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帳簿(家内労働法)

帳簿(家内労働法) 委託者が家内労働者の氏名や工賃支払額などを記載して備え付けておかなければならない帳簿の書式(画像はクリックして拡大)です。
□重要度:
□官公庁への届出:不要
□法定保存期間:最後の記入した日から3年間

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[ワンポイントアドバイス]
 工賃を支払うときに注意することは、次の3点になります。
現金支払い
 製品や小切手での支払いはできないとされています。ただし、家内労働者の同意があれば金融機関口座振込みによる支払いもできます。
納品から1ヶ月以内の支払い
 現金支払いだけでなく、金融機関への振込みであっても1ヶ月以内に支払う必要があります。
全額の一括支払い
 家内労働者が必要な機械を委託者から購入したとしても、代金を工賃から差し引くことはできません。また、不良品があっても工賃を減額する場合でも、一度全額を支払ってから改めて減額分を請求するということになります。

[関連法規]
家内労働法 第27条(帳簿の備付け)
 委託者は、厚生労働省令で定めるところにより、委託に係る家内労働者の氏名、当該家内労働者に支払う工賃の額その他の事項を記入した帳簿をその営業所に備え付けて置かなければならない。

家内労働法 第35条
 次の各号の一に該当する者は、5千円以下の罰金に処する。
1.第3条第1項、第6条又は第17条の規定に違反した者
2.第3条第2項の規定による記入をせず、又は虚偽の記入をした者
3.第18条の規定による命令(委託をすることを禁止する命令を除く。)又は第32条第3項の規定による命令に違反した者
4.第26条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
5.第27条の規定による帳簿の備付けをせず、又は同条の帳簿に虚偽の記入をした者
6.第28条の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は出頭しなかつた者
7.第30条第1項の規定による立入り、検査若しくは収去を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者


関連blog記事
2008年1月11日「家内労働死傷病届(家内労働法)」
https://roumu.com/archives/54942204.html
2008年1月10日「委託状況届(家内労働法)」
https://roumu.com/archives/54942196.html
2008年1月8日「受入伝票(伝票式家内労働手帳:様式第3)」
https://roumu.com/archives/54942157.html
2008年1月7日「注文伝票(伝票式家内労働手帳:様式第2)」
https://roumu.com/archives/54942145.html
2007年12月28日「基本委託条件の通知(伝票式家内労働手帳:様式第1)」
https://roumu.com/archives/54934669.html

 

(福間みゆき)

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職場における従業員の最大の不満は「仕事の進め方や割り当てなどの業務遂行上の問題」

 以前からこのブログでは組織におけるコミュニケーションの問題を多く取り上げてきました。今日は、昨年末に独立行政法人労働政策研究・研修機構から発表された「職場におけるコミュニケーションの状況と苦情・不満の解決に関する調査」について取り上げてみましょう。この調査は昨年の7月、企業内における労使のコミュニケーションの状況につき、特に職場における不満がどのように把握され、解決されていくのかという点を中心に、企業および企業で働く従業員(パート・アルバイト・契約社員等を含む)に対し実施されたものです。その中から今回は職場での不満の内容と上司への相談という項目を取り上げます。



7割の従業員に何らかの不満
 従業員が現在抱えている不満の有無については、ほぼ7割の従業員が何らかの不満があるとしています。不満の中身は以下の順番になっています。
□仕事の進め方、割り当て等の業務遂行上の問題に関する不満 46.5%
□職場内人間関係の不満 27.1%
□賃金、一時金に関する不満 26.9%
□評価、査定に関する不満 26.9%
□残業時間、休日、休暇等に関する不満 21.2%
 近年は過重労働の問題が大きく取りざたされていますが、それ以上に仕事そのものに関する不満が大きいことが分かります。


6割の従業員が上司に相談した経験あり
 苦情や不満を上司に相談した経験がある従業員はほぼ6割にのぼり、その相談結果について、ほぼ6割が納得しています。4割近くの従業員が苦情・不満の解決をあきらめたものが多い、と回答していることを考えると、納得する従業員が増えるような対策が課題と言えるでしょう。一方で、上司に相談したことがない4割の従業員は、相談しない理由として以下のものを挙げています。
□適切に解決されるとは思わないから 35.6%
□人間関係が悪くなりそうだから 16.1%
□相談しにくい雰囲気 15.5%
 苦情や不満が従業員の内部に蓄積され、モラールダウンや退職と言った事態に発展する前に対策を打つことが求められます。


 企業組織という集団生活を送る中で苦情・不満をゼロにするということは極めて難しいことだと言えるでしょう。今後、ますます企業内での積極的なコミュニケーションが求められ、重視されてくるはずです。それでは次回は、同調査から企業の相談窓口の整備状況について取り上げたいと思います。



関連blog記事
2007年12月20日「社員のチャレンジ嫌いを克服するための4つのポイント」
https://roumu.com
/archives/51201463.html
2007年11月18日「コミュニケーションを促す最初の接点づくり」
https://roumu.com
/archives/51164505.html
2007年11月4日「社員が抱える「成長」に対する不安感への対処」
https://roumu.com
/archives/51143985.html
2007年10月14日「組織を悩ますコミュニケーション下手の増加」
https://roumu.com
/archives/51113496.html
2007年9月29日「ミス・クレームの隠蔽体質から脱却するための組織内コミュニケーション」
https://roumu.com
/archives/51094501.html


参考リンク
独立行政法人 労働政策研究・研修機構「職場におけるコミュニケーションの状況と苦情・不満の解決に関する調査」
http://www.jil.go.jp/press/documents/20071225.pdf


(宮武貴美)


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日経ヘルスケア 1月号「うつ病職員への対応策」

日経ヘルスケア 1月号「うつ病職員への対応策」 弊社コンサルタントの服部英治が「実践!院長のための人事・労務入門」という連載を行っております日経ヘルスケアの1月号(第37回)が発売になりました。今月は「うつ病職員への対応策」というタイトルで、職員の中にうつ病を患った者が発声した際の対応方法について解説を行っています。

 なお、今回の記事でご紹介しているうつ病職員に関する3つのポイントは以下のとおりです。詳細は是非、誌面でご覧下さい。
まずは休職を検討する
職員への説明は不可欠
保険料・税金の本人分立替に注意



参考リンク
日経BP社「日経ヘルスケア」
http://medical.nikkeibp.co.jp/all/info/mag/nhc/magazine/index.jsp

(大津章敬


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受入伝票(伝票式家内労働手帳:様式第3)

受入伝票(伝票式家内労働手帳:様式第3) 委託者が家内労働者に仕事を委託するときに、交付することになっている「家内労働手帳」の様式第3号「受入伝票」の書式(画像はクリックして拡大)です。
□重要度:
□官公庁への届出:不要
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[ワンポイントアドバイス]
 委託者には、家内労働者の就業時間を管理する義務というものはありませんが、長時間の就業を強いることのないように業務量・納期について配慮が求められます。都道府県労働局長は、必要があるときは、審議会の意見を聞いて、一定の地域内で家内労働者が業務に従事する時間の適正化を図るために、必要な措置をとることを委託者や家内労働者に勧告できることになっています。

[関連法規]
家内労働法 第3条(家内労働手帳)
 委託者は、委託をするにあたっては、家内労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、家内労働手帳を交付しなければならない。
2 委託者は、委託をするつど委託をした業務の内容、工賃の単価、工賃の支払期日その他厚生労働省令で定める事項を、製造又は加工等に係る物品を受領するつど受領した物品の数量その他厚生労働省令で定める事項を、工賃を支払うつど支払った工賃の額その他厚生労働省令で定める事項を、それぞれ家内労働手帳に記入しなければならない。
3 前2項に規定するもののほか、家内労働手帳に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

家内労働法 第4条(就業時間)
 委託者又は家内労働者は、当該家内労働者が業務に従事する場所の周辺地域において同一又は類似の業務に従事する労働者の通常の労働時間をこえて当該家内労働者及び補助者が業務に従事することとなるような委託をし、又は委託を受けることがないように努めなければならない。
2 都道府県労働局長は、必要があると認めるときは、都道府県労働局に置かれる政令で定める審議会の意見を聴いて、一定の地域内において一定の業務に従事する家内労働者及びこれに委託をする委託者に対して、厚生労働省令で定めるところにより、当該家内労働者及び補助者が業務に従事する時間の適正化を図るために必要な措置をとることを勧告することができる。


関連blog記事
2008年1月11日「家内労働死傷病届(家内労働法)」
https://roumu.com/archives/54942204.html
2008年1月10日「委託状況届(家内労働法)」
https://roumu.com/archives/54942196.html
2008年1月9日「帳簿(家内労働法)」
https://roumu.com/archives/54942185.html
2008年1月7日「注文伝票(伝票式家内労働手帳:様式第2)」
https://roumu.com/archives/54942145.html
2007年12月28日「基本委託条件の通知(伝票式家内労働手帳:様式第1)」
https://roumu.com/archives/54934669.html

 

参考リンク
厚生労働省「伝票式家内労働手帳モデル様式」
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/josei/hourei/20000401-60.htm
東京都産業労働局雇用就業部「家内労働相談コーナー」
http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/sosiki/kanairodo/conference.pdf

(福間みゆき)

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[中国労働契約法]就業規則策定のススメ

 みなさん、こんにちは 名南経営大津です。当ブログでは、基本的に日本国内の人事労務に関するトピック等をお伝えしていますが、今回から数回、今年の1月1日に施行された中国の労働契約法に関する情報をお送りしたいと思います。今回の中国労働契約法は、労働者保護の色が極めて強い内容になっており、中国に進出している企業にとっては非常に大きな影響が予想されています。今回の連載では弊社上海事務所(上海名南企業管理咨詢有限公司)の近藤充より、その概要と影響についてレポートさせて頂きます。(大津章敬



 労働契約法は全国人民代表大会(全人代)常務委員会第二十八次会議で承認されました。正式には「中華人民共和国労働合同法」(主席令[2007]第65号)と言い、2008年1月1日から施行されています。そもそも中国においても労働関係については、労働法が存在していますが、今回の労働契約法では、その中から労働契約の部分について別に切り出された形で法制化がなされています。


 今回の労働契約法の制定の趣旨は「労働者保護」にあり、その具体的な要点としては以下の6点にまとめることができます。
無期限の労働契約
労働契約の強制締結
試用期間の短縮
人員削減に対する制限強化
経済補償金の強制化
派遣労働者の立場強化


 法律の規定上では、原則が定められていますが、実際の運営上の取り扱いについてはまだ明らかになっていません。どこまで原則どおりの運営がなされるかは、今後の実施細目の公表を待つしかない状態です。しかしながら、今後、確実に重要性を増すと思われるのが就業規則です。現状では、就業規則を策定していない企業も珍しくありませんが、今後は策定が義務付けられ、しかもその策定に当たっては、労働者もしくは労働者団体の同意が必要となります。


 今回の改定により、労働者との契約で無期限の労働契約が増加するものと思われ、短期契約と比べると人員調整、もしくは望ましくない労働者を辞めさせることが難しくなります。具体的には、規律違反を理由に解雇する場合にも就業規則に定めてあることが必要となります。よって労働契約法への対応としては、まずすべての基本となる就業規則の策定・見直しが強く求められています。
 
(上海名南企業管理咨詢有限公司 近藤充)


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3月10日開催「山中弁護士×小山邦彦セミナー(東京)」受付開始!

3月10日開催!山中弁護士×小山邦彦セミナー(東京)受付開始! みなさん、こんにちは 名南経営大津です。毎年3月に開催しております労務ドットコム スペシャルセミナーですが、2008年も開催が決定しました。今年は3月10日(月)に東京で、石嵜信憲法律事務所の山中健児弁護士と、弊社人事コンサルタントの小山邦彦によるジョイントセミナーを開催します。今春の人事労務における最大のトピックであるパートタイム労働法労働契約法の実務対応の講義を山中弁護士に、また小山には2008年の人事制度のトレンドを予測してもらいます。今回のセミナーは名南経営の人事労務セミナーの2008年キックオフとなります。また前泊が必要になる遠方のみなさんにもご参加いただきやすいように月曜日の開催としておりますので、多くのみなさんのご参加をお待ちしております。 なお、本セミナー終了後は人事あすなろ塾のOB会も計画しておりますので、あすなろ塾OBのみなさんは是非ご予定下さい。



労務ドットコム スペシャルセミナー
労働契約法・パートタイム労働法への具体的対応と雇用環境変化に適応する人事制度
日 時:2008年3月10日(月)10時30分~16時
会 場:東京・御茶ノ水 総評会館



【第一部】雇用環境の変化に適応する「人事制度」考
時 間:10時30分~12時
講 師:株式会社名南経営 人事コンサルタント 小山邦彦



 かつて予兆であった雇用環境の変化が現実のものとなり、企業のヒューマンリソースマネジメントに変革を促し始めた。成果主義騒動は幾度目かの茶番であったが、雇用システムの多様化と就労意識の変容は人事労務分野の本質的な変化になってきている。今回のセミナーは、それに対応するにはどのような人事制度を構築したらよいかを探る。
1.企業の人材競争力は働き方の多様化がカギを握る時代に
2.実質65歳リタイア時代の定年再雇用制×人事制度
3.改正パート労働法から見る雇用システムの多様化×人事制度
4.ワークライフバランスの活用×人事制度
5.労働紛争増加時代×人事制度
6.人事制度の不易と流行
7.人事評価制度は基本に還ってきている
8.賃金制度はバリエーションと複線化
9.人事制度再構築の基本スキーム


【第二部】新法施行!労働契約法が企業に与える影響+施行目前!パート労働法への具体的対応
時間:13時~16時
講師:石嵜信憲法律事務所 弁護士 山中健児



労働ビックバンと労働関係法改正の経緯
新労働契約法の内容と実務への影響
1.労働契約と就業規則との関係は
2.労働契約法が適用される「使用者」、「労働者」とは
3.労働契約の原則とは
4.就業規則が労働契約の内容となるための要件
5.就業規則による労働契約内容の変更と手続
6.出向命令権・懲戒権の濫用
7.解雇権濫用法理
8.有期労働契約に関する規定
改正パート労働法の内容と実務への影響
1.文書等の交付を求められる労働条件とは
2.賃金等の差別的取り扱いが禁止される場合とは(通常の労働者との均等な取り扱いの確保)
3.通常労働者への転換推進のための措置
4.待遇決定にあたっての説明義務
5.パート労働法違反と具体的救済措置
6.パート労働法違反と民事上の効力
7.同一労働・同一賃金原則との関係(フルタイムパート等の労働条件への影響)


[開催概要]
日 時 平成20年3月10日(月)午前10時30分から午後4時
会 場 総評会館(東京・御茶ノ水)
東京都千代田区神田駿河台3-2-11(TEL 03-3253-1771)
受講料 30,000円(税込)
   ※1部のみ参加10,000円 2部のみ参加20,000円(税込)
対 象 企業の経営者および人事労務担当のみなさま、社会保険労務士など専門家のみなさま
定 員 50名


[お申込み]
 詳細およびお申込みは以下よりお願いします。
https://roumu.com/seminar/seminar20080310.html


(大津章敬)


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うつ病の症状が見られる社員が発生したときの対応は、どうしたらよいですか?

 みなさん、あけましておめでとうございます。大熊です。今日でこの大熊ブログも2年目に入ります。今後も毎週月曜日に更新していきますので、よろしくご愛顧下さい。さて、新年を迎え、服部印刷ではこれから年度末に向けた本格的な繁忙期に入ろとしているのですが、新年早々、服部社長から「うつ病の症状が見られる社員がいるのだが、どうしたら良いだろうか」という相談の電話を受け、訪問することになりました。メンタルヘルスの問題は企業の人事労務管理において、過重労働対策や安定的な人材確保と共に、最重要の課題の一つになっているという印象が強いですね。おっと、そろそろ時間です。訪問することとしましょう。



大熊社労士:
 あけましておめでとうございます。服部社長、今年もよろしくお願いします。
服部社長服部社長:
 やあやあ、大熊さん、あけましておめでとうございます。年始早々で申し訳ありませんが、相談に乗ってください。実は、うつ病のような症状が見られる女性社員がいるのです。わが社でそのような社員は出ないだろうと思っておりましたので、どうしたらよいか分からず困っているのです。
大熊社労士:
 そうですか。それでその女性社員は、いまどのような状態ですか?
服部社長:
 はい、始業前に余裕をもって出社するような社員だったのですが、12月中頃から出勤するのも大変そうで、ここ最近は始業時刻ギリギリに到着しています。それもかなりしんどいようで、通勤時間としては普通であれば30分程度なのですが、途中で休憩をとっているらしくほぼ2倍の時間がかかっているようです。
大熊社労士:
 それは本人にとっても辛いでしょうね。それ以外に、仕事上ではどうですか?
宮田部長宮田部長:
 いまのところ大きなミスは発生していませんが、ケアレスミスが増えてきていると聞いています。また、ぼーっとしている時間も目立ってきており、周囲の社員からもなにか様子が変だと話題になっているようです。どうしたらよいでしょうか?
大熊社労士:
 えぇ、こうしたメンタルヘルスの問題は非常にデリケートな内容ですので、慎重に対応することが必要です。そこで、まずは本人の気持ちを受け止めながら、状態をしっかり把握してください。そのとき、コミュニケーションの取り方に注意が必要です。仕事でミスが出始めていることや、ぼーっとしていることを責めるのではなく、本人の抱える辛い気持ちを一緒になって受け止め、共に感じるように対応することが大切なのです。
福島照美福島さん:
 年齢が近いものですから私も気になっていて話を聞こうと声をかけてみたのですが、「心配いらない。頑張ります」といって十分な話はできていません。本来、根が真面目な女性のため、頑張り過ぎないか心配です。ここはやはり上司から切り出して、話をしてもらった方がよいと思っていますが、どうでしょうか?
大熊社労士:
 はい、そのとおりです。愚痴っぽい話を聞く程度であれば職場の同僚でもよいと思いますが、身体に症状が出ていることを考えれば、上司がきちんと対応すべきでしょう。その際、話をする場所ですが、他の社員がいるところでは、本人は周囲の目を気にしてわざと元気な姿を見せようとしたり、本当の状態を隠したりすることがあります。また、今回のような件は非常にプライベートな内容になりますから、プライバシーが確保できる個室で行うようにしてください。
宮田部長:
 本人との面談では、どのようなことを聞けばよいのでしょうか?
大熊社労士:
 その女性社員が、すでに医師の診察を受けているのであれば、どのような治療や投薬を受け、主治医から療養上の指導や仕事を続けることについてはどのように聞いているのかを確認します。治療を受けていない場合は、現在の気持ちを聞き取った上で、専門の医師の診療を受けるように勧めたり、会社の産業医に相談するなどして、本人と共に治療の方法や仕事の仕方を考えていくようにしてください。
服部社長:
 症状によっては、しばらく休ませることも考えなければなりませんよね。
大熊社労士:
 はい、治療に専念するために休ませる場合や勤務時間を短縮する場合は、本人にそのことを理解させると同時に、職場全体でその女性社員の状態を理解させ、フォローしてあげられるような態勢を整えることが必要です。これは上司が主導で行ってください。
宮田部長:
 職場の同僚たちは思いやりがある者ばかりなので、フォロー対応を現場の社員に任せたいのですが、いけませんか?
大熊社労士大熊社労士:
 それは避けた方が良いですね。まずは、上司が入って検討するようにしてください。例え一時的であったとしても、職場の社員への説明もなく、詳しい状況がわからないまま話を進めたとすれば、事実とは異なる内容で噂が広がる可能性があります。そうなると職場がギクシャクしてしまい、フォローどころではなくなってしまいます。
福島さん:
 そうなれば、うつ症状で休んでいる社員が引け目を感じてしまい、職場に復帰することができなくなってしまうのではないでしょうか。
大熊社労士:
 そうですね。そうさせないようにする工夫とその女性社員を受け入れる雰囲気づくりをするためにも上司のコントロールが必要でしょう。
宮田部長:
 わかりました。まずは上司が面談し、本人から状態を聞くとともに、医師と相談の上、必要に応じて休ませるなどの対応をとる。そして、上司が主導で職場でのフォロー態勢を作ることにします。
服部社長:
 忙しい時期を迎えるが、宮田部長も上司や職場をバックアップするように頼むよ。


>>>to be continued


[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。今回は、うつ病の症状を示している社員への初期対応の方法について取り上げてみました。うつ病は今や大きな社会的問題になってきており、どんな小さな会社であっても「うつ病には関係ない」ということは言えなくなってきています。したがって、会社はうつ病を理解し、適切な対応をしなければなりません。また予防も考えていくべきでしょう。うつ病の症状を示している社員へ、会社がとるべき対応としては、症状や状態を正しく把握する、うつ病になった原因やその背景を確認する、医師の診断や治療方針のもとに対応を図る、仕事が耐えられるのか、耐えられなければ勤務時間を短縮したり、休職を命ずる段取りをとる、不在となる業務を職場でフォローする態勢を作る、などがあげられます。これらは上司一人で行うのではなく人事の責任者とともに対応することが必要です。それでは次回以降もしばらくこのメンタルヘルスに関する内容を取り上げて行きたいと思います。



関連blog記事
2007年12月18日「深刻化するメンタルヘルス問題:心の不調に気づくポイント」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51196396.html
2007年11月27日「公的機関等が提供するメンタルヘルス相談機関」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51175715.html
2007年11月23日「激増するメンタルヘルスに関する労働相談」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51169065.html
2007年10月19日「具体的対応が遅れるメンタルヘルス対策」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51131807.html
2007年6月15日「うつ病等のメンタルヘルス不全者への医療費助成」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/50994157.html
2007年4月13日「深刻化する企業のメンタルヘルス問題」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/50942271.html
2006年7月28日「年々深刻化する企業のメンタルヘルス問題」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/50664577.html


参考リンク
独立行政法人 労働者健康福祉機構「産業保健推進センターのご紹介」
http://www.rofuku.go.jp/sanpo/
愛知労働局「職場におけるメンタルヘルスの相談機関について」
http://www2.aichi-rodo.go.jp/topics/docs/04-06-22-1.html
大阪労働局「メンタルヘルスについて 」
http://osaka-rodo.go.jp/joken/anzen/kenko/mental.php
福岡労働局「メンタルヘルス」
http://www.fukuoka.plb.go.jp/7eisei/eisei08.html
独立行政法人 労働者健康福祉機構「勤労者心の電話相談(無料)」
http://www.rofuku.go.jp/rosaibyoin/kokoro_soudan.html


(鷹取敏昭)


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注文伝票(伝票式家内労働手帳:様式第2)

注文伝票(伝票式家内労働手帳:様式第2) 委託者が家内労働者に仕事を委託するときに、交付することになっている「家内労働手帳」の様式第2号「注文伝票」の書式(画像はクリックして拡大)です。
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[ワンポイントアドバイス]
 家内労働者の多くは、工賃で生計をたてたり、工賃を生計の補助に充てたりしていますので、突然その仕事を打ち切られると生活に対し、重大な影響を受けることになります。そのため、委託者は同じ家内労働者に継続して6ヶ月以上委託している場合には、業務の都合などによって委託を打ち切ろうとするときには、十分な予告期間をとることが求められています。

[関連法規]
家内労働法 第3条(家内労働手帳)
 委託者は、委託をするにあたっては、家内労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、家内労働手帳を交付しなければならない。
2 委託者は、委託をするつど委託をした業務の内容、工賃の単価、工賃の支払期日その他厚生労働省令で定める事項を、製造又は加工等に係る物品を受領するつど受領した物品の数量その他厚生労働省令で定める事項を、工賃を支払うつど支払った工賃の額その他厚生労働省令で定める事項を、それぞれ家内労働手帳に記入しなければならない。
3 前2項に規定するもののほか、家内労働手帳に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

家内労働法 第5条(委託の打切りの予告)
 6月をこえて継続的に同一の家内労働者に委託をしている委託者は、当該家内労働者に引き続いて継続的に委託をすることを打ち切ろうとするときは、遅滞なく、その旨を当該家内労働者に予告するように努めなければならない。


関連blog記事
2008年1月11日「家内労働死傷病届(家内労働法)」
https://roumu.com/archives/54942204.html
2008年1月10日「委託状況届(家内労働法)」
https://roumu.com/archives/54942196.html
2008年1月9日「帳簿(家内労働法)」
https://roumu.com/archives/54942185.html
2008年1月8日「受入伝票(伝票式家内労働手帳:様式第3)」
https://roumu.com/archives/54942157.html
2007年12月28日「基本委託条件の通知(伝票式家内労働手帳:様式第1)」
https://roumu.com/archives/54934669.html

 

参考リンク
厚生労働省「伝票式家内労働手帳モデル様式」
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/josei/hourei/20000401-60.htm
東京都産業労働局雇用就業部「家内労働相談コーナー」
http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/sosiki/kanairodo/conference.pdf

(福間みゆき)

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「ほどほど族」の台頭

 昨年12月7日の日本経済新聞の一面特集「働くニホン」では、最近「出世を望まないビジネスマン」が増加傾向にあるとし、「仕事に打ち込んでも報われるとは限らない。ならば、ほどほどでいい…」と考える若者達を「ほどほど族」という表現で紹介していました。こうした傾向は、私もウスウスは感じてはおりました。特に最近の若い人材にはそうした傾向を感じます。これは、最近の若い人たちの気質の問題なのでしょうか、それとも組織や社会の構造的な問題、はたまた組織における教育の問題なのでしょうか。


 気質という面から見ると、同記事の中で、日本では仕事に「意欲的でない」「どちらかというと意欲的でない」という人が計72%に達したとあります。昔から「2:6:2の法則」といわれるように、集団では必ず働き者2割、怠け者2割、どちらともつかない者が6割という比率で出現するといわれます。その法則に照らしてみると、この72%という数字も必ずしも悲観するものでもなく、ひょっとするとずっと昔からそうだったのかもしれません。確かに世の中が豊かになるにつれ、ハングリー精神が失われつつあるとか、欲のない人が多いとかいわれますが、本当にそういう(気質を持った)人材が増加しているかどうかは定かでありません。


 それでは、組織や社会の構造、組織における教育問題という面から見るとどうでしょう。組織、社会構造という点からいえば、現在と過去には大きな隔たりがあります。バブルが弾けるまでは右肩上がりの高度成長により、日本という国も、そこに属する企業集団もどんどん成長し、多くのポストを生み出し、多くのやりがいを創造してきました。ところが昨今といえば、格差社会といわれるように、企業間の格差、組織の格差、個人の格差があらゆるところで進展し、2割の人に富もやりがいも集中し、8割の人にはなかなかそうしたものが実感として得にくい構造になりつつあるのではないでしょうか。


 次に教育という点ではどうでしょうか。既に学校教育というものは、優秀なビジネスマンを輩出する上では機能しなくなっていますから、組織がその役割を担っているといっても過言ではありません。その教育の主体者である企業が、社員のモチベーションを高めるための教育を正しく行っているかという点でもいささか疑問が残ります。


 冒頭の話ではありませんが、「仕事に打ち込んでも報われるとは限らない…」という言葉にあるように、働く目的が「報われること」に重きを置きすぎている感があります。果たしてこれは正しいことでしょうか。まず一番に自分の権利を考えるような人に良い仕事ができるとは思えません。そういう考え違いをしている以上、絶対に報われないと思いますが、いまの時代はどちらかといえば、そうした「自分」が優先される時代のように感じますし、企業内教育もそうした方向でモチベーションを高めようと仕向ける傾向があるように思います。こうした間違った教育を改め、自らの(本当の)成長を実感できるような教育が、組織の中でしっかり行われれば、きっと「ほどほど族」は減っていくと思います。これは彼ら若者の問題ではなく、その若者を教育する側の問題なのです。



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(永井晶也)


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新入社員から見た職場の人間関係は想像以上に良い?

新入社員から見た職場の人間関係は想像以上に良い? 昨年末、財団法人社会経済生産性本部から「第17 回 2007 年度新入社員 半年間の意識変化調査」が発表されました。この調査は、2007年度の新入社員1,000名弱の回答を元に作成されたもので、春に行った調査との対比もされていることから、入社後半年間の意識変化が分かる内容となっています。ここでは新入社員の職場のイメージやキャリアに関する興味深い2つの結果について取り上げましょう。



職場の人間関係はほぼ9割が「期待以上」か「期待通り」
 入社前後のイメージギャップに関する設問がいくつかある中で「期待以上」という回答がもっとも多かったのが「職場の人間関係のよさ」という項目です。実に35.8%が期待以上、47.9%が期待通りと答えています。上司や先輩の立場からは新入社員のコミュニケーションの欠如に悩むという話が非常に多いのが実態であり、非常に意外な結果ではないでしょうか。新入社員の受け入れ環境が整っているというよりも、そもそもの期待レベルが非常に低かったのではないかと疑りたくなる結果です。


今の会社に一生勤めようと思っている」という回答が急増
 ここ数年、回答のパーセンテージが上がり続けている質問に「今の会社に一生勤めようと思っている」とする設問があります。2004年の秋の調査では17.5%であったにも関わらず、今年の秋の調査では、34.6%とたった3年で倍増しています(画像はクリックして拡大)。就職氷河期であれば、「せっかく入社した会社なのでこの会社で一生頑張ろう!」と思うのは理解できるのですが、この超売り手市場の就職戦線の中で就職した今年の新入社員がこのように非常に保守的な回答をしているのは、不思議でなりません。


 どこかの年を境にして、新入社員の質やマインドが変化したのでしょうか。そうであるとすれば、その変化を早く察知し、彼らのマインドにあった人事施策を効果的に打ち出していく必要があるのではないかと思います。



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2007年7月4日「新卒採用における学生への効果的なアピールポイント」
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参考リンク
財団法人 社会経済生産性本部「第17回 2007年度新入社員 半年間の意識変化調査(要旨)」
http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/mdd/activity000846.html


(宮武貴美)


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