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なぜ看護師・介護士は3年で辞めるのか?退職理由2「職場の風土」

 本日は「なぜ看護師・介護士は3年で辞めるのか?」の連載の第3回をお届けしましょう。前回は職員の早期退職問題の7つの原因のうち、最初の経営理念の浸透についての問題を取り上げましたが、本日は②の職場の風土の問題を解説したいと思います。



[職員の早期退職問題の7つの原因]
経営理念の浸透についての問題
職場の風土についての問題
組織のあり方についての問題
自分自身のキャリアアップについての問題
患者(利用者)との関係についての問題
労働条件についての問題
給与水準についての問題



 本日はこれらのうち、退職理由1「経営理念の浸透についての問題について解説しましょう。
[退職の理由]
 多くの職員は、自分自身が目指すべき医療や介護の実現に向けて仕事に励みますが、そうした勢いも数年で減退してしまうことがあります。これは、組織風土の悪さに原因があることが少なくなく、職員がお互いに足を引っ張り合ったり、あるいはそもそも職場に活気がないために自分の言動が空回りしてしまうことが、結果として組織に対しての帰属意識を著しく低下させ、働くモチベーションも合わせて低下させてしまうのです。


[退職に繋がる主な原因例]
お互いに助け合うという風土や雰囲気が見られない。
注意すべきことをお互いに注意し合えない。
職場内において自由に意見が出し合えない(上司や同僚に意見や提案を潰される)。
患者や利用者から苦情があった際に、表沙汰にせず隠蔽しようとする風土がある。
建設的な意見や提案を行うと上司に手柄を取られる。等


[定着に向けての回避策]
 残念ながら職場の風土の問題は、院長・事務長・施設長といった施設管理者に問題があることが少なくありません。施設管理者が常に職場に足を運び、職員とのコミュニケーションを十分に行っていれば、早期に様々な情報が入り、それにより現場に対する注意指導といった策を講じることができるのですが、職場風土の問題を抱える施設の多くは、施設管理者が現場に足を踏み入れることを躊躇あるいは忌避しており、結果的に情報も入らないことで職員に対して注意指導ができないといった悪循環が見られます。職員の退職の申し出に伴う面談によってはじめて現場のことを知るということでは職員の不信を増大させてしまいます。


 そうした状態に陥らないようにするには、施設管理者自身が委員会や会議に積極的に参加したり、時には職員に交じって介護者のおむつ交換や介助を一緒に行うなど、積極的に職員と触れ合う行動が求められます。管理者だから管理だけをするという姿勢では、職員の気持ちは離れていってしまいます。


 それでは次回は、退職理由3「組織のあり方についての問題」について取り上げます。



関連blog記事
2007年12月10日「なぜ看護師・介護士は3年で辞めるのか?その1」
https://roumu.com
/archives/51190709.html


(服部英治


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ご存知ですか?公的年金記録はインターネットで照会できます

ご存知ですか?公的年金記録はインターネットで照会できます 昨年は年金記録の話題が社会問題と化し、政局をも揺り動かした1年でした。昨年末からは「ねんきん特別便」も順次発送され、今後も当面、年金問題が新聞紙上を賑わせる日々が続きそうですが、そんな中、個人の年金記録をインターネット上で確認できる方法をご存知でしょうか?


 社会保険庁のホームページより、ユーザID・パスワードの発行を受け、これを利用し、インターネットから個人の国民年金・厚生年金保険の加入記録を確認することができます(画像はクリックして拡大)。確認できる項目としては、国民年金の納付状況の他、厚生年金の取得日・喪失日ならびに加入中の標準報酬月額・賞与支給金額等であり、ずいぶん細かな記録までが対象となっています。ユーザID・パスワードの発行には2週間程度が必要なりますが、この機会に申し込みを行い、過去の記録に誤りがないか、確認してみてはいかがでしょうか?



関連blog記事
2007年12月17日「本日より送付開始!話題の「ねんきん特別便」は訂正有無に関わらず返答が必要」
https://roumu.com
/archives/51195477.html
2007年12月15日「年金騒動を斬る(4)年金制度の課題」
https://roumu.com
/archives/51195457.html
2007年12月9日「年金騒動を斬る(3)年金の誤解を解く」
https://roumu.com
/archives/51189244.html
2007年11月14日「年金騒動を斬る(2)年金のそもそも論」
https://roumu.com
/archives/51163911.html
2007年11月11日「年金騒動を斬る(1)」
https://roumu.com
/archives/51156740.html


参考リンク
社会保険庁「年金個人情報提供サービス(ユーザID・パスワード)」
http://www4.sia.go.jp/sodan/nenkin/simulate/index.htm


(宮武貴美)


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日本経団連調査の役職者賃金 課長の平均は531,425円

日本経団連調査の役職者賃金 課長の平均は531,425円 昨年末、日本経団連より、「2007年6月度定期賃金調査結果」の概要という資料が発表されました。この調査は、日本経済団体連合会企業会員および東京経営者協会会員会社2,060社を対象に行われたものですが、その中に実在者モデルによる役職別賃金の調査項目がありますので、本日はこの結果についてご紹介しましょう。


 結果は左グラフ(画像はクリックして拡大)のとおりですが、部長が696,251 円(前年653,911 円)、部次長604,877 円(同561,603 円)、課長531,425 円(同506,256 円)、係長395,584 円(同380,392 円)となっています。調査対象が大企業中心のため、私の現場感覚よりも高めではありますが、役割給制度の増加や労働者派遣の規制緩和の流れの中で、職種別・役割別の賃金水準という考え方が徐々に強まっていますので、こうしたデータも賃金水準設定の際に意識しておくことが望まれます。



関連blog記事
2007年12月27日「平成19年の賃上げ実績は4年連続プラスの4,378円」
https://roumu.com
/archives/51207192.html
2007年8月21日「主要企業の昭和40年以降の賃上げの推移」
https://roumu.com
/archives/51048549.html
2007年7月21日「2007年中小企業賃上げ最終集計 結果は4,149円(1.64%)~日本経団連最終集計」
https://roumu.com
/archives/51023091.html
2007年6月7日「日本経団連による2007年賃上げ最終集計 結果は6,202円(1.90%)」
https://roumu.com
/archives/50989612.html
2007年4月1日「中小企業の2007年賃上げ 連合二次集計では4,755円(1.87%)」
https://roumu.com
/archives/50932311.html
2007年3月30日「東京都内労働組合 今年の昇給一次集計結果と過去10年間の推移」
https://roumu.com
/archives/50929482.html


参考リンク
日本経団連「「2007年6月度定期賃金調査結果」の概要」
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2007/111.pdf


(大津章敬)


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2008年1月の「人事労務のお仕事カレンダー」

 あけましておめでとうございます。今年も労務ドットコムブログをよろしくお願いします。新しい年がやってきて、平成も20年目となりました。年末調整が終わって、お正月はつかの間の休息といった方も多かったのではないかと思いますが、人事労務に携わるみなさんにとっては、ここから春先にかけてが繁忙期で、まだまだホッと息もつけない日々が続くのではないでしょうか。3ヶ月後の4月には学卒者が入社してきますが、そろそろ2009年4月入社組の採用活動も本格化してきます。説明会の内容や先行のスケジュールなども詰めておきたいところです。また4月に人事制度改定を計画されている企業のみなさんは、ここからが労働組合との交渉の大詰めというところも多いのではないでしょうか。春闘の準備といい、本当に忙しい時期になりますので、体調にはお気をつけ下さい。



[1月の主たる業務]
1月10日(木) 一括有期事業開始届(建設業)届出
主な対象事業:概算保険料160万円未満でかつ請負金額が1億9000万円未満の工事
参考リンク:兵庫労働局「一括される有期事業を始めたとき」
http://hyougo-roudoukyoku.go.jp/seido/roudou_hoken/B/hajimetatoki.htm


1月21日(月)源泉所得税の特例納付(2007年7月~12月)
参考リンク:国税庁「源泉所得税の納付期限と納期の特例 」
http://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2505.htm


1月31日(木)  12月分健康保険・厚生年金保険料の支払
参考リンク:国税庁「源泉所得税の納付期限と納期の特例 」
http://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2505.htm


1月31日(木)労働者死傷病報告書の提出(休業4日未満の10月から12月分の労災事故について報告)
参考リンク:徳島労働局 「労働者死傷病報告の提出について」
http://www.tokushima.plb.go.jp/eisei/eisei/eisei01.html
福岡労働局 「安全衛生関係様式」
http://www.fukuoka.plb.go.jp/22yoshiki/yoshiki02/index.html


1月31日(木)税務署へ法定調書(源泉徴収票・報酬等支払調書・配当・剰余金の分配支払調書・法定調書合計表)の提出
参考リンク:国税庁 タックスアンサー「法定調書」
http://www.nta.go.jp/taxanswer/hotei/houtei3.htm
国税庁 法定調書関係の手続を調べる・用紙を入手する
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/mokuji.htm


1月31日(木)市区町村への給与支払報告書の提出
提出先:受給者のその年の翌年1月1日現在の住所地の市区町村
参考リンク:広島市 給与支払報告書《総括表(一般様式・広島市様式)》の記入例
http://www.city.hiroshima.jp/www/contents/0000000000000/1111034709461/index.html



[トピックス]
平成20年4月1日よりパートタイム労働法が改正されます
参考リンク:厚生労働省「パートタイム労働法が変わります」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/06/tp0605-1b.html


平成20年4月より医療保険制度が改正されます
(1)窓口負担割合の改正
a.乳幼児の自己負担額軽減が小学校入学前までに拡大
現在、3歳未満の乳幼児については、一部負担金の割合が2割となっていますが、今後は義務教育就学前までに拡大されます。
b.70歳から74歳の方の窓口負担について
昨年の制度改正により70~74歳の方の窓口負担については、平成20年4月から2割負担に見直されることとされていましたが、平成20年4月から平成21年3月までの1年間は1割に据え置かれることになります。
(2)高齢者医療制度の新設
 老人保険制度に代わる医療制度として、「後期高齢者医療制度」(75歳以上の方が対象)が創設されます。これまで、75歳以上の方および65歳から74歳で一定の障害のある方は国民健康保険や被用者保険などの医療保険に加入しながら「老人保健制度」で医療を受けていましたが、平成20年4月からは「後期高齢者医療制度」で医療を受けることになります。現在加入している国民健康保険や被用者保険からは脱退することになります。
※ これまで健康保険や共済組合の被保険者の被扶養者であった方は、新たに保険料を負担する必要があります。平成20年4月から9月までの6か月間は無料となり、平成20年10月から平成21年3月までの6か月間は、頭割保険料額(被保険者均等割)が9割軽減された額となります。
(3)高額介護合算療養費の新設
 同一世帯の被保険者において、医療保険の患者負担と介護保険の自己負担の両方が発生している場合に、これらを合わせた額について年額での上限額を設け、負担を軽減する観点から、高額介護合算療養費が支給されます。
参考リンク:社会保険庁「医療保険制度が改正されました:平成20年4月施行」
http://www.sia.go.jp/topics/2006/n1004.html#20year


平成20年4月より特定健診、特定保険指導が始まります
 40歳以上の被保険者・被扶養者に対するメタボリックシンドロームに着目した健診・保健指導の実施が医療保険者に義務化されます。
参考リンク:厚生労働省「メタボリックシンドロームを防止しよう」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/metabo02/index.html



[今月のアクション]
2008年4月入社組内定者への情報提供
 いよいよあと3ヶ月で、学卒者が入社してきます。入社までの研修内容について連絡をとっておき、会社のことをよく知ってもらうようにしていくことが望まれます。また、内定直後は人事担当者とのつながりが中心でしたが、ここからは先輩となる社員との接触の機会をつくりたいものです。


2009年4月入社組の採用活動の準備
 今春の新入社員の受け入れ準備と同時に、その1年後である2009年4月入社組の採用活動の準備も本格化させる必要があります。選考スケジュールを確認し、会場手配など漏れがないか確認をしておきましょう。


(福間みゆき)


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年金騒動を斬る(5)宙に浮いた年金記録5千万件

[宙に浮いた年金記録5千万件]
 「ねんきん特別便」が始まった。宙に浮いた年金記録5千万件の照合の結果、平成20年3月末までに持ち主の可能性があると思われる受給者1千万人へ段階的に送られることになっている。やっとまともな対策が始まった。これは基礎年金番号制度が導入された平成9年以前から間違いなく検討されていた方法と思うが、諸事情があって先送りされてきたのだろう。年金記録が杜撰になることは、申請主義を採用した制度発足時点で想定されており(だからこその申請主義でもある)、かつ社会保険庁もずっと課題であると認識し続けていたが、抜本的な対策は遂にとられることがなかった。この一連の年金騒動をきっかけに今後はかなりの精度で照合作業が行われることになるだろうが、このしくみにかかる膨大な費用は補正予算から捻出される。当面は管理コストがかかるが、杜撰よりははるかにましではある。ネット上で手軽に自分の年金履歴が確認できるローコストな仕組みが出来るのもそう遠い話ではないだろう。


 さて最近、この照合の過程で1975万件は記録が不備で確認が難航、さらにはこのうち945万件は名寄せが現時点では不可能、という発表があった。自民党の公約?遂行ギブアップ宣言である。市町村の紙の記録を調べれば何とか照合が進むと言われているが、これには膨大な人手と時間がかかるだろう。いずれにせよ、放置し過ぎた。


[公約違反騒ぎ]
 安倍政権の前回選挙の時、「消えた年金記録を全て突合せ、最後の一人まで年金をキチンと支払う」という類の言葉があちこちで踊った。最初にこの言葉を聞いたとき、「こんなこと言っていいのかしらねぇ」と誰もが思った。完全にはできる筈がないことを、言葉足らずの表現で強弁した。「票集めのリップサービスでつまらんことを言い出したな」と感じていたが、案の定である。言質を取られることで数値の未達成を衝かれ、支持を失っていく。また、これは非常に誤解を招く表現で、すべての年金加入者が年金を受給できるかのようにも聞こえる(意図的にその誤解を狙ったのかもしれない)。制度上、一定の期間要件を満たさないと年金はゼロなのである。



関連blog記事
2007年12月17日「本日より送付開始!話題の「ねんきん特別便」は訂正有無に関わらず返答が必要」
https://roumu.com
/archives/51195477.html
2007年12月15日「年金騒動を斬る(4)年金制度の課題」
https://roumu.com
/archives/51195457.html
2007年12月9日「年金騒動を斬る(3)年金の誤解を解く」
https://roumu.com
/archives/51189244.html
2007年11月14日「年金騒動を斬る(2)年金のそもそも論」
https://roumu.com
/archives/51163911.html
2007年11月11日「年金騒動を斬る(1)」
https://roumu.com
/archives/51156740.html


(小山邦彦)


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外国人研修制度、技能実習制度とは何ですか?

 みなさん、こんにちは 大熊です。いよいよ今日は大晦日。この大熊ブログは今年の1月1日にスタートしましたので、今日でちょうど1年になります。人事労務管理の近年の重要ポイントを会話形式でできるだけ分かりやすく解説するというコンセプトで運営しておりますが、お陰様で無事、開設満1年を迎えることができました。来年も毎週、一般のみなさんにも分かりやすい内容で運営していきたいと思いますので、よろしくお願いします。


 さて、2007年最後の今回は外国人雇用の最終回をお送りします。先日、外国人雇用の基本説明を受けた宮田部長でしたが、その後の社内の検討を経て、今後、外国人の雇用を本格的に考えることとなったようです。再度相談したいという電話を受け、大熊は服部印刷を訪問しました。



宮田部長:
 大熊先生、こんにちは。我が社でもやはり人材を確保するために、外国人労働者の雇用を本格的に考えてみようと思っています。
大熊社労士:
 そうですか。
宮田部長:
 ところで、ここ数年、外国人研修制度という言葉を耳にしますが、これはどのようなものですか。
大熊社労士:
 はい、製造業を中心として、外国人研修制度を利用することが増えています。これと似たものとして、技能実習制度というものもあり、こちらの方の利用も増えているようです。先日資料を見たのですが、実際にこの5年間で研修生は1.8倍、技能実習生は2.3倍となっているそうです。
福島照美福島さん:
 すごい勢いで増えていますね。でも、いろいろと問題があるようで、以前、研修生が逃げ出さないように、会社がパスポートや預金通帳を保管していたという報道を見たことがあります。
大熊社労士:
 この他にも、強制的に賃金の一部を預金させていたこともあったようですね。制度利用の増加に伴って様々なトラブルが起きています。そもそも、この外国人研修制度は、諸外国の労働者を日本に受け入れ、1年以内の期間に様々な技術・技能・知識の修得を支援するという制度ですので、「研修」の在留資格を得て入国しているものです。在留資格一覧表を見て確認して頂きたいのですが、「研修」の場合、就労することはできません。
宮田部長:
 えっっ?確か、研修生は自動車や金属機械といった工場で働いていたと思いますが。
大熊社労士:
 ええ、そもそも研修生は労働者ではないのです。彼らはあくまで研修生であり、非実務研修と実務研修を受けることになっており、計画に基づいた育成をしていく必要があるのです。
宮田部長:
 労働者ではないとすると、具体的にどのようなことに注意が必要ですか。
大熊社労士大熊社労士:
 研修生は時間外労働や休日労働をすることができません。また、先ほどのとおり実務研修と非実務研修を受ける必要があり、その比率が2:1と決まっています。研修生を受け入れる際、研修計画書を作成することになっていますが、研修内容が記載されているにも関わらず、非実務研修を実施していない場合は不正行為と認定され、認定後3年間は研修生を受け入れることはできなくなってしまいます。よく「外国人研修・技能実習制度」とひと括り扱われることがありますが、研修と技能実習生とはまったく別物ということにも注意が必要になります。
宮田部長:
 研修生と何が異なるのですか?
大熊社労士:
 技能実習制度は、研修生の中から研修成果や技能実習計画の評価等を受けて、これらの要件を満たした場合に技能実習生になることができるというものです。
福島さん:
 在留資格に「技能実習」という資格は見当たりませんが、どの在留資格になるのですか。
大熊社労士:
 「特定活動」に該当します。特定活動は、法務大臣が個々の外国人に対して特定の範囲においてできるとしている活動のことです。これも一覧表で確認して頂きたいのですが、一定範囲で就労可とされています。
宮田部長:
 ということは、技能実習生は労働者になるのですか?
大熊社労士:
 その通りです。研修生は労働者ではなく、技能実習生は労働者ということになります。ですから技能実習生には労働基準法や最低賃金法等が適用されます。技能実習生が就いている業務は、産業別最低賃金の対象となっているケースがありますので、地域別最低賃金だけでなく産業別最低賃金の確認も必要になりますね。
宮田部長宮田部長:
 なるほど、いろいろ難しいのですね。とりあえず基本は理解できました。実際にこうした制度を利用する際にはまた具体的な相談に乗ってくださいね。


>>>to be continued


[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。今回は外国人研修・技能実習制度について取り上げてみました。ここでは、外国人留学生についてお話してみましょう。留学生というと、通訳や貿易事務といったイメージを持ってしまいがちですが、実際には販売や営業、設計業務などの分野でも活躍しています。留学生への求人については、外国人雇用サービスセンターやハローワークで受理をしています。また、「アジア人財資金構想」というアジアの優秀な留学生を招いて、ビジネスマナーを教えたり、日本語能力検定1級を取得させるなどして育成していこうという動きがあるようです。経済産業省の事業として、平成19年度より始まっており、今後注目が集まっていくでしょう。



関連blog記事
2007年12月24日「外国人労働者雇用の際の実務ポイントを教えてください」
https://roumu.com/archives/64772290.html
2007年12月17日「外国人労働者の採用で注意すべきことは何ですか?」
https://roumu.com/archives/64766619.html


参考リンク
法務省入国管理局「「研修生及び技能実習生の入国・在留管理に関する指針(平成19年改訂)」の策定について」
http://www.moj.go.jp/PRESS/071226-1.html
入国管理局「不正行為認定」
http://www.immi-moj.go.jp/seisaku/fusei.html
(財)国際研修協力機構「研修と技能実習の相違」
http://www.jitco.or.jp/contents/seido_soui.htm
中小企業庁「『アジア人財資金』構想」
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/g_book/gb091.html
東京外国人雇用サービスセンター「留学生等の日本企業への就職」
http://www.tfemploy.go.jp/jp/stud/stud_6.html


(福間みゆき)


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なぜ看護師・介護士は3年で辞めるのか?退職理由1「経営理念の浸透」

 先日より連載を開始した「なぜ看護師・介護士は3年で辞めるのか?」ですが、この連載では医療機関や・介護施設で大きな問題となっている職員の早期退職問題の原因と対策についてお話させて頂きます。前回は職員の早期退職問題の原因を以下の7つに分類しました。



経営理念の浸透についての問題
職場の風土についての問題
組織のあり方についての問題
自分自身のキャリアアップについての問題
患者(利用者)との関係についての問題
労働条件についての問題
給与水準についての問題


 本日はこれらのうち、退職理由1「経営理念の浸透についての問題について解説しましょう。
[退職の理由]
 経営理念と職員の定着の間には一見、直接的な関連性がないように思われますが、「どのような施設にしていきたいのか」といった基本的なビジョンが不明確である場合には、職員の退職の遠因となることがあります。


 経営理念は、すべての職員がその方向に向かって歩みを進めるための羅針盤のようなものです。これが不明確だと職員はそれぞれが自分勝手に「こういった施設にしていきたい」という組織像を描き、四方八方違う方向に向かうことがあります。そうなると組織としての統制や秩序は崩壊します。そして組織統制や秩序の崩壊は、サービス水準の低下や派閥の形成を初めとする人間関係の悪化をもたらし、結果として不穏な空気を職場にもたらすことになるのです。


[退職に繋がる主な原因例]
(1)法人の理念やどういった施設にしたいのかということが明確にされていない。
(2)理念や方針の意味が職員に十分に浸透されていない。
(3)施設が将来にどのような方向に進むのかが分からず、不安となる。
(4)考え方の異なる複数の派閥が組織内に跋扈しており、情報などの伝達が遮断される。等


[定着に向けての回避策]
 こうした問題を回避するためには、経営理念や施設のビジョンを明確に、かつ分かりやすく定め、職員に周知することが求められます。これはパートタイマーも含めた全職員の目線を同じ方向に向けることを目的としています。全職員が同じ方向に向かっていれば職員間の派閥は発生し難く、職員間の十分な意思疎通を通じて、患者や利用者に対してのサービス水準についても統一させることが期待できます。


 理事長室や院長室などに理念が書かれた額縁を掲げて職員いる施設もありますが、多くの場合はその補足説明や考えに至った背景が十分に職員に知らされておらず、残念ながら額縁を掲げるだけ終わってしまっているという例が多いようです。それでは、職員を同じ方向に導くことは当然不可能であり、職員間で派閥が形成されるのも無理がありません。


 そのため、施設関係者は、わかりやすく平易な表現で経営理念や目指すべき施設像を職員に対して明確に説明するなどといった対応や配慮が必要で、必要であればその理念などに基づいた行動指針を定めることも考えていかなければなりません。そして、一旦策定した理念や目指すべき施設像については、毎朝の朝礼で職員全員で唱和をしたり、定期的な会議などにおいて理念に基づいた職員の行動を表彰するなどといった方法によって、考えを刷り込ませることが求められます。経営理念を策定をしたら終わり、ということではいけません。


 それでは次回は、退職理由2「職場の風土についての問題」について取り上げます。



関連blog記事
2007年12月10日「なぜ看護師・介護士は3年で辞めるのか?その1」
https://roumu.com
/archives/51190709.html


(服部英治


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パートタイマーの就業規則未整備に関する監督署の指導状況

 改正パートタイム労働法への対応が実務家の間で大きな話題になりつつありますが、今日はこれに関し、東京労働局が発表した「短時間労働者の労働条件の状況について」という調査結果を取り上げてみましょう。これは平成19年9月から10月の間において東京の管内18労働基準監督署において監督指導を実施した事業所のうち、短時間労働者を使用する348事業場における短時間労働者の労働条件の実態を把握した調査結果です。


 これによれば、短時間労働者に係る労働基準法等関係法令違反及び労働条件の指導(以下、「違反・指導」という)が認められた事業場が61.2%あったそうです。これは通常の労働者(以下、「正社員」という)の違反率(68.4%)よりは低い数値となっていますが、これは正社員においては39.4%の事業所で割増賃金に関する違反が見られたためであり、61.2%で違反・指導が行われているという絶対的な水準に注目する必要があるように思います。


 さて、この調査結果からは、正社員と比較した短時間労働者の問題点には以下の3点があることが見えてきます。
就業規則の未作成、就業規則の意見聴取を行う労働者代表の選出に当たって短時間労働者が過半数の算定に含まれていない等
就業規則等の未周知
年次有給休暇の制度がない


 これを見ると、そもそも制度自体の作成がないがしろにされている現状が垣間見えます。これらに加え、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」に関し、有期労働契約の契約更新の有無およびその判断基準の明示の未実施の問題も少なからず認められており、今後の課題として「労働条件通知書の交付、就業規則の整備による労働条件の明確化が課題」としてまとめられています。


 来年の4月には改正パートタイム労働法が施行され、以上のような問題は更に重要性が増し、また労働基準監督署等による調査も増加が予想されます。4月の改正法施行に向けて、今から着実な対応が求められています。



関連blog記事
2007年11月2日「ダウンロード開始!平成20年4月改正パートタイム労働法対応モデル労働条件通知書」
https://roumu.com
/archives/51145821.html
2007年9月21日「平成20年4月改正 パートタイム労働法のポイント4 苦情処理・紛争解決援助」
https://roumu.com
/archives/51063284.html
2007年9月18日「平成20年4月改正 パートタイム労働法のポイント3 通常の労働者への転換の推進」
https://roumu.com
/archives/51062853.html
2007年9月11日「平成20年4月改正 パートタイム労働法のポイント2 均衡のとれた待遇の確保の促進」
https://roumu.com
/archives/51062839.html
2007年9月7日「平成20年4月改正 パートタイム労働法のポイント」
https://roumu.com
/archives/51061223.html


参考リンク
東京労働局「短時間労働者の労働条件の状況について」
http://www.roudoukyoku.go.jp/news/2007/20071214-roudoujouken/20071214-roudoujouken.html


(宮武貴美)


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2009年卒の新卒採用も激戦は必至

2009年卒の新卒採用も激戦は必至 ここ数年、企業の新卒採用意欲が非常に高い水準で推移しており、中小企業を中心に十分な質・量の学生が確保できないという状況が続いていますが、先日、リクルートより「大卒者の採用見通し調査(2009年卒)」という資料が発表されました。


 この調査は従業員規模5人以上の民間企業4,341社を対象に行われたものですが、これによれば2009年卒の新卒採用の見通しについて「増える」と回答した企業が18.0%となり、「減る」と回答した企業(6.8%)を大幅に上回ることが明らかになりました(グラフはクリックして拡大)。中でも従業員規模300人~999人の中堅企業の採用意欲が高く、20.8%もの企業が採用見通しが増えると回答しています。


 2009年卒の学卒者の採用についてはそろそろ具体的な準備を始めている企業も多いと思いますが、昨年以上の激戦になることが予想されますので、母数形成、選考、内定者フォローの各段階についての具体的な対策が求められます。



関連blog記事
2007年10月17日「2010年に予想される最大の経営課題は「人材強化」」
https://roumu.com
/archives/51128268.html
2007年10月8日「人材不足対策で大企業が退職者の再雇用策を相次いで発表」
https://roumu.com
/archives/51110572.html
2007年7月16日「多様な労働力を活用するダイバーシティマネジメントで組織を活性化」
https://roumu.com
/archives/51021392.html
2007年7月4日「新卒採用における学生への効果的なアピールポイント」
https://roumu.com
/archives/51010530.html
2007年3月6日「平成18年に本格化した企業の人材採用の状況」
https://roumu.com
/archives/50908086.html


参考リンク
リクルート「大卒者の採用見通し調査(2009年卒)」
http://www.recruit.jp/library/job/J20071225/docfile.pdf


(大津章敬)


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基本委託条件の通知(伝票式家内労働手帳:様式第1)

基本委託条件の通知(伝票式家内労働手帳:様式第1) 委託者が家内労働者に仕事を委託するときに、交付することになっている「家内労働手帳」の様式第1号「基本委託条件の通知」の書式(画像はクリックして拡大)です。
□重要度:
□官公庁への届出:不要
□法定保存期間:家内労働をやめた日から2年間保存

[ダウンロード]
WORD12
Word形式 kanai01.doc(33KB)
PDF12PDF形式 kanai01.pdf(6KB)

[ワンポイントアドバイス]
 家内労働者であっても、一般の労働者と同じように労働条件を明示することが必要になります。家内労働法ではトラブルを防止するため、委託者に家内労働手帳の交付を義務付けています。
家内労働者手帳に記入すべき事項は、下記の事項です。
家内労働者の氏名
委託者の氏名
委託した業務の内容
工賃の単価
工賃の支払方法(支払場所、支払期日、通貨以外のもので支払う場合の方法)
物品の受渡し場所、
不良品の取扱いに関する定め

 今回の書式は、次回以降に紹介する「家内労働手帳」の様式第2、3号と併せることにより上記の事項を網羅することができます。家内労働手帳は様式が定められていますが、必要な事項が記載されていれば定められた様式以外のもの(例えば伝票式のもの)でも問題ありません。厚生労働省ではモデル様式を作り普及を図っています。 また、東京都では伝票式の家内労働手帳を作成し、「労働安全相談コーナー」で無料で配布しています。

[関連法規]
家内労働法 第3条(家内労働手帳)
 委託者は、委託をするにあたっては、家内労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、家内労働手帳を交付しなければならない。
2 委託者は、委託をするつど委託をした業務の内容、工賃の単価、工賃の支払期日その他厚生労働省令で定める事項を、
製造又は加工等に係る物品を受領するつど受領した物品の数量その他厚生労働省令で定める事項を、工賃を支払うつど
支払った工賃の額その他厚生労働省令で定める事項を、それぞれ家内労働手帳に記入しなければならない。
3 前2項に規定するもののほか、家内労働手帳に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

家内労働法施行規則 第1条(家内労働手帳)
 委託者は、委託をするにあたっては、家内労働者に対し、委託に係る物品を提供するときまでに家内労働手帳を交付しなければならない。
2  家内労働法(以下「法」という。)第三条第二項の労働省令で定める事項は、次のとおりとする。
  一  委託をするつど、その年月日、納入させる物品の数量及び納品の時期
  二  製造又は加工等に係る物品を受領するつどその年月日
  三  工賃を支払うつどその年月日
3  委託者は、委託をするにあたっては、家内労働手帳に次の事項を記入しなければならない。
  一  家内労働者の氏名、性別及び生年月日並びに当該家内労働者に補助者がある場合にはその氏名、性別及び生年月日
  二  委託者の氏名、営業所の名称及び所在地並びに委託者が当該家内労働者に係る委託について代理人を置く場合にはその氏名及び住所
  三  工賃の支払場所、毎月一定期日を工賃締切日として定める場合にはその定め及び通貨以外のもので工賃を支払う場合にはその方法
  四  物品の受渡し場所
  五  不良品の取扱いに関する定めをする場合にはその定め
4  委託者は、前項各号の事項に変更があつた場合には、そのつど、変更があった事項を家内労働手帳に記入しなければならない。
5  委託者は、委託に関し、家内労働者に機械、器具その他の設備又は原材料その他の物品を自己から購入させようとする場合には、そのつど、その品名、数量及び引渡しの期日並びにその代金の額並びに決済の期日及び方法に関する事項を家内労働手帳に記入しなければならない。
6  家内労働者は、委託者が家内労働手帳に記入した事項を確認しなければならない。
7  家内労働者は、委託者が家内労働手帳に最後の記入をした日から二年間当該家内労働手帳を保存しなければならない。
8  家内労働手帳は、様式第一号による。

 


関連blog記事
2008年1月11日「家内労働死傷病届(家内労働法)」
https://roumu.com/archives/54942204.html
2008年1月10日「委託状況届(家内労働法)」
https://roumu.com/archives/54942196.html
2008年1月9日「帳簿(家内労働法)」
https://roumu.com/archives/54942185.html
2008年1月8日「受入伝票(伝票式家内労働手帳:様式第3)」
https://roumu.com/archives/54942157.html
2008年1月7日「注文伝票(伝票式家内労働手帳:様式第2)」
https://roumu.com/archives/54942145.html
参考リンク
厚生労働
省「伝票式家内労働手帳モデル様式」
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/josei/hourei/20000401-60.htm
東京都産業労働局雇用就業部「家内労働相談コーナー」
http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/sosiki/kanairodo/conference.pdf

 

 

(福間みゆき)

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