服部社長:
 それでは2種類とも当てはまる会社では、どのように考えればよいのでしょうか?また、対象となる者は正社員だけでよいのでしょうか?
大熊社労士:
 「地域別最低賃金」と「産業別最低賃金」の両方が当てはまる場合は、高い方である「産業別最低賃金」の賃金額以上を支払わなければなりません。また、対象者は正社員のほか、パートタイマーや嘱託社員、臨時で働くアルバイトなどすべての労働者に適用されます。しかし、精神または身体の障害により著しく労働能力の低い者などについては、都道府県労働局長の許可を得ることで適用を除外することが認められています。
服部社長:
 パートタイマーも対象となるのですか、注意しなければいけませんね。ところで、最低賃金はどのように定められているのでしょうか?日給とか、時間給とか。
大熊社労士:
 時間給の形で定められています。例えば、今年の10月に改定される「地域別最低賃金」は、東京都739円、大阪府731円、愛知県714円となっています。
宮田部長宮田部長:
 社員の給料が最低賃金額以上かどうかをチェックしなければならないと思いますが、どのように計算をするのでしょうか?
大熊社労士:
 宮田部長、よく気付かれました、そのチェックが大切なのです。まず、対象となる賃金ですが基本給と諸手当になります。ただし、諸手当のうち、精皆勤手当、通勤手当、家族手当は最低賃金の対象とはなりませんので除外します。また、その他、賞与や時間外勤務手当・休日出勤手当・深夜手当、その他臨時に支払われる賃金なども対象外です。では、最低賃金が700円で月の労働時間が170時間であった場合、基本給と対象となる諸手当の合計額はというと(電卓をたたきながら…)119,000円(700円×170時間)以上でなければならないということです。
宮田部長:
 わが社の場合、パートタイマーやアルバイトでも時間給850円以上なので特に問題はなさそうですね。
大熊社労士:
 御社の場合は大丈夫だと思います。この最低賃金に関して、最近労働基準監督署の監督が強化されているようで、監督の結果、違反率が6.4%にもなっているという報告がありました。
服部社長:
 それは最低賃金を知らなかったからでしょう。
大熊社労士:
 そうですね、最低賃金を知らない会社はまだまだたくさんあります。また一見最低賃金を上回る賃金で採用しても、違反状態になることがあります。例えば、サービス残業のため時間外労働等の賃金がまったく支払われない職場では、実質的に最低賃金を下回る可能性もでてきます。1ヶ月の所定労働時間140時間、基本給+対象となる諸手当が100,000円で雇用契約したパートのケースで考えてみましょう。契約時点では時給は714円(100,000円÷140時間)ですが、サービス残業が10時間あったとしましょう。この場合、時間給で換算すると667円(100,000円÷150時間)となりますので、最低賃金が700円だった場合は違反状態となります。
服部社長:
 なるほど、しかし違反率がそんなにあるとは驚きました。他人事としていてはいけませんね。
大熊社労士:
 違反の中でも特に多いのがパート・アルバイトで56.9%を占めています。サービス残業をさせることはもちろんいけませんが、雇用契約を結ぶときには、最低賃金のことをよく意識しておくことが必要でしょう。また現実的には歩合給要素の強いタクシー業界なので違反が多いようですね。


>>>to be continued


[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。今回は最低賃金について取り上げてみました。政府の「成長力底上げ戦略(基本構想)」による「中小企業底上げ戦略」の一環として「最低賃金の周知徹底」が盛り込まれ、「最低賃金遵守のための事業所に対する指導の強化」及び「最低賃金の国民への広報の推進」に直ちに取り組むべき施策とされています。これを受けて厚生労働省では、平成19年6月に全国一斉に最低賃金の履行確保を主眼とする監督を実施したところ、違反率が6.4%にもなっています。厚生労働省では、今後とも最低賃金遵守のための事業所に対する指導の強化に努め、最低賃金の周知徹底を図ることとしていますので、皆さんの会社でも最低賃金に問題はないか確認してください。特に、今年の最低賃金の改定は全国加重平均14円、東京や愛知では20円の大幅な引き上げとなりましたので、注意が必要でしょう。


[関連条文]
最低賃金法 第5条(最低賃金の効力)
 使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない。
2 最低賃金の適用を受ける労働者と使用者との間の労働契約で、最低賃金額に達しない賃金を定めるものは、その部分については無効とする。この場合において、無効となつた部分は、最低賃金と同様の定をしたものとみなす。
3 次に掲げる賃金は、前2項に規定する賃金に算入しない。
1.1月をこえない期間ごとに支払われる賃金以外の賃金で厚生労働省令で定めるもの
2.通常の労働時間又は労働日の賃金以外の賃金で厚生労働省令で定めるもの
3.当該最低賃金において算入しないことを定める賃金
4 第1項及び第2項の規定は、労働者がその都合により所定労働時間若しくは所定労働日の労働をしなかつた場合又は使用者が正当な理由により労働者に所定労働時間若しくは所定労働日の労働をさせなかつた場合において、労働しなかつた時間又は日に対応する限度で賃金を支払わないことを妨げるものてはない。



関連blog記事
2007年10月1日「平成19年度地域別最低賃金 全都道府県が出揃いました」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51094539.html
2007年9月25日「[最低賃金の計算方法その1]月給者に関する最低賃金の確認方法」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51084458.html
2007年8月23日「最低賃金違反に関する監督が強化されています」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51051136.html


参考リンク
厚生労働省「地域別最低賃金、産業別最低賃金」
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-01.htm
厚生労働省「最低賃金に係る違反事業場の割合は6.4%―平成19年6月の最低賃金の履行確保に係る一斉監督結果」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/08/h0822-2.html


(鷹取敏昭)


当社ホームページ「労務ドットコム」および「労務ドットコムの名南経営による人事労務管理最新情報」「Wordで使える!就業規則・労務管理書式Blog」にもアクセスをお待ちしています。

人材不足対策で大企業が退職者の再雇用策を相次いで発表

 大都市圏を中心に人材不足が深刻な問題となりつつありますが、これは中小企業に限った問題ではなく、大企業でも同じ状況のようです。こうした状況を受け、一旦退職したOB/OGを再雇用する制度を設ける企業が相次いで出てきています。今日はそんな中から、村田製作所と三菱鉛筆の事例を見てみることにしましょう。



[事例1]村田製作所
 村田製作所では2007年10月1日より、「ウェルカムバック制度」という退職者の再雇用制度を開始しました。この制度の対象は自己都合により退職したすべての元正社員。職級・賃金などの労働条件は、退職時の処遇と再入社時の基準を加味して決定するそうです。
[事例2]三菱鉛筆
 三菱鉛筆では2007年11月1日より、「ジョブ・リターン制度」という再雇用制度を開始します。こちらは村田製作所の事例と異なり、出産・育児・介護などライフステージ上のやむを得ない事情により退職した社員が職場に復帰したいと希望した場合の再雇用制度で、対象は出産・育児・介護等の事由で退職した、入社後3年以上の正社員で、かつ退職から原則5年以内であること。復帰後の職務・部署は、当人の希望を確認した上で、会社との個別相談により決まるそうです。


 中小企業の場合は、いったん退職した社員が戻ってくるということは日常的に見られますが、大企業ではこれまでほとんど見られませんでした。中には中途退職者が裏切者的な扱いを受け、絶対に復帰できない企業もあるという話を聞くこともありますが、深刻な人材不足の中、自社の仕事を理解した元社員を積極的に再雇用しようとする企業は増加していくことでしょう大企業がこうした再雇用制度や中途採用を拡大することで、中小企業は更なる人材不足に追い込まれるのではないかと懸念しています。



参考リンク
村田製作所「村田製作所『ウェルカムパック制度』開始のお知らせ」
http://www.murata.co.jp/news/2007/071001_2.pdf
三菱鉛筆「三菱鉛筆、『ジョブ・リターン制度』導入」
http://www.mpuni.co.jp/newsrelease/2007/1191234612.html


(大津章敬)


当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。